エンジニア列伝 大手よりスピー ド感を持ったベンチャー! 反応がダイレクトなソーシャルアプリで満足感大 第2回:CROOZ 小俣 泰明 氏(取締役 技術統括担当執行役員) MK氏(コンテンツ開発部)

日本最大級の女性向けブログサイト「CROOZ blog」や、モバイルコンテンツの提供を行うCROOZ。最近では特に、初代ファミリーコンピュータの頃からの人気キャラクターを採用した「熱血硬派くにおくん」シリーズが大人気だ。若手がアイデアと技術を発揮できる現場をマネジメントする、小俣泰明氏とMK氏に話を聞いた。

(インタビュー 袖山 亜希子 構成/撮影 増田 千穂 )

やりたいことができる!ベンチャーでマネジメントは超楽しい

小俣氏は、CROOZにたどり着くまで7回の転職を重ねている。一方でK氏はエンジニアとしての職場はCROOZが初めてだ。経歴には違いのある2人だが、共に現在はCROOZでマネジメント系の業務を担当している。
小俣氏は技術統括担当であり、K氏はソーシャルゲーム開発チームのプロジェクトマネージャーだ。

袖山
現在はCROOZを支える貴重な人材である2人ですが、元々はなぜCROOZで働くことを選んだのですか?
小俣
僕の場合、転職を重ねてたどり着いたのがCROOZです。若い頃は大手に入るのが正解だと思っていました。でも、人生の中で仕事している時間って一番長いでしょう? そこが充実していないとダメだな、と気づいた。そこでベンチャー系にも目を向けてみました。ただし本当に小さい所は資金繰りが苦しかったり未成熟なところも多くて。その中で完璧な資金力を持ちながらもベンチャー気質のある会社ということでCROOZを選びました。とても居心地がいいです。
K
私はゲームが好きなので純粋にゲームを作れる会社を選んだ、という形です。
もともとは、建設系で働いており墨出しという工事に必要な寸法を測ったりする仕事です。物作りが好きなんですね。しかしどうしても好きなゲーム作りがしたいと諦めきれず勉強をしなおし再度転職活動をしました。大手のパッケージゲームメーカーなども受けましたが、一番早く返事をくれて即働いてほしいと言ってくれたのがCROOZ。私自身、早く現場に出たかったので、即決でした。うれしかったですね。
袖山
全く違うアプローチでCROOZにたどり着いたわけですね。
ところで、現在は2人ともいわゆる現場のエンジニアではなくマネジメント系ですよね? 今のポジションは楽しいですか?
小俣
楽しいというか、やりがいがありますね。マネジメントといっても、うちは少数精鋭で全員技術がわからないとダメなんです。企画専門で技術は丸投げ、なんていうのは無し。だからマネジメントする立場だとおもしろみがない、ということは全くありません。それに、企業向けにシステム開発をするのとは違い弊社の提供するサービスはコンシューマー向けで反応もダイレクト。めちゃくちゃやりがいありますよ!
K
私は、マネジメントがやれるようになって前よりずっと楽しくなったと感じています。私の場合はアプリが動いた時ではなくリリースした後のコンシューマー、世の中の反響にやりがいを感じるタイプです。だから立場もステップアップした分、自分がやりたいことを形にできる機会も増えました。やりがいと責任も多くなり達成感が余計あがるという感じですね。それに私は会社が本当に小さく少人数の頃からやってきたので会社の成長と共に自分も育ったという実感もあります。

CROOZ 取締役
技術統括担当執行役員 小俣泰明氏

CROOZ コンテンツ開発部
ソーシャルプロジェクト1
プロジェクトマネージャー MK氏

今は慎重論よりも、リスクをとってリターンを得る

現在、CROOZはソーシャルコンテンツに注力している。ソーシャルゲームが盛り上がり、急成長分野として注目されているが、この勢いは長く続かないと考える人も多い。しかし2人は強く、ソーシャルゲームの可能性を感じているという。

袖山
ソーシャルゲームの開発へ注力することに、慎重論を唱える方もいますよね?
今後もこの勢いは続くと考えますか?
小俣
確かに慎重論もあるようですが、僕は飛び込むべきだと思いますね。市場はもう確立したのでこれが消えてしまう心配はないです。実は日本のソーシャル市場って世界市場と同じくらい伸びているんです。世界規模の市場が目の前にあるのに、参入しないなんてあり得ないでしょう?
袖山
確かに。でも盛り上がっているだけに多彩な企業が参加していてすごく厳しい争いにもなっていますよね。
小俣
それはそうですが、僕はCROOZをその中で最後に生き残っている企業になりたいと思っています。
K
ソーシャルゲームで1番になりたい、というのは私も考えています。パッケージゲームを作っている大手ゲーム会社もソーシャルゲームに興味を持っていると聞きますが、そもそもパッケージゲームを作る技術とソーシャルゲームを作る技術は違います。ユーザーのニーズも違います。たとえば大作RPGをケータイでやる人はほとんどいないですよね?フィールドを歩いて、街にたどり着く頃には次の駅についちゃうし。
袖山
なるほど。ゲームの大手だからといってソーシャルで勝てるとは限らないということですね。ソーシャルゲームに関しては、CROOZの方がキャリアでは強みがあるということでしょうか。

高いパーティションのない開放的なオフィスでは、活発な意見交換も行われやすい

技術書よりもファッション誌や若い女性向けの書籍が目立つ書棚

小俣
はい。今提供中のものも、自信をもって送り出しているサービスばかりです。Kさんも今、大手ゲーム会社に勝つって言っていますし。心強いなあ!(笑)
K
いや、まあ......勝ちますよ!
小俣
ぜひ勝ちましょう! 僕は成功するためには、ゲームが好きかどうかっていうのが重要だと思うんです。この世界で勝っている人は、みんなゲームが好き。自分が好きで、本当に理解した上じゃないと良いものは作れないんですよ。
袖山
わかる気がします。作り手が、本当にいいものだと思って送り出さないと魅力がないですよね。でも、いわゆるゲーム好きな人が好むタイプのゲームとソーシャルゲームで好まれるモノ自体は違いませんか?
K
そうですね。ゲーマーが夢中になってやるようなゲームと、ソーシャルゲームで人気が出るものは違っています。私も自分が好きかどうかでは決めないですよ!
どのような需要があるのかをまずはじっくり考え応えられるモノが作れるなら実は最新技術とか盛り込む必要はないと思っています。
小俣
これなんですよ、Kさんのすごいところは。本当にすごい技術力を持っているのに、無理に使いたがらない。ユーザーに本当に満足してもらえるものを即座に提供していくことをモットーにしている価値観はとても素晴らしいじゃないですか。
袖山
なるほど。エンジニアの中には、学んだ技術を早く使いたいというタイプの方もいますが、Kさんはサービスを作る上で必要な技術を選んでいくのですね!
まさにユーザーの心を捉えるサービスをスピード感もって提供する為に、1歩引いて考えるタイプなんですね。とてもマネジメントに向いていると思います。

共通APIを作って市場を牽引?技術を磨いてトップを目指す

ソーシャルアプリが盛り上がっている今、市場拡大の勢いもあり、参入している企業の成長も著しい。その中で上を目指し続けるCROOZの2人は、エンジニアという仕事が好きかという問いに不思議そうな顔をした。好き嫌いというよりは、すでに日常に溶け込み、エンジニアであることが当たり前になっているのだという。

袖山
お2人が今後CROOZでやっていきたいことには、どんなことがありますか?
小俣
サービスとしての展開はいろいろ考えていますが‥今は秘密です。
エンジニアとして技術面で考えることと言えば何でしょう。もし自分がいちエンジニアだったらと仮定したら、やっぱり常に新しい技術を身につけたいかな(笑)技術に関しては常に走りつづけたいよね。そういえば、Kさんは勉強のための勉強ってしない感じだけど、実際はどうなんですか?
K
もちろん勉強はしていますよ。ただ、使い物にならない技術のことは外に出さないだけ。必要になった時に使える準備はしていますよ。じっくり力をためておいて、使いどころが来たらすぐに対応できるようにしておきたいですね。
袖山
やっぱり、エンジニアとしては技術の勉強や情報収集のアンテナを常に立てているのですね。では、特に注目している技術とか言語はありますか?
小俣
僕は基本だけど、HTML5、CSS ver.3、JavaScriptかな。昔はサーバ側で処理したのを端末に見せるっていう形が主流だったけれど、今はクライアント側での処理を増やす設計になってきているんです。だから、基本となるこのあたりの技術は重要ですよね。後はtwitterで優秀なエンジニアをがんがんフォローして、TLの流れから流行をつかむようにしています。

Macで軽快に情報を収集する小俣氏

デスクに戻るなりミニミーティングを始めるK氏

K
私は特定の言語というより、共通化されたAPIが欲しいと考えています。PCでのDirect Xみたいなものです。共通APIが存在するおかげで、誰が作っても核は同じという状況ができたわけですよね。だから、モバイルアプリ開発にも今後拡大していくためには、そういうコアモジュールが必要だと思っています。
小俣
それって僕に言ってる?(笑)そういうの作れよってことだよね。まぁそういう基礎技術を作って行くのは、僕の役割ですね。もし共通APIをCROOZで作れたら、完全に市場を牽引する立場になれるわけですから、魅力的ではありますね。
袖山
そういう物ができたら、またきっとソーシャルアプリ市場の成長もさらに加速するんでしょうね。CROOZ発で登場することを楽しみにしています。

アイム・ファクトリー
取締役 袖山亜希子

●プロフィール

小俣 泰明(おまた やすあき)

キャリア:
大手企業でSEやITコンサルタント→やりがいを求めてベンチャーへ
お気に入り技術:
HTML5やCSS ver.3など基本を押さえつつ流行もリサーチ

MK

キャリア:
ゲーム好きでも作り手になるのは難しいかな?と、物作りをする建築業界へ→ゲーム作りがあきらめ切れず再勉強→CROOZの成長を支えるエンジニアに!
お気に入り技術:
いろいろあるけど、勉強中のものは秘密
座右の銘:
stay Hungry
自分を動物に例えると?:
かば

●会社プロフィール

CROOZ株式会社

2001年5月設立。モバイル向けの有料・無料コンテンツの運営、モバイルショッピングサイトの運営などを手がける。特に女性向けの無料ブログサイト「CROOZ blog」と、ソーシャルゲーム「熱血硬派くにおくんシリーズ」が好調。

CROOZ株式会社

編集後記~取材を終えて~

小俣氏もK氏も、何の話題でもとても楽しそうに話すのが印象的でした。インタビュー中は笑いが絶えず、それでいて技術やビジネスについてもとことん語る。仕事を、そして自分の立場を楽しんでいるのがよくわかりました。
開発するという「行為」ではなく、サービスを送り出してレスポンスを受け取るという「結果」にやりがいを感じているという2人は、ユーザーにいかに受けるかを常に考えている。エンジニアでありながら、マーケティングの視点を持ち、高い次元で自分の夢を叶えることを楽しんでいるようだ。開発現場から一歩引き、マネジメント分野での活躍を選んで成功したエンジニアの好例だと感じました。

ITエンジニア担当
袖山亜希子

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「おもてなしエンジン」を独自開発した株式会社TAGGYで活躍のママさんエンジニア