「AWS資格の選び方が分からない…」「資格の難易度やおすすめの勉強方法は?」このような悩みを持つ方に向けて、今回はAWS資格全12種類の「難易度」「勉強時間の目安」「おすすめの勉強法」を分かりやすく解説していきます。
AWS資格は、業界シェア率No.1の呼び声が高い人気の資格。取得できれば多くの企業から重宝される人材へと近づきます。それぞれの特徴や難易度をしっかりと理解して、スムーズにキャリアアップしていきましょう。

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- AWS資格とは?
- AWS資格の難易度はどれくらい?
- AWS資格取得に必要な勉強時間と学習方法
- AWS資格取得におすすめの学習リソース
- AWS資格を取得するメリットとは?
- AWS資格取得の注意点とポイント
- AWS案件ならエンジニアファクトリー
- まとめ
AWS資格とは?
AWS資格(AWS認定)は、Amazonが提供する Amazon Web Services の公式認定資格です。資格を取得することでクラウド技術の理解が深まるだけでなく、転職やキャリアアップ、高単価の獲得につながるメリットがあります。
資格区分は以下のように4つに分かれており、2025年上半期時点で12種類がラインナップされています。
■AWS資格4つのカテゴリー
カテゴリー | 対象者 |
基礎(Foundational) | IT営業職や非エンジニアのPM向け。AWSの基礎の理解が目的 |
中級(Associate) | AWS初心者向け。AWSを活用して課題解決するための知識が求められる |
上級(Professional) | 技術者向け。複雑な課題を解決するための知識が求められる |
専門(Specialty) | 特定の専門分野に関するAWSの高度な知識が求められる |

AWS資格の12種類の特徴と分野
AWSが提供する12種類の資格は、それぞれ異なるスキルや知識が求められます。
2024年には新しく「AIプラクティショナー」「機械学習エンジニア -アソシエイト」が追加されたことから、近年はAIや機械学習の分野に力を入れていることが分かります。
■AWS資格一覧(2025年上半期時点)
カテゴリー | 資格名 | 概要 |
---|---|---|
基礎 | クラウドプラクティショナー(CLF) | AWSの基本概念を問う資格で初心者向け |
AIプラクティショナー (AIF) | AIや機械学習に関する基礎知識を問う資格 | |
アソシエイト | ソリューションアーキテクト(SAA) | AWSシステムの設計や構築スキルが求められる |
SysOpsアドミニストレーター(SOA) | AWSシステムの運用・管理スキルが求められる | |
デベロッパー(DVA) | AWSを活用した開発スキルを証明する | |
データエンジニア(DEA) | データ管理や分析基盤の設計スキルを証明する | |
機械学習エンジニア(MLA) | 機械学習のモデル開発と運用スキルを証明する | |
プロフェッショナル | ソリューションアーキテクト(SAP) | 大規模システムの設計スキルを証明する |
DevOpsエンジニア(DOP) | DevOps環境の構築や自動化のスキルを証明する | |
スペシャルティ | 機械学習(MLS) | AI/MLを活用したソリューション構築スキルの証明する |
セキュリティ(SCS) | AWS環境のセキュリティ管理やリスクマネジメントスキルを証明する | |
ネットワーキング(ANS) | AWS環境でのネットワーク設計スキルを証明する |
ここからは、それぞれの資格の特徴や求められるスキルについて詳しく解説します。どの資格を取得すべきか迷っている方は、この項目で自分の目的やスキルレベルに合った資格を探してみてください。
①AWS認定 クラウドプラクティショナー(CLF)
AWS認定クラウドプラクティショナー(AWS Certified Cloud Practitioner)は、AWSの入門編の資格です。AWS業務に携わるIT営業職やプロジェクトマネージャーなど、非エンジニア向けに設計されています。
AWS認定 クラウドプラクティショナー(CLF)に求められるスキル
- クラウドの基礎
- AWSの概要
- AWS責任共有モデルの理解
- AWSセキュリティの基本
- AWS Identity and Access Management (IAM)の概念
- AWSの主要コンプライアンス
- AWSの主要サービスの概要
- AWSのネットワーク技術の概要
- AWSの価格モデルとコスト最適化の基本
- AWSの請求とコスト管理ツールの基本
詳しい難易度や勉強時間は次の章で解説します。
②AWS認定 AIプラクティショナー(AIF)
AWS認定 AIプラクティショナー(AWS Certified AI Practitioner)は、AWSのAIおよび機械学習(ML)の基礎知識を証明する資格です。機械学習の専門知識やプログラミングスキルは求められないため、エンジニアの業務経験がない人でも合格を目指せます。
AWS認定 AIプラクティショナー(AIF)に求められるスキル
- AIおよび機械学習(ML)の基礎概念
- 生成AIの基本的な仕組みと活用例
- AWSのAI・MLサービスの概要
- AIモデルトレーニングの基本
- クラウドAIとオンプレミスAIの違い
- AIの倫理・コンプライアンス
③AWS認定 ソリューションアーキテクト -アソシエイト(SAA)
AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト(AWS Certified Solutions Architect – Associate)は、AWSシステムの設計スキルが学べる資格です。エンジニア経験者向けの資格ではありますが、ITやクラウドの基礎知識があれば、未経験者も十分合格を目指せます。
AWS認定 ソリューションアーキテクト -アソシエイト(SAA)に求められるスキル
- AWSのベストプラクティスに基づいたシステム設計
- 高可用性・耐障害性のあるアーキテクチャの構築
- EC2、S3、RDS、VPCなどのシステム設計
- セキュリティとコンプライアンスの基礎
- コスト最適化を考慮したアーキテクチャ設計
- 分散システムやマイクロサービスの基礎
④AWS認定 SysOpsアドミニストレーター -アソシエイト(SOA)
AWS認定 SysOpsアドミニストレーター – アソシエイト(AWS Certified SysOps Administrator – Associate)は、AWS環境の運用・管理に関するスキルを証明するための資格です。主にAWS上のシステム運用や、トラブルシューティングを担当するエンジニアに適しています。
AWS認定 SysOpsアドミニストレーター -アソシエイト(SOA)に求められるスキル
- AWS環境での運用管理とモニタリング
- システムの可視化とパフォーマンス最適化
- バックアップやリカバリー、障害対応の基礎
- IAMによるアクセス管理とセキュリティ設定
- AWSサービスのコスト管理と最適化
- インフラのオートメーションやコード化の基礎
⑤AWS認定 デベロッパー -アソシエイト(DVA)
AWS認定デベロッパー – アソシエイト(AWS Certified Developer – Associate)は、AWS環境における開発スキルを証明する資格です。サーバーレスやクラウドネイティブな開発手法を理解できるため、クラウドに興味がある開発エンジニアに適しています。
AWS認定デベロッパー – アソシエイト(AWS Certified Developer – Associate)に求められるスキル
- AWS SDKを使用したアプリケーションの開発
- サーバーレスアーキテクチャの基礎
- AWSの主要な開発サービスの活用法
(Lambda、API Gateway、DynamoDB、SNSなど) - 継続的インテグレーション・デリバリーの基礎知識
(AWS CodePipelineやCodeBuildなどのCI/CDツール) - アプリケーションのセキュリティと監視
(IAM、CloudWatch、X-Rayなど)
⑥AWS認定 データエンジニア -アソシエイト(DEA)
AWS認定データエンジニア – アソシエイト(AWS Certified Data Engineer – Associate)は、AWS上でデータの処理・データ分析の基礎が学べる資格。駆け出しのデータエンジニアやデータアナリストにおすすめです。
AWSの実務経験がない人でも、独学でAWSの基礎やデータ分析を学べば十分合格を目指せます。
AWS認定 データエンジニア -アソシエイト(DEA)に求められるスキル
- AWS上でのデータ収集、ストレージ、処理、分析の基本
- Amazon S3、Amazon Redshift、AWS Glueを活用したデータパイプラインの構築
- データの変換やETL(抽出・変換・ロード)処理
- ストリーミングデータの処理(Kinesis、MSKなど)
- データセキュリティとアクセス管理(IAM、KMS、AWS Lake Formation)
⑦AWS認定 機械学習エンジニア -アソシエイト(MLA)
AWS認定機械学習エンジニア – アソシエイト(AWS Certified Machine Learning Engineer – Associate)では、AWS環境における機械学習モデルの開発・運用スキルが問われます。
「クラウド領域を視野に入れている機械学習エンジニア」「AWSでのAI開発に興味がある未経験エンジニア」におすすめの資格です。
AWS認定 機械学習エンジニア -アソシエイト(MLA)に求められるスキル
- AWSでの機械学習モデルの設計や開発、デプロイ
- Amazon SageMakerでのトレーニングとチューニング
- AIワークフローの自動化(Step Functions、Lambda)
- モデルの監視と評価(CloudWatch、Model Monitor)
- 機械学習のセキュリティとコンプライアンス
⑧AWS認定 ソリューションアーキテクト -プロフェッショナル(SAP)
AWS認定ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル(AWS Certified Solutions Architect – Professional)は、AWS環境で大規模なクラウドアーキテクチャを設計・最適化するスキルを証明する資格です。
プロフェッショナル区分の資格は、AWSで2年以上の実務経験があるエンジニア向けに設計されています。そのためクラウドアーキテクトやITコンサルタントなど、高度なシステム設計を担う職種に最適です。
AWS認定 ソリューションアーキテクト -プロフェッショナル(SAP)に求められるスキル
- AWS Well-Architected Frameworkを活用した設計・最適化
- マルチリージョン環境での分散システムの設計
- 高可用性・耐障害性を備えたクラウドアーキテクチャの構築
- コスト最適化、セキュリティベストプラクティスの適用
- ハイブリッドクラウドやオンプレミスとの連携
⑨AWS認定 DevOpsエンジニア -プロフェッショナル(DOP)
AWS認定 DevOpsエンジニア – プロフェッショナル(AWS Certified DevOps Engineer – Professional)は、AWS環境で2年以上のプロビジョニングや運用経験があるエンジニアを対象とする資格です。
この資格を取得すると、AWS上でインフラの最適化ができるだけでなく、分散アプリケーションの構築や運用、管理のスキルがあることを証明できます。
AWS認定 DevOpsエンジニア -プロフェッショナル(DOP)に求められるスキル
- CI/CD(継続的インテグレーション/デリバリー)の設計・実装
- 高可用性を考慮したアプリケーション設計
- Infrastructure as Code(IaC)を活用した環境構築
(CloudFormation、Terraform) - モニタリングとロギングの活用
(CloudWatch、X-Ray) - セキュリティとコンプライアンスの自動化
(IAM、AWS Config、AWS Security Hub)
⑩AWS認定 機械学習 -スペシャルティ(MLS)
AWS認定機械学習 – スペシャルティ(AWS Certified Machine Learning – Specialty)は、AWSにおける機械学習とデータ分析で高度なスキルを証明するための資格です。
AWS資格の中で最難関とされる「スペシャルティ」に分類されることから、AWSクラウドとデータサイエンティストの深い知識が求められます。
AWS認定 機械学習 -スペシャルティ(MLS)に求められるスキル
- 機械学習モデルの設計・開発・運用スキル
- Amazon SageMakerを活用したデータ処理・トレーニング・デプロイ
- データ前処理(AWS Glue、Amazon EMR、AWS Data Pipeline)
- モデル評価とハイパーパラメータ最適化
- AIワークフローの設計と自動化(Step Functions、Lambda)
⑪AWS認定 セキュリティ -スペシャルティ(SCS)
AWS認定セキュリティ – スペシャルティ(AWS Certified Security – Specialty)は、AWS環境におけるセキュリティ専門家向けの資格です。受験対象者は、セキュリティソリューションの設計と実装で3〜5年の実務経験があるエンジニア。セキュリティを担当するプロのIT人材に適しています。
AWS認定 セキュリティ -スペシャルティ(SCS)に求められるスキル
- AWSのセキュリティサービスの活用
(IAM、AWS KMS、AWS Shield、AWS WAF) - AWS責任共有モデルとセキュリティベストプラクティスの理解
- データの保護とアクセス管理
(S3暗号化、VPCセキュリティ、セキュリティグループ) - ロギングと監視の強化
(CloudTrail、AWS Config、Security Hub) - インシデント対応とフォレンジック分析
⑫AWS認定 ネットワーキング-スペシャルティ(ANS)
AWS認定ネットワーキング – スペシャルティ(AWS Certified Advanced Networking – Specialty)は、AWSのネットワークサービスに特化した高度専門資格です。AWS経験者のネットワークエンジニアやインフラ担当者におすすめ。「AWSでもっとも難しい資格」といわれています。
AWS認定ネットワーキング – スペシャルティ(AWS Certified Advanced Networking – Specialty)に求められるスキル
- AWSネットワークアーキテクチャの設計(VPC、Direct Connect、Transit Gateway)
- ハイブリッドクラウド環境のネットワーク統合(VPN、AWS PrivateLink)
- ネットワークの可用性と最適化(Route 53、Elastic Load Balancer)
- セキュリティとコンプライアンス(AWS WAF、AWS Shield、ネットワークACL)
- ネットワークの監視とトラブルシューティング(VPC Flow Logs、CloudWatch)
AWS資格の難易度はどれくらい?
初心者から経験者まで、幅広い資格が揃っているのがAWS認定。ここでは「低」「中」「高」の難易度でカテゴリー分けし、それぞれどの程度の知識が求められるのかを解説します。どの資格を取得すべきか悩んでいる人は、この項目を参考にしてみてください。
【難易度:低】IT初心者向けのAWS資格
- クラウドプラクティショナー(CLF)
- AIプラクティショナー(AIF)
AWS入門編の資格には、クラウドプラクティショナーとAIプラクティショナーがあります。この2つは「AWSの基本概念を理解すること」を目的とされているため、ITやプログラミングの専門知識がなくても十分合格できます。
たとえばAIプラクティショナーの試験では、次のような問題が出題されます。
出題例:「企業がカスタマーサポートの業務効率化のために、AIを活用して自動応答チャットボットを導入しようとしています。この目的に最適なAWSサービスはどれか?」
A. Amazon SageMaker
B. Amazon Lex
C. AWS Lambda
D. Amazon RDS
正解:B
このような暗記系の問題が頻出するため、IT初心者もAWSのサービスをしっかり学べば合格を目指せます。クラウドプラクティショナーやAIプラクティショナーは、AWSを学びたい初心者におすすめの資格です。
【難易度:中】駆け出しエンジニア向けAWS資格
- ソリューションアーキテクト -アソシエイト(SAA)
- SysOpsアドミニストレーター -アソシエイト(SOA)
- デベロッパー -アソシエイト(DVA)
- データエンジニア -アソシエイト(DEA)
- 機械学習エンジニア -アソシエイト(MLA)
アソシエイトの資格群は「クラウドの実務経験1年以上」を想定していますが、次の出題例を見れば、エンジニア未経験者も合格を狙えることが分かります。
SAAの出題例:「EC2インスタンスのCPU使用率が90%を超えた際、アラートを発生させるために使用すべきAWSサービスは?」
A. AWS CloudTrail
B. Amazon CloudWatch
C. AWS Config
D. Amazon Inspector
正解:B
DVAの出題例:「AWS Lambda関数の最大実行時間制限は何分ですか?」
A. 5分
B. 10分
C. 15分
D. 30分
正解:C
ITパスポートの資格を持っている方なら「AWSサービスの特徴を把握すれば解ける」と感じませんか?実際にアソシエイトに分類される資格は、エンジニア未経験で合格している人も一定数います。現役エンジニアだけでなく、これからクラウドエンジニアを目指す人にもおすすめの資格です。

【難易度:高】専門スキルの証明になるAWS資格
- ソリューションアーキテクト -プロフェッショナル(SAP)
- DevOpsエンジニア -プロフェッショナル(DOP)
- 機械学習 -スペシャリティ(MLS)
- セキュリティ -スペシャリティ(SCS)
- ネットワーキング -スペシャリティ(ANS)
「プロフェッショナル」と「スペシャルティ」に分類される資格は、AWSの中で最も高度なスキルと知識が求められます。SAPとDOPの出題例を以下に記載しました。エンジニア1〜2年目の方は「付け焼き刃の知識では対応できない」と感じるかもしれません。
SAPの出題例:「グローバル企業がAWSを活用してディザスタリカバリ戦略を策定したい。コストを抑えつつRTO(目標復旧時間)を短縮するための最適なアーキテクチャは?」
A. 単一リージョンのAmazon S3バックアップのみ
B. AWS BackupとAmazon Glacierを活用し、オンデマンドで復旧
C. マルチリージョンのデータレプリケーションとAWS Global Acceleratorの組み合わせ
D. Amazon RDS Multi-AZのみを活用
正解:C
DOPの出題例:「開発チームがAWS CodePipelineを用いたCI/CD環境を構築しようとしている。デプロイの信頼性を向上させるための適切なデプロイ戦略は?」
A. AWS Lambdaを用いた単一関数デプロイ
B. Blue/Greenデプロイを採用し、リリース時のリスクを低減
C. 手動承認を追加し、デプロイプロセスを厳格化
D. 単一のEC2インスタンスにデプロイし、ダウンタイムを回避
正解:B
このような長文問題が頻出するうえ、出題範囲も非常に広いものがあります。現役エンジニアであっても、業務経験によって必要な勉強時間は大きく異なるため、前もって試験対策に挑むことが重要です。
初心者におすすめのAWS資格はこれ!
AWS初心者のなかでも、非エンジニアにはクラウドプラクティショナー(CLF)やAIプラクティショナー(AIF)、駆け出しエンジニアにはソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA)がおすすめです。
これからエンジニアとして働く予定の人や、AWSを学びたい現役エンジニアは「ソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA)」の取得をぜひ目指してください。クラウド技術の需要は近年高まっているため、AWSの設計や運用スキルを証明できるSAAは、転職や案件獲得で大いに役立ちます。
AWSを扱う営業職やマネージャーの方は「クラウドプラクティショナー」「AIプラクティショナー」を取得することで、日々の業務をよりスムーズに進められるでしょう。
AWS資格取得に必要な勉強時間と学習方法
AWS資格に合格するためには、自分の知識レベルに応じて一定の学習時間を確保することが大切です。とくに初心者と経験者では、必要な勉強時間が大きく異なります。ここではAWS資格の勉強時間の目安と、資格勉強で使えるおすすめの学習ツールを紹介します。
AWS資格取得に必要な平均的な勉強時間
AWS資格ごとの勉強時間の目安は以下のとおりです。
■AWS資格取得に必要な勉強時間の目安
資格名 | 勉強時間 |
クラウドプラクティショナー(CLF) | ・IT初心者:50時間 ・基本情報保持者:10〜20時間 |
AIプラクティショナー(AIF) | ・IT初心者:50時間 ・基本情報保持者:25時間 |
ソリューションアーキテクト -アソシエイト(SAA) | ・IT初心者:80〜100時間 ・基本情報保持者:50〜70時間 |
SysOpsアドミニストレーター -アソシエイト(SOA) | ・IT初心者:100〜120時間 ・基本情報保持者:50〜70時間 |
デベロッパー -アソシエイト(DVA) | ・IT初心者:100〜120時間 ・基本情報保持者:50〜70時間 |
データエンジニア -アソシエイト(DEA) | ・IT初心者:100〜120時間 ・基本情報保持者:50〜70時間 |
機械学習エンジニア -アソシエイト(MLA) | ・IT初心者:100〜120時間 ・基本情報保持者:50〜70時間 |
ソリューションアーキテクト -プロフェッショナル (SAP) | ・基本情報保持者:160〜220時間 ・実務経験者:120〜180時間 |
DevOpsエンジニア -プロフェッショナル(DOP) | ・基本情報保持者:120〜180時間 ・実務経験者:80〜140時間 |
セキュリティ -スペシャルティ(SCS) | ・基本情報保持者:120〜180時間 ・実務経験者:80〜140時間 |
機械学習 -スペシャルティ(MLS) | ・基本情報保持者:120〜180時間 ・実務経験者:80〜140時間 |
ネットワーキング -スペシャルティ(ANS) | ・基本情報保持者:160〜220時間 ・実務経験者:120〜180時間 |
基本情報技術者試験の知識を持っている人なら、アソシエイトの資格を1〜2ヶ月ほどで合格できるでしょう。
一方でプロフェッショナルやスペシャルティレベルになると、実務経験をどのくらい積んだかで学習時間が大きく変わります。
なかでも「ネットワーキング – スペシャルティ(ANS)」「ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル(SAP)」は難関といわれているため、AWS経験者も十分な勉強時間を確保する必要があります。
効果的な学習方法とおすすめリソース
AWS資格を効率良く取得するには、「基礎学習」と「実践演習」を組み合わせることが重要です。以下に資格勉強で役立つおすすめの学習サービスをまとめました。
■資格勉強に役立つおすすめの学習サービス
項目 | サービス名 | 特徴 | 料金 |
---|---|---|---|
基礎学習 | AWS公式ドキュメント | 各サービスの詳細な説明が記載されている公式ドキュメント。試験の出題範囲を深く理解するのに最適。 | 無料 |
AWS 初心者向けハンズオン | AWSが公式で提供する初心者向けのハンズオントレーニングサイト | 無料 | |
AWSサービス別資料 | AWS公式オンラインセミナーのYouTubeアーカイブ。特定のサービスを勉強するときに最適 | 無料 | |
AWS Well-Architected Framework | AWSの設計ベストプラクティスが学べるAWS公式サイト。ソリューションアーキテクト試験では必読レベル | 無料 | |
実践演習 | AWS Skill Builder | オンデマンドの AWS デジタルトレーニングを何度でも視聴できる。200を超えるコースが日本語化されている。AWS公式が運営 | 一部有料 |
AWS認定資格 無料WEB問題集 | 会員登録不要・完全無料でAWS認定の問題集が解ける。SAAやCLFなど人気資格に対応 | 無料 | |
Ping-t | SAAの問題集を無料753問受けられる学習サイト | 一部有料 | |
CloudTech | AWS専門オンライン学習プラットフォーム。実践的なハンズオン形式で学べる | 一部有料 | |
Udemy | AWS試験対策の動画講座が豊富。模擬試験付きのコースが特に人気で頻繁にセールあり | 有料 |
AWS資格は、公式サイトの学習ツールが充実しています。コスパ良く合格したい人は、AWSが公式で提供している学習サイトを中心に勉強するのがおすすめです。次の項目では、AWS公式サイトを使った具体的な学習手順を紹介します。
AWS公式トレーニングと模擬試験の活用
AWS初心者でプラクティショナーやアソシエイトの合格を目指す人は、次のステップで公式サイトを活用すると勉強がスムーズです。
ステップ① 「AWS初心者向けハンズオン」で基礎を学ぶ
AWS初心者向けハンズオンは、AWSの基本操作を学べる動画コンテンツです。AWSコンソールを操作しながら学習できるため、クラウドの概念を理解しやすいメリットがあります。初めてAWSを学ぶ人におすすめの教材です。
ステップ② 「AWSサービス別資料」で苦手分野を補う
AWSサービス別資料では、AWSが公式で開催したオンラインセミナーの動画を無料で視聴できます。特定のAWSサービスについて詳しく学べるため、自分の苦手分野を重点的に学べるメリットがあります。
ステップ③ 「AWS Skill Builder」で模擬試験に挑戦する
AWS Skill Builder は、AWS公式のオンデマンド学習プラットフォームです。Amazonアカウントがあれば無料で600以上のコースを受講でき、日本語対応された模擬試験が受けられます。
基礎を固めた後に AWS Skill Builder の模擬試験を受けることで、より実践的な試験対策が行えます。
AWS資格取得におすすめの学習リソース
「公式サイトでは勉強がはかどらない。」
「公式サイト以外のおすすめ学習ツールは?」
このようなお悩みを持つ方に向けて、ここではさまざまなAWS学習ツールをピックアップして紹介します。
AWS公式の参考書や模擬試験
AWS公式の参考書や模擬試験は、もっとも信頼できる学習リソースです。多くのサービスが無料で公開されているため、上手に活用すればコスパ良く合格を目指せます。
■AWS公式の学習サービス一覧
サービス名 | おすすめの活用法 |
AWS 公式ドキュメント | 各AWSサービスの詳細が記載されており、正規の情報を確認できる |
AWS ホワイトペーパー | アーキテクチャ、セキュリティ、コスト管理に関するベストプラクティスを掲載。特にAWS Well-Architected FrameworkはSAA学習に必須 |
AWS Skill Builder | Amazonアカウントがあれば約600のコースを無料受講できる。日本語対応済みの模擬試験も受講可能 |
AWS 初心者向けハンズオン | 初心者向けハンズオン形式トレーニング。クラウド概念や主要サービスの使い方を理解するのに最適 |
AWS サービス別資料 | 過去のセミナー動画を閲覧できる。最新AWSサービスも学べるため最新情報のキャッチアップにも有効 |
オンライン講座やトレーニングコース
日本には公式サイトのほかに、さまざまなAWS学習サービスが存在します。以下に代表的なサービスと概要をまとめましたので、学習の参考にしてください。
■AWSのオンライン講座・学習サービス
サービス名 | 概要 | 料金 |
Ping-t | SAAのWEB問題集を753問無料で受けられるサービス。受講には会員登録が必要 | 無料 |
AWS認定資格 無料WEB問題集 | SAAやCLFの問題集を完全無料で閲覧できるWebサイト。全問解説付きでカテゴリや難易度別に整理されている。会員登録不要 | 無料 |
CloudTech | AWSに特化した日本最大級のオンライン学習プラットフォーム。無料枠はSAA30問ほどなので本格的な試験対策なら資格会員がおすすめ | ・フリーコース:無料 ・資格会員:5,480円/90日 ・基本会員:13,700円/90日 ・永久会員:54,800円 |
TechStock | AWS認定試験対策の学習サイトで問題集・動画・模擬試験を提供。”合格体験記”で合格者の勉強法や試験対策を確認できる | 4,580円/90日 |
Udemy | オンラインの動画教材プラットフォームでAWS資格の講座や模擬試験が豊富。月2〜3回のセールで購入するとお得 | 1,000〜3,000円 (セール価格) |
資格取得に役立つおすすめ書籍
AWS資格の試験範囲を体系的に学びたいなら、専門書を活用するのがおすすめです。ここではAWSで人気の資格「クラウドプラクティショナー(CLF)」「ソリューションアーキテクト -アソシエイト(SAA)」に対応したおすすめの書籍を紹介します。
資格取得に役立つおすすめ書籍3選
- 図解即戦力 Amazon Web Servicesの仕組みと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書
- AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー
- 改訂新版 徹底攻略 AWS認定 ソリューションアーキテクト − アソシエイト教科書[SAA-C02]対応
① 図解即戦力 Amazon Web Servicesの仕組みと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書

引用:Amazon
本書はAWSの仕組みや、主要技術が図解付きで解説されている入門書です。試験対策の専門書ではありませんが、AWSをまだ利用したことがない人が基礎を固めるのに最適な1冊となっています。AWS用語やクラウド技術が網羅的にまとまっているため、エンジニア1年目の方や、これからIT業界を目指す人におすすめです。
学べる内容
- AWSの基本用語
- クラウド技術の基礎
- ネットワークの基礎
- AWS主要サービス(EC2・S3・RDSなど)
② AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー

引用:Amazon
こちらはクラウドプラクティショナー(CLF)の試験対策に特化した書籍です。CLFの合格を目指しながら、AWSクラウドの基本概念を体系的に学べる内容になっています。ビジネスの現場におけるAWSの活用法にも触れているため、マネージャーや営業職などの非エンジニアにもおすすめです。
学べる内容
- AWSの基本知識
- クラウドのコンセプト
- セキュリティとコンプライアンス
- クラウドテクノロジーとサービス
- 請求や料金モデル など
③ 改訂新版 徹底攻略 AWS認定 ソリューションアーキテクト − アソシエイト教科書[SAA-C02]対応

引用:Amazon
本書は「AWS認定ソリューションアーキテクト–アソシエイト(SAA)」の試験対策に特化した1冊です。アップデート版の試験(SAA-C02)に対応しており、最新のAWS環境を踏まえた試験対策が行えます。AWSのクラウド活用における実践的な知識も学べるため、現役エンジニアのスキルアップにも役立ちます。
SAAは、AWSの実務経験がなくても十分合格を目指せるため、AWSエンジニアを目指す未経験者にもおすすめです。
学べる内容
- AWSWell-Architectedフレームワーク
- セキュリティ・信頼性
- パフォーマンス最適化
- コスト管理 など
AWS資格を取得するメリットとは?
AWS資格はクラウド技術の習得だけでなく、キャリアアップや転職活動にも役立ちます。
ここでは、AWS資格を取得することで得られる4つのメリットを紹介します。
キャリアアップや転職に有利になる
近年は多くの企業がクラウドを導入しており、AWSエンジニアの需要が年々高まっています。AWS資格を保有すれば、転職活動でIT企業からのオファーが増えるでしょう。とくに「AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA)」は、システム設計やクラウド移行の知識の証明になるため、キャリアアップを狙う人はSAAの取得を目指すのがおすすめです。
オンプレからクラウドエンジニアへの転職、インフラの保守・運用からAWS構築へのキャリアアップにもつながります。
スキル証明によって収入アップにつながる
AWSの資格は一定のスキル証明につながるため、市場価値が高まり収入アップにつながりやすいです。
なかでも取得難易度が高い「AWS認定ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル(SAP)」「AWS認定DevOpsエンジニア – プロフェッショナル(DOP)」を所持すれば、年収800万円~1,200万円の求人に応募できる可能性が高まります。
またAWS市場はフリーランス案件も豊富なので、認定資格を取得すれば高単価のプロジェクトに参画しやすくなるでしょう。
最新技術を学び続けられる
AWSは技術の進化が非常に速く、年間で数百以上の新機能やサービスが発表されています。資格取得を目指すことで、こうした最新技術の知識を効率よく習得できます。たとえば2024年には、「AIプラクティショナー」「機械学習エンジニアアソシエイト」が新しく追加されました。AWS資格に挑戦することで、最新の技術を学び続けられます。
業界内での信頼度が高まる
AWS資格を取得することでスキル証明につながるため、企業やクライアントから信頼を得やすくなります。
とくにクラウドを導入する企業にとって、AWS資格を所持するエンジニアは大きな存在です。社内に専門知識を持つ人材がいることで、クラウドの導入や運用がスムーズに進み、技術的な課題を克服しやすくなります。
フリーランスや副業で仕事を請け負うエンジニアにとっても、AWS資格は案件獲得の強力な武器になるでしょう。案件獲得にはスキルや実績の証明が欠かせません。AWS資格は「信頼できるエンジニア」といった評価につながります。
AWS資格取得の注意点とポイント
AWS資格を取得するには、自分に合った資格の選定や継続的な学習が重要です。ここではAWS資格に関する注意点やポイントを解説します。
資格取得時に気を付けたいこと
AWS資格を取得する際に注意したいのが、受験費用の高さです。初級編の「クラウドプラクティショナー(CLF)」では約15,000円、上級資格では約40,000円の受験料がかかります。
基本情報技術者試験やITパスポートの費用・7,500円と比べるとかなり割高なので、受験には予算を考慮する必要があります。またAWS資格は出題範囲が広いことから、計画的な勉強が欠かせません。
初心者はAWSの試験範囲で挫折しがちなので、無理のない学習計画を立てることが大切です。
自分に合った資格を選ぶための基準
AWS資格は、基礎・アソシエイト・プロフェッショナル・スペシャルティの4つに分かれています。自分にぴったりな資格を選ぶためには、スキルレベルとキャリアの方向性を考慮することが前提です。以下に資格の難易度とキャリアアップの可能性をまとめたので、どの資格が自分に向いているのかを探ってみてください。
カテゴリー | 難易度 | キャリアアップの可能性 |
---|---|---|
基礎(Foundational) | 低 | IT人材・IT営業・DX推進担当者 |
アソシエイト(Associate) | 中 | クラウドエンジニア・インフラ運用管理者 |
プロフェッショナル(Professional) | 高 | クラウドアーキテクト・テクニカルリーダー・マネージャー・リードエンジニア |
スペシャルティ(Specialty) | 高 | ネットワークや機械学習、セキュリティ領域のスペシャリスト・ITコンサルタント・クラウドアーキテクト |
継続的な学習が重要な理由
AWS資格は3年に1度のペースで更新しなければなりません。AWSのサービスは日々アップデートしています。最新技術に対応できるスキルを随時身に付けなければなりません。新しい技術を学び続けることが、市場価値を高めるいちばんの秘訣。AWSの進化とともに、自分自身をアップデートさせましょう。
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まとめ
この記事では、AWS資格の難易度や学習方法、資格選びのポイントについて解説しました。AWS資格を取得すれば、クラウドスキルの証明になるだけでなく、転職や年収アップのチャンスも広がります。
試験対策では公式サイトや動画教材など、自分に合った学習ツールを活用すると合格までスムーズです。計画的に勉強を進めて、より価値の高いIT人材を目指しましょう。