ITエンジニアの平均年収は比較的よい傾向にありますが、全ての人が同じように年収が高いわけではありません。ITエンジニアの年収は職種やスキル、経験によって大幅に左右されるのです。
本記事では、ITエンジニアの平均年収を年齢別と職種別で紹介していきます。また、年収を上げる方法も解説していきますので、ITエンジニアの年収や将来性が気になっている方はぜひ参考にしてください。

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ITエンジニアの平均年収
ITエンジニアの平均年収は598万円(※1)です。日本人の平均年収は443万円(※2)なので、ITエンジニアの平均年収は比較的よいといえます。しかし、ITエンジニアは職種やスキル、経験によって年収金額は大幅に異なります。
ITエンジニアの種類は大きく4つに分けられます。プロジェクト管理系・開発エンジニア・インフラエンジニア・情報システム部門やヘルプデスクなどのサポート系のエンジニアです。特に高い知識とスキル、経験が必要とされるプロジェクト管理系のエンジニアは年収が高い傾向にあります。
※1 出典:IT人材に関する各国比較調査 結果報告書 (経済産業省)
P34「各国IT人材の平均年収」の表より。ITエンジニアとは、情報技術に関する総称をさすため、IT人材の年収をエンジニアの年収として表記しています。
※2出典:令和3年分民間給与実態統計調査(国税庁)
ITエンジニアの年齢別の平均年収
ITエンジニアの年収は、会社規模やスキル、経験、役職などが影響します。年功序列の風習は残っている企業もありますが、主にスキルが重要視され年収に強く関係しています。
※参考:IT人材に関する各国比較調査 結果報告書 (経済産業省)P41
20代のITエンジニアの平均年収
20代のITエンジニアの平均年収は413万円(※)です。20代前半は一般的に実務経験が少なく、技術面が十分でないため、年収は低くなります。20代後半からは経験値が増え、対応できる業務も増えるため、年収が徐々に上がります。20代は経験を積み、技術を習得する期間です。30代へ向けて早い段階から管理職を目指すのか、技術のスペシャリストを目指すのか等、キャリアパスを考慮して、必要な技術・経験を学ぶとよいでしょう。
※出典:IT人材に関する各国比較調査 結果報告書 (経済産業省)P42
30代のITエンジニアの平均年収
30代のITエンジニアの平均年収は526万円(※)です。30代からはリーダーのポジションを任されることや、部下の育成、プロジェクトの重要な部分を担うなど、任される仕事の幅が広がり、責任のある業務が増えます。また、技術のスペシャリストを目指している場合は30代で技術選定やアーキテクトなどを徐々に任されるようになると年収があがりやすいです。30代のうちから役職に就けると、大幅な年収の増加につながります。
※出典:IT人材に関する各国比較調査 結果報告書 (経済産業省)P42
40代のITエンジニアの平均年収
40代のITエンジニアの平均年収は646万円(※)です。40代からはプロジェクトの重要なポジションや、役職につくと年収は上がります。またITスペシャリストやCTOなどの技術を追求した職種も高い年収を得られます。また今までの経験を生かしてITコンサルタントやプリセールス、プロダクトマネージャーになることも年収をあげる方法としてあげられるでしょう。
特にスキルを磨かず現状維持で来た人は40代になっても年収のよいポジションや役職、職種に就けず、40代の平均年収以下になることもあります。ITエンジニアである以上、スキルが重要視されることは変わりありません。
※出典:IT人材に関する各国比較調査 結果報告書 (経済産業省)P42
ITエンジニアの職種別の平均年収
ITエンジニアの年収は、職種によって大幅に異なります。プロジェクトマネージャなどの管理系職種の方が、高度SEやIT技術スペシャリストよりも年収が高い傾向にありますが、技術選定を行うITアーキテクトやCTO(最高技術責任者)といった技術職でも管理系に近い年収が期待できます。
プログラマからキャリアをスタートしてシステムエンジニア、コンサルタント、プロジェクトマネージャやITアーキテクトなどへキャリアアップして、高い年収の職種につくのが一般的なキャリアパスです。職種別の平均年収を紹介します。
SIer/SES/ハードウエア/ソフトウエア/通信サービス関連企業職種別 | 平均年収 |
コンサルタント | 928.5万円 |
プロジェクトマネージャ | 891.5万円 |
高度SE/ITエンジニア(基盤設計担当/ITアーキテクト) | 778.2万円 |
SE(顧客向けシステムの開発/実装) | 593.7万円 |
SE(ソフトウエア製品の開発/実装) | 568.5万円 |
SE(組み込みソフトウエアの開発/実装) | 603.9万円 |
IT技術スペシャリスト(特定技術(DB/NW/セキュリティなど)) | 758.2万円 |
IT運用/管理(顧客向け情報システムの運用) | 608.6万円 |
IT保守(顧客向け情報システムの保守/サポート) | 592.2万円 |
IT教育(IT関連講師/インストラクターなど) | 651.0万円 |
IT業務の営業/マーケティング | 783.3万円 |
インターネット関連企業 | 平均年収 |
営業/マーケティング | 682.1万円 |
プロデューサー/ディレクター | 792.9万円 |
コンテンツクリエイター/デザイナー | 411.0万円 |
エンジニア/プログラマ | 592.2万円 |
顧客サポート/ヘルプデスク | 390.9万円 |
その他 | 589.3万円 |
※出典:IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果 (経済産業省) P6
ITエンジニアで年収1,000万は可能?
ITエンジニアで年収1,000万円は可能です。しかし誰でも1,000万円以上の年収を得られるわけではなく、限られた人だけが得られる収入です。
年収1,000万円以上を得るには、高いスキルが必要です。経済産業省が定めている、IT関連のスキルやキャリアを指標とする「ITスキル標準」があります。ITスキル標準は、レベル1の新人・初心者レベルから、最高レベル7まで設定しています。
レベル5の社内で指導者・幹部レベルでは、平均年収937.8万円です。レベル6の国内で著名なレベル・レベル7の国際的に著名なレベルでは、年収の平均値が1,129.9万円です。このことから、平均的に1,000万円の年収を得るには、高いスキルと経験が求められます。(※)
管理系やアーキテクト系の、比較的年収の高い職種につくことも有効です。高いスキルと経験が求められる職種のため、必要なスキルを身につける必要があります。 また、所属する企業によってITエンジニアの年収は左右されます。大規模企業や業績のよい企業の方が年収のベースが高い傾向にあります。
※参考:IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果 (経済産業省) P7
ITエンジニアとしての年収を上げるためには
ITエンジニアとして年収を上げるためには、自ら行動を起こす必要があるでしょう。年収を上げるための5つのポイントを紹介します。
スキルを身につける
年収を上げるために、スキルの習得は必須です。経済産業省が企業に向けて行った調査では、「IT人材の給与決定には何が重視されているか」との問いに対し、ITスキルレベルとコミュニケーション能力、成果の影響が大きいとする回答が9割を占めています(※)。実務で身に付く技術もありますが、実務以外で自らITスキルのトレンドをキャッチし、新たな技術の習得や未経験技術の習得を続ける姿勢が大切です。
ITエンジニアは、チームでの業務がほとんどです。より円滑に業務を進めるにはコミュニケーションスキルとマネジメントスキルは重要視されます。技術面だけではなく、ヒューマンスキルも向上させましょう。
※参考:IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果 (経済産業省)P15
資格を取得する
資格の取得も年収アップに有効です。ITエンジニアにとって資格の取得は必須ではありませんが、自分のスキルを客観的に証明できるため、年収アップや転職に有効です。
経済産業省が企業に向けて行った調査では、「IT企業がスキルを判断する上で何が重要なのか」との問いに対し、保有資格を「非常に重視している」「ある程度重視している」と答えた企業が合わせて約7割との結果もあります(※)。資格の取得は必須ではないからこそ、取得すると大きなアピールポイントになります。自分のキャリアパスに必要な資格を積極的に取得するとよいでしょう。
※参考:IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果 (経済産業省)P19
職種を変える
ITエンジニアの職種別の項目で紹介したように、職種によって年収は大幅に異なります。特に平均年収がよい職種は、コンサルタントやプロジェクトマネージャなどの管理系と、ITアーキテクトやIT技術スペシャリストなどの高い技能を持っている職種です。希少価値の高い専門技術や知識、経験を持っている人は、重宝され年収は上がります。
ただ以前のようにプログラマ⇒システムエンジニア⇒プロジェクトリーダー⇒プロダクトマネージャと年功序列であがっていくキャリアパスは終わりつつあります。ある程度の技術を身に着けた後は自身の適性にマッチした職種(ITスペシャリスト、導入コンサルタント、プロデューサー、プロダクトマネージャー、カスタマーサクセスなど)を選択したほうが年収はあがりやすいので、自分に向いている職種を意識しながら働くといいでしょう。
年収を上げるには、実務経験を積み、スキルを身につけ、キャリアアップする必要があります。企業によりますが、組織の構造上キャリアアップが見込めない状況であれば、転職を視野に入れることをおすすめします。
転職する
年収を上げるのに、転職はとても有効です。企業規模によって年収は異なるためです。大規模企業は年収が高くなる傾向にあり、小規模の企業では年収の大幅な増加は難しいでしょう。小規模の会社に在籍している、業績が悪い企業に所属している場合は、年収増加やキャリアアップが困難なケースがあります。その場合、実務経験とスキルを身につけてから、大規模企業や業績のよい企業へ転職しましょう。
転職する際は、企業の業績や働き方、キャリアアップが可能かなどさまざまな観点から考えて、企業を選定しましょう。その際はITに強い転職エージェントに相談すると、自分の求める条件の企業とマッチングできるでしょう。
フリーランスになる
フリーランスは自分の力量によって、年収を上げることができます。成果物に対しての報酬を全て自分で受け取れるからです。自分で仕事を選び、報酬金額の設定も可能です。特に自分の専門分野であれば、報酬の交渉もしやすくなるでしょう。高いスキルを保有していれば、フリーランスとして年収1,000万円も可能です。
フリーランスとして案件を獲得するには、営業は必須です。しかしITエンジニアの案件を豊富に保有しているエージェントに相談して、好条件の案件を獲得する方法もあります。フリーランスは自分の頑張り次第で年収を上げることができます。年収アップのために、フリーランスも選択肢に入れて考えてみましょう。
ITエンジニアの将来性
ITエンジニアは将来性がある職種です。IT企業のみならず、さまざまな分野の企業からニーズがあり、今後も需要が高まるといわれています。一方企業側からみると、IT人材の大幅な不足により、人材獲得はより難しくなると予想されています。
企業の新卒の採用状況では、約半数の企業が十分な採用人数を確保できていません。職種によりますが、中途の採用状況においても、約半数の企業では十分な採用人数が確保できていないといわれています。このことから、IT業界では慢性的に人材不足といえるでしょう。(※)
IT業界は新しい技術が次々に生み出され、トレンドも移り変わります。自ら学ぶことを止めてしまうと、時代の流れに追いつけず、周りのITエンジニアと差が開きます。手を抜いてしまった人は、ニーズのあるITエンジニアでも、高い年収は望めないこともあります。企業が求めているのは、高いスキルを持ったIT人材です。常に探求する姿勢を持ち、スキルを習得している人は、年収の高い職種や、役職に就けるでしょう。
ITエンジニアは働き方が多様化していることも、将来性があるといえる要因です。最近ではリモートワークが普及しています。職種にもよりますが、ITエンジニアは働く場所や時間を選ばない働き方が可能です。スキルを保有していれば、フリーランス、リモートワークや副業など働き方の選択肢があるので、自分のライフスタイルに合わせて働くことも可能でしょう。
※参考:IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果 (経済産業省)P31〜P39
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まとめ

ITエンジニアの年収は職種によって大幅に異なり、特にプロジェクト管理系、技術のスペシャリストは年収が高い傾向にあります。しかし年収の高い職種では、高いスキルや知識が求められます。年収を上げていくためには、自分のキャリアパスを考慮して必要なスキルを習得するなど、自ら行動を起こし学び続ける姿勢が大切です。
またITエンジニアとして年収1,000万円は可能ですが、年収は企業規模や業績によって左右されます。転職やフリーランスとして働くことも視野に入れながら、行動するとよいでしょう。