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エンジニア列伝 「eラーニングからECへ」異なる業種への転職で、キャリアとスキルが大幅にアップ!第12回:ソフトクリエイトホールディングスグループ 株式会社ecbeing 阿久津慶介氏

エンジニアであれば、自分を新しい領域で試してみたいと思うこともあるだろう。好奇心、向上心、チャレンジ精神、様々な理由から、現状を打破してキャリアやスキルをアップさせたいと願う人は多い。今回はまったく新しい世界へと踏み込むことで、見事にキャリアアップを成し遂げている阿久津慶介氏に話しを伺ってみた。

(インタビュー 久利 可奈恵 構成/撮影 エンジニア・ファクトリー編集部 )

エンジニアが見積りまで作る。未知の世界への挑戦

株式会社ecbeingに入社し、2年半を迎える阿久津慶介氏(以降、阿久津)。彼にとって転職とは何か? 決意に至った経緯と現状を聞いてみた。

久利

ソフトクリエイトホールディングスグループ
株式会社ecbeing 阿久津慶介氏

異業種間の転職だったそうですが、前職はどのような業種だったのですか?
阿久津
この会社に入社したのが、今からおよそ2年半前の2010年の4月です。
以前は教育系の企業で、eラーニングのパッケージベースのSIをやっていました。その企業では、学生時代からアルバイトという形で働いていて、社長に声を掛けられてそのまま一緒にやっていた感じです。社員として約5年ぐらい働いていましたが、eラーニングは市場も広くないですし、案件としても小規模なものが多かったですね。プロジェクトでは、主に教育部門の方が担当の場合が多かったので、ITに関するエキスパートの方が登場するケースが少なく、プロジェクトの内容が緩くなりやすかったです。
そんな感じだったので、全体的な業務としては決して"SIちっく"ではなかったと思います。そこで他業種やもっと大きなフィールドで自分は通用するのか確かめたかったんです。
久利
そこで転職を決意した訳ですね。今の会社へ来られて変化はありましたか?
阿久津
まず、スピード感が全く違いますね。体感的にはひとつの案件をこなすスピードが倍ぐらいは変わった気がします。それに案件の規模も変わりました。金額的にもウン百万円程度の業務が多かったのに対し、ECではウン千万円が当たり前です。個人的にはそういった大きな規模での仕事を求めていたので、やりたかったことができていると実感しました。
久利
それなりに大きな規模の業務を自らの手で動かしていきたいと思っていたのですね。ちなみに、前職はどのようなポジションで、どんな言語を使っていたのですか?
阿久津
PG兼PLですかね。どっちもやってました。言語に関しては、オープン系、レガシーASPとPHPがメインでした。こちらに来てからはVB、.NETが主流なのですが、入社当初、それを言われた時に不安はありました。ですが、1週間ぐらい勉強したところ、そこはすんなりといけましたね。
久利
言語は割とスムーズに移行できたのですね。案件の規模が大きくなってプラスに働いている部分ってどこでしょう?
阿久津
大きな変化としては、大規模な案件を全て直請けでやるようになったことです。
あとはパートナーと一緒に対応する案件もあるのですが、パートナー自体のレベルも高い。ですから、必然的に我々もそれについていかなくてはなりません。案件の金額的な違いだけでなく、その中で付き合う相手も大きく変わってくるので、私にとってはそこも収穫でした。それと、当社では我々エンジニアが見積りから作るので、その精度も問われます。
久利
見積りに絡めるエンジニアは少ないですよね。
阿久津
ここへ来てびっくりしたんですが、開発チームが見積りを全部書いているんですよ。前職は営業チームがお客様のフトコロを探って、開発で危なそうな部分を詰めて金額を決めていました。エンジニアの世界でいうところの見積りって営業ありきみたいなところがあるじゃないですか。しかし、当社では開発チームがキッチリ詰めて金額を出していくので、見積りの精度が甘いと大変なことになります。
久利
阿久津さんの若さで大規模案件の見積りまでやっているんですね。責任の大きさや範疇はかなりの自信に繋がるのではないですか?やる気がある人にとって、こんな恵まれた環境は無いですよね。
阿久津
そうなんです! 結論から言うと、そういうことになっちゃうんです。まず、前提として任せてもらえるっていうのがあって、任せてもらったことに応えるべく、どんどん上長にアピールしていけば、期待に見合ったフィールドを用意してもらえる。
正直なことを言うと、少数精鋭でこじんまりやりたいという人は、私のいる環境には向いていないかも知れません。どちらかというと、自分をアピールして前向きに大きくなっていこうという人はこの会社に合っていると思います。
久利
会社としては前を向いている人を採りたいわけで、文化とかモチベーションとか感じて自分を出していった方が良いのでしょうね。でも、エンジニアの中には自分の範疇の仕事にしか興味が無いという傾向がある人が居ますよね。阿久津さんの所属しているチームはどのような編成ですか?
阿久津
基本的に私はグループ内でチームを持ってやっています。全体で8名、協力会社の方もいるので入れ替わりで多少変わりますが、年齢的にも若いチームです。
他にも若くて活発なチームがグループ内にはありますから、業務に対して垣根を作ることって良くないとも思います。チームを飛び越えてどんどん仕事をしていかないといけません。そこで、私の分はこれだからってやってしまうとNGですね。私もエンジニアでありプログラマーだったので、そういう姿勢を根本には持ってはいたんですけど....(笑)
久利
そこを守らないと全部の責任が来るんじゃ無いかっていう恐怖感があるんですよね。
阿久津
そうなんです。設計書渡されて、「これやって」と言われたらそれを的確にやっていくというのがプログラマーなんですけど、それだけを守って仕事をしていたのではダメなんです。そこ以外を見られるような人じゃないとリーダーにはなれない。

変化が激しい業界だからこそ楽しい!

ECは一般的になったとはいえ、歴史的に見ればまだまだ新しい領域の業界。そんな中でチャレンジを続ける気持ちを伺ってみよう。

久利
EC業界は、大手モールがシステムを刷新していたりするのが、私達にも見えるじゃないですか。そういう事もあって、業界全体が盛り上がるんだろうなっていうのは感じます。自社の製品をこうしていかなくてはというような、外部的なアンテナを張ってブームを掴んだりはするのですか?
阿久津
私が居るのが開発部門になってしまうので、外部でどういう動きがあるかとか部内で話し合っているかというとそこまではやってません。案件の話が中心になってしまいます。 でも、私自身がECサイトを使って買い物をするユーザーの一人だったりするので、そこはもう敏感です(笑)。ユーザーの立場で感じたことを「ここは、こういう方がいいんじゃないですか?」というように提案したりもします。

トレンドやブームには常にアンテナを張っている
という阿久津氏

久利
最近ではネット接続できるデバイスの種類がどんどん増えてますよね。その辺りの対応とかも考えますか?
阿久津
仰る通り、ECサイトを活用できるデバイスはとにかく多いです。PC、ガラケー、スマホ、最近ではWin8の登場でタブレットPC...... 特に、タブレットは1回波が来ると思ってます。ですから、デバイスに関するトレンドやブームを部内でチェックするようなことは特にしていませんが、個人的には興味を持っていますね。
久利
昔は携帯電話のデバイスごとにゲームをリプレースしていた時代もありましたね。そういった対応は今でもあったりするんじゃないですか。
阿久津
そうですね。スマホ用のサイトをタブレットにそのまま転用ということはできないと思います。タブレットは画角的にはPCに近い。とはいえ、PCほど操作性は良くない。タブレットが増えていく中で、それに合わせたサイト構成への需要は高まるでしょうね。
久利
そうなると作り込みというか、買いやすくする導線をどこに持ってきたりとか、UI設計が重要になりますよね。
阿久津
もちろん私も注目していますし、今後得るべき知識はそこかなと思っています。今のところは、まだ新しいデバイス向けの業務は無いのですが、早くタブレットPCなどに最適化するような案件に携わってみたいと思っています。

キャリアプランが描きやすい職場

新しい職場へ来て約2年半を過ごした阿久津氏。自身のキャリアアップやスキルアップは成功しているのか、その胸中を伺ってみた

久利
仕事をしていく中で、プレッシャーを感じたりもしますか?
阿久津
見積りや設計書はまだまだ緊張しますね。私が書くときもありますが、他のメンバーが書いた書類を確認したときに、どうしても忙しさに応じてレビュー密度にバラツキがある。そんなときは私も不安になったりします。もちろん、そうした書類は私のチェックだけでなく、周囲に協力を仰いで追加チェックをしていますから、最終的には品質が担保されるようにしています。
久利
見積りをはじめとした書類を上手く回せるようになった人が今ではどういう立ち位置にいるとか、現在・未来をイメージしやすい環境ですか?

責任感もあるがやり甲斐もある!と語る。

阿久津
見えやすいと思いますよ。プログラマーだった時代は、開発できるようになり、設計もできるようになりました。そして設計できるようになったら全体が見られるようになり、PLの仕事がやれるようになった。ここでの業務では、メンバー管理、コスト管理ができるようになったので、次はその規模を大きくしてグループを作っていきたいという想いはありますね。
久利
キャリアプランが描きやすいということですね。例えば、先輩や上長が同じように立ち位置を変えていった姿を見て、自分のキャリアが描きやすくなったというような事はありましたか?
阿久津
うちのグループ長がそういう人です。私とグループ長はチーム時代から一緒にやっていますが、現在のグループ長と私、それに後輩の3人で始めたんですよ。それが現在では30人ぐらいの体制になっていて、私もそれと同時にチームリーダーに引き上げていただいたんです。その流れがどんどん連鎖していくというのを、グループ長も目指していると思います。
久利
これからEC業界に転職、就職する人に対して何か要望とかありますか?
阿久津
私の業務視点になりますが、やはり向上心を持ってお客様と向き合うことが一番重要ではないでしょうか。お客様から連絡がどんどん入ってきますし、コミュニケーション能力に自信がある人や、お客様の前に出て行くことに物怖じしない人に向いていると思います。
あとは業務に対して広い視野を持って、どんどん大きいことをしていこうという人は基本的に合っていると思います。どちらかというとスペシャリストという観点ではなく、大きな仕事をしたい人とか、広い範囲で仕事をしたい、見積りも書きたい、コーディングもしたい、設計もしたい、お客様との折衝もしたい、何でもやりたい人はまず向いています。特に、私の会社では、そのフィールドも用意されますし、結果も出しやすいです。
久利
最後に、阿久津さんご自身の今後の目標をお聞かせください。
阿久津
チームを任せられているところがあるので、チームの運営をうまくやっていきたいですね。チームの中には私が直接担当している案件だけでなく、何件かの案件が同時に走っています。今までそこまで広い視野で仕事をしたことはありませんでしたが、全体を見ているという立場でチームを安定させて収益を上げていくというのが目標ですね。
久利
ダイナミックでやりがいありそうですね。エンジニアって収益を上げるという観点で話ができる人は少ないですし......
阿久津
もちろんその分責任もありますが、一度にたくさんいろんなことができる部分も大きいと思います。仕事をしていて面白いし、やり甲斐もありますね。
久利
楽しいお話をありがとうございました!

アイムファクトリー
代表取締役 久利 可奈恵

●プロフィール

阿久津 慶介(あくつ けいすけ)

キャリア:
EC開発統轄部 開発第6グループ システムエンジニア
→eラーニングのシステム開発を業務とする企業にエンジニアとして就職。
→2010年4月、株式会社ソフトクリエイト(現、ソフトクリエイトホールディングスグループ 株式会社ecbeing)に入社。
注目している技術:
タブレットPCのUIに合わせたECサイト構築
休日の過ごし方は?:
大の釣り好きだが、子供が小さいため、家族会議で釣行回数を限定されているのが悩み...... 愛妻にiPadをねだっています(笑)

●会社プロフィール

ソフトクリエイトホールディングスグループ 株式会社ecbeing

1999年 自社開発のパソコン通販ショップ「特価COM」にてネット通販を開始。同ショップは初年度より成功を収め、同時に通販システムをECサイト構築パッケージ「ecbeing」として製品化。以降、ノウハウを集積しながら進化を遂げ、現在でも業界No.1のシェアを維持している。
また、同社は東証一部株式会社ソフトクリエイトホールディングスの100%子会社でもあり、あらゆる業界に高い信頼と実績を持っている。株式会社ソフトクリエイトホールディングスでは、ここで紹介したecbeingをはじめ、SI、ソフトウェアプロダクトメーカーなど、幅広いサービスで多岐に渡る顧客のニーズを満たすベストパートナーを目指している。

ソフトクリエイトホールディングスグループ

ソフトクリエイトホールディングスグループ 株式会社ecbeing 代表取締役社長にお伺いする!EC業界の動向とそこで働くために必要なスキル!

何とここで、株式会社ecbeingの代表取締役社長 林 雅也氏がインタビュールームに登場!
せっかくなのでEC業界における同社の取り組みや考え方などを伺った。

久利
EC業界は比較的新しいビジネススタイルですよね?
歴史としてはまだまだ浅いですね。新しい領域であるが故に、若手が活躍できる機会も多く、エンジニアにとっては面白いのではないでしょうか。
ある意味、チャンスが多い業界だと思います。
久利
最近のニュースを見ても、ECの話が多いですよね。いろんなパッケージを用意して小さい会社もどんどん出てきてますよね。
そうなんですよ。そこで重要なのがエンジニアの顧客マインドです。
店舗とECの繋がりは非常に強いので、エンジニアはある程度顧客マインドを持っていて、なおかつ、システム基盤に詳しくないといけない。お客様は相談相手を求めている部分がありますから、そこにスピーディーに正確に対応していける人材がやっぱり必要になるのです。

ソフトクリエイトホールディングスグループ
株式会社ecbeing 代表取締役社長 林 雅也氏

久利
なるほど、当たり前のようにエンジニアもお客様と接点を持てって、言っている会社って少ないんですよ。先ほど阿久津さんにもお伺いしましたが、お客様に対して見積りまで責任を持って業務に向かうというのは特に少ないと思います。
通常ですと営業チームが相手との窓口になるケースも多いと思いますが、開発チームが直接お客様にあたるというお話ですよね。
そういう意味では、あまり厳密に営業はここまでといった範囲で区切ろうとしていません。やはりお客様のスピード感がありますから、エンジニアが「営業を通してください」などと言っていては、良いサービスが提供できません。
久利
一方で、仕事を取ってくるのは営業だっていう文化を引きずっている会社も多くて、SIでも「受注をしてきた営業が偉いんだ」みたいな風潮が今でも残っているところもよく見かけます。御社の業務を拝聴していると、新しい文化を築いておられるんだと、ものすごく感銘を受けますね。
その辺りの感覚は、おそらくシステムの領域によって違うんでしょうね。例えば、基幹系だったら、しっかり作り込んでいかないといけない部分も多いのでしょうが、我々の業務はマーケティングの部分ですからね。
ただし、我々の業界もセキュリティや個人情報保護に関係してくるシステム構築もありますから、そこは固くやっています。ですから、単純にチャレンジしたいとか、新しいものが好きだというだけでは困ります。セキュリティや個人情報保護といった比較的地味なところもやらなくてはいけませんから、責任感もあり、好奇心もあるけど、忍耐力もしっかりある。それでいて、お客様とのコミュニケーション能力の高い人を採用するケースが多いですね。
久利
今後の採用方針はどのようにお考えですか?
お客様のところできちんと相談できて、サイトのブラッシュアップもしていけるような、カウンターになれる人が必要だと考えています。この業種は、比較的マーケティング寄りのこともやっていきたいし、それでいて、ある程度スキルも持っておきたいしと考える人には向いているんじゃないかと思います。
久利
お忙しい中、飛び入り参加して頂き ありがとうございました!

インタビュー後は笑顔で記念撮影

編集後記~取材を終えて~

久しぶりに取材に行きましたが会社の勢いをとても感じられて新鮮でした。イキイキ仕事をしている雰囲気と合わせてキャリアアップに汗を流している姿が本当に素敵でした。今までやってなかった事に挑戦して輝いていく事は簡単なようで難しいですよね。エンジニアがとても憧れるキーワードである「上流工程から保守まで一貫して対応する事」や「見積りから開発までを担当」という素晴らしい経験がここには揃っていました。

ITエンジニア担当
久利 可奈恵

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