フリーランスのフロントエンドエンジニアとして成功するには、技術力だけでなく、クライアントとの信頼関係や安定した収入を確保するための戦略が求められます。しかしフリーランスになったばかりのフロンドエンドエンジニアにとって、いかに案件を獲得し、収入を安定させるのかは、大きな課題となるでしょう。

この記事ではフリーランスのフロントエンドエンジニアとして稼ぐための具体的な方法や、バックエンドエンジニアとの違いを解説します。この記事を通じて、フリーランスのキャリアを一層充実させる参考にしてください。

フリーランスのフロントエンドエンジニアの年収と月収

ここでは、フリーランスのフロントエンドエンジニアの年収と月収について、詳しく紹介します。

フリーランスのフロントエンドエンジニアの平均年収と月収

フリーランスのフロントエンドエンジニアの平均年収は、およそ420万円から1800万円の範囲にあります。これは、月収に換算すると約35万円から150万円です。

報酬の幅が広いのは、フロントエンドエンジニアに求められる業務範囲の違いにあります。月収35万円のフロントエンドエンジニアの仕事は、スクリプト言語を用いたコーディング作業です。一方で月収150万円のフロントエンドエンジニアに求められるのは、クライアントとの折衝やアーキテクチャの設計、チームマネジメントです。

これらの求人情報からみえてくるのは、高度なスキルや豊富な実務経験を持つフロンドエンドエンジニアは、高額の報酬が得られるということです。

特にReact、Vue.jsといった複数のフレームワークやライブラリを使いこなせたり、チームマネジメントや顧客折衝ができる場合、より高い単価の案件を獲得しやすくなるでしょう。

フロントエンドエンジニアの雇用形態別の平均年収

フリーランスのフロントエンドエンジニアの平均年収は、前述のようにおよそ420万円から1800万円と幅がある状態でした。対して正社員のフロントエンドエンジニアの平均年収は、約557万円となっています。

数字だけみると、フリーランスのフロントエンドエンジニアの下限よりも正社員のフロントエンドエンジニアの平均年収が高くなっています。しかしフリーランスは下限の年収が400万円を超えており、令和3年度における国内の正社員の平均年収が443万円であることからも決して年収が低いわけではない、といえます。

このように、フロントエンドエンジニアの年収は雇用形態により大きく異なることがわかります。フリーランスのフロントエンドエンジニアとして成功するには、高い技術力やマネジメント力、案件獲得スキルが求められるでしょう。

フリーランスのフロントエンドエンジニアになるためのスキルと経験

ここからは、フリーランスのフロントエンドエンジニアになるための、以下3つのスキルと経験について、詳しく解説します。

• 必要な技術スキル（HTML、CSS、JavaScriptなど）
• デザインスキルとUI/UXの理解
• 実務経験とポートフォリオの作成

必要な技術スキル（HTML、CSS、JavaScriptなど）

フリーランスのフロントエンドエンジニアになるためには、主に以下3つの基本的な技術スキルが不可欠です。

• HTML
• CSS
• JavaScript

HTMLはページの構造や内容を定義し、Webページの骨組みを作るための言語です。HTMLによってブラウザがページの内容を正しく解釈し、表示できます。

CSSは、HTMLで定義された要素のスタイルを指定するための言語です。CSSにより、Webページの見た目やレイアウトを細かく指定できます。ユーザーにとって魅力的で使いやすいインターフェースを作るためには、CSSの知識が欠かせません。

JavaScriptは、Webページに動的な機能を追加するためのプログラミング言語です。ユーザーの操作に応じたインタラクティブ（双方向）な機能を実現するためには、JavaScriptのスキルが必要です。フォームの入力チェックやページの動的なコンテンツ変更などがJavaScriptで可能になります。JavaScriptにより、ユーザーエクスペリエンス（ユーザー体験）を向上できます。

これらの技術スキルは、フロントエンドエンジニアとしての基盤を築くために不可欠です。

デザインスキルとUI/UXの理解

デザインスキルとUI/UXの理解も、フリーランスのフロントエンドエンジニアとして成功するために不可欠な要素です。これらのスキルは、ユーザーが直感的で使いやすいインターフェースを提供するために重要な役割を果たします。

具体的には、FigmaやAdobe XDなどのデザインツールの活用スキルです。実務ではこれらのツールを活用してユーザーインターフェース（UI）のプロトタイプを作成し、クライアントや開発チームと共有します。これにより、開発前にデザインのフィードバックを得ることが可能となり、効率的なプロジェクト進行が期待できます。

UI/UXデザインの基本原則の理解は、ユーザーエクスペリエンス（UX）を最適化するために必須です。どのような優れた製品であっても、ユーザーが使いにくいデザインであれば、使ってもらえないからです。UI/UXデザインの基本原則の理解があることで、クライアントに対してより価値のある提案ができるだけでなく、フリーランスとしての市場価値も高まります。

実務経験とポートフォリオの作成

フリーランスのフロントエンドエンジニアとして成功するには、実務経験とこれまでの経験をわかりやすく伝えられるポートフォリオの作成が求められます。

クライアントの要求に応じた開発を行う実務経験は、単なる技術的な知識以上の価値を持つからです。プロジェクトではさまざまな規模の案件に取り組むことで、対応力や問題解決能力を養えます。例えば企業サイトのリニューアルやEコマースサイトの開発など、実際に使われるプロダクトに携わることが推奨されます。

ポートフォリオは、自身のスキルと実績をクライアントに示すための重要なツールです。ポートフォリオには過去のプロジェクトの詳細や使用した技術、解決した問題、プロジェクトの成果をわかりやすくかつ詳しく記載しましょう。

自身が携わったデザインの美しさやUIの使いやすさを強調し、コードの質やプロジェクトの背景説明も含めることで、技術力だけでなく全体的なプロジェクトの理解力をアピールできます。

フロントエンドとバックエンドの違いと年収の比較

ここからは、フロントエンドとバックエンドの違いと年収を比較していきます。フロントエンドとバックエンドそれぞれのキャリアパスや年収の違いを知りたい方は、参考にしてください。

フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの役割

フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアは、Webサイトやアプリケーションの開発において、それぞれ異なる役割を担います。

フロントエンドエンジニアはユーザーが直接目にする部分、つまりユーザーインターフェース（UI）を構築します。HTML、CSS、JavaScriptなどを駆使して、視覚的なデザインを実現し、ユーザーが操作するための機能を作るのが主な業務です。

一方でバックエンドエンジニアは、ユーザーからは見えない部分であるデータベース管理やサーバーの設定、APIの構築などが主な業務です。

バックエンドエンジニアは、ユーザーがフロントエンドを通じて行ったリクエストに応じて必要なデータを処理し、適切なレスポンスを返す役割を果たします。

それぞれの技術スキルと専門性

フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアは、Web開発において異なる技術スキルと専門性を持ちます。

フロントエンドエンジニアは、主にユーザーが直接操作する部分を担当し、HTML、CSS、JavaScriptなどを使用して、Webページのデザインやインタラクティブな機能を実装します。さらにReactやVue.jsといったフレームワークにより、複雑なUIを効率的に開発するスキルも求められます。

一方でバックエンドエンジニアは、サーバーサイドの処理が主な業務です。具体的にはPythonやJava、Rubyなどのサーバーサイド言語を使い、データベース管理やAPIの設計・実装を行います。

またMySQLやPostgreSQLといったデータベース技術を駆使して、データの制御を効率的に行います。サーバーの設定やセキュリティ管理も重要な業務の一部です。

これらの技術スキルは、それぞれの役割を果たすために不可欠です。どちらが優れている、優先されるということは一切ありません。フロントエンドとバックエンドの相互協力により、機能的かつユーザーにとって使いやすいWebサイトやアプリケーションが完成するのです。

年収の違いとキャリアパス

フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの年収にはそれほど違いがないという調査結果もあれば、バックエンドエンジニアの方が高いという調査結果もあるため、一概にはいえません。

フロントエンドエンジニアの平均年収は約550万円から860万円、バックエンドエンジニアの平均年収は約630万円から870万円となっています。

フロントエンドエンジニアは、UI/UXデザインやフロントエンドフレームワークに特化していくことが多く、キャリアパスとしてフロントエンドのエキスパートやフルスタックエンジニアへと成長する道が開かれています。

一方でバックエンドエンジニアは、システムアーキテクトやDevOpsエンジニアへのキャリアチェンジも可能で、システム全体の設計や管理に関わるポジションへ進むことが一般的です。

どちらの職種が自分に合っているかは、デザインとユーザーインターフェースに強い関心があるか、あるいはシステムの裏側での処理やデータ管理に魅力を感じるかによって判断すると良いでしょう​。

フリーランスのフロントエンドエンジニアとして稼ぐ方法

ここからは、フリーランスのフロントエンドエンジニアとして稼ぐ、以下3つの方法を詳しく解説します。

• 案件の獲得方法とプラットフォーム
• 効果的な自己PRとネットワーキング
• 高単価案件を獲得するための戦略

案件の獲得方法とプラットフォーム

ここからは、フリーランスのフロントエンドエンジニアが案件を獲得する方法とプラットフォームを紹介します。

フリーランス向けプラットフォームの利用方法

フリーランスのフロントエンドエンジニアが案件を獲得するには、フリーランス向けのプラットフォームの活用がおすすめです。例えばエンジニアファクトリーでは、7,000件以上のITエンジニア向け案件が掲載されており、フリーランスのフロントエンドエンジニアの案件も多数見つけられます。

これらのプラットフォームを利用する際には、自身のスキルセットや実績を詳しく記載したポートフォリオを作成することが重要です。詳細なポートフォリオで自分の実績を具体的に示すことで、クライアントの関心を引きやすくなるでしょう。

直接クライアントと仕事をする方法

フリーランスのフロントエンドエンジニアとして直接クライアントと仕事をするには、業界のイベントやセミナー、勉強会などに積極的に参加してクライアントや同業者とのつながりを築く必要があります。クライアントと直接つながる人脈を築くことで、仕事を獲得しやすくなるでしょう。

またLinkedInやFacebookなどのビジネスSNSを利用して、定期的に自分のスキルや実績を発信することも、クライアントからのアプローチを増やす有効な方法です。

また、自分のWebサイトやポートフォリオサイトを持ち、そこで過去の実績や得意分野を明確に示すことも有効です。これにより、クライアントが自身のスキルを理解し、連絡を取りやすくなります。SEO対策を施して、関連する検索キーワードで上位表示されるように工夫することも、直接クライアントを獲得する手段となります。

これらの方法の組み合わせにより、直接クライアントと仕事をする機会を増やせるでしょう。

効果的な自己PRとネットワーキング

フリーランスのフロントエンドエンジニアが仕事を獲得するには、効果的な自己PRとネットワーキングが欠かせません。ここでは、効果的な自己PRとネットワーキングについて、詳しく解説します。

自己PRのポイント

効果的な自己PRのポイントは、自分の強みや経験を具体的に述べることです。

どのようなプロジェクトに参加し、どのような成果を上げたのかを簡潔にまとめ、クライアントが自分のスキルを直感的に理解できるようにしましょう。過去の実績に焦点を当て、数字や具体的な事例を挙げることで、自己PRの信頼性が高まります。

ポートフォリオは視覚的にわかりやすく、かつナビゲーションが簡単なデザインを心がけます。プロジェクトごとに使用した技術や達成した成果を明記し、クライアントがすぐに必要な情報を見つけられるように工夫しましょう。

コードの品質やデザインの美しさを示すために、具体的なソースコードやデザインのスクリーンショットを追加することも有効です。

これらの自己PRのポイントを押さえることで、フリーランスとしての案件獲得につながる効果的なアプローチが可能になります。

ネットワーキングの方法

ネットワーキングは、単に他者とつながるだけでなく、信頼関係を築き、将来的に仕事につながる可能性を高めるための重要な手段です。仕事の獲得につながるネットワークを作るには、オンラインコミュニティやイベントへの参加が有効です。これらのイベントは、自身の知識を広げ、新たな技術や業界のトレンドを学ぶ絶好の機会となります。

GitHubやLinkedInなどのプラットフォームで、自身のプロジェクトを公開したり、他のエンジニアと情報交換を行うことで、自分の存在をアピールできます。またX（旧Twitter）や技術ブログを通じて、業界に貢献する情報を発信し、自分の専門知識を示すことも効果的です。

高単価案件を獲得するための戦略

ここからは、高単価案件を獲得するための戦略や契約交渉のポイントについて、詳しく解説します。

高単価案件の探し方

高単価案件を獲得するには、ご自身で求人サイト・フリーランス案件紹介サイトで探すだけでなく、エージェントの活用をおすすめします。フリーランス就業支援のエージェントは、あなたのスキルや経験に見合った案件を探してくれます。

エンジニアファクトリーのキャリアコンサルタントは、あなたの代わりに営業活動を代行するため「営高単価の案件に応募したいけど、スキルや経験が見合うかわからない」「案件探しに時間がかかる」等、フリーランスエンジニアに多いお悩みを解消できます。

技術的な専門性を磨くことも、高単価案件を得るための鍵です。特にReactやVue.jsなどのモダンなフロントエンドフレームワーク、またはTypeScriptやGraphQLといった先進的な技術に精通していると、より高い単価での契約が期待できます。これらのスキルを活用できる案件に焦点を当てることで、より収益性の高いプロジェクトを見つけることができるでしょう。

契約交渉のポイント

契約交渉の際は、料金設定と契約の確認が重要なポイントです。

料金設定においては、自身のスキルや経験に基づき、適正な価格を設定することが大切です。市場の相場をリサーチし、自分の提供する価値に見合った料金を設定しましょう。フリーランスのプラットフォームや他のフリーランサーの料金を参考にすることで、自分の価格帯が適切かどうか確認できます。

契約条件の確認では、プロジェクトの範囲や納期、支払い条件などを明確にします。不明瞭な点があれば事前にクライアントと確認しておくことが必要です。

これらの詳細な確認により、後々のトラブルを未然に防げます。また契約書を用意する際には、すべての条件が文書化されているか確認し、口頭だけの合意に頼らないようにしましょう。

自分だけで契約交渉の実施が不安な場合は、エンジニアファクトリーのようなエージェントの利用が有効です。

フリーランスのフロントエンドエンジニアの将来性と市場のニーズ

ここからは、フリーランスのフロントエンドエンジニアの将来性と市場のニーズについて、詳しくみていきます。

現在の市場動向と需要

フリーランスのフロントエンドエンジニアは現在、高い人材需要があります。DXの進展に伴い、Webアプリケーションやモバイルアプリケーションの開発ニーズが増加しているためです。またユーザーインターフェース（UI）やユーザーエクスペリエンス（UX）のスキルを持った人材を求める企業も増えています。

エンジニア全体の働き方にも、変化が出ています。多くの企業がリモートワークを取り入れたことで、物理的な制約が少ないフリーランスエンジニアの雇用がますます活発化しているのです。

将来の展望としては、AIや機械学習を取り入れたインタラクティブなウェブアプリケーションの開発が一層進むと予想されています。これら技術の著しい進化に対応できるスキルを持つフロントエンドエンジニアの需要は、さらに増加する見込みです。市場の変化に対応し、継続的なスキルアップが求められるでしょう。

AIや最新技術の影響

AIや最新技術は、フリーランスのフロントエンドエンジニアに大きな影響を与えています。特にAIによりコーディングやデザインプロセスの自動化が可能となったため、従来手動で行っていた作業が効率化されるケースが増えました。

またWebアプリケーションのパフォーマンスやスケーラビリティを向上させるために使用される最新の技術トレンドには、WebAssembly（Wasm）やPWA（Progressive Web Apps）、Serverlessアーキテクチャなどがあります。これらの技術に対応できるスキルを持つエンジニアは市場価値がさらに高まるでしょう。

さらにAIと連携したインタラクティブ（双方向）なユーザーインターフェース（UI）の開発が求められるようになっています。そのためJavaScriptやフロントエンドフレームワーク（React、Vue.jsなど）に加え、AIを利用したデータ処理やユーザー行動予測といった新たなスキルが重要視されつつあるのです。

このように、AIや最新技術の進展はフロントエンドエンジニアに新たな機会をもたらす一方で、技術の習得が求められるという挑戦も伴います。

将来のキャリアパスと成長の見込み

フリーランスのフロントエンドエンジニアとしての将来性とキャリアパスは、多岐にわたる選択肢があります。具体的なキャリアパス例は、以下です。

• フルスタックエンジニアへの転向
• フロントエンドのスペシャリスト
• プロジェクトマネージャーやテクニカルリーダー

フロントエンドだけでなく、バックエンドのスキルも習得することで、フルスタックエンジニアとしてのキャリアを実現可能です。

特定のフロントエンド技術に特化し、エキスパートとしてのポジションを確立する道もあります。例えばReactやVue.js、またはデザインシステムの構築に特化することで、ニッチな市場での高需要を得られるでしょう。

フロントエンド開発の経験を活かし、プロジェクト全体を管理するマネジメント職へのステップアップも可能です。プロジェクトマネージャーやテクニカルリーダーになることで技術だけでなく、チームのリーダーシップを発揮できる役割に移行できます。

フロントエンドエンジニアの案件ならエンジニアファクトリー

フリーランスは案件獲得のための営業と、市場ニーズの調査を自分ひとりでおこなわなくてはいけません。しかし、エンジニアファクトリーのようなエージェントを活用すれば、そうした作業を任せることができます。

特にフリーランスのフロントエンドエンジニアとしてのキャリアパスを追求したい方には、キャリアをサポートしてくれるエージェントが強い味方となるでしょう。フリーランスのフロントエンドエンジニアとして活動を始める方は、ぜひエンジニアファクトリーを使って効率的な案件参画を実現してみてはいかがでしょうか。

まとめ

この記事では、フリーランスのフロントエンドエンジニアとして稼ぐための具体的な方法や、バックエンドエンジニアとの違い、将来性などを解説しました。

フリーランスのフロントエンドエンジニアとして成功するためには、技術スキルの向上と市場のニーズに応じた戦略的な活動が不可欠です。ReactやVue.jsといったニーズの高いフロントエンド技術を習得しましょう。仕事の獲得においては、適切な自己PRやネットワーキングの活用が有効です。