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エンジニア列伝 別ジャンルへの転身こそが、大きなチャンス!夢中になる好奇心で転職も、プロジェクトも成功に導く 第8回Speee 遠藤雅彰 氏(開発部 テクノロジスト)

関連するキーワードが検索されたとき、いちはやく自分たちのサイトを見つけてもらえるようにチューニングを行う「SEO」を核としてビジネスを展開するSpeeeは、そのノウハウを活かしたバーティカルメディア事業や、スマートフォン向けアプリの企画・開発なども手がけている。同社のメインエンジニアとして活躍する、遠藤雅彰氏に話を聞いた。

(インタビュー 袖山 亜希子 構成/撮影 臼井隆宏 )

組込系から異分野への転職は「未経験者」としての意気込み

Speeeには10名のエンジニアが在籍しているが、その中で開発のメイン担当となるエンジニアは2名だという。そのうちの1人が、遠藤氏だ。社内基幹業務関連の開発から、SEOツール開発、事業サイト運営、ゲーム開発と現在マルチに活躍する遠藤氏のエンジニア人生は、かなり地味なところからスタートしている。

袖山
遠藤さんは、Speeeで2社目ということですが、以前は何をなさっていたのですか?
遠藤
最初に就職したところでは、組込系開発のための開発ツールを作っていました。その後、自動車関係や軍事関係の組込開発に転じました。「軍事向け」といっても機密保持の意味もあって全体をやらせてもらえるわけではなく、一部の機械だけの開発を担当していました。
袖山
縁の下の力持ち、という感じのお仕事ですね。転職を考えられたのは、その開発内容に不満があったのですか?
遠藤
開発内容に不満というわけではないですね。どちらかというと仕事環境かな。営業的に何か問題があったとき、お詫びで機能追加するから許してください、みたいなやりとりもあったりと、納得できない部分などがありました。

遠藤氏がメインで担当する、賃貸仲介サイト
「HomeRoom」仲間と記念撮影

遠藤
また開発自体、厳しくはありましたね。組込だと16キロバイトとかの低容量でものを作らないとならないんですよ。自動車向けのOSなどは制限がきつくて、特に大変でした。
袖山
確かに、その開発環境は大変だった印象を受けます.. ところで、Speeeとの出会いはどのような感じだったのでしょう?
遠藤
当時の代表と会って、すごいな、この人の下で働いてみたいなと思ったのがきっかけです。今までやってきた組込系とは全く違う分野ですから当然不安はありましたが、今までの実績やプライドを捨てて「未経験者」として入るのだから、どこに行っても同じだ、とも思いました。
私としては、自分ができることやキャパシティをどんどん広げたいですし、「いい仲間」と一緒に働けるのが理想です。それが実現できそうだとも感じました。
袖山
いい出会いだったようですね。異分野に飛び込む勇気が、今の遠藤さんに繋がっているのだと感じます。

積極的に「聞く」ことが技術習得にもプロジェクト成功にもつながる

異分野からの転職を果たした遠藤氏は、SEOツールの作成やDB技術を活かしてのメインシステム高速化などに取り組む。新たな技術を素早く吸収できた秘訣は、周囲とよく話すこと。これはプロジェクトの成功にもつながる姿勢だという。

袖山
では、Speeeに入ってからはどんなお仕事をされてきたのでしょう。SEOがSpeeeのメイン業務ですよね。そのあたりも遠藤さんは手がけられているのですか?
遠藤
SEOツールの開発や、その技術を活かした賃貸仲介サイト「HomeRoom」の事業ではメイン担当をしています。直近ではソーシャルゲームのアプリもリリースするのですが、こちらでもメイン担当です。社内の基幹システム開発も担当しています。
袖山
それはすごい!マルチな活躍ぶりですね。SEOツールというのは、どういうことに気をつかった開発をするのでしょう。

プロジェクトを成功のためには、技術習得だけではなく仲間と話し合うことが大切、と笑顔で話す遠藤氏。

遠藤
SEOの事業では、Googleのロジックを分析し、対策を考えるディレクターがいます。彼らが考えたロジックを元に、実際にSEOのための作業をするのが「SEOツール」です。たとえば、検索上位になりやすくするために衛星サイトを作るという手法があるのですが、その効率的な作成などもツールで行います。単なる誘導のためだけのサイトではなく、きちんと訪れた人にとって役立つサイトを効率的に作るわけです。 ざっくり言うと、手間をかけずになるべく早く、ディレクターのやりたいことを実現するツールを作る、という感じでしょうか。
袖山
なるほど。他社では手作業でやっているようなことを、ツールでできるようにするわけですね。では基幹システムではどのような開発をしたのでしょうか。
遠藤
メインシステムの高速化ですね。高負荷に耐えられない状態になっていたメインシステムを高速化しました。MySQLの処理で30分かかっていたものを数秒に短縮したのですが、これにはDBのノウハウが役立ちましたよ。
袖山
すごい技術ですね。そういう技術は組込系とは違うように思うのですが、他ジャンルからの転職された後、技術面で追いつくのにはどんな工夫をしましたか?
遠藤
それは勉強するしかありません。特に当社ではSEOとDBの知識は必須です。具体的には、積極的に仲間に質問しました。お互いの強みを活かすためにも、積極的に聞く姿勢は大事だと思います。
私は、失敗しないプロジェクトというのは社内関係のよいプロジェクトだと思っているんですよ。何かあればすぐに相談しあえるプロジェクトは失敗しない。自分で技術習得すればいい、というだけではなく、話し合うことが大切なのです。
袖山
すばらしいと思います。でも、短期間に技術習得をして上り詰めるとなると、プライベートな時間も相当犠牲にしているのでは?
遠藤
犠牲にしているとは思いませんが、仕事以外でも覚えたことを実験してみることは多くありますね。知っていることと知識になることは別のレイヤーです。使ってみないと実際にどこで使えるのか、どこで使ってはいけないのかがわかりません。自分なりの実験は身になりますし、実践で活用するため必要だと感じています。
袖山
なぜそこまでモチベーションを高く保てるのでしょう? なにか秘訣はありますか?
遠藤
私は好奇心が強くて、気になると眠れないたちなので...(笑)。ただ、別に全てを犠牲にして技術習得をしているわけではないですよ? 家でゲームをしながら実験を走らせて、結果を横目で見ているなんていうこともあります。 遊びでも仕事の実験でも、その時にやりたいことを全部したいんですよ。最近は自分でサイトを立ち上げることも多いですね。

チームワークを大切に、もっと人に喜ばれる仕事がしたい

袖山
同じエンジニアといっても、分野が違っていれば技術は違うもの。転職にあたって悩む方はたくさんいらっしゃいますが、遠藤さんの場合は成功事例ですね。
遠藤
大変だった仕事もありますよ。たとえば、システムトラブルに緊急対応しなければならなくなったのが、よりによって年末で。山形の実家に帰る予定がダメになってしまったこともあります。
袖山
あー..それは仕方ないのかもしれないけれど、辛いですよね...
遠藤
技術的なところでは、大規模なシステムを作る時に「DBの限界に挑戦!」みたいなことが多くて大変ですね。自分なりに工夫をしなければなりませんし、想定外のことにも対応しなければなりません。どう回避するかを考えるわけです。
でもそういう、ほかでは出来ないとか、難しいといわれることを実現して喜んでもらえるのはうれしいですし、やりがいにつながります。

世界標準となるような、人に喜ばれるサービスをSpeeeで作りたいと熱く語る。

袖山
人に喜んでもらえるとうれしい!というタイプですか?
遠藤
そうですね。どんなに高い技術があっても、人の役に立たないモノでは意味がないと思うんです。例えば二足歩行のゴミ箱とか、技術的にはすごいんだろうけれど、実際使うものと考えるとそこまで意味のないモノですよね(笑)。
やっぱり広く喜ばれるような、ありがとう。と言われるようなものを作りたいです。そのために必要ならば高い技術をどんどん投入します。ユーザーの視点も大切です。
袖山
なるほど。たしかに技術的にすごいだけでは意味がないですね。将来的にどんなものを開発していきたいとお考えですか?
遠藤
将来的には、世界中の人々の歴史を変えるサービスを作りたいと思っています。
ポータル、サーチ、ソーシャルと時代が移り変わり、その中での覇者もYahoo!、Google、Facebookと変遷してきていますが、その次の世界標準となるような、そんなサービスをSpeeeで作りたいですね。
袖山
それは期待しちゃいますね!そういえば先ほどもゲームの話が出ましたが、ゲームは好きなんですか?
遠藤
大好きですよ。たぶん1万本くらいやっているんじゃないかな。ゲーム以外だと...二足歩行のロボットとかもつくりたいですね。専門学校時代からずっと興味を持ち続けていますので。
袖山
それは楽しそうですね。仕事をする上で大切にしていることは何かありますか?
遠藤
チームで仕事をすることですね。スーパーマンが1人いても、人間である以上間違いは必ずおこります。それに、ほかのメンバーにも学びがなくなりますよね。
誰にでも、強みや尊敬できるところはあるはずです。お互いを信頼して本音で話し合える関係でなければよい仕事はできないと思っています。誰かが我慢したり譲歩したり、ため込んだりするのではなくて、意見を戦わせて納得し、お互いの意見を取り入れて進むのが、本当のチームだと思います。
袖山
確かに、そういうチームならばすばらしい仕事ができそうです。Speeeにはそういう環境がありますか?
遠藤
はい。Speeeにはさまざまな分野からエンジニアが集まっています。半数はウェブ系、残りは半導体設計だったり、インフラ系だったりいろいろです。
私自身は組込系からの転職ですが、前職の知識が全く活かせないわけではないですね。たとえば、前職で使っていた言語はCやC++やマイナー独自言語でしたけれど、今はC++を少しとJavaとかが多いわけです。一見違う技術ですが、ソースコードを読み解く能力は前職で鍛えたものが今でも活きています。オブジェクト指向関連での対応力も活かせますね。 全く違う分野のように見えても、活かせるものがある。そういう強みをお互いに活かして、融合させているのがSpeeeです。
袖山
とても魅力的な環境ですね。今後リリースされる新サービスも楽しみにしています!

アイムファクトリー
取締役 袖山亜希子

●プロフィール

遠藤 雅彰(えんどう まさあき)

キャリア:
高校まで文系だったが情報系の専門学校に進学し、卒業制作ではロボットを製作
→卒業後は組み込み系を得意とする開発会社に入社、3年勤務した後、Speeeに転職
→現在は開発メイン担当として、同社の新事業・ソーシャルゲーム事業の開発などに注力中。
お気に入り技術:
FPGA
座右の銘:
行動こそ真実
自分を動物にたとえると?:
リス・猫..
休日の過ごし方は?:
彼女とデート。それ以外は新宿で服を買ったり、秋葉原のゲームセンターで格闘ゲームをしたり、パーツを見たりとふらふらと出歩くのが好き。

●会社プロフィール

株式会社Speee

2007年にモバイル向けのSEOサービスをメイン事業として創業。現在はモバイルに限らずあらゆる分野へのSEO技術提供と、そのノウハウを活かしたバーティカルメディア事業などを展開。さらに現在普及中のスマートフォン向けソーシャルゲームアプリにも進出し、さらなる躍進を狙う。

株式会社Speee

編集後記~取材を終えて~

エンジニアからエンジニアへの転職といえども、組込系からウェブ系というジャンル違いの転職を果たした上に、トップエンジニアとなった遠藤さん。その技術習得に対する姿勢や、プロジェクトを成功させるための秘訣など、非常に積極的ではっきりとした考えを持っている人という印象を持ちました。 技術に没頭しているようでありながらゲームや彼女とのデートを楽しんでいるなど、生活が充実している様子も素敵です。

ITエンジニア担当
袖山亜希子

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