2024/03/04

VPoEとは?CTOとの違いから仕事内容、必要なスキルまで紹介

カテゴリ キャリア
VPoEとは?CTOとの違いから仕事内容、必要なスキルまで紹介

VPoEは、企業のエンジニアリング部門の責任者です。DXが進む現代において注目されているVPoEですが、比較的新しいポジションであるため、馴染みのない人も多いと思います。

この記事では、そんなVPoEの仕事内容や必要なスキル、VPoEになる方法などを具体的に解説します。VPoEの魅力を理解し、エンジニアやマネージャの新たなキャリアパスとして、ぜひ検討してみてください。

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VPoEとは

VPoEとは

VPoE(Vice President of Engineering)とは、ITエンジニアの組織のトップとして、運営や戦略を統括する役職です。製品開発プロジェクトの管理や技術戦略の策定、エンジニアチームの指導や育成などの役割を担います。IT企業において、技術部門の効果的な運営は経営の鍵を握るため、VPoEは非常に重要な存在です。

VPoEはCTOや他の役職との関連性が深く、企業によってVPoEの持つ権限や業務の範囲は異なりますが、社内のITエンジニアリングを成功に導く責任を持つポジションという点は共通しています。

CTOとの違い

VPoEとCTO(Chief Technology Officer)は、共に企業における技術的な責任者としての役割を持ちますが、職務内容や責任範囲が異なります。CTOは技術的なビジョンや戦略を策定し、新しい技術の採用や研究・開発の方向性を決定する役職です。

一方VPoEは、エンジニアチームの日常の運営や管理を中心に、製品開発のプロジェクトを効率的に進行させる役職です。VPoEはエンジニアの採用や育成、評価など、チームのマネジメントに重きを置きます。

簡潔に言うと、CTOは「何を」技術として追求するかという方向性を決め、VPoEは「どのように」それを実現するかを決めて実行する役割です。両者は密接に連携しながら、企業の技術的な成功を追求します。

VPoPとの違い

VPoEとVPoP(Vice President of Product)は、両者とも企業の製品開発を中心に活動する役職ですが、焦点や責任範囲は異なります。

VPoPは製品の戦略や方向性を決定する役職です。市場のニーズやトレンドを分析し、分析結果に基づいて新しい製品のアイデアを生み出したり、既存製品の改善点を見つけたりします。VPoPは製品のビジョンやロードマップの策定、ユーザーエクスペリエンスの最適化など、製品の成功を追求する役割を持ちます。

一方VPoEは、エンジニアチームの運営や技術的な実装を中心とした役職です。

同じ製品開発という活動に対して、VPoPは「どのような製品を作るか」、VPoEは「どうやって作るか」という異なる側面からアプローチします。

VPoEの仕事内容

VPoEの仕事内容

VPoEの主な仕事内容は以下の3つです。一つずつ詳しく解説します。

  • エンジニアの採用・育成・評価
  • エンジニアチームの編成と運営
  • 他組織や上層部との調整

エンジニアの採用・育成・評価

VPoEの中心的な仕事内容の一つが、エンジニアの採用・育成・評価です。

採用では、企業の技術的なニーズや方向性をふまえたうえで、適切なスキルセットや経験を持つエンジニアを見つけ出す役割を果たします。次に、新しく採用されたエンジニアのトレーニングやメンターシップを準備し、彼らの成長をサポートします。そして評価では、エンジニアのパフォーマンスや成果を公平に評価し、キャリアを進展させるためのフォローや報酬の調整などを行います。

この一連のプロセスを、企業の経営方針や技術戦略に沿った形で一貫性を持たせて実行することが、VPoEの役割です。

エンジニアチームの編成と運営

エンジニアチームの編成と運営もVPoEの重要な仕事です。チームの編成では、プロジェクトの目的や期間、必要な技術領域に基づいて最適なメンバーを選出し、新しいチームを組成します。エンジニアのスキルや経験、チーム間の相性などを考慮しながら、ベストなチーム構成を目指すことが重要です。

また運営の面では、日常のタスク管理やプロジェクトの進捗確認、リソースの配分、コミュニケーションの最適化などを行います。エンジニアチームがスムーズに作業を進められる環境を整え、チーム間の連携や情報共有を促進し、問題や課題が生じた際の対応策を策定します。

他組織や上層部との調整

VPoEは技術部門のリーダーとして、他の組織や上層部との調整を積極的に行う重要な役割を持っています。製品の開発を進めるためには、マーケティングやセールス、デザイン、人事など、他部門との密接な連携が不可欠です。

また、上層部とのコミュニケーションも重要です。技術的な課題や投資の必要性、リソースの配分など、経営層に伝えるべき情報を的確に伝達し、理解や支持を得る必要があります。このような調整業務を通じて、VPoEはエンジニアリング部門と他の組織部門との間の橋渡しをし、目的達成のためにチームを推進させる役割を担います。

VPoEの年収

VPoEの年収

VPoEは比較的新しい役職ということもあり、公開されている年収の情報が少ない傾向にあります。また企業によって役割や責任範囲が大きく異なることもあり、VPoEの年収には企業や役割によって大きな差があります。ただし、VPoEはエンジニアリング部門の最高責任者であるため、一般的なエンジニアやPMを上回る平均年収であることは間違いありません。

転職サイト「doda」によると、PMの平均年収は686万円です。よって、VPoEの平均年収は一般的なPMの年収を上回る、700万円から1,000万円程度が想定されます。また、事業の規模や責任の範囲によっては1,000万円以上の高い年収が期待できるでしょう。

VPoEになるためにはどうすれば良い?

VPoEになるためにはどうすれば良い?

VPoEになる方法は以下の3つです。VPoEになるのは決して簡単ではありませんが、自分に合った方法で目指してみてください。

  • PMの経験を積む
  • VPoEの求人に応募する
  • 起業する

PMの経験を積む

VPoEになるための基本的なパターンは、エンジニアからステップアップし、PMとしての経験を積むことです。多くのVPoEは、自身のキャリアの中でPMとしての経験を持っており、その経験が経営層やエンジニアチームとの橋渡しを行ううえで、貴重な知見となっています。

そして、PMとして社内で成果をあげ評価を高めれば、VPoEに昇進できる可能性があります。所属している企業でVPoEを目指す場合は、まずはPMの経験を積みましょう。

VPoEの求人に応募する

VPoEになるために、直接VPoEの求人に応募する方法もあります。VPoEは最高責任者という限られたポジションのため募集の数は多くありませんが、VPoEを募集している求人も存在します。

VPoEを社内で育成するのではなく社外から採用するということは、基本的には即戦力が求められます。採用のハードルは高いですが、エンジニアやPMとしての豊富な経験や実績を持っている場合は、チャレンジしてみてもよいでしょう。

起業する

VPoEになるためのもう一つの方法は、自ら起業することです。起業当初は会社の人数も少ないため、自身がVPoEの役割を担うことは自然な流れとなります。

起業はリスクも伴うため、十分な準備と情熱が必要です。しかし、その過程で磨かれるスキルや視点は、将来VPoEとして活動する際に役立ちます。

VPoEになるために必要なスキルとは

VPoEになるために必要なスキルとは

VPoEは技術部門の最高責任者であるため、高度かつ幅広いスキルが求められます。ここでは、その中でも特に重要な以下の3つのスキルについて解説します。

  • 経営の知識
  • マネジメント能力
  • 問題解決力

経営の知識

VPoEとしての役割は、単に技術的な問題を解決するだけではなく、企業全体の方向性や戦略に合わせてエンジニアチームをリードすることです。そのため、経営の知識を持つことが非常に重要となります。

企業のビジョンやミッション、中長期の戦略を理解し、それをもとに行動することが重要です。市場の動向や競合状況、リソースの配分など、多角的な情報を考慮しながら、技術的な判断を下す必要があります。

VPoEには、技術部門の目指す方向性や普段の行動が、企業の経営方針に沿うように舵取りすることが求められます。

マネジメント能力

VPoEが持つべきスキルの中でも、特に重要なのがマネジメント能力です。エンジニアチームの適切な組織化、メンバーの育成・評価、そして効率的なプロジェクト運営の実現には、高度なマネジメント能力が必須となります。

例えば、チームのモチベーションを保つことや、生産性を最大化するための人材配置とタスクの優先順位付け、目標設定やフィードバックなど、多岐にわたる判断が求められます。また、コミュニケーションのスキルも必要です。チーム内外のステークホルダーと円滑なコミュニケーションを行い、必要な情報を共有し、人を動かす能力が求められます。

問題解決力

VPoEにとって必須スキルの一つが、問題解決力です。これは、技術的課題だけでなく、人材やプロジェクトマネジメント、予算など、組織運営に関わる多様な問題に対処する能力を含みます。

具体的には、未知の課題に直面した際の迅速かつ効果的な意思決定、チーム間の対立の解消、プロジェクトの遅延やバグ、コスト超過の対策などです。これには、情報を整理して原因を深く分析し、複数の対策案を検討して最適な対応を行う必要があり、論理的な思考力や対策を立案するための知識と経験が求められます。

VPoEの今後の需要

VPoEの今後の需要

近年、DXが各業界で進行しており、企業の競争力を維持・向上させるためには、IT技術の活用が欠かせません。この背景から、エンジニアリング部門が持つ役割はますます重要となっています。

このような状況下で、経営とエンジニアリングの橋渡し役として、企業全体の技術的な方向性をリードするVPoEの需要は、今後も高まることが予想されます。経営戦略と技術戦略を一体化させる役割を持つVPoEは、さらに存在価値を増していくでしょう。

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まとめ

VPoEまとめ

本記事では、VPoEの仕事内容や年収、VPoEになるための方法、必要なスキルなどを解説しました。

VPoEは技術部門の最高責任者という重要なポジションであるため、高いスキルと豊富な経験が求められる仕事です。その分年収が高く、大きな裁量を持って働けるやりがいの大きな仕事でもあります。

これからVPoEを目指す方は、経営の知識やマネジメント力、問題解決力などの必要なスキルを理解し、これをどのように身につけるか逆算してキャリアプランを策定しましょう。