フリーランスのPythonエンジニアとして独立を検討している人は、やはり報酬面が気になるのではないでしょうか。
Pythonは専門性が高いうえに需要も高い仕事のため、比較的高収入を目指すことができます。今回は、フリーランスPythonエンジニアの年収相場や将来について解説します。
- Pythonエンジニアの仕事内容
- Pythonエンジニアがフリーランスになるのは難しい?
- フリーランスPythonエンジニアの年収相場
- フリーランスのpythonエンジニアに必要なスキル
- フリーランスの案件を獲得する方法
- Pythonの求人ならエンジニアファクトリー
- まとめ
Pythonエンジニアの仕事内容
Pythonエンジニアの仕事内容は以下のような業務内容が中心となります。
- データ分析
- Webアプリケーション開発
- AI・機械学習ソフトの開発
データ分析では、データの収集・整理・解析を行います。Pythonにはライブラリが豊富に用意されており、PandasやNumPyなどのライブラリを使用して業務をこなします。
Webアプリケーションの開発では、その名のとおりPythonを活用してWebアプリケーションを構築します。
Pythonには、DjangoやFlaskといったフレームワークが用意されています。1から全てコードを記述するというよりは、このようなフレームワークを活用しながら、アプリケーションを作ることが多いでしょう。
AI・機械学習の開発は、Pythonが得意とする分野です。PythonのTensorFlowやPyTorchといったライブラリを用いると、予測モデルや自動化システムを構築することができます。これらを活用してモデルの作成やチューニングなどを行います。
フリーランスと会社員の違い
フリーランスPythonエンジニアと会社員エンジニアの違いは、単なる働き方の自由度だけではありません。
まず報酬体系では、会社員は安定した固定給(平均500〜600万円台)が中心ですが、フリーランスは案件単価制で、スキル次第では年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
働き方の面でも差があります。会社員の場合、近年はリモートワークが広がっているものの大手企業を中心に出社回帰の流れもあり、定期的な出社や勤務時間の制約が残るケースが多いです。これに対してフリーランス案件は「フルリモート可」が増えており、地方在住や海外から参画できるプロジェクトも珍しくありません。柔軟に働きたい人にとって、リモートワーク案件の豊富さは大きなメリットとなります。
キャリアの広がりも異なり、会社員は管理職や社内異動を通じたキャリアパスが一般的なのに対し、フリーランスは案件の選び方次第でAI・データ分析・Web開発など多様な道を築けます。
Pythonエンジニアがフリーランスになるのは難しい?
フリーランスとして働くことは非常に魅力的ですが、実際フリーランスとしてPythonエンジニアが働いているケースというのは多いのでしょうか。
ここでは、Pythonエンジニアの将来性や需要について解説します。独立すべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
Pythonエンジニアの将来性
Pythonは、機械学習やデータサイエンス、Webアプリケーション開発、AIといった成長分野で幅広く利用されており、世界的にも人気が高いプログラミング言語です。国内市場でも、AI需要の拡大やDX推進を背景に「Python × データ分析」「Python × 自動化」の案件が年々増加しており、フリーランス案件の単価も比較的高めの水準で推移しています。
将来性を考えるうえでは、単にPythonを使えるだけでなく、得意な領域を絞って専門性を高めることが重要です。たとえば「Web系でDjangoやFastAPIを扱える」「データサイエンスで機械学習モデルを運用できる」「自動化やスクレイピングで業務効率化を実現できる」といった具体的な実績は、案件獲得で大きな差別化につながります。
さらに、クラウド(AWSやGCP)やMLOpsなど周辺スキルと組み合わせることで、市場価値を長期的に高められるのがPythonエンジニアの強みです。
フリーランスPythonエンジニアの需要
PythonはAI・機械学習・データ分析・自動化といった成長分野で強みを持つため、フリーランス市場でも需要が拡大しています。案件単価はWeb系の開発で月50万〜70万円前後、機械学習やデータサイエンス関連では月80万〜100万円超と高水準のものも多く、経験やスキルに応じて収入アップが期待できます。
一方で案件の種類は幅広く、Webアプリ開発(Django・FastAPI)、データ分析・機械学習モデルの構築、業務自動化ツールの開発、スクレイピングなど領域ごとに求められるスキルは異なります。そのため「自分はどの分野で強みを出したいのか」を明確にし、実績を積み重ねることが重要です。案件数は増加傾向にあるものの、競争も激しいため、ポートフォリオやこれまでの実務経験を整理しておくと案件獲得がスムーズになります。
フリーランスPythonエンジニアの年収相場
フリーランスのPythonエンジニアとしての年収は、スキル・経験・地域によって大きく異なりますが、ここでは一般的な年収相場や案件単価について解説します。
年収相場
Pythonエンジニアは比較的新しい仕事のため、Pythonに限定した年収データがありませんでした。SE転職支援サイト「社内SE転職ナビ」の求人では、システムエンジニアの平均年収は500万円から600万円台の求人が多く、スキルや経験によっては1,000万円を超えるものも多くありました。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」令和4年版では、システムエンジニアの平均年収は515.9万円とされています。Pythonエンジニアはほかのエンジニア職種と比較するとより専門的な知識が問われるため、その分報酬も高くなる傾向にあるでしょう。
案件単価
次に、フリーランスの案件単価についても確認しましょう。Pythonエンジニアの年収は、会社員とフリーランスで大きな差があります。
エンジニアファクトリーの案件のなかで、Pythonを含むものの平均単価は82万円/月(2025年9月時点)。年収換算として単純に82×12か月で考えると、984万円となり、スキル次第では1,200万円超の高単価案件も存在します。
とくに「Python × AI」「Python × データ分析」の案件は相場が高く、経験を積むほど報酬水準も上がりやすいのが特徴です。
案件例
会社の案件にも様々な業務内容があります。大きく分けると、以下4つの領域に分かれます。
- IoT開発
- ビッグデータ解析
- アプリケーション開発
- AI開発
それぞれの領域について実際の案件を紹介しながら解説します。
IoT開発
センサーやIoTデバイスから収集したデータをクラウド(AWS IoT Core、Azure IoT Hubなど)に蓄積し、Pythonで解析・可視化する案件です。リアルタイム処理や異常検知の仕組みを構築することもあり、クラウド知識やデータベース連携のスキルが必須になります。
必要スキル例:Python、AWS/GCP、MQTT、可視化ライブラリ(Matplotlib/Plotly)
リモート:検証環境の都合で出社前提の案件が多く、週2〜3日出社を求められるケースもある
単価相場:月80〜100万円
ビッグデータ解析
ビッグデータ解析では、大規模なデータセットをPythonで解析し、ビジネスインサイトを提供するプロジェクトです。PandasやNumPy、SciPyなどのライブラリを活用します。こちらも単価は100万円を超えることが多いです。
アプリケーション開発
アプリケーション開発では、DjangoやFlaskを用いたWebアプリケーション開発の案件です。
フロントエンドとバックエンドの両方ができる人は、ライバルと差別化を図ることができるため、より案件獲得できる可能性が高いでしょう。
DjangoやFastAPIを用いたWebアプリケーションの開発案件です。既存の業務システムのリプレイスから新規サービスの開発まで幅広く、フロントエンド(JavaScript/React)やDB(PostgreSQL/MySQL)との連携ができると評価が高まります。
必要スキル例:Python、Django/FastAPI、HTML/CSS/JavaScript、RDBMS
リモート:フルリモートも増加中、ただし顧客打合せのため一部出社あり
単価相場:月60〜85万円
AI開発
TensorFlowやPyTorchを使った自然言語処理(NLP)、画像認識、レコメンドエンジンなどの開発案件です。PoC(概念実証)から商用化までフェーズが様々で、研究寄りの案件では数理知識、実装寄りの案件ではMLOpsやクラウド環境の知識が重視されます。
単価相場:月100〜130万円
必要スキル:Python、TensorFlow/PyTorch、機械学習/深層学習の理解、クラウド(AWS/GCP/Azure)
リモート:フルリモート可の案件が多い
フリーランスのpythonエンジニアに必要なスキル
ここで、Pythonに関する知識と必要なものを確認していきましょう。なかには必須のスキルとは言えないものもありますが、年収アップを目指す上ではあることが望ましいスキルです。
- フレームワーク・ライブラリの知識
- 他の言語
- データ分析・解析スキル
- 英語スキル
Pythonに関する知識
Pythonエンジニアとして活躍するためには当然ですが、Pythonに関する知識が必要です。基本的な文法やデータ構造・関数などは記述できるようにしておきましょう。
文法や基本的な知識に関しては入門書なども多く出版されています。イラストが多く、基本的なプログラミングの知識からわかりやすく解説しているものから、中級者向け上級者向けの書籍まで数多くあります。書籍を選ぶ際は、自分にあったものを選択して学習してみると良いでしょう。
ある程度どんな仕事をしたいのか決まっている場合、求人情報を見ながら必要なスキルを整理してみるとより明確に何を学ぶべきかわかるかもしれません。
フレームワーク・ライブラリの知識
実際の開発現場では、ライブラリやフレームワークを活用する場面が多いため、フレームワークやライブラリに関する知識も必須です。
一般的にはWebアプリケーションではDjangoやFlask、機械学習であればTensorFlowやPyTorchなどが利用されています。
フリーランスの案件は求人情報のなかに、現場で使われるフレームワークやライブラリが記載されていることもあるため、求人情報を参考にして仕事探しをするのもおすすめです。
他の言語
フリーランスとして成功するためには、安定して収入を得続ける必要があります。万が一 Pythonの案件が獲得できなかった場合を考慮すると、やはりほかの言語も学習しておいた方が良いでしょう。
また収入のリスク回避という意味以外にも、たとえばWeb 開発ではJavaScript・SQLなどの知識が必要となります。
Pythonだけできれば良いという考え方ではなく、成果物を完成させるために求められるスキルも習得しておくことをおすすめします。
データ分析・解析スキル
データ分析・解析スキルは、Python エンジニアとして市場価値を高める重要なスキルです。
Pythonはデータ分析に適したライブラリが豊富に用意されています。たとえばNumPyでの数値計算やPandasを活用してデータを操作するといったように、目的に合わせて様々なライブラリを活用する必要があります。
またそれぞれの分析データをレポートとして提出することもあるため、グラフなどで可視化する業務も発生するかもしれません。フリーランスとして活動するのであればデータ分析や解析スキルに加え、データを可視化するスキルについても取得しておくことをおすすめします。
英語スキル
フリーランスエンジニアとして案件獲得の可能性を広げるために、英語のスキルを身につけておくと良いでしょう。
外資系の企業や海外の案件を獲得したい場合は当然英語スキルが必要となります。しかし、国内での仕事でも、英語のスキルが実は必要となる場面があります。
たとえばPythonでわからないことがあるときにインターネットで検索をするのは一般的ですが、海外のサイトでその解決法が掲載されていることもあります。当然その場合は英語で文章が書かれているため、それらを読み解く能力も必要です。
インターネット上の文章などは、翻訳ツールを使えば理解することもできますがよりスムーズに業務を行う上では英語を理解しておいた方が良いと言えるのではないでしょうか。

フリーランスの案件を獲得する方法
フリーランスがどのように案件を獲得しているのか気になる人も多いのではないでしょうか。ここでは、フリーランスの案件獲得方法について、詳しく解説します。
- エージェントを利用する
- クラウドソーシングを利用する
- 求人サイトで探す
- 知人を頼る
- SNSで情報発信する
- 直接営業する
エージェントを利用する
フランスエンジニアは通常の業務が多忙な人も多く、効率的に案件を獲得するためにフリーランス就業支援のエージェントを活用している人も多いです。フリーランス就業支援エージェントは、企業とエンジニアをマッチングし、エンジニアのスキルや経験に合った案件を紹介します。
エンジニアファクトリーではキャリアコンサルタントがエンジニアを案件探しから参画、参画後まで徹底サポート。案件参画中、次の案件を決めるための営業活動を同時に進めるのは非常に大変です。エンジニアファクトリーなら、プロジェクトが終了するタイミングで次の案件を紹介してくれるサービスもあります。「営業活動を誰かにまかせたい」「キャリアアップにつながる案件に参画したい」等、一人ひとりのご要望に寄り添ったサポートを行います。
クラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングはオンライン上で、クライアントと働く人をマッチングするプラットフォームです。
クラウドソーシングでは、プロフィールを記入する欄が用意されていることが一般的で、その情報をもとにクライアントが仕事を依頼することもあります。
また、求人に応募する際にもエンジニアのプロフィールが閲覧されるため、案件獲得の可能性を高めるためには、プロフィールの内容は充実させましょう。
総合求人サイトで探す
業界を問わず様々なジャンルの求人が総合求人サイトでは、業務委託での求人を掲載している企業もあります。
クライアントと直接やり取りを行うため時間案件を得ることもできますが、求人サイトの多くは正社員やアルバイトの求人を多く取り扱っていることが多く、業務委託で理想どおりの案件を探すことに手間がかかるかもしれません。
知人を頼る
「仕事の話を知人にあまりしない」という人も多いかもしれませんが、知人や人脈を頼ることも非常に重要です。これまで仕事などで関わった人や、勉強会などで知り合った人物、友人など幅広い人に声をかけることで仕事を獲得できるかもしれません。
知人に仕事を探していることを伝えるのは、お金もかからずリスクもないため、ぜひ挑戦してみましょう。
SNSで情報発信する
SNSで情報発信をするとフリーランスとして活動していることを広く認知してもらえます。
仕事用のアカウントを持っていない人もいるかもしれませんが、フリーランスとして活動するのであれば、仕事に特化したアカウントを作成してみるのもおすすめです。
公開できる範囲で自分の仕事内容や学んだスキルを継続して発信すると、企業や個人から直接オファーを受けることもあります。
また学んだことを定期的に発信しておくと備忘録にもなりますので、学習のモチベーションを保ちやすくなるというメリットもあるでしょう。
直接営業する
直接営業する場合は、自分から企業にアプローチして案件を獲得しましょう。電話やメールなどで直接問い合わせることを想定する人もいますが、実はそのほかにも営業の場面はあります。
たとえば、異業種交流会など経営者が集まる場所に参加すると、直接経営者と話をすることができます。交流会などに参加すると、一定の時間で複数の経営者と交流できるため営業の効率も非常に良いでしょう。
「営業はしたことがないから自信がない」という人も、チャレンジしてみると意外とうまくいくかもしれません。ただし、どうしても営業の時間が確保できない人や営業が嫌という人は、エージェントなど別のサービスを利用してみてください。
Pythonの求人ならエンジニアファクトリー

「Pythonの求人を探しているものの、どの案件に応募しようか迷ってしまう」「案件探しに割く時間がない」という人は、エンジニアファクトリーを活用してみてはいかがでしょうか。
エンジニアファクトリーは7,000件以上のITフリーランス向け案件を公開しており、キャリアコンサルタントが案件獲得まで徹底サポートします。現場で求められているスキル感や企業の雰囲気など、求人情報を見るだけではわからない情報もご提供できるので、フリーランス案件をお探しの際はお気軽に相談してみてくださいね。
まとめ
フリーランスとして活躍するためには、スキルに加えて案件を獲得し続けるための方法も検討しなくてはなりません。本業で多忙ななか、安定して仕事を獲得し続けるためには、エージェントなども利用し効率的に行動した方が良いでしょう。



 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
          