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エンジニア列伝  キャリアなんてなんとかなるで! 3人のカワイイ子供と愛する夫。家族に支えられて活躍する、ママさんエンジニア 第3回:株式会社TAGGY 伴野由紀 氏

「おもてなしエンジン」の開発で注目されている株式会社TAGGYは、独自技術を駆使してWEB最適化を実現する企業だ。
その中で、メディアソリューション部で副部長を務める伴野由紀氏は、3人の子供を育てるママさんエンジニア。先進的な企業でエンジニアとして活躍する伴野氏に、その働き方や考え方について聞いた。

(インタビュー 久利 可奈恵 構成/撮影 増田 千穂 )

妻は外で働き、夫は家で子育て。性格に合わせた役割分担が「我が家」です

3児の母である伴野氏は、今年1月に育児休暇から業務へ復帰したばかり。
6歳、3歳、0歳という手のかかる時期の子供を抱えながらも仕事に取り組む伴野氏は、働く妻と家庭を守る夫という、多くの家庭とは逆転した役割分担で生活している。

久利
今、お子さんは旦那さんが見てくれているんですよね 旦那さんがほぼ専業主夫状態で、伴野さんが外で働くという役割分担はどうしてできたのでしょうか。
伴野
けっこう自然にですね。一時は2人ともフリーになったんですけど、さすがにフリー2人で子育ては厳しいんですよ。家も買っちゃったし。どっちかは外に出て働かないといけないね、となった時に、夫よりも私の方が外で働くのに向いているなっていうだけでした。2人目の育児が一段落した時、アイムファクトリーからTAGGYを紹介してもらって最初は業務委託でプロジェクトを担当させてもらいました。最初のうち、夫は子育てしつつ在宅で仕事......という感じだったんですが、さすがに小さい子が3人もいると仕事はムリ。
伴野
今はほぼ専業主夫でがんばってもらってます。けっこうイカツイ人なんですけど、幼稚園にバイクで送り迎えしてくれて。たぶん名物パパなんじゃないかな(笑)。
久利
すてきな旦那さんですね。お互いが納得しての役割分担は理想的ですね。確かにフリー同士の夫婦で3人の子育ては大変かも。再就職以前にも在宅で少し仕事をしていたそうですが、その頃は不安じゃなかったんでしょうか?
伴野
うーん。「なんとかなるで!」って感じだったかな。データ入力とかの内職みたいな仕事もいろいろやっていたんだけど、やっぱり金銭面では苦しいこともありましたよ。でも、今月ピンチ!みたいな本当にヤバイ時って、必ず助けが来るんですよ。ちょっと手伝ってとか、こういう仕事してみない?なんていう声がかかったりするんです。こういうのって誰にでもあることだけど、きっと見逃している人も多いんじゃないかな。
私は若い子が悩んでる時、やりたいことはやりな!って言うんです。失敗しないように予防線を張るから失敗するんだと思う。悩んでないで思い切りガツガツやれば、割と道は開けると思うんですよ。ほんと、なんとかなるで!って言いたいです(笑)。

株式会社TAGGY
メディアソリューション部 伴野由紀氏

仕事って楽しくてシンプル!「女だから」という苦労は感じません

若い頃は、段ボールを寝床にしながら会社に泊まり込むことも珍しくないほど、ガツガツと働いていたという伴野氏。それが楽しくもあり、人とのつきあいを深めるきっかけにもなったという。「20代のうちはガツガツ行け!徹夜だって実になる!」と笑いながら語るほど仕事人間の伴野氏は、なぜか結婚・出産時には退職。4年間の専業主婦生活を経験している。

久利
育児に協力的で女性が働くことにも賛成の旦那さんに、働くのが大好きな伴野さん。この組み合わせで、どうして出産時に退職しちゃったんでしょうか?産休をとって復帰しようとは思わなかったんですか?
伴野
当時努めていた会社の事情でムリだったんですよ。ただ、もし会社が対応してくれても辞めたんじゃないかな。
それに、私の中でお母さんっていうのは家にずっといるものっていう固定観念があったんですよ。母が専業主婦だったから。心の中では働きたいと思っていたし、キャリアが途切れることへの不安もあった。最初のうちは友人とやっていた仕事を在宅でこなしたりもしていたんですが、それも終わって。不安も焦りもありましたね。
夫は別に「女だから家にいろ」とか言う人ではないので、結局は自分次第なんです。自分の中の常識が破れるかどうかなんでしょうね。これって男性も同じだと思います。生まれ育った中でつちかわれた常識を、どこまで破れるか。
久利
確かに専業主婦のいる家庭で育った男性でいざ自分が共働き家庭になるとその役割分担になじめない人が多い。最近は共働きが当たり前になって若い世代のほうがどんどんフラットになっている感じがします。ではお仕事に復帰した時はどんな感じでしたか? 母だから、女だから苦労した点ってありましたか。私は女だからっていうのはなかったというか感じなかったんですが。。。

スマホの待ち受け画面は長男。
疲れた時はこの笑顔に癒されているそう。

伴野
私も女だから、という苦労はないかな。というか私は女であることを仕事の上で意識したことはないんですよ。子供の頃は男の子に生まれたかったーって思ってたタイプですし(笑)。仕事の上では女性の意見って絶対に必要ですが、家事や育児と仕事の両立に関しては夫婦でどう分業するかっていう問題ですよね。そこは社会じゃなくて家庭の問題として切り分けるべきじゃないかなあ。復帰して改めて仕事って楽!楽しい!シンプル!って思いました。一生懸命やれば評価されるし、結果が出る。思うようにならない子育てと比べるとすごくシンプルでわかりやすいんですよ。そういえば、昔大学院をやめて働き出した時にも同じようなことを感じましたね。
久利
わかります!仕事が楽しくてシンプルだと改めて気づくんですよね。納得です。働く母としても同意できます。子育ては頑張っても思うようにはなかなかならないし、もちろん、子供はかわいいんだけど~って(笑)
伴野
かわいいですよ、子供は。私の生活の基本って今はやっぱり家ですもん。働く姿勢も完全に家庭のため、子供のためだし、そしてお金はもらうモノじゃなくて稼ぐモノという意識になってます。でもやっぱり、仕事を辞めて1日べったり子供と一緒だった時には焦りがあったし、ジレンマだったんでしょうね。今は夫に預けて仕事をするようになって、少し子供と離れる時間があるおかげか、もっとストレートにかわいい!って思える気がします。

アイムファクトリー
代表取締役 久利可奈恵

産休で会社が客観的に見えてきた。男性も長期休みをとってみたら?

次女の育児が落ち着いてからTAGGYに入社した伴野氏は、その後長男出産のためにTAGGY初の産休取得者となった。男性ばかりの職場で産休第1号となった伴野氏自身にも、それを迎えるTAGGYのメンバーにも戸惑いがあったというものの、今もチームリーダーとして活躍している。

久利
お子さんと離れることでよりかわいく感じられたということですが、産休明けの会社に対しても「見え方が変わった」ことってありませんでしたか? 実は私、産休復帰後に会社への気持ちが少し冷めたのか、私が必死に働いていた会社・環境ってこんなだったっけ?と突然思った経験があるのですが(笑)。
伴野
あります!あります!数ヶ月離れると、会社というものがよく見えてくるんですよね。中を知っている人による、客観的な視点。これってすごく経営的にも貴重だと思うんですが、あまり活かされていないですよね。たいていは会社に対して冷めて辞めてしまうか、違和感を圧し殺して元通りに働くわけで......もったいないと思います。
ただ、実際に経験してみないとわからないんだろうなあとも思うんですよ。特に男性には。だから男性にもドカンと長い休暇があるといいですよね。育休に限らず、趣味のこととかで2ヶ月くらい休めるような。そうしたら、きっと会社のいろんなことが見えてくると思います。
久利
確かに。私ならそういう貴重な意見は受け入れたいし、産休明けの気持ちは涙が出るほどわかる!と思うけれど、これは経験者だからですよね。男性には今のところ難しいのかも。他に女性ならでは、というような視点ってありますか?
伴野
女性ならではというか、働くことに対して女性の方がキラキラしてる人が多いなと思います。私もですけど、女性は選択的に働いてるじゃないですか。結婚して家に入ってもいいのに、自分で働くことを選択しているわけですよね。まあそれを、好きで働いてるんだろ、とか言われるとカチンと来たりもするんですけど(笑)。

なによりも大切な存在だという子どもたち。休日はなるべくコミュニケーションをとるよう心がけている。

子育てしながら働く母同士で話も弾む

伴野
自分で働くことを選んでいるから、キラキラできるのかな。男性は働いて当たり前、家族を養って当たり前って育てられるから働くっていうこと自体にキラキラできない人が多いのかもしれませんね。
久利
そうやって考えると女性は大変な分、いろいろな生き方があって楽しいと思えますね。ところで、今後やっていきたい仕事はどんなことがありますか?
伴野
いろいろありますけど、いつか情報端末を白モノ家電レベルにしたいとは思ってます。スマートフォンが一気に流行して、携帯電話とPCの垣根がとても低くなったじゃないですか。ああいう感じで、もっと簡単にデジタルツールが使われるようになってほしいんですよね。もっと有機的にリアルの生活に絡んでいくような感じですね。
久利
なるほど。たしかにもっともっと生活の中で便利に使えるものが増えるといいですよね。母として、ビジネスパーソンとして、両面での活躍に今後も期待しています。
あと、授乳終わったら飲みに行きましょう(笑)

●プロフィール

伴野 由紀(ともの ゆき)

キャリア:
京都大学大学院在学中、化学に壁を感じる。メル友の紹介でSEとして就職。
ネット黎明期に上流工程からチャレンジ→お世話になった人の独立に伴い携帯コンテンツ系へ→携帯系やSNSなど最先端技術に携わる→31歳で結婚、出産のために退職→2人の女児を育て、仕事に復帰!→3人目として男児を産み、産休から復帰!
お気に入り技術:
スマートフォン。PCとケータイの垣根をなくしたモノに注目
座右の銘:
なんとかなるで!

●会社プロフィール

株式会社TAGGY

独自開発した要素技術「セマンンティック・クローリング技術」と「オート・タギング技術」、「シソーラス・スコアリング技術」の3つを武器に、今までは不可能とされていたWeb最適化ソリューションを開発。ターゲティング最適化テクノロジー「おもてなしエンジン」など、画期的な商品が注目されている

株式会社TAGGY

編集後記~取材を終えて~

関西出身の伴野氏は、笑いを交えながら終始軽妙に語ってくれました。はつらつとした表情には充実感もにじんでいて、「子供を育てながら働くのは大変」という周囲の抱く先入観を跳ね返しているようです。同じ子供を持つ母親として、働く女性として、とても楽しい時間を持てました。 3人の子育て、配偶者との話し合いや分担、初の産休取得者としてのプレッシャー。決して苦労のない道ではなかったはずですが「なんとかなるで!」の精神で乗り切ってきた伴野氏の笑顔はまぶしいばかり。働きながら将来の結婚・出産に不安を感じている女性にも、今子育て中の女性エンジニアにも、とても心強い先輩ではないでしょうか。

ITエンジニア担当
久利可奈恵

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株式会社フォー・クルー
田中 潤氏(代表取締役社長CTO)島澤 甲氏(ソフトウェア・プランナー)