CakePHPとは?特徴や将来性について解説
PHPは、Webアプリケーションの開発において大きなシェアを占めており、ITエンジニアとして活躍したい人にとっておすすめのプログラミング言語です。
そんなPHPを習得する際に重要なのが、開発をサポートするフレームワークの存在です。フレームワークの利用により開発スピードや拡張性などが大幅に向上します。
本記事では、PHPのフレームワークの中でも人気があるCakePHPについて、特徴や学習方法、需要と将来性、具体的なインストール方法まで、詳細に解説します。
これからITエンジニアを目指す人やエンジニアとしてスキルアップしたい人にとって、魅力的な選択肢となるCakePHPについて、本記事でぜひ学んでみてください。
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- CakePHPとは
- CakePHPの特徴
- CakePHPの活用方法
- CakePHPのインストール方法
- CakePHPの学習方法
- CakePHPの需要と将来性
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- まとめ
CakePHPとは
CakePHPとは、PHPを使用したWebアプリケーションの開発を簡略化し、効率化することを目的として作られたフレームワークです。
PHPを使用した開発のスピードや品質を向上させるためには、フレームワークの利用が重要です。CakePHPは2005年にリリースされた比較的古いフレームワークですが、現代でも継続してアップデートされており、今なお高い人気を誇っています。
CakePHPの「Cake」は食べ物のケーキから来ており、「ケーキを焼くように手軽に開発する」という意味が込められています。名前のとおり初心者でも覚えやすく、PHPを利用した開発を簡単にしてくれるフレームワークです。
PHPとは
PHPとはECサイトや予約サイトのように、動的なWebアプリケーションの開発を可能にするプログラミング言語です。
PHPはHTMLに直接埋め込むことが可能で、データベースとの連携も容易です。これにより、Webページの動的なコンテンツ生成やユーザーとの対話を実現することが可能となります。
例えば、ユーザーの入力情報に基づいて異なるWebページを動的に生成したり、データベースから情報を取得して表示したりすることが容易に実現できます。
自由度の高さと多機能性により、幅広いWebアプリケーション開発に利用されている言語です。
CakePHPの特徴
CakePHPには開発をサポートする様々な機能が備わっています。ここでは主な機能を5つ紹介します。
MVCアーキテクチャ
CakePHPの最大の特徴は「MVC(Model-View-Controller)」アーキテクチャを採用している点です。MVCアーキテクチャはアプリケーションの機能を以下の3つに分けて考えます。
- モデル: データ取得や更新などを行う
- ビュー:表示内容を制御する
- コントローラー:データ取得と表示を連携する
それぞれの機能が独立しているため、コードの整理が容易になったり開発を分担しやすくなったりするメリットがあり、生産性や保守性を向上させます。
O/Rマッピング
O/Rマッピングは、プログラム内のオブジェクトとデータベースを自動的にマッピングする機能です。
例えば、あるユーザーのデータをデータベースから取得する際、SQLを直接書く代わりに、オブジェクトを通じてデータを取得できます。
これにより、データベース操作をより直感的に行うことができ、開発を効率化させます。
bake機能
bakeはモデル、ビュー、コントローラーといった基本的なコードの骨格を自動生成する機能です。コマンドラインツールであり、特定のコマンドを実行するだけで、対話形式で簡単にプログラムを生成できます。
bake機能を使用すれば、MVCの基本部分のソースコードを書かずに開発できるため、初期段階のコーディング時間を短縮し、開発者が具体的なビジネスロジックの作成に注力できるようになります。
scaffolding機能
scaffoldingは、CRUD(Create, Read, Update, Delete)操作を行う画面を簡単に実装できる機能です。
例えば、ユーザー情報の管理画面を開発する場合、ユーザーの情報を作成、読み取り、更新、削除する基本的なWebページを作成する必要があります。scaffolding機能を利用すれば、これらのページが自動生成され、それを基にカスタマイズしていくことが可能です。
scaffoldingは初期段階の開発やプロトタイプ作成を効率化し、開発時間を短縮できる強力なツールです。
コミュニティが活発
CakePHPはコミュニティが活発であり、エンジニアが学習リソースを見つけ、問題解決のための支援を得やすい環境が整っています。
公式のCakePHPフォーラムやStackOverflowのCakePHPタグを通じて、エンジニアは知識を共有し、相互に問題を解決することができます。
優れた機能を持っていても、使い方やトラブルの対応方法が分からないと業務に活用できません。活発なコミュニティによってエンジニアが学習し、問題を解決できる点もCakePHPの魅力の1つです。
CakePHPの活用方法
CakePHPはWEBアプリケーションの開発を行うためのフレームワークです。その中でもCakePHPのメリットを活かせる活用方法を3つ紹介します。
ブログの作成
CakePHPは公式サイトにブログ作成のチュートリアルがあるほど、ブログの作成を得意としています。ブログ作成ソフトとして世界的なシェアを持つ「WordPress」もPHPで開発されました。
フレームワークが提供する機能によって、記事の投稿・編集・削除といった基本的なブログの機能から、カテゴリ分け、タグ付け、コメント機能までブログに必要な機能を簡単に実装することができます。さらに、様々なプラグインを利用すれば、SEO対策やSNSシェア機能などの追加も可能です。
ECサイトの作成
CakePHPはECサイトの開発に最適です。これはCakePHPが、MVCアーキテクチャやデータベース操作の簡易化など、ECサイト開発に必要な基本的な機能を備えているためです。そのため、商品の一覧表示やカート機能、会員登録、注文処理、在庫管理など、ECサイトに必要な機能を、CakePHPを使って簡単に実装することができます。
ECサイトやイベント集客サイトなど、動的なWebページを作成する際には、CakePHPが有力な選択肢になります。
グループウェアの作成
CakePHPは、グループウェアのような業務管理システムを開発する際にもよく利用されます。グループウェアに必要な機能は、カレンダーや会議室予約、掲示板、ファイル共有、チャット機能などです。CakePHPは動的なWebページの開発を得意としており、プラグインや拡張ツールも利用できるため、このような機能を効率的に実装できます。
CakePHPのインストール方法
CakePHPのインストール方法はWindowsとMacで異なります。ここではWindowsとMacそれぞれの具体的なインストール方法を解説します。
Windowsの場合
WindowsのPCにCakePHPをインストールする手順は以下の6ステップです。
- XAMPPをインストールする
- PHPのパスを環境変数に設定する
- Composerをインストールする
- php.iniを編集する
- CakePHPプロジェクトを作成する
- 動作を確認する
1つずつ解説します。
1.XAMPPをインストールする
まずは、XAMPPをインストールしていきます。XAMPPはPHPやデータベース、Webサーバーなど、PHPで開発を行うための環境を備えたパッケージです。
始めに、XAMPPのダウンロードページからダウンロードしてください。
ダウンロードできたら、ファイルを開きます。以下のエラーが出た場合は、OKをクリックしてそのまま進んでください。
インストールは基本的にすべて「Next」をクリックして進めればOKです。
「Next」をクリックして進めるとインストールが始まるので、完了までしばらく待ちましょう。
インストール中に次のような警告画面が表示された場合は、「アクセスを許可する」をクリックして進めてください。
インストールが完了すると以下の画面が表示されるので、「Finish」をクリックしてください。「Do you want to start the Control Panel now?」のチェックは、XAMPPの設定画面をすぐに開くかを聞かれているだけなので、チェックを付けたままでOKです。
以下のようなXAMPPの設定画面が開きます。これでインストールは完了です。
2.PHPのパスを環境変数に設定する
まずはキーボードの[Windows]+[R]キーを押し「ファイル名を指定して実行」画面を起動します。
表示されたウィンドウに以下を入力して「OK」をクリックしてください。
sysdm.cpl
すると「システムのプロパティ」画面が開くので、「詳細設定」タブに切り替えてから「環境変数」をクリックしてください。
「環境変数」画面が開いたら、「Path」を選択して「編集」をクリックします。
「新規」をクリックし、XAMPPをインストールしたパスを入力してください。なお、デフォルトは「C:\xampp\php」です。
入力したらOKをクリックして、設定画面を終了してください。
これで環境変数の設定は完了です。
3.Composerをインストールする
続いてはComposerをインストールします。ComposerとはPHPのライブラリの依存関係を管理してくれるツールです。利用することでCakePHPのインストールを簡単に行うことができます。
まずはComposerの公式サイトから「Download]をクリックします。
以下のダウンロード画面が開くので、「Windows Installer」のところにある「Composer-Setup.exe」をクリックすると、ダウンロードが開始します。
ダウンロードが完了したら、ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてください。すると、以下のインストール画面が起動します。
インストール先のフォルダを自分で変更したい人以外は「Next」をクリックして、「Install」ボタンがある画面まで進めてください。
以下の画面が表示されたら「Install」をクリックして、インストールを実行します。
インストールが完了したら以下の画面が表示されるので、「Next」をクリックしてください。
以下の画面が表示されたら「Finish」をクリックしてインストールを完了します。
画面が閉じたら、コマンドプロンプトで以下のコマンドを入力してください。
composer -V
以下のようにバージョンが表示されたら、Composerのインストールは完了です。
(バージョンの値は画像と異なる場合があります)
4.php.iniを編集する
環境変数のパスに設定したXAMPPのインストールフォルダにある「php.ini」をメモ帳で開きます。(デフォルトは「C:\xampp\php」)
ファイルを開いたら「;extension=intl」という文字列を検索し、先頭の「;」を削除してから上書き保存をしてください。
変更したら、XAMMPのコントロールパネルからApachを再起動してください。
これでphp.iniの編集は完了です。
5.CakePHPプロジェクトを作成する
続いてはCakePHPのプロジェクトを作成します。コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行してください。
composer create-project –prefer-dist cakephp/app プロジェクト名
正常に実行できたら、入力したプロジェクト名のフォルダが作成されているか確認してください。
CakePHPプロジェクトの作成はこれで完了です。
6.動作を確認する
最後に動作確認を行います。以下のコマンドを実行してサーバーを起動してください。
bin/cake server
「http://localhost:8765/」にアクセスし「CakePHP」の文字が画面に表示されたらOKです。
これでインストール作業は完了です。
Macの場合
MacのPCにCakePHPをインストールする手順は以下の3ステップです。
- Composerをインストールする
- CakePHPプロジェクトを作成する
- 動作を確認する
Macの場合はPHPが元からインストールされているため、Windowsより手順が簡単です。
1つずつ解説します。
1.Composerをインストールする
Composerをインストールします。ComposerとはPHPのライブラリの依存関係を管理してくれるツールです。
まずはComposerの公式サイトから「Download]をクリックします。
以下のダウンロード画面にあるコマンドをコピーして実行すると、インストールが開始します。
インストールが完了したら、以下のコマンドを実行してください。
composer -V
Composerのバージョンが表示されたら、インストールは完了です。
2.CakePHPプロジェクトを作成する
CakePHPプロジェクトの作成はWindowsと同様の手順で行います。
以下のコマンドを実行してください。
composer create-project –prefer-dist cakephp/app [プロジェクト名]
正常に実行できたら、入力したプロジェクト名のフォルダが作成されているか確認してください。
CakePHPプロジェクトの作成はこれで完了です。
3.動作を確認する
動作の確認手順もWindowsと同様です。以下のコマンドを実行してサーバーを起動してください。
bin/cake server
「http://localhost:8765/」にアクセスし「CakePHP」の文字が画面に表示されたらOKです。
これでインストール作業は完了です。
CakePHPの学習方法
CakePHPの学習方法を3つ紹介します。これからCakePHPを学習するエンジニアの方は、ぜひ参考にしてください。
公式ドキュメント
公式ドキュメントでは、CakePHPの概要から各機能の詳細、トピックごとの解説など幅広い知識を提供しています。またユーティリティやプラグインの解説もされており、公式ドキュメントを見るだけでCakePHPについて網羅的な学習が可能です。
サンプルコードを交えて説明されているものが多く、実戦的なマニュアルとなっているため、使い方を調べたい場合や実装が上手くいかない場合に参照すると、非常に有効です。
チュートリアルも用意されているため、初心者が学習する際はチュートリアルから始めると良いでしょう。
学習サイト
初心者がCakePHPを学習する場合、学習サイトの利用も有効です。インターネット上には初心者向けの学習サイトが複数存在するため、自分にあったサイトを探してみてください。
学習サイトの一番のメリットは動画で学習できる点です。動画教材は視覚的にわかりやすいうえに音声で解説してもらえるため、より直感的に学ぶことができます。
テキストではなかなか理解が進まない方は、動画教材を使用した学習サイトを活用してみてください。
書籍
CakePHPを学習する際、書籍の利用も有効です。
書籍は学習する事を目的に作られているものが多く、利用者のレベルに合わせて体系的に情報が整理されているため、効率よく学ぶことができます。
初心者向けのものや中級者以上に向けたものがあるため、自分のレベルにあった書籍を購入するようにしてください。
CakePHPの需要と将来性
PHPのフレームワークには、拡張性に優れるLaravelや、処理速度に定評のあるCodeigniterなど様々なものがあります。
その中でも特に人気なのがLaravelです。自由度や拡張性が高いという特徴から、柔軟性が求められる現代の市場において最も多くのシェアを獲得しています。
ですが、CakePHPにも使いやすさや生産性の高さなどの強みがあり、根強い人気を保っています。また現在でも開発が進められており、まだまだ将来性のあるフレームワークです。
ECサイトのようなWEBアプリケーションの需要は今後も高まっていくため、高品質なアプリケーションを高速で開発できるCakePHPも、引き続き需要が高い状態が続くと予想されます。
PHPの求人ならエンジニアファクトリー
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担当コンサルタントとの面談を通して、自分の適性に合った案件を提案してもらえることも。エンジニアファクトリーでは非公開案件も豊富にあります。
PdMになりたい方は、IT業界の話やPMの求人状況について、エンジニアファクトリーのコンサルタントと面談をしてみてはいかがでしょうか。
まずはエンジニアファクトリーのサイトで、どのような案件があるのか参考にしてください。
まとめ
本記事ではCakePHPの特徴や活用方法、学習方法などに加え、具体的なインストール方法も解説しました。
CakePHPは、PHPの開発を高速化させる優れたフレームワークで、様々なアプリケーションの開発に利用されています。
WEBアプリケーションの開発においてフレームワークの活用は非常に重要で、その中でもCakePHPは習得コストが低く、初心者にもおすすめです。
これからWEBアプリケーションのエンジニアとして活躍したい方は、他のフレームワークの特徴と比較しながら、CakePHPの習得を検討してみてください。