Django(ジャンゴ)はPythonのWebフレームワークの1つで、さまざまな機能を搭載していることからWebアプリケーション開発に幅広く利用されています。簡単なものから高機能なものまでさまざまなWebアプリケーション開発のニーズに応えることができ、世界的に有名なサービスの開発にも使われているほどです。
本記事では、PythonのWebフレームワークであるDjangoを活用するメリットやDjangoでできること、インストール方法などをまとめてご紹介します。Djangoを使ったWebアプリケーション開発に興味がある方、Djangoのスキルを使ってキャリアアップを実現したい方はぜひ参考にしてみてください。

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Djangoとは?
Django(ジャンゴ)とは、PythonのWebフレームワークの1つです。
Pythonは世界的に普及しているプログラミング言語であり、AI(人工知能)や教育、データ解析などさまざまな分野で活用されています。そしてWebフレームワークとは、Webアプリケーションの開発に必要な機能をまとめたソフトウェアのことを指します。
PythonのWebフレームワークであるDjangoを活用すれば、高品質なWebアプリケーションをより少ないコードで作成することが可能です。シンプルなアプリケーションであれば数分で作ることが可能なほか、さらに機能を拡張することで高機能なアプリケーションの開発にも対応できます。
Webアプリケーションの開発においては、スピード感が重要です。コストや時間をかけて開発していては、競合他社に先を越されてしまうかもしれません。短期間で機能性の高いWebアプリケーションを開発するためには、Webフレームワークの活用が不可欠となっています。DjangoはBottleやFlaskと並び、Pythonのなかでも代表的なWebフレームワークの1つです。
Djangoの特徴と使用するメリット
Djangoの特徴・メリットとしては、以下の5点が挙げられます。
- 必要な機能を一通り備えている
- 動作が高速
- セキュリティが安心
- 柔軟性・拡張性が高い
- 情報が豊富
必要な機能を一通り備えている
Djangoはフルスタックフレームワークの1つとされています。フルスタックとは、Webアプリケーションの実装において一般的に必要な機能を一通り備えていることを意味します。
管理画面の作成やユーザー認証機能の実装、入力フォームの作成と検証など、多くのWebアプリケーションで必要となる機能を最初から備えているため、追加で開発を検討する必要がありません。そのため、Djangoを使えば簡単なアプリケーションなら数分で作れてしまうのです。
動作が高速
Djangoは強力なキャッシュ機能を備えているため、開発したWebアプリケーションの動作が高速になることも強みの1つです。
キャッシュとは、一度読み込んだデータを一時的に保存しておく機能を指します。大規模なサービスを展開する場合、キャッシュとして保存するデータの量が膨大になるため、高速処理が求められます。
セキュリティが安心
InstagramやPinterest、Mozillaなど世界的に見ても大規模なアプリケーションが採用していることからもわかる通り、Djangoはセキュリティにも優れています。
具体的には、セッションデータをクッキーではなくサーバーのデータベースに保存したり、パスワードを直接保存せず暗号化したりといった仕組みの採用が挙げられます。また、以下のようなWeb上の攻撃・脆弱性に対する保護機能も有しているため、簡単に対策が可能です。
- クロスサイトスクリプティング (XSS)
- クロスサイトリクエストフォージェリ (CSRF)
- SQLインジェクション
- クリックジャッキング
柔軟性・拡張性が高い
Djangoには多様な機能が備わっていますが、それぞれの機能を独立した形で開発することが可能なのも大きなメリットです。これにより各機能の拡張性が高まり、さらに幅広いWebアプリケーション開発のニーズに対応することが可能となっています。
個別の機能の一部を改良しても、ほかの機能に影響を与えることがないため、安心して改良できます。このような柔軟性の高さも、Djangoが優れたWebフレームワークとして広く利用されている要因の1つです。
情報が豊富
Djangoは世界的に広く普及しているWebフレームワークであるため、開発に関する情報も豊富に得られます。インターネット上にさまざまな学習用コンテンツが充実しているうえ、Django自体がWebアプリケーション開発の簡易化・効率化に優れたフレームワークであるためわかりやすく、プログラミング初心者でも習得しやすいフレームワークとなっています。
ただし、Pythonをまったく操作したことがない方がいきなりDjangoを学習しようとすると、習得にかかる期間は長くなるので注意が必要です。また、Djangoに関する情報共有は海外のほうが進んでいるため、英語に比べると日本語の情報が少ない点も注意点の1つです。
3大フレームワークのBottleやFlaskとの比較
BottleやFlaskも優れている部分はあるのですが、この2つはDjangoと比較するとコード記述の自由度が高く、人によってコードの書き方に差がでやすいです。反面、カスタマイズがしやすいため小規模開発に向いているフレームワークとなっています。また、小規模開発向けの BottleやFlaskはAIの機能を盛り込むのが難しい点もDjangoが他のフレームワークよりも使われている理由です。
Django独自の特徴(MVTモデル)
現在、フレームワークで一般的な考え方はMVCモデルというModel(データベースとデータのやり取り),View(データの表示や出力),Controller(ModelとViewの橋渡し役)の3つに役割を分けるものですが、DjangoはMTVモデルを採用しており、MVCモデルでいうViewをTemplateとViewで分けています。MVCモデルのCにあたる部分はDjangoではURLディスパッチャ(urls.pyというファイル)が担当しています。つまり、MVCのViewはどのデータをどうやって見せるかを決めているのに対して、MTVのViewはどのデータを見せるかのみを決めて、見せ方はTemplateに任せているということです。
Djangoを使ってできることは?
Djangoを使って具体的にできることとしては、以下のようなものが挙げられます。これらの機能はDjangoに標準で備わっているため、簡単な設定だけで利用が可能であり、Webアプリケーション開発の効率化につながっています。
- 管理画面の自動作成
- ユーザー認証機能の実装
- RSSフィードの作成
- テンプレートエンジンの活用
- データマッピング
- キャッシュシステムの作成
- フォームの作成と検証
一般的なWebアプリケーションで必要とされる画面や機能であれば、Djangoを使うことでスピーディーに実装が可能です。そのため、開発者は独自の機能開発に集中できることとなり、よりよいアプリケーションの開発を効率的に行なえます。
Djangoのインストール方法や使い方
Djangoのインストール方法や使い方を以下の4点で解説します。
- Pythonの環境確認
- Djangoのインストール
- Djangoの動作確認
- Djangoのアンインストール(エラーの場合)
Pythonの環境確認
まずはPythonの環境を確認しましょう。基本的にPythonが入っていれば問題ありませんが、あまりに古い場合はサポートされていない可能性があります。
コマンドプロンプトを開き、以下画像のように「python –version」と入力してください。

すると、以下の通り「Python 3.11.2」などと表示されるため、Pythonのバージョンを確認しましょう。なお、「Python 3.11.2」は2023年3月初旬時点で最新のバージョンです。

仮想環境でインストールしたい方は、以降の手順に進む前にvirtualenvなどで仮想環境を構築しましょう。
Djangoのインストール
Pythonが問題なければ、さっそくDjangoをインストールしていきます。
同じくコマンドプロンプトにて、「pip install django」と入力します。さまざまなコマンドが表示されますが、最後あたりに「Successfully installed~」といった表示があればOKです。

Djangoの動作確認
Djangoのインストールが無事完了したか確認するため、「python」と入力してPython shellを開きます。

「import django」「django.get_version()」と続けて入力し、以下画像のようにDjangoのバージョンが表示されればOKです。

無事にDjangoのバージョンが表示されたら、「exit()」と入力してPython shellを終了します。

Djangoのアンインストール(エラーの場合)
エラーメッセージが出るなど、Djangoがうまくインストールできていなかった場合は、一度アンインストールしたうえで再度インストールしてみましょう。
アンインストールするには、「pip uninstall Django」と入力します。

数行のコマンドが表示された後、「Proceed (Y/n)?」と聞かれるので「y」を入力しましょう。

「Successfully uninstalled Django~」と表示されればアンインストール完了です。改めてインストールし、動作確認をしてください。

Djangoを使いこなすために必要な知識
Djangoを使いこなすには、以下2つの知識が不可欠です。
- 管理サイトに関する知識
- データベースに関する知識
管理サイトに関する知識
Djangoでは、データの管理をするため管理サイトを作成します。管理サイトがあれば、プログラミングの詳細がわからない関係者でもブラウザ上でデータの管理が可能となります。
前述の通りDjangoでは管理サイトの自動生成が可能ですが、カスタマイズを施すことで管理サイトの使いやすさや見やすさを向上させられます。特にフリーランスエンジニアとしてDjango案件を受注する場合などは、クライアントにとって使いやすい管理サイトとなるよう、ユーザビリティを意識した設計が求められます。
データベースに関する知識
Webアプリケーションを開発するうえではデータの取り扱いが不可欠であり、その管理を行なうのがデータベースです。データベースに情報を格納しておくことで、必要なデータの保存や呼び出し、更新が可能となります。
DjangoでWebアプリケーションを開発するなら、ユーザー管理やログイン履歴の保存などをどのように行なっていくのか、データベースに関する知見が欠かせません。
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まとめ

本記事では、PythonのWebフレームワークである「Django」について、概要や特徴、インストール方法をご紹介しました。
InstagramやMozillaなど大規模なサービスの開発にも利用されているフレームワークであり、簡易なものから高機能なものまで幅広く対応できるのがDjangoの魅力です。Djangoを扱えるエンジニアに対する需要は高く、習得しておけば将来性にも期待できます。
これからDjangoを学ぶという人は、本記事でご紹介した特徴・メリットを意識しながら習得することでより高度な開発スキルが身につくはずです。Djangoを使いこなし、エンジニアとしてのキャリアアップを目指してみてください。