Go言語(Golang)は、シンプルなコードと高速処理を強みとする、比較的新しいプログラミング言語です。YouTubeやメルカリなど大規模なサイトで使われており、今後さらに注目度が増す言語の1つといえるでしょう。
Go言語は、その需要の高さから世界的にエンジニアの給与水準の高い言語であり、扱えるようになるとエンジニアとしての市場価値を高めることができます。
本記事では、Go言語の特徴や使用するメリット・デメリット、更に勉強方法からインストールの仕方まで紹介します。今後Go言語を扱うエンジニアに将来性はあるのかなど、キャリアについても解説するのでぜひ参考にしてみてください。

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Go言語とは?
Go言語(Golang)とは、2009年にGoogleが開発を発表し、2012年にリリースされたプログラミング言語です。
技術の進歩に伴い、Webサービスやアプリケーションの開発が高度化するなかで、コード記述やシステム開発は複雑化してきています。
Go言語は複雑なプログラミング環境の改善を目的として開発されており、シンプルなコードと高速処理が強みとなっています。Go言語の開発には、C言語を設計したケン・トンプソン氏やUNIXを開発したロブ・パイク氏など、世界的に有名なエンジニアが携わりました。
2012年にリリースされたばかりであるにもかかわらず、以下のような大規模サービス・サイトに利用されています。
- YouTube
- メルカリ
- クックパッド
- ぐるなび
- グノシー
- AWA
Webサービスの高度化が進むにつれ、Go言語が活躍する機会は今後ますます増加することが見込まれます。
Go言語の需要は高まっている
Webサービスの高度化が進むにつれ、シンプルかつ高速処理が可能なGo言語が活躍する機会は増えています。
出典:HackerRank’s 2020 Developer Skills Report
プログラミングサービスやITエンジニアのコミュニティを運営する米国のHackerRank社の調査によると、2020年に「エンジニアが新たに学びたい言語」としてGo言語が1位に選ばれています。
- Go(36.2%)
- Python(27.7%)
- Koltin(24.9%)
出典:Stack Overflow Developer Survey 2020
また、世界的なエンジニアのナレッジコミュニティであるStackOverflowが公表しているデータでも「What Languages Are Associated with the Highest Salaries Worldwide?(世界で最も高い給与である言語は何か?)」という調査で、Go言語はPerl($76K)・Scala($76K)に次いで第3位となっています。
このようにGo言語は、世界的に需要の高まりを見せており、扱えるITエンジニアの給与水準においても非常に高いものであることが伺えます。
Go言語を使ってできることは?
Go言語では、主に以下の5つを行います。
- Webサービス・Webサーバーの開発
- スマートフォン用アプリの開発
- ドローン・ロボットの開発
- CLI開発
- API開発
それぞれの開発におけるGo言語の特徴について解説します。
Webサービス・Webサーバーの開発
まず、Go言語の使用例としてもっとも多いのがWebサービス・Webサーバーの開発です。
前述の通り、Go言語はすでにYouTubeやメルカリ、クックパッドなど、大規模なユーザー数を誇るサービスの開発に使用されています。Go言語は高速処理・並行処理に強みがあるため、膨大なデータを扱うサービスの開発に適しています。
また、Webサービスの開発からWebサーバーの構築までまとめて行えるのも、Go言語の強みです。個別に開発する必要がないため、開発プロセスの効率化につながります。Ner/httpパッケージを使えば、簡単にサーバー構築が可能です。
スマートフォン用アプリの開発
Go言語には、Go mobileやGo Cloudなど、スマートフォン用アプリの開発に使える制作ツールが標準装備されています。
AndroidやiPhoneなど、主要なスマートフォン向けのアプリケーション開発であれば、Go言語で手軽に対応可能です。Go言語はエラー検出に優れているため、修正しやすい点からもアプリ開発に適しているといえます。
また、Web用とアプリ用でコードを書き換えることなく同時に開発可能な点も、作業工数や人件費の削減につながっています。
ドローン・ロボットの開発
Go言語には、ドローンやロボットの開発を目的とした「Gobot」というフレームワークが用意されています。
Gobotを活用することで、ドローンやロボットをコントロールするシステムが簡単に構築可能です。
Gobotには複数のデバイスから相互に通信する機能が備わっているため、遠隔操作やセンサーによる情報伝達にも適しています。
CLI開発
CLIはCommand Line Interfaceの略で、コマンド入力によって動作するユーザーインターフェースを指します。
Go言語はWindowsやMacなどのOS・バージョンにかかわらず開発が可能なため、CLIアプリケーションの開発に適しています。従来のプログラミング言語では実行環境との調整が必要でしたが、Go言語では不要となるため、効率的な開発が可能です。
API開発
APIはApplication Programming Interfaceの略で、アプリケーションやソフトウェアの機能・情報を外部と共有するためのインターフェースを指します。
Go言語は実行環境に依存せず、コードがシンプルで高速処理にも優れていることから、定期メンテナンスや機能追加がしやすく、API開発に適しているとされています。
Go言語を使用するメリット
Go言語を使用するメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- コードがシンプル
- 処理速度が速い
- 大規模システムに適している
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
コードがシンプル
まず、複雑化するプログラミング環境の効率化を目的として開発されたことから、Go言語のコードは非常にシンプルなことで知られています。
複雑な機能を削ぎ落としたうえでコード記述をシンプルにしていることから、可読性が高く、複数のエンジニアによる開発もスムーズに進行可能です。
また、コードの記述方法が厳格に決まっていることから、プログラミング初心者でも迷うことなくサービス・アプリケーションの開発を習得できます。
処理速度が速い
Go言語は処理速度にも優れています。記述したコードをプログラムの実行前に一括で機械語に変換する「コンパイラ言語」であるため、一行ずつの変換が必要な「インタプリタ言語」(PythonやPHPなどが含まれます)と比べ、処理速度が速いです。
また、同じコンパイラ言語であるC#やJavaと比較しても、機械語への変換に際して一度中間言語に変換するというプロセスが不要なため、より高速な処理が可能となっています。
さらに、並行処理や並列処理が可能な点もメリットです。複数のCPUを持つコンピューターであれば複数の処理を同時に行なえるため、開発の効率化が可能になります。
大規模システムに適している
Go言語はコードがシンプルかつ記述方法が厳格に決まっているため、エンジニアによる癖が表れにくく、複数のエンジニアによる大規模なシステムの開発に適しています。
ほかのエンジニアが記述したコードであっても、可読性の高さからスムーズに理解できるため、チームでの開発・保守・運用がしやすい言語となっています。
メンバーが代わったあと、バグや脆弱性が見つかったとしても柔軟な修正対応が可能です。
Go言語を使用するデメリット
一方、Go言語を使用する際には以下のようなデメリットも存在します。
- 機能が最小限に抑えられている
- 日本語の情報が少ない
- 扱えるエンジニアが少ない
それぞれのデメリットについて解説します。
機能が最小限に抑えられている
Go言語の特徴として、複雑な機能を削ぎ落している点が挙げられます。
コードをシンプルにするという点ではメリットですが、多機能なプログラミング言語での開発に慣れているエンジニアにとっては、備わっている機能が物足りず、不便に感じることもあります。
例えば、Go言語には「例外処理」がありません。
例外処理とは、その名の通り通常の処理とは異なる例外が発生した際の対応方法を記述する機能で、RubyやJavaなどのプログラミング言語には備わっています。決まったパターンの処理しかできないため、扱いづらく感じることがあるでしょう。
また、既存のコードを使い回して拡張できる「継承」の機能も備わっていません。オブジェクト指向言語として運用していると、うまくいかない場面が出てくる可能性があります。
コードのシンプルさや可読性の高さは大きな魅力ですが、ほかのプログラミング言語を既に習熟しているエンジニアであれば、慣れるまでは使いづらさを感じるかもしれません。
日本語の情報が少ない
また、Go言語は2012年にリリースされたばかりと比較的新しい言語であるため、日本語の情報がほかのプログラミング言語と比較して少ない傾向にあります。
実際に、Go言語の学習サイトやコミュニティは英語で運営されていることが多いです。
また、プログラミングスクールについても、その他の人気言語に比べるとGo言語を扱っているスクールの数は多くありません。
ただ、後述する書籍や公式サイトのチュートリアルを活用すれば、一定程度の知識は身につけることが可能です。
扱えるエンジニアが少ない
自社でGo言語を使ったWebサービスやアプリケーションの開発をしようとした際、エンジニアの確保に苦戦する可能性があります。
Go言語を扱えるエンジニアはまだ少なく、PythonやJavaなどの人気言語と比較すると人材は集まりにくいといえるでしょう。
しかし、エンジニアのスキルという観点では、今後需要が増えていくにも関わらずまだライバルが少ないため、将来性があるといえます。Go言語のスキルをしっかり身につけておけば、自社でのエンジニア確保が難しいと判断した企業からフリーランスとして受託することも可能になります。
Go言語の勉強方法
Go言語の勉強方法として、以下の3つを紹介します。
- 書籍で学習する
- サイトで学習する
- スクールに通う
書籍で学習する
Go言語は比較的新しい言語ですが、日本語でも学習用の書籍が充実しつつあります。書籍を使った学習であれば、自分のペースでじっくり進められるでしょう。しかし、書籍と画面を見比べる必要がある点や、困ったときに質問できない点などはデメリットとなります。
Go言語が学べる書籍としては、以下の2つがおすすめです。
- スターティングGo言語(著者:松尾愛賀)
- Go言語 ハンズオン(著者:掌田津耶乃)
どちらもGo言語の基礎からしっかり学べる内容となっています。
サイトで学習する
次に、学習用サイトを活用する方法です。書籍とは違ってパソコンの画面上でお手本を見ながら学べるため、学習効率は高まるでしょう。ほかのプログラミング言語と比べれば日本語の学習用サイトはまだ少ないものの、まったく存在しないわけではありません。
まず、Go言語の公式サイトではGo言語の基礎的な知識や簡単なコードが学べるチュートリアルが用意されています。ただしサイトが英語であるため、不安がある方は学習用サイト「A Tour of Go」がおすすめです。画面上で手を動かしながら、Go言語の基礎を習得できます。
また、動画コンテンツによる学習プラットフォームの「Udemy」では、有料ではあるもののGo言語のコースが販売されています。さまざまなコースが用意されているため、自分のレベルや目的に合ったものを選びましょう。
スクールに通う
書籍や学習用サイトでの独学が不安な方は、Go言語のコースを用意しているプログラミングスクールを探してみましょう。費用は高額になりますが、疑問点をその場で質問し解消できるため、挫折しづらくなります。
Go言語のインストール方法
Go言語をインストールする手順は、以下の通りです。
- 公式サイトでGo言語をダウンロード
- インストール先を指定
- インストールを実行
- ターミナルでバージョンを確認
Go言語ダウンロードページ:https://go.dev/dl/
Go言語の公式サイトにはWindow用やMac用などOSに応じたファイルが用意されているので、自身のパソコンのOSに合ったものをダウンロードしましょう。ダウンロードしたファイルを起動したら、インストール先の指定などを経て、Go言語のインストールを実行します。操作ガイドはすべて英語ですが、基本的には「Next」などを押していくだけで簡単に完了します。
インストールが完了したら、ターミナル(コマンドプロンプト)でバージョンを確認してみましょう。ターミナルを開き、「go version」と入力してください。「go version go1.20.2 windows/amd64」などと現在のバージョンが表示されれば、無事にインストールが完了しています。
Go言語の将来性は?
Go言語は、比較的新しいプログラミング言語でありながら、YouTubeなどの世界的なサービスの開発にも活用されるなど、将来性に期待できる言語です。
シンプルなコードで複数のエンジニアによる共同作業に適していることから、今後も大規模なサービスの開発に活用される機会が増えていくでしょう。
一方で、ほかのプログラミング言語と比べてGo言語を扱える人材はまだまだ少ないのが現状です。自社内にGo言語を扱えるエンジニアを抱える企業は少ないため、Go言語を習得することで業務委託などの仕事につながりやすくなります。
Go言語に関するよくある質問
最後にGo言語に関する読者の方からよく寄せられる質問について、解説します。
Go言語が人気の理由について教えてください
Go言語は、小規模なアプリ開発から大規模なシステム開発までを一つの言語でカバーすることができます。そのため使い勝手がよく、プログラミング言語としては比較的新しいながら、需要が急速に高まっています。
Go言語は難しいですか?
Go言語の複雑化するプログラミング環境の効率化を目的として開発されているため、コードがシンプルという特徴があります。
コードの記述方法も厳格に決められているため、習得の難易度は低く、初心者でも取り扱える言語と言えるでしょう。
Go言語は他のどの言語に似ていますか?
Go言語は、C言語やJavaと構文が似ているため、これらの言語を習得していると比較的早くGo言語を取り扱えるようになるでしょう。
Go言語の平均年収はいくらですか?
エンジニアファクトリーで掲載しているGo言語の案件の多くは、月額70万円〜90万円となっています。そのため12ヶ月換算の平均年収は、840万円〜1,080万円となります。
Go言語がオワコンと言われる理由について教えてください
Go言語は、シンプルで扱いやすいというメリットがある反面、表現方法が限られています。RubyやJavaにはある「例外処理」といった記述がないなど、機能面で限りがあることがオワコンと言われる要因だと推測されます。
しかしながら、学びたい言語や稼げる言語としてGo言語は大変人気があり、今の段階では急速に需要が拡大しています。大人数で大規模な開発を効率的に行うなど、時代のニーズにもマッチしているため、数年単位で廃れる言語だとは考えにくいです。
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実際に、フリーランスエンジニア向けの求人紹介サービス「エンジニアファクトリー」には、Go言語でのバックエンド開発業務支援やクラウドECの開発といった案件が掲載されています。
月額報酬は~70万円や~80万円など高単価な案件がが多く、Go言語を身につければエンジニアとしての年収アップにもつながるでしょう。Go言語の案件が気になる方は、以下リンクから実際の求人情報をチェックしてみてください。
まとめ

本記事では、2012年にリリースされたプログラミング言語「Go言語」について、活用方法やメリット・デメリット、使い方を紹介しました。
シンプルなコードと高速処理により、YouTubeやメルカリ、クックパッドなど大規模なサービスに幅広く活用されています。将来性に期待できるGo言語を習得することは、エンジニアとしての人材価値の向上にもつながるでしょう。