サーバーサイドエンジニアに転向したい方、あるいは業務の幅を広げたい方へ。仕事内容、求められるスキル、習得ステップ、キャリアパスまで、実務に即してわかりやすく解説します。

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サーバーサイドエンジニアとは?
サーバーサイドエンジニアは、ユーザーが直接触れない「裏側」のシステムを構築・運用するエンジニアです。
主な業務は、APIの設計・開発、データベースの管理・操作、ユーザー認証機能の実装、セキュリティ対策、そしてシステム全体のパフォーマンス最適化(負荷分散、キャッシュ処理など)です。
また、多くの企業において、サーバーサイドエンジニアは「バックエンドエンジニア」とほぼ同義で扱われることが一般的です。
フロントエンドエンジニアとの違い
観点 | フロントエンドエンジニア | サーバーサイドエンジニア |
---|---|---|
役割 | UI/UXの実装、画面表示 | 業務ロジックの処理、データ操作 |
使用技術 | HTML/CSS/JavaScript、React など | Python、Java、PHP、データベース、API |
関心領域 | ユーザー体験、インタラクション | セキュリティ、パフォーマンス、正確性 |
フロントエンドが「見た目・操作」、サーバーサイドは「処理・管理」に特化している点が大きな違いです。
インフラエンジニアとの違い
サーバーサイドエンジニアがアプリケーション層(プログラムやAPI)を担うのに対し、インフラエンジニアはシステムを支える物理・仮想環境(サーバー、ネットワーク、OS、クラウド構成など)を管理します。
例えば、クラウド(AWSやGCP)を使って開発環境を構築するところまではインフラエンジニアの領域であり、その上で動作するアプリケーションの設計・実装がサーバーサイドエンジニアの仕事です。
とは?年齢別の平均年収から将来性まで解説_001-300x200.png)
サーバーサイドエンジニアの平均年収・市場価値・将来性は?
サーバーサイドエンジニアとして転向やキャリアアップを目指すなら、年収や市場での価値、将来的な需要動向も気になるところです。このセクションでは、年代別の年収水準とともに、今後の成長性やスキルによる評価の違いについても解説します。
サーバーサイドエンジニアの平均年収
サーバーサイドエンジニアの平均年収は、約500万〜700万円となっています。20代後半で500万円前後、30代で600〜700万円、40代以上では800万円を超えるケースもあります。
エンジニアファクトリーの保有する案件では、サーバーサイドエンジニアと同義で扱われることの多いバックエンドエンジニアで、平均月額単価が69万円・中央値は65万円・最高額は277万円となっています。(2025年6月時点)
スキルセットや案件規模によって単価の開きが大きく、経験を積むことで報酬アップも十分に狙える領域です。特に、高トラフィック対応やクラウド・API設計などの専門性を持つ人材は、より高い単価での契約も可能になります。
市場価値と今後の需要予測
DX化や業務の自動化ニーズの拡大により、業務系システム・Webサービスの裏側を担うサーバーサイドエンジニアの需要は年々高まっています。特にSaaSやFinTechなどデータ連携や処理速度が重視される領域では、堅牢で拡張性の高いバックエンドの設計・実装ができる人材が求められています。
また、クラウドネイティブな開発スタイルやマイクロサービスアーキテクチャの普及により、サーバーサイドエンジニアにもインフラやDevOps領域との連携スキルが求められる傾向が強まっています。
API設計、非同期処理、パフォーマンスチューニング、セキュリティ対応といったスキルを持つエンジニアは、プロジェクトの中核メンバーとして重宝されやすく、報酬面でも高く評価されることが多くなっています。
今後もWebサービスやモバイルアプリ、社内業務システムの多くがAPI連携を基盤とする構造になることから、サーバーサイドの専門性を高めておくことは、市場価値を長期的に維持するうえで有利と言えるでしょう。

フロントエンドやノーコード系の案件と比べると、サーバーサイドは“代替がききにくい”という強みがあります。特に業務ロジックが複雑な領域では、経験者が少ないため重宝されやすいです。
サーバーサイドエンジニアへの学習と案件参画までの7ステップ
ここでは、開発経験のあるエンジニアがサーバーサイドエンジニアへ職種転向を目指す際の具体的なステップを紹介します。どのような技術から学び始めるべきか、どんなアウトプットをすれば良いのか、各ステップを順番に実践していけば、着実にスキルを身につけていくことができます。
1. プログラミング言語を学ぶ
すでに何らかの言語で開発経験がある方は、その知識を活かせるサーバーサイド言語を選ぶのが効率的です。たとえば、JavaScript経験者ならNode.js、Java経験者ならSpring Boot、Python経験者ならDjangoといったように、親和性のある言語をベースに学習を進めましょう。
業務で使うことを想定して、文法だけでなく構文の設計方針や慣習にも触れておくと実務に直結します。Python、Java、PHP、Ruby、Goといった言語がサーバーサイドで多く使われています。現職で使用している言語が近い場合は、それを活かして学習をスタートすると効率的です。



まったく新しい言語にチャレンジするのも良いですが、現場で使えるスキルを早く身につけたいなら“知っている言語を軸にする”のが近道です現場でも“ベースの理解がある方ならキャッチアップ可能”という声は多く、経験をうまく活かすことで、案件参画の選択肢が一気に広がります。
2. 言語とフレームワークを習得する
開発経験を活かし、親和性の高いサーバーサイド言語と対応するフレームワークを同時に習得していくのが効率的です。たとえば、JavaScript経験者ならNode.jsとExpress、Python経験者ならDjango、Java経験者ならSpring Bootを活用するなど、セットで学ぶことで学習効果が高まります。ルーティングやMVC構造など、設計・保守に必要な概念も実装を通して身につけましょう。
サーバーサイド開発では、データベースと連携した処理が不可欠です。SQL(MySQL、PostgreSQLなど)とNoSQL(MongoDBなど)の構造的な違い、正規化やインデックスの設計、ER図の作成など、設計視点を持って学習することで実務への応用力が高まります。
SQL(リレーショナルデータベース)とNoSQL(ドキュメント型など)の違いや、正規化、インデックス、ER図の読み方など、データ構造を扱う基本を学びましょう。
3. API開発を学ぶ
社内システムや外部連携の多くはAPIによって成り立っています。
REST APIやGraphQLの設計原則、HTTPステータスコードの扱い、ルーティング設計などを実装ベースで習得しましょう。加えて、PostmanやSwaggerでのテスト・ドキュメント作成も実務で重宝されます。
REST APIやGraphQLの考え方、エンドポイント設計、HTTPメソッドの使い分け、レスポンスコードの理解などを学びます。保守性の高いAPI設計が求められます。
4. クラウド・インフラを学ぶ
AWSやGCPの主要サービスを使って、実際に仮想サーバーを立ててWebアプリをデプロイする経験は大きな武器になります。特に、EC2・S3・RDSといった基本サービスの操作や、CI/CDの導入、VPCやIAMの理解など、開発環境の裏側を学ぶことで、サーバーサイドエンジニアとしての視野が広がります。
AWSやGCPの基本サービス(EC2、S3、RDSなど)を理解し、開発環境の構築やデプロイの流れを体験しましょう。IaC(Infrastructure as Code)にも触れておくと役立ちます。
5. セキュリティを学ぶ
Webアプリケーションにおいてセキュリティ対策は欠かせません。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)、CSRFといった代表的な脆弱性について、その仕組みと防止策を実例を交えて学びましょう。
また、認証・認可の設計も重要です。特に、JWT(JSON Web Token)を用いた認証方式やセッション管理の方法などは実務でもよく使われるため、実装と合わせて理解を深めておく必要があります。セキュリティに配慮した設計・実装ができることで、上流工程への関与や信頼の獲得にもつながります。
6. ポートフォリオとアウトプットで可視化する
学んだ内容や開発した機能をポートフォリオとしてGitHubで整理し、技術的な気づきや設計の意図などをQiitaにまとめて発信していきましょう。アウトプットを通じてスキルを「見える化」することは、転向後の信頼性にもつながります。READMEの工夫や設計資料の添付など、ドキュメントも意識して構成するのがおすすめです。
技術記事やTips、学習ログをQiitaなどに投稿し、コードはGitHubで管理・公開しましょう。コードの整理やREADMEの書き方にも配慮することで、単なる学習記録ではなく、他者からも評価されやすいアウトプットになります。実装力だけでなく、情報発信力もキャリア形成に役立ちます。実装した内容のまとめや学習ノートをQiitaに投稿したり、コードをGitHubに上げることで、アウトプット力と継続力をアピールできます。



アウトプットがしっかりしていると、面談時の信頼度がぐっと上がります。私たちエージェントは、スキルシートの書き方やポートフォリオの見せ方についても個別にアドバイスしています。“何をどう見せれば伝わるか”に不安がある方も、ぜひご相談ください
7. 小さく実務に関わる
フリーランスとしてのキャリアを目指すうえでは、実務に近い経験を少しずつ積み上げていくことが重要です。たとえば、小規模な受託案件や副業案件に挑戦し、バグ修正やAPIの一部開発、コードレビュー対応など、比較的取り組みやすいタスクから着手していくと良いでしょう。
エンジニアファクトリーでは、こうした段階に適した案件も豊富に取り扱っており、自分のスキルレベルに合った実践の場を見つけやすいのが特徴です。既存のコードリーディングや、機能追加、バグ修正など部分的なタスクから始め、徐々に責任範囲を広げていくと自然に実務経験が積み上がります。
サーバーサイドエンジニアにおすすめの学習方法
他IT職種からサーバーサイドエンジニアへの転向する際には、効率よく学習を行いたいものです。ここでは、おすすめの学習方法をご紹介します。
スクール:実践力を一気に高めたい人向け
効率よく体系的に学びたい場合は、サーバーサイド特化型のプログラミングスクールを選ぶのがおすすめです。特に、実案件を想定したカリキュラムや、現役エンジニア講師によるレビュー付き課題があるスクールは、現場で通用する実力が身につきやすいです。
「RUNTEQ」や「DMM WEBCAMP」など、バックエンド志向の強いカリキュラムがあるスクールでは、実案件を想定した課題やコードレビューも受けられるため、即戦力スキルが身につきます。短期集中型や夜間対応のコースなど、働きながらでも通いやすいスクールが増えているため、すき間時間を活用する等してスキルを高めていきましょう。
オンライン教材:スキマ時間を活用したい人向け
忙しい人でも自分のペースで進められるのがオンライン教材の魅力です。たとえば、Udemyでは「Node.jsのAPI開発入門」「Spring Boot実践講座」など、実践向け講座が豊富にそろっており、セール時には数千円で受講できます。
Progateは文法の基礎を整理するのに向いていますが、ポートフォリオ制作や実務を意識するならUdemyやドットインストールで補完しましょう。UdemyやProgateなど、オンラインで学べるサービスを活用することで、自分のペースで効率的に学べます。定期的にセールもあるためコスト面でもおすすめです。
OSS参加:現場レベルの開発に触れたい人向け
実践力を高めたいなら、GitHubでOSSプロジェクトに参加するのも有効です。いきなりコードを投稿する必要はなく、最初はドキュメントの誤字修正やIssueコメントからでも問題ありません。
“good first issue”ラベルがついたタスクを検索することで、初心者向けの貢献先も見つけやすくなります。実践的なコードベースを体験できるOSS活動は、開発スキルの向上だけでなく、コミュニケーションやドキュメントの書き方も学べる貴重な場です。
案件参画:実務経験を重ねたい人向け
学んだことを実務で活かしたいなら、実案件への挑戦が欠かせません。初心者歓迎の小規模案件や、既存システムの改修、APIの一部機能開発といった案件から始めると安心です。
案件探しには、エンジニアファクトリーのようなサーバーサイド案件に強いエージェントを活用すると、自分のスキルに合った実践機会を見つけやすくなります。実務経験を積むうえで、副業やフリーランス案件に取り組むのも有効です。案件探しには、豊富な案件を取り扱う「エンジニアファクトリー」の活用がおすすめです。
サーバーサイドエンジニアとしてのキャリアパス
サーバーサイドエンジニアとして経験を積んだあとは、専門性を深める道、業務領域を広げる道、チームをけん引する道など、さまざまなキャリアパスがあります。ここでは代表的な4つの進路をご紹介します。それぞれの特徴と「どんな人に向いているか」を参考に、自分らしい将来像を描いてみてください。
フルスタックエンジニア/画面と処理の両方に関わるオールラウンダー
フロントエンドとサーバーサイドの両方を担当できるエンジニアで、画面と処理の両面をカバーします。少人数の開発体制を敷くスタートアップやベンチャー企業で特に重宝される傾向があり、幅広い技術をバランスよく身につけたい方におすすめです。React+Node.jsやVue+Firebaseといった構成で経験を積むと、キャリアの幅が広がります。
【こんな人に向いています】
技術全般に興味があり、幅広い知識をバランスよく習得したい方。自分で一通り手を動かしてサービスを作りたい方にもぴったりです。
バックエンドスペシャリスト/裏側のプロフェッショナルとして技術力を武器に
サーバーサイドの領域に特化し、設計力・技術力を追求するキャリアです。マイクロサービス設計、大規模トラフィックへの対応、パフォーマンス改善など、複雑な業務ロジックを担うポジションで、技術的な意思決定を担う立場にもなり得ます。特定の言語・フレームワーク(例:Java+Spring、Go+Ginなど)を深く掘り下げることで、企業からの信頼も高まりやすくなります。
【こんな人に向いています】
ロジック設計や技術的な深掘りが好きな方。表に出るよりも「堅牢な仕組み」を裏で支える仕事にやりがいを感じるタイプに適しています。
クラウドアーキテクト/インフラと開発の橋渡し役として活躍
クラウド技術に強みを持ち、AWSやGCPなどのクラウドサービスを活用したインフラ設計や運用自動化(IaC)、CI/CDパイプラインの整備をリードする職種です。DevOps文脈での動きが多く、セキュアな環境構築やコスト最適化の知見も求められます。クラウド関連の認定資格(AWS認定など)があるとより有利です。
【こんな人に向いています】
クラウドやシステム全体の構造に関心があり、インフラ領域の知識も併せて身につけたい方。運用効率化やセキュリティ改善にも興味がある方におすすめです。
プロジェクトマネージャー
開発チームの中心としてプロジェクトの推進を担う役割です。納期や品質の管理だけでなく、メンバーのタスク設計や顧客との折衝まで広範なマネジメントが求められます。サーバーサイドエンジニア出身のPMは技術理解を活かして、現場との橋渡し役として重宝されます。
アジャイル開発やスクラムマスターとしての経験、PMPなどの資格取得も、キャリアを広げるうえで有効です。
【こんな人に向いています】
「人と関わる仕事」や「全体の指揮」にやりがいを感じる方。技術だけでなく、スケジュール調整や折衝業務にも関心がある方に向いています。
サーバーサイドエンジニアに関するよくある質問
ここでは、サーバーサイドエンジニアに関するよくある質問に回答します。
サーバーサイドエンジニアは何をする仕事ですか?
主に、Webサービスの裏側で動くロジックの設計・開発・運用を担います。APIの開発、データベースとの連携、ユーザー認証処理、負荷分散の設計などが含まれます。
サーバーサイドエンジニアとバックエンドエンジニアは同じ職種ですか?
多くの場合、同じ意味で使われています。ただし厳密には、バックエンドエンジニアの中にはインフラやミドルウェアまで含む広義の意味合いで使われることもあります。
サーバーサイドエンジニアに向いている人の特徴は?
論理的思考力、地道な作業を積み重ねられる力、システムの全体像を捉える力が求められます。また、パフォーマンスやセキュリティへの関心も重要です。
職種未経験からでもサーバーサイドエンジニアになれますか?
本記事で紹介した「7ステップ」を参考に、言語選定からアウトプット、実務参画まで段階的に進めていくことで、確実にサーバーサイドエンジニアとしてのスキルと信頼を築いていくことができます。
まとめ
サーバーサイドエンジニアは、Webサービスや業務システムの根幹を支える重要な職種です。他職種との違いを理解し、段階的にスキルを習得していくことで、未経験からでも十分に転向が可能です。将来のキャリアを見据えて、着実に学習と実践を積み重ねていきましょう。