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エンジニア列伝 急成長する電子書籍業界。競争が激化するなかエンジニア達は何を想い仕事をしているのか?~トレンドとやりがいを求めて~第13回:株式会社イーブックイニシアティブジャパン  久野 洋次郎氏 畠山 涼子氏

エンジニアの職業には常駐型の業務がかなりの割合で含まれる。
業種的な特長として、当たり前の事でもあるが、流れの中で与えられた仕事をこなすということにストレスを感じる人は意外に多い。電子書籍という新しい分野へ向け、挑戦し自らのキャリア再構築を求めて転職した二人のエンジニアはどのように考えていたのだろう?

(インタビュー、構成/撮影 エンジニア・ファクトリー久利 )

客先常駐から自社サービスへ。電子書籍という最先端のサービスでキャリアを築く!

エンドユーザの立場で仕事をこなしたい、自発的にプロジェクトを動かしたい、そう考える人は多いが実行へ移すのは難しい。ひとつのハードルを越え、新分野で活躍する久野氏と畠山さんに話を伺った。

久利

株式会社イーブック
イニシアティブジャパン
久野 洋次郎氏

イーブックへ来られる前にはどのような職業に就かれていましたか?
久野
Web制作会社に勤めていました。そこではデザインエンジニアや営業的に活動するプロデューサー、プロジェクトのメンバーマネジメントなどをしていました。
畠山
私は派遣型の企業に勤めていたので、他の会社にいつも常駐して開発を行っていました。そこではスマートフォン向けのサービスの実装部分を担当していました。
久利
転職をしようと思ったきっかけはどのようなものでしたか?
久野
サービスにもっと深く関わりたいと思ったからです。
それまではWEB制作会社で複数の案件を受託する形で仕事をしていたのですが、出来る事の限界を感じていました。「もっとこうしたい!」という想いが強くなり、それなら事業者としてデザインやサービスを動かしたいと考え始めました。
そんな時にイーブックと出会い、ここなら経験が活かせると思い5年前に転職してきました。
畠山
私も常駐先で開発を支援する派遣型ではなく、自社のサービスを開発する立場となって働きたいと思っていました。そこでアイムファクトリーさんに相談したとき、イーブックをご紹介していただいたのです。私は今までサーバサイドの開発がメインでしたがこちらではアプリ側の開発なので、前職とは違う新しい事も経験できると思いました。イーブックへ転職してまだ半年ですが、環境やサービスががらりと変わり、覚えることも多くて新鮮ですね。
久利
イーブックへ転職が決まり、実際に仕事をされてみてどのような印象を受けましたか?
久野
電子書籍といってもEC業界と同じで、とにかく商材の幅が広いです。サービスとしても範囲が広く、各方面のスペシャリストをそれぞれ集めると、お互い個性が強過ぎてコミュニケーションが取りづらいことも(笑)。なので仕事を進めていく上では、コミュニケーションをいかに密に取っていくかが最初の難関でした。スマートフォン、iPad専用のECサイト、ブックリーダー開発も行いましたが、なにしろはじめての経験ばかりで、品質向上にも試行錯誤を繰り返しました。こちらへ来て一番大変だと感じたプロジェクトです。
畠山
私は前の会社では与えられたことをこなしていれば問題なかったのですが、こちらでは自分で判断し決めて動かなくてはいけません。仕事のスタイルとしては全く逆だったので、それに慣れるには時間が掛かりましたね。どれだけ自分が受け身だったのか気づきました(笑)一番苦労したのは、Android版リーダーのリフロー型書籍対応ですね。入社してすぐに担当した案件なので辞書を片手に用語の理解から始める必要があったぐらいです。でも、周りの人のサポートでなんとか進めることができました。
久利
今現在はどのような取り組みをされていますか?
久野
私はサービス開発を担当しています。それに付随するデザイン業務や、仕様などを考えています。電子書籍のユーザーは幅広く、50代の年配から20代の若者までいらっしゃいます。すべての人に便利に使って貰えるよう最適化するのは大変ですね。電子書籍デバイスの数も増えていますから、それぞれを検証するのも苦労しますね。
畠山
アプリの開発管理を担当しています。不具合があった時の対応を開発会社に依頼したり、新しい機能を追加するための開発管理などですね。開発会社と話をして期間を調整するにしても、知識や経験が無いと思うように進みません。まずは知識を埋めるために、ここへ来てからずっと勉強している感じです(笑)
久利
畠山さんは、転職されて半年ということで、まだご苦労されている部分も多いと思いますが、久野さんは先輩として見ていてどう感じますか?
久野
ぼくもそうでしたよ。苦労の連続(笑)入社当時は畠山さんと同じような仕事をしていました。世間ではiPhone、iPadが出てきたばかりの頃でしたから、ぜんぜん分からなくて……(笑)。そんな中、手探りで業者の方々に要求をぶつけたりしていました。そうやって仕事の流れを掴んで行くものだと思っています。

自分自身でサービスを作りたい。そんな前向きな人が働く職場

やりがいのある職場を目指して、転職活動を行った2名のエンジニア。ハードルを越えた彼らの現在から、スタンスを伺ってみよう。

久利
これから転職を考えている人に一言お願いします。
久野
私から言えるのは、常駐型の仕事につまらなさを感じたらぜひ来て下さいということです。常駐型の開発ですと、知識がどうしてもその分野で閉じてしまう。事業者としてビジネスをするのであれば、幅広い知識が必要になりますから、それを得る機会にもなると思います。また、そういう機会があって成長できれば、自由に仕事ができますし、自ら判断することも可能です。
久利
仕事の判断を任されるというのは、やりがいと直結していますよね。
久野
責任をやりがいに感じてもらえるかが基準ですね。キャリアに成長性がないな、と気づいてしまうと、常駐型の仕事に限界を感じてしまうかもしれません。
畠山
私も似たように思います。常駐型の開発支援や受託で業務をしている人の中で、もう少し自分で何かをしてみたいって考えているなら、この職場は合っていると感じています。

株式会社イーブック
イニシアティブジャパン
畠山 涼子氏

久利
転職で悩んでいる人はたくさんいますし、常駐型の業務から自社サービスをもつ企業で働きたいという人も大勢います。その分、転職としては難関だと思うのですが、畠山さんはどのように考えていましたか?
畠山
この会社を選んだ理由は単純で私自身が本が大好きだということです。(笑)電子書籍の仕事なので本をよく読むというところで今までの経験とサービスについて会社も話を吸い上げてくれたのかも知れません。また、前職では技術でも時代に沿ったスマートフォンに関連する業務をしていたことも良かったと思います。

「ユーザー目線」でのサービス提供が最大のテーマ

ITの分野では新しいサービスが次々と生まれる。電子書籍はその中でも注目されている発展めざましい分野だ。今後について話しを聞いてみよう。

久利
電子書籍の分野は始まったばかりのサービスですが、今後どのような仕事をしていきたいか教えていただけますか?
久野
今はサービス開発という観点で業務を行っていますが、テーマはきちんとしたものがすでにあって、それを具体化していくという作業です。これからは自分でサービスそのものを提案できるようにしていきたいですね。
久利
サービスを開発する上で心掛けていることはありますか?
久野
よく使われる言葉かも知れませんが、いつでもユーザー目線に立っていることが大切だと思います。

責任感もあるがやり甲斐もある!と語る。

畠山
私はまだ目の前の業務で精一杯で(笑)。でも、今担当しているのがリーダーの開発管理なので、これの品質向上を考えていきたいと思っています。残念な話ですが、リーダーが使いづらいから読むのを辞めるという人もたまにいらっしゃるようなので、まずは不具合を減らしつつ、よりよい品質のリーダーが提供できるよう開発会社の力になれるような存在になりたいと思っています。
久利
具体的な構想はありますか?
久野
電子書籍の販売と利用に関するサービスです。販売の面では、買いやすく。利用の面では、読みやすく。非常に広いのですが、それを実現していきたいと考えています。まだまだ歴史の浅い分野なので、私の知識も浅くて広いのですが、これからどんどん深めて、具体化していきたいですね。
久利
電子書籍の世界がどんどん良くなっていくことは想像できるのですが、サービスという観点での今後はどのようになると考えていますか?
久野
究極を言えば「品揃え」に集約されてくると思います。現在、イーブックには8万4000冊ぐらいの電子書籍がありますが、世界中の紙の本を考えるとその総数はどれぐらいになるか想像すらできません。しかし、最終的にはそれらはすべて電子書籍化されます。そして電子書籍化されたものは、全部イーブックで買えるというのが目標ですね
久利
壮大なお話で実に夢がありますね。目標に向かって今後もぜひがんばってください! ありがとうございました!

●プロフィール

久野 洋次郎(ひさの ようじろう)

キャリア:
営業部プロデューサー
→Web制作会社へ就職、ディレクターおよびデザインエンジニアを経験
→株式会社イーブックイニシアティブジャパンへ転職
最近注目している技術、もしくは今後手がけたいサービス:
技術については、HTML5に注目しています。電子書籍の購入と利用のハードルが下げられると考えています。サービスについては、よりお求めやすくなるような販売モデルを手がけたいと考えています。
エンジニア仲間(あるいは上司・部下)とはどんな存在ですか?:
自分が気づかないところを気づかせてくれる存在です。

●プロフィール

畠山 涼子(はたけやま りょうこ)

キャリア:
技術部
→派遣会社に所属、相手企業へ常駐しスマートフォン向けのサービスの実装部分を担当
→株式会社イーブックイニシアティブジャパンへ転職
最近注目している技術、もしくは今後手がけたいサービス:
Android用アプリの開発について、もっと勉強していきたいと思っています。
エンジニア仲間(あるいは上司・部下)とはどんな存在ですか?:
自分を成長させてくれる存在です。

●会社プロフィール

株式会社イーブックイニシアティブジャパン

2000年5月17日設立。電子書籍配信事業者として、累計2,000万冊以上を販売してきた実績を持つ。直販サイトとして「ebookjapan(http://www.ebookjapan.jp/)」、販売提携している主要ポータルとして@nifty、OCN、BIGLOBE、楽天、NetMile、So-netなど。電子書籍提供事業者としてYahoo!japanを持つ。マンガを中心に8万冊以上の電子書籍を持ち、トランクルームという名称のクラウドサービスなども展開。ユーザー視点で電子書籍における利用のしやすさや買いやすさを追求している。

株式会社イーブックイニシアティブジャパン

編集後記~取材を終えて~

スマートフォン、タブレットと携帯型のデバイスが普及してくるに従い、注目度も急上昇している電子書籍業界の中でも古くからやっているイーブックというだけあって、非常に良い人材を集めているという印象でした。転職先としても非常に夢があり、自分ならこうしたい!とサービスに対して強く思えるような人なら、その夢も共有できるのだと感じます。今後もこの業界は激動を続けると思いますが、このメンバーならきっと私達に素晴らしいサービスを与えてくれると実感できる取材でした。

ITエンジニア担当
久利 可奈恵

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