VB.NETとは、Microsoft社が開発したオブジェクト指向のプログラミング言語です。コードが自然言語に近く初心者にも扱いやすいことや、企業のシステムに幅広く利用されていることから、根強い人気を誇ります。
本記事では、プログラミング言語としてのVB.NETの特徴やメリット、将来性について解説します。VB.NETの学習を検討している方、VB.NETのスキルを活かしてエンジニアとして活躍したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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VB.NETとは?
VB.NET(ブイビードットネット)とは、2002年にMicrosoft社が公開したオブジェクト指向のプログラミング言語です。1990年代から利用されていたVB(Visual Basic)にオブジェクト指向の要素を加えたうえで、「.NET Framework」に対応させたのがVB.NETです。
「.NET Framework」は同じくMicrosoft社が手がけるアプリケーション開発用のプラットフォームで、主にWindows系のアプリケーションやWebサービスの開発に適しています。.NET FrameworkではVBだけでなく、C#やPythonなど様々なプログラミング言語に対応していたり、Windowsと連携したメモリ管理・ハード制御が自動で行われたりするため、開発者はプログラミング作業に専念できます。
VB.NETを使ってできることは?
VB.NETの活用方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- Webアプリケーションの開発
- Windows用アプリケーションの開発
- UWPアプリケーションの開発
- Microsoft Office用アプリケーションの拡張
- 3Dゲームの開発
順番に見ていきましょう。
Webアプリケーションの開発
VB.NETでは、ASP.NETというフレームワークを使ってWebアプリケーションの開発が可能です。ただし、VB.NETが得意なのはUI(ユーザーインターフェース)周りであるため、機能面にこだわった開発は難しい場合があります。
Windows用アプリケーションの開発
.NET FrameworkによってMac OSなどにも対応しているVB.NETですが、やはり開発元がMicrosoft社であるためWindows用のアプリケーションに使われることが多いです。ボタンやテキストボックスといったデザイン面の開発に適しています。
UWPアプリケーションの開発
UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)上でのアプリケーション開発にも、VB.NETがよく使用されます。UWPとは、アプリケーションを異なるデバイス間で利用できるようにするためのプラットフォームです。
Microsoft Office用アプリケーションの拡張
VB.NETは、WordやExcel、OutlookといったMicrosoft Office製品の拡張機能の開発にも利用されています。例えばOutlookなら、メールの件名や本文を分類し、自動で返信するといった機能を追加できます。
3Dゲームの開発
DirectXというMicrosoftが開発しているAPIを使えばVB.NETで3Dゲームの開発をすることも可能です。3Dゲームの市場は今後も拡大が予想されるため、期待の持てる分野だといえます。
VB.NETを使用するメリット
VB.NETを使用するメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- コードが自然言語に近くてわかりやすい
- フォームによって効率化できる
- 無料でインストールできる
VB.NETのコードは英語に近く、プログラミングに不慣れな方でも理解しやすいのが特徴です。初めてプログラミングを学ぶという方でも、学習時に挫折しにくいでしょう。また、既存の「フォーム」を利用することでデザインを簡単に実装できる点も使いやすさにつながっています。
さらに、VB.NETはMicrosoft社の「Visual Studio」をインストールすると無料で利用できます。VB.NETが広く利用されている理由のひとつだといえるでしょう。
VB.NETを使用するデメリット
一方、VB.NETを使用するデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- 複雑なアプリケーションの構築には向いていない
- 今後大きな成長は見込めない
VB.NETは、ボタンやテキストボックスといったGUI(グラフィックインターフェース)の開発に適した言語であり、複雑な機能を持つアプリケーションの開発には向いていません。
また、C#やJavaScript、Pythonといった人気のプログラミング言語が登場していることから、VB.NETを使用した新たな開発の案件はあまり増えていません。運用保守などの面で今後も手堅い需要は見込めますが、新規開発のニーズが大きく高まることはないでしょう。
VB.NETの勉強方法
VB.NETの勉強方法としては、以下の3つが挙げられます。
- 市販の書籍で勉強する
- 動画講座を利用する
- スクールに通う
市販の書籍で勉強する
簡単に始められるのは、市販の書籍を購入して自身で勉強する方法です。仕事やプライベートの都合に合わせ、自分のペースで学習を進められます。一方で、スケジュール管理が難しいことや質問する相手がいないことから、挫折しやすい点はデメリットだといえるでしょう。
VB.NETが学べる書籍としては、「VisualBasic2022パーフェクトマスター」や「現場ですぐに使える! Visual Basic 2022逆引き大全 500の極意」がおすすめです。どちらも基礎から応用まで幅広く学べる書籍です。
動画講座を利用する
VB.NETに関する講座は、YouTubeなどの動画サイトにも多数アップされています。本格的に学びたい場合は、Udemyなどの有料コースを受講するのがおすすめです。動画講座なら書籍と違って操作画面を見ながら学べるため、学習効率が上がります。
スクールに通う
書籍や講座を使った学習が難しそうだと感じる方は、通学制のプログラミングスクールを利用しましょう。費用は高くなりますが、学習カリキュラムが決まっているため挫折しにくいほか、つまずいた際に質問できるといったメリットがあります。
VB.NETのインストール方法
VB.NETを利用するには、Microsoft社が提供する「Visual Studio」という統合開発環境をインストールします。公式サイトにアクセスし、最新版のVisual Studioをインストールしましょう。
2023年6月時点では、「Visual Studio 2022」が最新となっています。「Community」「Professional」「Enterprise」という3種類がありますが、個人利用であれば無料のCommunityで問題ありません。
「VisualStudioSetup.exe」というファイルがダウンロードされるので、起動します。インストーラーが立ち上がったら、「.NET デスクトップ開発」にチェックが入っていることを確認してインストールを実行します。
完了後、Visual Studioを起動して「新しいプロジェクトの作成」を選択してください。「すべての言語」を「Visual Basic」、「すべてのプラットフォーム」を「Windows」、「すべてのプロジェクトの種類」を「デスクトップ」に変更、「Windowsフォームアプリ」を選択し、プロジェクトを作成すれば作業環境の構築は完了です。
VB.NETの将来性は?
VB.NETをこれから学ぶにあたり、「将来性はあるのか」「VB.NETのスキルに需要はあるのか」と気になる方は多いでしょう。結論からいうと、VB.NETを扱えるエンジニアの需要は今後も根強く残ることが予想されます。
企業のシステムはVBやVB.NETを使って構築されたものが多く、他言語に刷新するのは簡単ではありません。VB.NETで作ったシステムはもちろん、VBで作ったシステムのマイグレーションもVB.NETであれば比較的容易なため、今後も保守・改修案件は多数発生することが見込まれます。
もちろんC#やJavaScript、Pythonといったプログラミング言語のシェアが拡大しているため、VB.NETのニーズが大きく増加することはないでしょう。それでも、既存システムの言語を変更するという決断はリスクのあるものであり、VB.NETのスキルに対する需要は残り続けるはずです。
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まとめ

本記事では、Microsoft社が開発したオブジェクト指向のプログラミング言語「VB.NET」について、特徴や使用するメリット、将来性を解説しました。比較的歴史の長い言語ですが、Windows関連のアプリケーション・拡張機能の開発に適した言語として、現在でも幅広く利用されています。コードが自然言語に近いことから初心者にも理解しやすいため、気になる方はさっそくインストールしてみてはいかがでしょうか。