クラウド化が進む中で、Amazonが提供するAWS(Amazon Web Services)は圧倒的なシェアを誇るクラウドサービスです。
本記事では、「AWSって結局なに?」「導入前に何を準備すればいいの?」という方のために、クラウドの基本から代表的なサービス、導入時のチェックポイントまでわかりやすく解説します。

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AWSとは?クラウドの基本と仕組み
クラウドコンピューティングとは、サーバー・ストレージ・データベースなどのITリソースをインターネット経由で利用できる仕組みです。必要なときに必要な分だけ使える「オンデマンド型」で、利用した分だけ料金が発生するのが特徴です。
従来のオンプレミス環境では、ハードウェアの購入や設定、保守などに大きな手間とコストがかかっていましたが、クラウドを使えばこれらをすべてサービスとして利用できます。
その代表格が「AWS(Amazon Web Services)」です。Amazonが提供する世界最大級のクラウドサービスで、現在は世界31リージョンに展開し、グローバルに安定したIT基盤を提供しています。
クラウドサービスの3分類とAWSの位置づけ
クラウドサービスは、提供内容によって次の3つに分類されます。
IaaS(Infrastructure as a Service)
仮想サーバーやストレージ、ネットワークといったインフラ環境を、インターネット経由で提供するクラウドサービスです。自社でハードウェアを購入・管理する必要がなく、必要なリソースを必要なタイミングで柔軟に利用できます。利用者はOSやソフトウェアの設定・管理を自由に行えるため、細かいカスタマイズが可能な一方で、一定の技術的な知識が求められます。AWSでは「Amazon EC2」や「Amazon S3」などが該当します。
PaaS(Platform as a Service)
アプリケーションの開発・実行に必要な環境を、インフラごとまとめて提供するクラウドサービスです。OS、ミドルウェア、開発ツール、実行環境などがあらかじめ用意されているため、インフラの構築や保守に時間をかけず、アプリ開発に集中できます。デプロイやスケーリングも自動化されていることが多く、開発効率を大幅に向上させることが可能です。AWSでは「AWS Elastic Beanstalk」などがPaaSに該当します
SaaS(Software as a Service)
メール、スケジュール管理、チャットツールなど、完成されたソフトウェアをインターネット経由で利用できるクラウドサービスです。ユーザーはアプリケーションをインストールすることなく、ブラウザやアプリからすぐに使用できます。システムの運用・保守は提供側が行うため、導入や管理の手間が少なく、コストも抑えやすいのが特徴です。代表的な例としては「Gmail」「Google Workspace」「Slack」などが挙げられます。
AWSは主に「IaaSとPaaS」に該当するサービスを中心に提供しており、柔軟にカスタマイズしたい開発者や企業にとって非常に使いやすいプラットフォームです。
3. AWSの代表的なサービスとできること
AWSには200を超えるサービスがありますが、初心者がまず理解すべきなのは「基本となる3つの柱」です。
ここでは、仮想サーバー・ストレージ・データベースというITシステムの基盤を支える主要サービスを紹介します。
Amazon EC2(仮想サーバー)
Amazon EC2は、インターネット上に仮想的なサーバーを立ち上げられるサービスです。
物理的なサーバーを購入・設置する必要がなく、必要なときにすぐにサーバー環境を構築できるのが最大の特徴です。
たとえば、Webアプリのテスト環境や社内向けツールの試作環境、短期間のキャンペーン用サイトの公開などに最適。
利用した時間に応じて料金が発生する「従量課金制」のため、一時的な利用にも向いています。OSやスペック(CPUやメモリ)も自由に選べるため、技術的な自由度が高いのも魅力です。
Amazon S3(オブジェクトストレージ)
Amazon S3は、画像・動画・ログファイルなどの大量データを安全に保存・管理できるクラウドストレージです。
一般的なフォルダ構造ではなく「オブジェクト形式」でデータを管理するため、拡張性が非常に高く、容量制限も実質なし。
たとえば、企業のバックアップデータの保管、Webサイトで使用する画像や動画ファイルの配信、大量のログや分析データの保存などに使われます。
**データの耐久性は99.999999999%(イレブンナイン)**と非常に高く、信頼性が求められる場面にも対応できます。
Amazon RDS(リレーショナルデータベース)
Amazon RDSは、MySQLやPostgreSQL、SQL Serverなどのデータベースを簡単に立ち上げて使えるマネージドサービスです。
従来であれば、データベースのインストール、設定、バックアップ、障害対応などをすべて自前で行う必要がありましたが、RDSではこれらの運用作業をAWSが代行してくれます。そのため、エンジニアはアプリ開発やサービス改善に専念でき、開発スピードも大きく向上します。
スケーラブルに設計されているため、アクセス数の増加にも柔軟に対応でき、スタートアップから大企業まで幅広く使われています。
必要に応じて、これら3つのサービスを組み合わせることで、小規模なWebアプリから大規模な業務システムまで構築可能です。AWSを活用する第一歩として、まずはこの3つのサービスを理解することが大切です。
AWS導入前に押さえておきたい5つの準備ポイント
AWSをスムーズに導入・活用するには、事前の情報整理が欠かせません。とくに以下の5点を押さえておくと、導入後のトラブルや無駄なコストを防げます。
1. 利用目的とスコープの明確化
AWSを「何に使うのか」「どの範囲で導入するのか」を明確にしておきましょう。たとえば「社内ツールの一部をクラウド化」「新規Webサービスをクラウド上に構築」など、目的によって設計や使うサービスは大きく変わります。
また、まずは小規模に始めるスモールスタートか、全社導入を視野に入れるのかも重要な判断材料になります。
2. アカウントと組織の管理方針
AWSは「1社1アカウント」ではなく、用途別にアカウントを分ける設計が推奨されています。開発用、本番用、個人検証用などを分けておくと、誤操作やセキュリティリスクを最小限に抑えられます。
また、IAM(アクセス管理)の設計も重要です。誰が管理者で、誰が利用者なのか、権限の設計をあらかじめ行っておくと、運用がスムーズになります。
3. コストの試算と予算管理
AWSは使った分だけ課金される従量課金制です。そのため、事前にAWS 料金表で概算費用を把握しておくことが重要です。初期費用がかからないからといって導入を進めると、予想以上のコストが発生するケースもあるため注意が必要です。
また、費用の上限設定(アラート)や、Cost Explorerなどの可視化ツールもあわせて活用しましょう。
4. セキュリティと運用ルールの設計
AWSは自由度が高い反面、セキュリティ対策や運用ルールの整備を怠ると、情報漏洩や属人化リスクが高まります。
IAMの適切な設定、データの暗号化、ログ管理の仕組みなど、最低限のセキュリティ設計は必須です。あわせて、障害対応のフローや連絡体制、定期バックアップの運用ルールなども事前に決めておきましょう。
5. 契約・支払い方法と、導入に不安がある場合の相談先
AWSでは、クレジットカード払いのほか、法人向けには請求書払いにも対応しています。社内の経理ルールや購買手続きに合わせた支払い方法を選びましょう。
また、初めてAWSを導入する場合、「設計に不安がある」「どのサービスを選べばいいかわからない」「運用が属人化しそう」など、さまざまな懸念が出てくるものです。そんなときは、AWS導入に慣れたパートナー企業やエージェントに相談するのがおすすめです。設計から構築、運用フェーズまでをトータルでサポートしてもらえるため、導入のハードルを下げることができます。
この5つを導入前に整理しておくだけでも、クラウド活用のスタートダッシュが大きく変わります。
実務で役立つAWS活用術
AWSは導入しただけで自動的に最適化されるわけではありません。構成や設定次第で、パフォーマンスやコストに大きな差が出るのが現実です。
ここでは、初期構築や運用フェーズでよくある課題をもとに、実際の現場で効果があるとされる設計の工夫やサービス活用のポイントを紹介します。
S3の性能を引き出す方法
S3は画像・動画の配信、ログ保存、大容量データのバックアップなどに広く使われます。とくにアクセス頻度やファイル数が多いシステムでは、構成の工夫ひとつで大きく体感速度が変わることもあります。
プレフィックスを分散する
S3では、オブジェクトキーの先頭(プレフィックス)にアクセスが集中すると、内部処理がボトルネックになることがあります。
そのため、ファイル名に日付やIDなどの変化を持たせてプレフィックスを分散させることで、並列処理の効率が上がり、読み書き性能が改善されます。
Transfer Accelerationを有効にする
世界中からアクセスされるコンテンツを扱う場合、Transfer Accelerationを有効にすることでCloudFrontのエッジロケーションを経由した高速なデータ転送が可能になります。
海外拠点とのファイル共有や、大容量ファイルを取り扱う場合に効果的です。
EC2のセキュリティと設計の工夫
EC2はWebサーバーやバッチ処理など、多くのシステムの基盤となるサービスです。そのため、初期の設計が甘いと、後から手戻りが発生しやすいポイントでもあります。
不要な公開は避け、プライベートサブネットへ配置する
外部公開の必要がないインスタンスにはパブリックIPを付与せず、プライベートサブネットに配置しましょう。アクセスが必要な場合は踏み台サーバー経由での接続とし、インターネット側との接点を最小限に抑える構成が基本です。
アクセスキーではなくIAMロールを使う
他のAWSサービスと連携する際にアクセスキーを埋め込むと、情報漏洩や管理ミスのリスクがあります。EC2にはIAMロールを割り当てることで、セキュアかつ柔軟な権限管理が可能になります。
リージョンを分けすぎない
開発チームやシステム単位でリージョンを分ける設計もありますが、データ転送コストやレイテンシの観点では不利になるケースもあります。関連リソースは可能な限り同一リージョンにまとめることで、パフォーマンスとコストの両面でメリットが得られます。
ストレージコストの最適化
使った分だけ課金されるAWSでは、ストレージが気づかないうちにコストを圧迫することがよくあります。不要なデータをそのままにせず、保存の仕組みに一工夫を加えましょう。
Intelligent-Tieringを活用する
S3 Intelligent-Tieringを使えば、アクセス頻度に応じて自動的にストレージ階層を切り替えてくれます。
日常的に使うファイルは高頻度用の階層へ、しばらくアクセスされないファイルは低コストの階層へと自動移動されるため、運用負荷を増やすことなくコスト最適化が可能です。
ライフサイクルルールで自動削除・アーカイブ
一定期間が経過したファイルを自動的に削除したり、Glacierなどの安価なストレージへ移行したりする設定も可能です。とくにログファイルや一時保存データなど、「気づけば大量にたまっている」系のデータに対して有効です。
AWSをどう学ぶか?はじめての学習ステップとおすすめリソース
AWSは非常に多機能で柔軟性の高いクラウドサービスである一方、学習を始めたばかりの人にとっては「どこから手をつければいいのか分からない」と感じやすいのも事実です。ここでは、AWSを初めて学ぶ方に向けて、自分で手を動かして学ぶステップや、活用すべき学習リソースについてわかりやすく整理します。
1. まずは「自分で触って覚える」が基本
AWSは実際に使ってみて初めて理解できることが多くあります。基本的なサービス(EC2、S3、RDSなど)は、無料枠の範囲内でも十分に検証が可能です。最初のステップとしては、以下のような環境構築から始めてみるのがおすすめです。
- EC2でWebサーバーを立ち上げてみる
- S3にファイルを保存して、アクセス制御を確認する
- RDSでDBを作成して簡単なクエリを実行してみる
マネジメントコンソール(ブラウザUI)からであれば、コマンドの知識がなくても操作できます。まずは触ってみて動かすことで、「何ができるか」「どういう流れなのか」が実感できます。そのうえで、以下のような気づきを整理しておくと、チーム共有の際に役立ちます。
学びの観点(例)
- どんな構成で使ったか(例:EC2+ALB+RDS)
- 設定手順とつまずいたポイント
- 実行結果と「わかったこと」
- 実用で使うならどう応用できそうか
例:「S3に静的サイトをホストしてみた → ポリシー設定でハマったが、CloudFront併用で高速化できることがわかった」
2. 学習リソースを活用する
書籍や動画、公式ドキュメントなど、AWSには豊富な学習リソースが存在します。初学者にとっては、順番に学べる体系的なコンテンツが役に立ちます。
- AWS Skill Builder(AWS公式の無料/有料講座)
- BlackBeltシリーズ(サービス別の詳細解説。資料と動画あり)
- Udemyなどの動画教材(体系的に学べる初心者向けコースも充実)
3. 実践型の書籍を活用する
AWSの初学者にとって、実践ベースで体系的に学べる書籍は非常に有効です。とくに以下のような書籍は、「手順に沿って環境を構築する → AWSの仕組みを理解する」という流れを自然に体験できます。
書籍タイトル | 特徴・対象読者 | 主な内容・学べること | おすすめポイント |
---|---|---|---|
AWSではじめるインフラ構築入門 (技術評論社) | AWS未経験者/初学者 | EC2、S3、IAM、VPCなどの基本サービスを組み合わせたシステム構築を一から学べる | 図解が豊富でやさしく、手を動かして学ぶ形式。はじめてAWSに触れる人にぴったり |
Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 改訂3版 (インプレス) | インフラ設計も含めて学びたい人 | VPC、サブネット、セキュリティグループ、ルーティングなど、ネットワーク設計を含む構築手順 | 現場での導入や構築に近いリアルな流れを学べる。企業での利用を想定している人におすすめ |
AWS認定資格 試験テキスト(各種) | 資格取得を目指す人/基礎を固めたい人 | AWS認定クラウドプラクティショナー/ソリューションアーキテクトなどの試験範囲をカバー | 試験対策だけでなく、サービスの役割や構成を体系的に理解するのにも役立つ |
書籍を使うときのポイント
書籍を活用する際は、「読むだけで終わらせない」ことが大切です。構成図を再現したり、実際に環境を構築してみたりと、手を動かして学ぶことで理解が深まります。
とくに、無料利用枠で試せる範囲の内容に絞られている本を選ぶと、費用の心配なく実践できるため安心です。また、章立てがサービス単位で整理されている書籍であれば、自分の苦手な領域や興味のある分野に絞って学習を進めることもできます。
AWSをどう導入するか?社内導入とチーム運用の進め方
AWSは高機能で柔軟性の高いクラウドサービスですが、導入のハードルも少なくありません。「まずどこから導入するべきか」「チームにどう展開するか」「属人化を防ぐにはどうすればよいか」――そんな悩みを持つ方に向けて、ここではAWSの社内導入を小さく始め、継続的に運用していくためのステップを整理します。
ステップ① 小さく始める(PoCでスモールスタート)
いきなり本格導入を目指すのではなく、まずは業務の一部で小さく試すことが成功の近道です。
たとえば、社内ツールのログ保存をS3に切り替える、定期バッチをLambdaで試してみる、社内向けAPIをEC2で動かしてみるなど、業務に直結しやすくリスクの低い領域から着手するのが効果的です。
この段階では、構成図や検証結果を簡単にまとめておくと、後のチーム展開に活かせます。
ステップ② 個人の検証をチームに還元する
PoCで得た知見を「一人の経験」で終わらせず、チームに共有する仕組みづくりが次のステップです。具体的には、以下のような取り組みが有効です。
取り組み | 内容 | 期待できる効果 |
---|---|---|
Slackでのナレッジ共有 | 設定手順、エラー対応、参考URLなどをSlackに気軽に投稿 | ナレッジの属人化防止/失敗や成功事例が蓄積し、他メンバーの応用が可能に |
月1の勉強会・ミニ発表会 | 小さなテーマでも発表(例:「S3で静的サイトをホストしてみた」) | チーム内での関心が広がり、学びの連鎖が生まれる/AWSに対する心理的ハードルが下がる |
PoCの結果をテンプレート化・資料化 | 構成図・課題・得られた効果などを簡潔にまとめて共有 | 他チームへの導入展開がスムーズに/マネジメント層への報告・説明資料としても有効 |
重要なのは、「何をしたか」「何に気づいたか」「応用できそうか」までセットで残すこと。失敗談やハマりポイントも、組織のAWSリテラシーを底上げする重要な情報になります。
ステップ③ 運用ルールと体制を整備する
AWSは自由度が高いぶん、放任すると「誰が何を作ったかわからない」「請求が膨らむ」などのトラブルを招きやすいという側面があります。継続利用のフェーズに入ったら、以下のような「最低限のルール・体制」を整えることが大切です。
- IAM設計(最小権限+管理アカウント分離)
- 命名・タグ付けルールの統一(誰が何のために使っているか明示)
- コスト管理(Budgets/アラート/Cost Explorer)
- セキュリティ対策(CloudTrail、Config、S3バケットポリシーなど)
完璧なルールを目指す必要はありません。まずは「みんなで守れる最低ライン」を定めることで、トラブルを防ぎながら運用を安定させていくことができます。
ステップ④ 本格運用と他チームへの展開
PoCや検証が成果を上げ、運用ルールも整ったら、いよいよ本格運用と全社展開を視野に入れます。このとき役立つのが、「再現性のある実績資料」と「共通で使えるテンプレート」です。
- 導入背景と課題
- 実際の構成図と運用結果
- コスト感、効果、注意点
- TerraformやCloudFormationによる構築テンプレ
これらをチーム横断で共有することで「あのチームも使ってるなら試してみよう」という動きが自然に広がり、属人化しないAWS活用が社内に根づいていきます。
AWSに関するよくある質問
ここで、AWSに関するよくある質問をご紹介します。
Q1. AWSエンジニアになるためにはどれくらいの学習時間が必要?
目安として、初級レベルのAWS認定資格(クラウドプラクティショナー)を取得するには約50〜80時間程度の学習時間が必要とされています。一方で、ソリューションアーキテクト・アソシエイトやプロフェッショナル、DevOpsエンジニアの資格を目指す場合は120〜200時間以上かかるのが一般的です。
ただし、単なる試験対策ではなく、実際に手を動かしてAWSを使いこなすことが目的であれば、PoC(簡易検証)やハンズオン形式での学習を組み合わせることが重要です。資格取得をゴールとせず、「業務で使えるスキル」を意識して学習を進めると、吸収率が大きく変わります。
Q2. AWS初心者におすすめの学習方法は?
まずは、AWS公式が提供する「Skill Builder」や「AWS Educate」などの無料学習プログラムを活用するのが効果的です。日本語対応のコンテンツも増えており、基礎から体系的に学べます。書籍での学習を希望する場合、初心者に人気なのは以下のような本です。
- 『AWSではじめるインフラ構築入門』
- 『Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 改訂3版』
これらは、実際にEC2やS3を使いながらステップ形式で進められるため、クラウド未経験者にも取り組みやすい内容となっています。また、動画学習ならUdemyで評価の高い「【初心者向け】AWS基礎講座」などもおすすめです。
Q3. AWSのコスト管理はどうすればいい?
AWSは使った分だけ課金される従量課金制ですが、気づかぬうちにコストが膨らむこともあるため、管理体制の整備が欠かせません。以下の機能を活用しましょう。
AWS Budgets
予算の上限を設定し、超えそうになったらメール通知を受け取る
Cost Explorer
サービス別、日別などで利用コストを可視化。どこにコストがかかっているか把握できます
さらに、無料枠(Free Tier)を利用している場合でも、想定外の従量課金が発生するケースがあるため、通知設定は早めにしておきましょう。タグ付けルールを設けてプロジェクト単位の費用を把握しやすくする、という工夫も効果的です。
Q4. セキュリティ面での注意点は?
AWSは非常に堅牢なインフラを提供していますが、使い方を誤れば重大なセキュリティリスクにつながります。基本的な対策は以下の3点です。
- IAMユーザーを作成し、rootアカウントを使用しない
- 多要素認証(MFA)を有効化する
- 最小権限の原則に基づいてIAMポリシーを設計する
さらに、CloudTrail(操作ログの記録)やGuardDuty(脅威検知)などのセキュリティ機能を早期に有効化することで、後からの追跡や異常検知が可能になります。「最初だから簡易でいい」ではなく、「最初だからこそ慎重に」がセキュリティ設計の基本です。
Q5. AWSのスキルはどんな職種で活かせますか?
AWSはもはやインフラエンジニアだけのものではありません。クラウドが前提の現代において、以下のような職種でもAWSの知識が大いに活用されています。
SRE(Site Reliability Engineer)
インフラの安定運用と自動化の観点から、クラウド運用の知見は必須
Webエンジニア/アプリ開発エンジニア
API Gateway、Lambda、Cognitoなど、サーバーレス構成を活用する際にAWS知識が役立ちます
データエンジニア
Athena、Redshift、Glueなど、AWSの分析系サービスを活用することで、データ処理の効率化が可能に
情シス・IT企画担当者
社内システムのクラウド移行や予算管理の場面でも、AWSの基礎知識があるとスムーズに進行できます
つまり、「AWSは一部の専門職だけのもの」という時代は終わっています。むしろ「非インフラ職」こそ、基本的なAWS理解があるだけで業務の幅が広がる時代です。
フリーランスの案件探しならエンジニアファクトリー

エンジニアファクトリーは、AWSをはじめとするインフラ・クラウド系スキルを活かしたいフリーランスエンジニアにおすすめの案件紹介サービスです。
S3やLambda、ECSなどを活用した設計・構築フェーズの案件も豊富にご用意。エンド直・リモート案件も多数取り扱っており、継続率は95.6%と高水準。専任エージェントが技術領域や働き方の希望を丁寧にヒアリングし、無理なく長く続けられる案件をご提案します。登録不要で案件検索できるので、まずは案件をチェックしてみてください。
まとめ
AWSは非常に高機能で柔軟な一方、最初は難しそうに見えるかもしれません。しかし、ポイントはシンプルです。「まずは自分で手を動かしてみること」、そして「試したことをチームで共有し、少しずつ広げていくこと」。
PoCや無料枠の活用からスタートし、学んだ知見をSlackや勉強会で共有すれば、属人化を防ぎつつ組織全体のクラウドリテラシーを底上げできます。AWSは一部の専門職だけのものではなく、今やWebエンジニアや情シス、データエンジニアなど、多くの職種にとって“共通語”になりつつある技術です。
「完璧な導入」や「最初から正解を選ぶこと」を目指す必要はありません。小さく始めて、失敗も含めてノウハウを蓄積していく。そうした積み重ねが、クラウド活用の真の価値につながります。
AWSの世界は広く、学ぶほどに応用の幅も広がります。まずはできるところから一歩踏み出し、着実に前に進んでいきましょう。あなたのその一歩が、チームや組織を動かすきっかけになるかもしれません。