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エンジニアなう 特別編 第2回テックヒルズ 「ネイティブアプリ」vs「Webアプリ」 ~これからのアプリケーション開発のトレンド~ 潜入リポート 第2回を迎えるテックヒルズ。今回のテーマは「『ネイティブアプリ』vs『Webアプリ』~これからのアプリケーション開発のトレンド~」と題されている。スマートフォン時代に合わせてどのような技術でサービスを提供していくのか。白熱のプレゼンテーションが始まろうとしている会場に、われわれエンジニアファクトリー編集部も潜入してみた!

1.満員御礼! 第2回テックヒルズがいよいよ開催!

開演と共に壇上に現れたのは、テックヒルズの企画・運営をおこなっているCROOZ株式会社の技術取締役である小俣泰明氏。「まず話しておきたいのが、次の世代で使われる技術について決着をつけたいということです。特にスマートフォン時代に何が大事かということを、この会が終わったときに導き出したいと思っています!」と同氏が語った後、会場をすべて埋め尽くした約200名の来場者が見守るなか、「WEBアプリ派」「ネイティブアプリ派」、それぞれのプレゼンテーションが始まった。

CROOZ株式会社 小俣泰明氏

2.HTMLを知っていればチャレンジできる!

Webアプリ派を代表して最初に登壇したのは、CROOZ株式会社の渡邉真人氏だ。オライリージャパンの監訳者でもある渡邉氏のプレゼンテーションの題材はもちろん「jQuery MobileではじめるWebアプリ開発」だ。

CROOZ株式会社 渡邉真人氏

jQuery Mobileを使えば「HTMLタグさえ知っていればそれなりにカッコイイUIが作れてしまう」と語る渡邉氏。特にiOS、Android、Windows Phone、Chrome Desktop、Firefox Desktop、Intrenet Exprorerといった数々のデバイスに対応できることを強調。昨年11月にリリースされたjQuery Mobileだが、すでに関連書籍などが多数出ており注目度の高い技術であることにも触れ、アニメーションやフォーム、テーマなどを制作する実践的なデモを披露してくれた。「ページ表示の高速化のコツとしてDOMキャッシュを用いることができます」と語り、一度ダウンロードするとDOM上にキャッシュされて、次回から高速に表示される様子に会場の注目が集まっていた。

HTMLができれば誰でも作れるのが魅力

テーマも豊富に用意されている

3.インストール不要がWebアプリの武器

次に登場したのは、ネイティブアプリ撲滅!?を掲げる、株式会社ディー・エヌ・エーの紀平拓男氏。「わたしはインストールが何よりも嫌いなんです」と語り会場を沸かせた同氏によるプレゼンテーションの題材は「ExGame/ngCore HTML5開発者が伝える HTML5でアプリに迫る手法」だ。

HTML5の特長としてCanvas、SVG、CSS3といった豊富なAPIを持つところにあるという紀平氏は「これによってHTML5はアプリと同じ水準での挙動が可能になったと感じています」という。続いて実際にHTML5で作られたゲームのデモを実施(注:会場規模の関係上、ブラウザでデモを行った)。スクリーン上で再現される滑らかな描画に会場からは驚きの声が上がった。「しかし、ネイティブに比べて劣っている点もあります」という紀平氏。同氏は3DにWebGLが使えない、音楽においてはiPhone特有の制限や同時に2つの音をならせない、レンダリングの速度不足などについて語った。「とはいえ、解決策を考えていかなければなりませんね」と語る紀平氏。3Dと音楽については、必要性の有無やプラットフォームによる制約がある以上諦めるしか無いというが、速度不足についてはJavaScriptのJITが当たり前になっている現状や、iOS5以降はCanvasのGPUサポートが実現していることがポイントだという。「現在では、かなりの速度を達成できるようになっている」とその実力に手応えを感じているようだった。

株式会社ディー・エヌ・エー 紀平拓男氏

HTML5で動作する最新ゲームのデモ画面

4.一瞬のチャンスを逃さないWebアプリの可能性

続いて登場したのは株式会社カヤックの比留間和也氏だ。「最新事例に見るHTML5でつくるアプリの可能性」と題されたプレゼンテーションでは、カヤックが手がけた最新のWeb広告を例に話しが進んでいった。

「広告とWebアプリは親和性が非常に高いと感じています」と語り出した比留間氏は、事例として同社が最近手がけたキャンペーンページを次々と紹介。その動きはインタラクティブ性が高く、アニメーションや実際にユーザーが主人公を操ってゲームを楽しみながら商品をPRしていく様々な仕掛けが施されていた。Webアプリを広告に組み込んでいく有効性として、インストール不要、ブラウザさえあればプラットフォームを選ばないこと、アップデートが容易であること、簡単に楽しめるので口コミ効果が狙えることなどを挙げた。「広告は一期一会です。見て貰った瞬間を最大限に活かさないといけません」と語る比留間氏はHTML5の有効性、さらにWebアプリの可能性を強調した。

株式会社カヤック 比留間和也氏

落ちてくるポッキーを打ち落とすミニゲームが楽しめるWeb広告

作りこまれた画面で宝探しが楽しめるWeb広告

5.両方の技術を活かしてサービスを提供

プレゼンテーションのトリを務めたのは、株式会社サイバーエージェントの原一成氏。題材は「Native × Webでいいとこどり開発 ~ピグトーク~」。冒頭、仮想スマートフォン上で軽やかに動作する、アメーバピグの画面を使ったデモを行ったあと、原氏は会場に「さて、いまお見せした画面では、ネイティブアプリとWebアプリが使われていましたが、それぞれどの部分だったと思いますか?」と問いかけた。

「スマートフォン対応にあたって出された要件は『動かして下さい』というものでした」と話しを続ける原氏。PC版はFlashで動作しているが、これをスマートフォン上で再現しなくてはならなかったのだ。「OpenGLも考えましたがイニシャライズの部分でうまくいかなかったので、HTML5で対応することにしました」と原氏。非常に多く使われている画像の処理や、アニメーション速度を上げるためにGPUを効かせたデモを披露した。Webアプリのメリットについて触れた後に「ネイティブの強みはやはり速いということと、デバイスにアクセスできるところです。Webは表示に専念して、ネイティブは処理やトランジッションに専念することにしました」と語った。冒頭の問いかけの答えは、ボタン類やバナー類など固定する部分にネイティブ、アニメーションする部分にWebアプリを使っていたという種明かしをしてくれた。

株式会社サイバーエージェント 原一成氏

滑らかなモーションをみせるスマートフォン対応アメーバピグはネイティブとWebアプリのいいとこ取りで動作していた

6.大盛況のなか終焉、そして第3回テックヒルズへとつづく...

4名のエキスパートによるプレゼンテーションはここで終了したが、この後、「Webアプリ派」「ネイティブアプリ派」に分かれてのパネルディスカッションへと続いていった。
白熱のトークバトルを終え、再び登壇したCROOZ株式会社の技術取締役である小俣泰明氏はこの会の決着として「独断と偏見でネイティブアプリの勝利!!笑」と高らかに宣言した。
ただしこれはあくまで現時点での話で、近い将来Webアプリが急速に進化していくだろうと付け加えて、有意義で深みのあるイベントは幕を閉じた。

有名なスマートフォン向けWebアプリやサービスを題材に、あらゆる角度から取り組んできたエキスパート達の話しは非常に中身が濃かった。実際に新しいアイデアを掴むキッカケになった来場者も多かったのではないだろうか。次回の開催は6月中旬に予定されており、エンジニアのみなさんはぜひテックヒルズに参加していただきたいと感じたイベントだった。

「Webアプリ派」と「ネイティブアプリ派」に分かれてのパネルディスカッションでは白熱のトークバトルが繰り広げられた

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