2024/04/25

C++ とは何か?C言語やC#との違い、特徴について徹底解説

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C++ とは何か?C言語やC#との違い、特徴について徹底解説

プログラミング学習初心者の場合、何のプログラミング言語から勉強しようか迷っている方も多いのではないでしょうか。C++は、プログラミング言語の中でも歴史が古く、多くの開発で利用されている言語です。本記事では、そんなC++の特徴から学習方法まで、徹底解説します。

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C++ とは何か?

C++ とは何か?

C++とは、C言語をベースにオブジェクト指向などを取り入れたプログラミング言語です。この言語は1979年にビャーネ・ストロヴストルップ氏によって開発され、現在にわたり長い間、数多くのエンジニアに愛されています。

このC++は、他のプログラミング言語と比較しても長い歴史を持つため、アプリケーションやソフトウェア開発、ゲーム開発など幅広い場面で利用されています。また、高速な処理速度を持っていることから、大規模なシステムでも重宝される言語です。上記のような理由から、現在の日本のIT市場でもC++ができるエンジニアを探している企業も多く存在します。

今回は、そんなC++の特徴や作れるものを、初心者の方にも分かりやすく解説します。「どんな言語から勉強したら良いかわからない」「C++という言語は聞いたことがあるが、詳しくは知らない」という方は、ぜひ本記事を読んでC++の基礎知識をマスターしましょう。

C++の種類は複数ある

C++の言語には、実はいくつかの種類があります。例えば代表的なものにBorland C++やVisual C++があります。ここでは今紹介したこの2つについて詳しく見てみましょう。

Borland C++

Borland C++は、もともとBorland社という企業によって開発されたコンパイラです。Borland社はTurbo Pascal、Delphiなどさまざまな開発ツールを世に送り出したことで有名ですが、Borland C++も、例にもれず非常に人気のある統合開発環境 (IDE) でした。

Borland C++コンパイル速度が速く、ユーザーフレンドリーな開発環境だったため、特に Windows プラットフォームでのデスクトップ アプリケーション開発で人気がありました。

Visual C++

Visual C++は、Microsoft社によって開発された統合開発環境(IDE)です。こちらはWindowsアプリケーションの開発に特化しており、Microsoft Visual Studioの一部として提供されています。

Visual C++は、.NETフレームワークとの統合や豊富なライブラリを提供しており、多様な開発現場で重宝されています。Visual C++は、比較的ユーザーフレンドリーなインターフェースのため、初心者でも操作しやすいのも大きな魅力です。

C++のフレームワークについて

C++にはいくつか有名なフレームワークがあり、開発現場ではフレームワークを利用することが一般的です。ここでは、特に有名なフレームワークの紹介やフレームワークの選び方、トレンドを紹介します。

人気のC++フレームワーク

C++の人気なフレームワークといえば、 Qt(キュート)、TreeFrog Framework、crowなどが有名です。それぞれ特徴が異なり、例えばQt(キュート)はクラスプラットフォームの開発に対応している点が特徴です。

一方でTreeFrog FrameworkはWebアプリケーション向けのフレームワークで、動作が高速な点が特徴といえます。

C++フレームワークの選び方

フレームワークの選び方において何より重要なのは、「何を作るか」という点に尽きるでしょう。例えば、フレームワークによって対応する端末やOSが異なるため、作りたい成果物に合わせたフレームワークを選択する必要があります。

もう一点重要なのは、システムの規模、処理速度です。高速で膨大な量の処理が求められるシステムを構築するのであれば、それに対応する高速な処理速度を持つフレームワークを選ばなくてはなりません。

C++フレームワークの最新トレンド

近年ではスマホが普及したこともあり、クロスプラットフォーム開発のサポートが強化されています。さらに、クラウドベースのアプリケーション開発に対応するために、Azure IoT SDKやAWS SDK for C++なども人気です。

さらに、AIシステムの開発も近年需要が高まっており、機械学習とデータ分析をサポートするようなフレームワークも登場しています。データ分析にも興味がある方は、TensorFlow C++ APIなどもおすすめです。

C++の特徴とは

C++の特徴とは

C++の特徴は冒頭でもお伝えした通り、C++はオブジェクト指向型のプログラミング言語という大きな特徴を持っています。しかし、その他にも機能面でもいくつか特徴がありますので、確認していきましょう。

C++の機能について

C++は、非常に多機能で強力な言語として知られています。例えば、C++では直接開発者がメモリを直接管理したり、システムの低レベル部分にアクセスできます。

低レベル部分とは、メモリ管理やハードウェアの制御など、よりコンピュータの基本的な構成要素を指します。つまり、C++はシステムの核に近い部分を操作できるのが大きな特徴と言えます。

その他にも、複雑なデータ構造やアルゴリズムの実装など、開発者が必要とする機能を幅広く提供しており、汎用性が高いことも大きな特徴です。

オブジェクト指向プログラミング言語

オブジェクト指向プログラミングとは、クラスとオブジェクトという考え方をもち、実世界のものをプログラム内でモデル化することができます。モデル化をすることで、例えば「1回使ったAオブジェクトを他で使いまわしたい」ということがより簡単にできます。

つまり、これによりプログラムの再利用性、拡張性、管理が容易になり、システムを安全に運用したり、カスタマイズできます。

定期的なアップデートによるサポート

C ++は多様な機能を持ち、高速処理が可能だと分かりましたが、そのバージョンによって搭載されている機能が多少異なります。

つまり、バージョンアップがされるたびに新機能が追加されるため、これから C ++を学習する方は、最新版の C ++を取得してインストールすることをおすすめします。2024年2月時点では、国際規格として規格書が定められているものとしてはC++20が最新バージョンです。

ただし、定期的にバージョンアップは行われますので、実際にプログラミング学習を始める前には、公式サイトなどから最新情報を取得しましょう。

C++とC言語は何が違う?

C++とC言語は何が違う?

C++と似た言語に、C言語というものがあります。初心者の方は特に、両者の言語の違いがピンとこない方も多いでしょう。C++とC言語では具体的にどんな違いがあるか確認しましょう。

基本構文の違い

C言語は、構造化プログラミングをサポートするプロシージャ型言語ですが、C++はC言語の基本を継承しつつも、オブジェクト指向プログラミングの概念が加わっています。

C++ではオブジェクト指向で扱われるクラス、継承、ポリモーフィズム、カプセル化といったものを利用できるため、複雑な機能を搭載したシステムの開発も、効率的に行うことができます。

つまり、C++はC言語の良さを取り入れつつも、オブジェクト指向プログラミングを取り入れており、両者は似て非なるものだと分かります。

パフォーマンスの違い

C++は、C言語をより便利にしたプログラミング言語です。例えば、C++はより簡潔にプログラムを記述できることも多く、同じ結果になるプログラムを書くとしても、C言語で10行コードを書くところがC++は1行で書ける場合も多くあります。

しかし、パフォーマンスの面で2つの言語を比べると基本的には両者はほぼ同等でしょう。その理由として、C++はコンパイル時に処理が実行されますが、実際は残りの9行をコンピュータが裏で上手く実行しているためです。

もちろんプログラムの記述方法や作りたい機能によってパフォーマンスが変わることもありますが、基本的に両者に違いはあまりないと考えられます。

使用シナリオと適用分野

C言語は、オペレーティングシステム、組み込みシステム、システムプログラミングなどに広く使用されています。この言語は特にリソースが限られた環境やパフォーマンスが重要なアプリケーションで使用するのに適しています。

一方、C++はソフトウェア開発、デスクトップアプリケーション開発、ゲーム開発、より複雑で大規模なプロジェクトに適しています。

C++とC#は何が違う?

C++とC#は何が違う?

C++と似た言語に、C#という言語もあるのをご存じでしょうか。C#はC++とは異なり、動作環境が限定的で特徴も異なります。こちらもそれぞれの違いをみてみましょう。

使用場面の違い

C++はパフォーマンスが高い言語のため、デスクトップアプリケーションや組み込みシステムなど、幅広い開発で利用されています。

一方でC#は、マイクロソフトの.NETフレームワーク上で開発することが多く、モバイルアプリケーションやWebサービスの開発に使用されることが多いです。

開発環境とサポート範囲が異なる

C++の開発環境はVisual Studio、Eclipseなど、多くのIDEやツールがサポートしている言語です。その一方で、C#はVisual Studioをはじめとする統合開発環境でサポートされています。また、Microsoft Azureなどのクラウドサービスとの連携も強力です。

それぞれサポートされている開発環境などは異なりますが、どちらが良いとは一概には言えません。どちらの言語を選ぶか迷う場合は、そのプロジェクトに最も適しているものを選択すると良いでしょう。

機能面やライブラリの違い

C++は、前述の通りコンピュータのより核に近い低レベルの操作が可能です。開発でハードウェアにアクセスする場合にはC++を選ぶと良いでしょう。

C#は、ガベージコレクションという自動メモリ管理機能や豊富な標準ライブラリを提供しており、開発者がより安全で迅速にアプリケーションを開発が可能です。

C++で開発できるもの

C++で開発できるもの

C++は多くの企業や業種のシステム開発で利用されていますが、実際に作る成果物によって一緒に使うツールなどは異なります。プログラミング初学者はC++で開発できるものや、同時に勉強すべきものを整理しましょう。

アプリケーション開発

C++は、Chromeのような複雑なブラウザや、大量の処理が必要なアプリケーション開発でも広く使用されています。高速の実行速度を持ち、クラスプラットフォームの開発も可能なC ++は、アプリケーション開発でも重宝されています。

ゲーム開発

C++はゲーム開発の業界標準言語の1つで、Unreal EngineやUnityのような主要なゲームエンジンもC++で書かれていることも多いです。Unreal-Engineとは、Epic Games社が開発した、コンピュータゲームの開発エンジンです。一方UnityもUnreal Engineと同様にエンジニアから人気を集めているゲーム開発用プラットフォームです。

これらの主要なゲームエンジンではC++をサポートしているため、ゲーム開発をするならC++を学ぶと良いでしょう。

組み込みシステム

組み込みシステムとは、自動車のECU(エンジン制御ユニット)、医療機器、家電製品などで利用されるシステムのことです。組み込みシステムの開発では、リソースが限られている環境での効率的なコード実行が求められます。

また、C++は高速な処理速度を持つため、組み込みシステムの開発でも数多く利用されています。組み込み系の案件に挑戦したい方は、C++を勉強して損はないでしょう。

業務システム

C++は、全国で利用されるような大規模アプリケーションでも利用されます。その理由としては、やはりC++が高速な処理速度をもち、大量のデータを処理できるからでしょう。

また、C++は歴史が比較的古いため、昔から利用されている大規模システムの多くはC++で記述されている可能性が高いです。開発現場では、昔C++で構築されたシステムの改修を行うこともしばしばあります。

C++を使用するメリットは?

C++を使用するメリットは?

C++は長年にわたり、多くのプログラマーに愛されていますが、C++を利用するとどんなメリットが得られるのでしょうか。詳しく見てみましょう。

パフォーマンスの高さとライブラリ

C++はコンパイルすると直接機械語に変換されるため、実行速度が非常に速いです。さらに、メモリ管理の細かい制御が可能であり、リソースが限られた環境でも高いパフォーマンスを発揮します。大規模システムの開発で利用されていることからも、C++の効率性の高さがお分かりいただけるかと思います。

また、C++は広範な標準ライブラリを備えており、数学関数、ファイル操作、マルチスレッディングなど、様々な機能を提供しています。加えて、Boost、Qt、Pocoといったサードパーティのライブラリが豊富に用意されており、開発者はこれらを利用して様々な機能をより少ない工数で実装できます。

ゲーム開発で重宝されている

ゲームの開発を行うならC++を学習すべきと言っても過言ではありません。例えばゲーム開発プラットフォームとして有名なUnityでは、「スクリプト」というものにゲームの処理を記述します。このコードはC++で記述されています。

スマホアプリやデスクトップのゲームを制作したい方は、C++の書き方を学ぶことは必須とも言えるでしょう。

開発効率が高い

前述の通りC++は、 C言語をベースとしてオブジェクト指向の機能を導入したプログラミング言語です。

オブジェクト指向のプログラミングでは一度作ったオブジェクトを再利用して効率的にコードを記述できます。またオブジェクト指向では物と操作を分けているため、バグの発見やコードの可読性が上がりました。

既存のコードを他の人が読んでも理解しやすくメンテナンス性が高いプログラムを記述できるため、開発もより少ない工数で行えます。

C言語と互換性がある

CとC++は名称が似ているため混同されやすいですが、C言語をさらに拡張したものがC++ですので2つの言語は異なるものです。

しかし、C言語とC++は互換性があるためC言語のコードをC++に書き換えることもできます。すでにC言語で開発されたシステムを、C言語で書いたプログラムをより拡張性の高いC++に変更することもできます。

このように、C言語との相性がよいのもC++を利用するメリットと言えるでしょう。

C++を使用するときに注意したほうが良いこと

C++を使用するときに注意したほうが良いこと

非常に便利で高機能なC++ですが、使用する時に注意したいポイントもあります。ここでは、C++を使用する時に気をつけるべき点を紹介します。

向いていない開発もある

C++では、組み込みの開発や、大規模の業務系アプリケーションでよく利用されると解説しましたが、反対にUI開発には向いていません。UI開発をする場合は別のプログラミング言語を選択した方が良いでしょう。

学習コストがかかる

C++は、比較的最近できたプログラミング言語と比較すると文法の難易度が高いです。完全に初心者でC++を学習する場合には、完全に言語を習得するまで相当の時間がかかると考えた方が良いでしょう。

しかし、全ての機能を完全に理解しようとするとかなりの時間がかかりますので、まずはC++の入門書やチュートリアルなどを活用しつつ、簡単なシステムを構築することをおすすめします。

C++を学ぶには

C++を学ぶには

「C++を早速学びたい!」と考えても、具体的に何から手をつければ良いかイメージがつかない方も多いでしょう。本章では初心者が一通り知識を身につけると想定し、具体的な学習の流れを解説します。

書籍などを利用して、基本知識を習得する

完全にゼロからC++を学ぶのであれば、初心者向けの書籍を活用して基本的な文法のルールや演算子などを理解しましょう。

インターネットで公式サイトのドキュメントを参照すると、C++について基本的な解説がされていますが、プログラミング初心者がいきなりドキュメントをみても、読み解くのが難しく、途中で挫折する可能性が高いです。

まずは、C++の概念や基本ルールなどの大枠を理解して、どんなプログラミング言語なのかを抑えましょう。

「Hello World!」の出力まで行う

次に「Hello World!」の出力をしてみましょう。ちなみに「Hello World!」の出力とは、プログラムを実行して「Hello World!」を出力することを指します。

この工程を行うと、C++の開発環境のインストール方法から、初期設定など、プログラムを書くまでにどんな作業が必要か理解できます。

さらに、開発環境の基本的な操作方法も習得できますので、文法を覚えたら自分で実際に手を動かしてプログラムを実行してみましょう。

簡単なプログラムを書いて出力する

ここまでできたら、今度はプログラムを実際に書いて簡単なゲームやアプリを開発してみましょう。簡単な機能を実装することでデバッグスキルが身につきます。

また、開発の途中でエラーが発生することもしばしばありますが、それに対して調査をして適切に対応できるようになります。

このようなスキルはすぐに身につきませんので、開発経験を積み重ねてデバッグと問題を解決できる能力を身につけましょう。

C++の需要や将来性について

C++の需要や将来性について

C++はIoTや組み込み産業では依然として需要が高く、C++のエンジニアの募集を見かけます。そのため、将来的にC++の仕事が突然なくなるということは考えにくいです。C++は2020年のアップデートにより多くの機能が追加されていることからも、将来にわたって利用される可能性が高いと考えられます。

また、現在ではAIの人気も高まっており、既存の組み込みシステムにAI機能を搭載することもあります。AI分野と聞くと、Pythonなどの言語を思い浮かべますが、この場合はC++のプログラムを理解・改修できる人材が必要ですので、AI分野での需要も今後高まると考えられます。

C++は他のプログラミングと比較すると文法がかなり難しく学習コストも高いですが、習得できれば、IT市場の中でも市場価値の高いエンジニアとして活躍することも可能です。

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まとめ

C++まとめ

C++は機能性も高く、C言語と互換性を持つ言語として需要の高いプログラミング言語です。特に組み込み、大規模システム、ロボット開発など多岐にわたる開発の現場で利用されており、これらの業界で働きたいエンジニアはぜひC++を学習することをおすすめします。