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エンジニア列伝 目指すは、2年間に
100の新サービス!BtoBからBtoCへ大転身したエンジニアが新事業を牽引 第10回:株式会社サイバーエージェント 前川健一 氏 (ネットビジネス総合事業本部 インキュベーション室 プロジェクトマネージャー)

「アメーバピグ」をはじめ、さまざまなコミュニケーションサービスを展開するサイバーエージェント。今回「Ameba」「ネット広告ビジネス」に続く新たな「第3の柱」を確立するため、ネットビジネス総合事業本部を立ち上げたという。リーダーとして活躍する前川健一氏は、BtoB業界から異例の転向を果たしたエンジニアだ。

(インタビュー 袖山 亜希子 構成/撮影 中山一弘 )

BtoBからBtoCへ。よりユーザーを身近に感じる現場への転職

元々はBtoB業界で金融系のシステム開発・運用に携わっていたという前川氏。「もっと使った人の反応を近くで知りたい!」と、ユーザーの反応がダイレクトに届くBtoC業界へと転身したという。

袖山

新入社員の方には名前を書いたバルーンで歓迎する
風土も面白い

金融系からネット系企業というのも、お堅いところからずいぶんフランクな感じへという印象ですね。180度違う分野への転換というか。
前川
前職では大きなプロジェクトばかりで、自分の開発したものがどういうシステムのどの部分で、どんな役に立つものかというのが全然分からなかったんです。リリース後にユーザーからのフィードバックもありませんし、もっとユーザー目線に立ったサービスを作りたいと思いBtoCの業界へ飛び込みました。
袖山
BtoBからBtoCはもう全く違う業界ですよね。最初はどういったものを担当されたのですか?
前川
一番最初に担当したのは、他社のブログで書いていた記事を簡単に「Ameba」へ移行できる「お引越しサービス」です。2009年の8月ごろには「Amebaなう」というサービスに携わりました。ちょうどTwitterが徐々に浸透してきた時期ですね。この頃は「MySQL」というミドルウェアがスタンダードだったのですけど、スピードやパフォーマンス的に厳しくて。そこで当時、日本でも採用事例がほとんどなかった「Redis」を使いました。いくつか技術検証していたなかで、これが1番いいかなと。もちろん上手くいった部分だけではなく、英語の文献を調べながらという苦労もありました。
袖山
使った事例がないものを起用したんですか!金融系ではまず通りませんよね。
前川
そうですね、前職では考えられませんでした。今はどんな技術を使って実現するかという部分でも「こんなに自由でいいの?」というくらい決定権があります。
袖山
要するに「ちゃんと動くなら何でもいいよ」みたいな考え方ですよね(笑)
前川
もちろん安定してることが前提で、責任もセットにはなりますけどね。そうした裁量というか、自分の好きなものを作っていけるという部分は大きいです。エンドユーザーが、どう使っているか目の当たりにもできますし。
もちろん厳しいものも多いですけど、以前はいい反応が聞けた時の喜びもなかなか感じられなかったので、異動の動機としては狙い通りに十分満たされてます。最初はドキュメントもありませんでしたし、指示もないのでちょっと戸惑いましたけど(笑)

進化するスマートフォン技術への期待

そんな前川氏が急成長する分野として注目するのが、スマートフォンだ。10年前には考えられなかったサービスが実現している今、これからどのように進化していくのだろう。

袖山
新しい技術へ挑戦されてきた前川さんの個人的な見解で結構なのですが、技術者という視点で興味があるものは何でしょうか?
前川
スマートフォンでのUIですね。これまでやってきたところと少し違う畑になりますが、とくに使い勝手の部分が気になります。単純なアプリだったとしても、気持ち良く使えるからと評価の高いアプリもありますよね。
袖山
やっぱりプラットフォームとして気になるのはAndroid系ですか?iOS系ですか?
前川
両方です。直近で注力しているのは、ブラウザがあれば閲覧できる、触れられるアプリといいますか、ブラウザサービスですね。それを1つ作っておけば両方のプラットフォームで使ってもらえます。

スマートフォンのUIに技術者としての視点を向ける 前川氏。使い勝手の良いアプリの開発を目指す。

袖山
確かに、ブラウザベースのアプリを組むのが得意な人には入りやすいですね。
前川
そうですね。当社にはPCのノウハウはあるので、そこをやりながらネイティブでのアプリを開発していきたいと思います。アプリだと触った楽しさとか色々な部分を追求できるのですけど、開発にはまだ時間がかかるので、長い目で見て少しずつ育てていく形をとっています。
袖山
まだ浸透しきれていないインターフェースですから、時間がかかるのも仕方ないし、未知数な部分も多いですね。
前川
そうですね。とはいえ、まだスマートフォンに登場していないサービスも多々ありますから、早いもの勝ちといった部分は意識したいです。
袖山
のんびりしてばかりもいられませんよね。やはりスピード感も求められますから、兼ね備えていかないと、という感じでしょうか。
前川
新しい技術はどんどん出てくるので、キャッチアップする能力は求められるでしょうね。あとは技術的な部分だけでなく、スマートフォンユーザーのトレンドに敏感なことでしょうか。
袖山
今は何が当たるか全く分からないですもんね。臆せずにチャレンジしていくエンジニアが求められそうです。

2年間で100個のサービスを世の中に送り出すことが目標

サイバーエージェントはその名の通り、かつてはインターネット広告事業が中心だった。しかし、今や「Ameba」をはじめとするインターネットメディア事業が収益の柱になっている。今後の目標は、第2・第3の「Ameba」となるサービスをつくり、スマートフォンメディア市場で大きなシェアを取ることだ。

袖山
今回、新たに立ち上げられたネットビジネス総合事業本部についてお伺いしたのですが、これはどういった部署なのですか?
前川
2011年10月より、ネット広告事業の部署を発展させてBtoCの新事業を開発・運営していこうと立ち上がりました。数値的には2年間で100のサービスを目標としているので、非常に多くのエンジニアを必要としています。
袖山
100個も!2年で100とはすごいですね。御社は広告代理店というイメージが強いですが、このサービスもそれに準じたBtoBビジネスになるのでしょうか?
前川
基本的にはBtoCだけで、スマートフォン向けのサービスを目指しています。当社が得意としているAmebaのようなコミュニティ、例えば女性向けやビジネスマン向け、細分化されてきているユーザーにあわせた特化型コミュニティとか、ゲームにも一部トライしてみたいですね。
袖山
なるほど。スマートフォンで展開する、コンシューマ向けサービスというのが根本なのですね。今の段階ではどのくらい出てきているのでしょうか?
前川
動いているのは30くらいで、実際にサービスインしているのはまだ2、3といったところです。現在は、もともと営業職であった人間が企画職やプロデューサーへジョブチェンジしていますが、エンジニアやクリエイターなど、サービスを作れる人たちが全く足らないといった状態ですね。

社内では外国籍エンジニアの活躍も目立つ

サイバーエージェントのロゴモチーフを活かして作ら
れた「Ameba」のロゴ。

袖山
採用もかなり活発にされていますよね。これまでどのような方が入社されたのですか?
前川

新たに新設されたネットビジネス総合事業本部について
これからの目標を熱く語る

外国の方やフリーでやっていた方などさまざまですが、共通しているのは「ずっと技術者としてやっていきたい」という方ばかりですね。私自身は入社してから色々と自由にやらせてもらっていたと思います。また、これからは入ってきてくれる人たちが技術的なことへ思い通りトライできる環境を整備していきたいと考えています。
袖山
エンジニアの挑戦を見てみたいという感じですね。
前川
そうですね。これまで楽しい経験が出来たので、これから来られる方にもそうした部分を楽しんでいただけたらと思います。
袖山
これは先輩から後輩へ、とっても力強いお言葉ですね。これから登場するサービスを楽しみにしています。

●プロフィール

前川 健一(まえかわ けんいち)

お気に入り技術:
元来サーバーサイドエンジニアですので、各種KVSでのレスポンスUPの追求が好きです。
最近はスマホ側各技術(Objective-C,JavaScript,HTML5,CSS3)もより深堀りしなきゃと思っています。
座右の銘:
「笑う門には福来る」。ユーザーの笑顔が僕らのエネルギーなので、多くの人が楽しめるサービスを産み出すべく、技術の追求をしています。
自分を動物にたとえると?:
ゾウ(動物占いがそうだったので..)
休日の過ごし方は?:
天気の良い日は食べ歩き、天気の悪い日は引き蘢り。

●会社プロフィール

株式会社サイバーエージェント

ブログを基盤としたコミュニケーションサービスを展開する「Ameba」を運営する。著名人や芸能人をはじめとしたブロガーが集う「アメーバピグ」など、国内No.1のブログサービスとして成長している。21世紀を代表する会社を目指し、新たなサービス展開を企画している。

株式会社CyberAgent

編集後記~取材を終えて~

BtoBからBtoCへの転換を大成功させ、新たなサービスへ挑戦のしやすさ、エンドユーザーの反応がよくわかる現状にとても満足されている様子が伺えました。これからは他のエンジニアの成長を見守りたいという力強い言葉に、ぜひ挑戦してみたい!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ITエンジニア担当
袖山亜希子

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