システムエンジニア(SE)の平均年収はどれくらい?職種別・年代別など条件別で紹介!
現在ではどの企業でもITシステムを取り入れており、システムエンジニアは人材不足ともいわれ、需要のある職種です。将来性のある職業だといわれていますが、年収はどのように変化していくのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事ではシステムエンジニアの平均年収と年収を上げる方法について紹介します。システムエンジニアとして今後の年収が気になる人や、年収を上げていきたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
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システムエンジニアの平均年収
システムエンジニアの平均年収は、523万円(※1)です。日本の平均年収は443万円(※2)のため、システムエンジニアの年収は全体の平均年収と比較してよいことがわかります。
システムエンジニアの年収は勤める企業規模によって左右されます。10〜99人規模の企業の平均年収は575万円、100〜999人の企業規模の平均年収は610万円。1000人以上の企業の平均年収は790万円です。(※3)企業規模が大きいほど、年収は上がります。
※1出典:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))
※2出典:令和3年分 民間給与実態統計調査(国税庁)
※3出典:令和4年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)
システムエンジニアの年齢別の平均年収
システムエンジニアはスキルや経験が重視されるため、年齢が上がるほど年収が高くなる傾向にあり、経験を積むと大幅な年収アップが見込めます。年齢別・会社規模別に平均年収を紹介します。
20代のシステムエンジニアの平均年収
年齢/会社規模 | 10〜99人 | 100〜999人 | 1000人以上 |
20〜24歳 | 310万円 | 330万円 | 360万円 |
25〜29歳 | 410万円 | 420万円 | 490万円 |
システムエンジニアはプログラマーとしてスタートするのが一般的です。年齢関係なく未経験でシステムエンジニアをはじめる場合もスキルや経験が少ないことから、年収は20代前半と同じくらいになります。20代前半から会社の規模によって年収は約50万円の差があり、スキルや経験問わず、会社規模で大きな差があることがわかります。
30代のシステムエンジニアの平均年収
年齢/会社規模 | 10〜99人 | 100〜999人 | 1000人以上 |
30〜34歳 | 490万円 | 520万円 | 610万円 |
35〜39歳 | 530万円 | 580万円 | 700万円 |
30代はシステムエンジニアとしての実績や知見が増え、担当する業務も多くなるでしょう。プロジェクトを統括する立場を任される機会も増え、プロジェクトリーダーなどのポジションを任されると年収も上がります。
30代では高度な技術を身につけて専門性を高めるのか、プロジェクトを統括する管理職を目指すのか、これからのキャリアプランを明確にしておくべき時期でもあります。それに基づいた行動をすることが今後の年収の差につながっていきます。
40代のシステムエンジニアの平均年収
年齢/会社規模 | 10〜99人 | 100〜999人 | 1000人以上 |
40〜44歳 | 600万円 | 620万円 | 770万円 |
45〜49歳 | 620万円 | 640万円 | 730万円 |
40代では管理職に昇進した人と、それ以外の人では年収に大きな差がつきます。プロジェクトマネージャーなどのプロジェクト全体を統括する立場や、管理職に就くと、年収が大幅に上がります。プロジェクト全体を統括する立場では、経験や技術面だけではなく、高いマネジメントスキルが求められます。
50代のシステムエンジニアの平均年収
年齢/会社規模 | 10〜99人 | 100〜999人 | 1000人以上 |
50〜54歳 | 660万円 | 670万円 | 830万円 |
55〜59歳 | 650万円 | 670万円 | 830万円 |
システムエンジニアの年収のピークは50代です。50代では管理職についている人が多く、平均年収が高くなる傾向にあります。また管理職についていない場合でも、システムエンジニアは経験年数が重要なため、年収は高くなるでしょう。一方で60代以降は役職定年を定めている企業もあり年収は下がる傾向にあります。
システムエンジニアの地域別の平均年収
システムエンジニアの年収は、地域ごとでも変わります。地域別の平均収入は次のとおりです。
地域 | 平均年収 | 平均年齢 |
北海道 | 438万円 | 38歳 |
東北 | 448万円 | 39歳 |
関東 | 519万円 | 38歳 |
中部 | 484万円 | 39歳 |
近畿 | 496万円 | 39歳 |
中国 | 450万円 | 38歳 |
四国 | 468万円 | 40歳 |
九州沖縄 | 456万円 | 38歳 |
平均年収が一番高いのは関東地方です。システム開発会社などの多くは東京(平均年収536万円)などの関東に集中しています。また、関西では大阪(平均年収504万円)中部では愛知(平均年収563万円)に多くのシステム開発会社があります。そのため、関東・関西・中部は比較的ほかの地区よりも年収の水準が高くなっています。
しかし、大都市に限らず地方でもシステムエンジニアは求められている職種です。地域によって年収の差はありますが、企業によっても年収は異なるので、転職の際は企業の情報をもとに検討しましょう。
システムエンジニアの企業規模別の平均年収
システムエンジニアの平均年収は、企業規模によっても大きく異なります。厚生労働省が実施する「令和4年賃金構造基本統計調査」では、従業員数に基づいた統計データが算出されています。
会社規模 | 平均年収 |
従業員数10~99人 | 約575万円 |
従業員数100~999人 | 約610万円 |
従業員数1000人以上 | 約790万円 |
このように、企業規模が大きくなるほど、平均年収も高くなります。これは、大企業の方が給与体系が整っていることや、昇進・昇格の機会が多いことが理由と考えられます。
また、上記の平均年収は、あくまでも目安となります。実際の年収は、職種、経験年数、スキル、勤務地などによっても異なります。
システムエンジニアの経験年数別の平均年収
システムエンジニアの平均年収は、経験年数によっても大きく異なります。ここでは、システムエンジニアの経験年数別の平均年収をご紹介します。 下記表はe-Stat政府統計の総合窓口「賃金構造基本統計調査」を参考に作成しました。
経験年数 | 平均年収 |
0年 | 330万円 |
1〜4年 | 410万円 |
5〜9年 | 490万円 |
10〜14年 | 545万円 |
15年以上 | 640万円 |
上記の通り、経験年数が長くなるにつれて平均年収も高くなります。 これは、経験豊富なシステムエンジニアは、より高度なスキルを持ち、より責任のある仕事に携わることができるためです。
上記の年収はあくまで全体的な傾向であり、職種や業界によっても平均年収は大きく異なります。
システムエンジニアの職種別の平均年収
社内SE
社内SEとは企業が独自で情報システム部を設け、その部門に属しているシステムエンジニアを指し、基本的に自社内のシステムに関する業務を行います。運用・管理・ヘルプデスク・セキュリティエキスパートの社内SEの平均年収は534.6万円です。基盤システム(主にシステムの設計に従事する)の社内SEの平均年収は660万円です。(※)
社内SEの仕事は主に、システムの運用と管理です。しかし高度な知識とスキルが必要なシステムの設計に関われるポジションでは、年収が高くなる傾向にあります。
※出典:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))
SIer
SIerとはシステムの開発や運用、保守などの全体を請け負う事業を指します。クライアントの業種や業務が異なるため、SIerの仕事は多岐に渡り、システム開発の全てを請け負うこともあれば、一部のみを請け負うこともあります。SIerの平均年収は458万円(※1)です。しかしSIerは勤める企業で大きな差があり、大手SIerに属しているシステムエンジニアの年収は1,000万円(※2)を超えることもあります。
※1出典:平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】
※2参考:IT系上場企業の平均給与を業種別にみてみた 2020年版 パッケージソフトウェア系、SI/システム開発系、クラウド/通信キャリア系
フリーランスのシステムエンジニアの平均年収
フリーランスのシステムエンジニアの平均年収は、700万円〜1,000万円程度と言われています。これは、正社員のシステムエンジニアの平均年収と比較すると、1.4倍〜1.9倍と高水準になっています。
フリーランスのシステムエンジニアの年収が高い理由は、主に以下の2つが挙げられます。
- 勤務時間や場所を自由に設定でき、効率的に働けばより多くの案件を受注することができるため
- 自身のスキルや経験に合った高単価案件に挑戦することができるため
このようにフリーランスのシステムエンジニアの平均年収は高水準となっていますが、収入の安定性や福利厚生がないなどのデメリットもあります。これらのメリット・デメリットをよく理解した上で、自分に合っているかどうか判断することが重要です。
システムエンジニアの年収に影響する要素
システムエンジニアの年収は、様々な要素によって大きく左右されます。以下では、代表的な要素について解説します。
- スキル
近年需要が高いクラウド系やAI系のスキルに加え、専門性の高いスキルや希少性の高いスキルを持っているほど、高収入を得やすくなります。 - 資格
システムエンジニアにとって、資格はスキルを証明するものであり、年収アップに繋がる可能性があります。特に、情報処理技術者試験や基本情報技術者試験などの国家資格、AWS認定資格やMicrosoft Azure認定資格などのベンダー資格などは、評価が高く、年収アップに有利です。 - 業界
金融業界やIT業界は、他の業界と比較して年収が高い傾向があります。
システムエンジニアとしての年収を上げるためには
システムエンジニアとして年収を上げるためには、スキル向上と経験に加え、働く場所やポジションを変えることも有効的です。どのような方法があるのか具体的に紹介します。
プログラミングスキル向上
システムエンジニアとして年収を上げるには、専門性を高めプラスアルファの能力を身につける必要があります。常に最新技術にも目を光らせ、技術レベルを上げる姿勢をもち続けることが大切です。プログラミングスキルがあれば、チームメンバーの悩みを理解でき、より具体的な問題解決案も提示できるでしょう。
スキル向上に際して、資格手当を設けている企業もあります。システムエンジニアとしてのスキルの証明として次の国家資格を取ることも、昇給や昇進に有効です。
- 基本情報技術者試験(FE)
- 応用情報技術者試験(AP)
- システムアーキテクト試験(SA)
- ネットワークスペシャリスト試験(NW)
マネジメント・コミュニケーション能力の向上
マネジメントスキルと高いコミュニケーションスキルを身につけると、リーダーポジションに抜擢される機会が増え、年収アップにつながります。
システムエンジニアは一般的にチームでプロジェクトを進めます。納期に成果物を提出するには、適切なスケジュール管理とチーム内のコミュニケーションがとても大切です。チームメンバーや他部署、クライアントとの信頼関係を築き、円滑にプロジェクトを進めます。
プロジェクトマネジメントの知識やスキルを証明する資格として「プロジェクトマネージャー試験(PM)」や「PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェショナル)」などの資格を取ることも、年収アップや転職の際に有効です。
上流工程の仕事に携わる
システム開発のプロジェクトは、上流工程と下流工程に分かれています。上流工程はプロジェクト全体のプランニングを行います。一方で下流工程では、上流工程で決定された要件定義・基本設計を基に開発・テストを行います。IT企業は多重下請け構造が一般的なので、下請けになるほど給料が下がります。そのため、上流工程を担う元請会社に勤めることで年収の向上が見込めます。
プロジェクト全体を統括するプロジェクトマネージャーや管理職は、年収が高い傾向にあります。下流工程だけではなく上流工程に携わり、プロジェクト流れや進め方、マネジメントなどを身につけると、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアプランも考えられるでしょう。
他の職種にキャリアチェンジする
システムエンジニアとしてキャリアを積んできた後、年収アップを目指すために他の職種へのキャリアチェンジを検討する方も少なくありません。
システムエンジニアからキャリアチェンジしやすい職種は以下の通りです。
● ITコンサルタント: システムエンジニアとしての経験を活かし、企業のシステム導入や改革を支援する仕事です。
● プロジェクトマネージャー: システム開発プロジェクトの全体を統括する仕事です。
● 営業職: システムエンジニアとしての知識・経験を活かして、IT製品やサービスを販売する仕事です。
● 経営企画職: システムエンジニアとしての知識・経験を活かして、企業の経営戦略を策定する仕事です。
転職する
現在勤めている企業の給料よりも、高い給料の企業へ転職することで年収を上げることができます。システムエンジニアの仕事はどの企業でも人材不足のため、転職は難しくないといわれています。
システムエンジニアの経験者で、即戦力になる人材が求められているため、業績の良い企業へ転職することで、同じ内容の仕事でも給料が上がることもあります。もしくは転職の際、チームリーダーだった人がプロジェクトリーダーになるなど、自分の働くポジションを変更することも年収を上げることにつながります。転職をする際は、企業の見極めが非常に重要となるので、システムエンジニアを専門としている転職エージェントに相談することをおすすめします。
フリーランスになる
システムエンジニアは企業に転職するのではなく、フリーランスとして独立することも可能です。高い技術と知識、経験、コミュニケーション能力、営業スキルがあれば、企業に属するよりフリーランスの方が年収は高くなることもあります。自分の強みである得意分野を中心に仕事を請け負うなど、仕事を選べることもフリーランスのメリットです。得意分野であれば、単価や条件も交渉しやすくなるでしょう。
収入に波があることや、全て自分で対応しなければならない大変さはありますが、フリーランスは自分の頑張り次第で年収を上げることができます。
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まとめ
システムエンジニアの年収は、企業規模や地域によって異なります。経験やスキルを重視されるので、年齢に応じて確実な経験とスキルアップをすれば、年収は上がります。
しかしキャリアパスを具体的に描き、計画的に行動しなければ理想とする年収に到達しない可能性もあります。年収を上げるためにどうするのか、よく考え自ら行動を起こさなければなりません。転職やフリーランスを考えている人は社内SE転職ナビ、エンジニアファクトリーの専門アドバイザーに相談して新たな選択肢を広げてみましょう。