情報漏洩や不正アクセスといったリスクが増す中、企業では「セキュリティの専門知識を持つ人材」の需要が高まっています。とはいえ、「IT業界で通用する資格ってどれ?」「未経験でも取れる?」と迷う方も少なくありません。
そんな中で注目されているのが、実務に役立つ知識が身につき、キャリアアップにもつながる【情報セキュリティ管理士】という資格です。
本記事では、「情報セキュリティ管理士とは何か?」という基本から、試験の難易度、取得メリット、効率的な勉強法、さらに上位資格との関係やキャリア活用法までを体系的に解説します。
これから情報セキュリティ分野への第一歩を踏み出したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

エージェントサービス「エンジニアファクトリー」では、ITフリーランスエンジニアの案件・求人の紹介を行っています。掲載中の案件は7,000件以上。紹介する案件の平均年商は810万円(※2023年4月 首都圏近郊のITエンジニア対象)となっており、スキルや言語によって高条件の案件と出会うことができます。
氏名やメールアドレス・使用できる言語を入力するだけで、簡単60秒ですぐにサポートを開始できます。案件にお困りのITフリーランスの方やより高条件の案件と巡り合いたいと考えている方は、ぜひご登録ください。
情報セキュリティ管理士とは?
情報セキュリティ管理士は、企業や組織で求められる情報セキュリティの知識・スキルを体系的に学べる民間資格です。
IT部門やセキュリティ担当者として活躍したい方、将来的にサイバーセキュリティ分野へ進みたい方にとって、実務に直結する内容が学べる“最初の一歩”として注目されています。この資格では、情報漏洩や不正アクセスなどの脅威に対応するための技術的な知識に加え、リスクマネジメントやセキュリティポリシーの策定といった管理スキルも習得できます。
ソフトウェア・ハードウェアの両面からセキュリティを捉えられる実践的な内容で、現場でもすぐに活用しやすいのが特徴です。ここからは、認定試験の基本情報や他の資格との違いを通じて、情報セキュリティ管理士がどんな資格なのかを詳しく見ていきましょう。
情報セキュリティ管理士認定試験の基本情報
情報セキュリティ管理士の資格を取得するには、「情報セキュリティ管理士認定試験」に合格する必要があります。試験は年4回実施されており、自宅や全国のテストセンターなど、受験スタイルを選べる点も大きな特徴です。
以下に、試験概要をまとめました。
主催団体 | 一般財団法人 全日本情報学習振興協会 |
試験日程 | 年4回(2月・5月・8月・11月) |
受験方法 | ・公開会場受験→全国の公開会場(大学など)でマークシート形式・オンラインIBT受験→自宅等で360度全周WebカメラとPCで受験・CBT受験→全国のテストセンターに設置のPCで受験 |
試験会場 | 全国各地主要都市(約50会場) |
受験料 | 一般:¥11,000円(税込)学生:¥8,800円(税込) |
申し込み方法 | インターネット:全日本情報学習振興協会 各種申込み方法のご案内 |
ライフスタイルや勤務地に合わせて、最適な受験方法を選べるのは大きな利点です。詳細なスケジュールや申し込み手順については、全日本情報学習振興協会の公式サイトをご確認ください。
情報セキュリティ分野での資格の位置づけ
情報セキュリティ管理士は、IT系資格の中でも初級〜中級レベルに位置づけられる民間資格です。とくに、これからセキュリティ分野に携わりたい未経験者や、業務で情報管理を担う立場にある方に向けた「実践的な入門資格」として注目されています。
たとえば、国家資格である「情報処理安全確保支援士」と比べると、試験範囲や難易度は比較的マイルドで、セキュリティ対策の基本からリスク管理、社内教育など実務に活かしやすい内容が中心です。
企業の情報システム部門や、専任のセキュリティ担当がいない中小企業などでは、実際にこの資格を持つ人材が「セキュリティの窓口役」として活躍するケースも増えています。
IT系国家資格よりも身近で取り組みやすく、かつ現場での評価も得やすいため、セキュリティ分野のキャリアを始めるうえで最適なステップと言えるでしょう。
情報セキュリティマネジメントとの違い
「情報セキュリティ管理士」と混同されやすい資格に「情報セキュリティマネジメント試験」があります。どちらもセキュリティ関連の知識を証明できる資格ですが、主催団体・目的・試験内容において明確な違いがあります。
比較項目 | 情報セキュリティ管理士 | 情報セキュリティマネジメント試験 |
---|---|---|
主催団体 | 一般財団法人 全日本情報学習振興協会(民間) | 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA/国家資格) |
資格の位置づけ | 社内の実務担当向け・管理業務に強い | 組織全体のセキュリティ体制構築・ISMS準拠 |
試験の特徴 | 実務的な知識(対策・教育・内部管理)重視 | 国際標準や体系的マネジメントの理解が必要 |
対象者 | 中小企業の情報担当者、初心者 | 管理職・セキュリティ体制を構築する立場の人 |
情報セキュリティ管理士は、より実務寄りで即戦力を育てる民間資格。一方、情報セキュリティマネジメント試験は、企業全体の情報統制を担う中核人材を育成する国家試験です。
「まずは現場対応からセキュリティを学びたい」「基礎から学んでキャリアの土台を築きたい」という方には、情報セキュリティ管理士が適しています。
情報セキュリティ管理士の試験内容と難易度
情報セキュリティ管理士認定試験は、「どんな問題が出るのか」「どれくらいの難易度なのか」が気になる方も多いでしょう。とくに初めて資格試験に挑戦する方にとっては、事前に試験の中身を把握しておくことが重要です。
この章では、以下の3つの観点から試験の実態を詳しく解説します。
- 出題範囲と問題数
- 合格率と難易度の実態
- 他の情報系資格との比較
「難しすぎたらどうしよう」と不安な方も、試験の特徴やレベル感をつかめば、取り組みやすさが見えてくるはずです。それでは順に見ていきましょう。
出題範囲と問題数
情報セキュリティ管理士認定試験では、セキュリティに関する基礎知識と、実務に活かせる判断力が幅広く問われます。出題形式は四肢択一式で、全180問・試験時間は120分。時間配分と読解力も試される構成です。
試験は以下の4分野から出題され、それぞれに複数の設問が含まれています。
出題範囲 | 出題内容例 |
---|---|
Ⅰ.情報セキュリティ総論 | ・情報セキュリティと情報資産・情報セキュリティの3要素・情報セキュリティの7要素・守るべき情報資産 |
II .脅威と情報セキュリティ対策① | ・人的脅威・従業員の監督・委託先の監督・SNS利用における脅威と対策 |
III .脅威と情報セキュリティ対策② | ・コンピュータ利用者の管理・本人認証・パスワードによる認証・アクセス制御 |
IV .コンピュータの一般知識 | ・OSに関する知識・アプリケーションに関する知識・ハードウェアに関する知識・コンピュータシステムに関する知識 |
幅広い内容に見えますが、問われるのは実務に役立つ基本レベルの知識です。出題範囲を把握しておけば、効率よく対策を進められます。
合格率と難易度の実態
情報セキュリティ管理士認定試験の最新の合格率は42.3%(令和5年度実績)。年度によって若干の変動はありますが、過去の平均は約49.6%とされており、IT系資格の中では比較的取り組みやすいレベルといえます。
試験は180問の四肢択一式で、制限時間は120分。合格するには、4つの出題分野すべてにおいて70%以上の正答率をクリアする必要があり、満遍なく得点できるバランス力が求められます。
なかでも「Ⅰ. 情報セキュリティ総論」は抽象的な概念が多く、つまずきやすいパートとされているため、重点的な対策が推奨されます。また、公式テキストや過去問からの出題傾向が強いのも特徴です。短期間での合格を目指すなら、出題傾向を押さえた教材選びと繰り返し学習がカギとなるでしょう。
他の情報系資格との比較
IT系の資格にはさまざまな種類がありますが、情報セキュリティ管理士は「セキュリティ実務に直結するスキルを証明できる民間資格」として位置づけられています。
ここでは、代表的な初級資格と比較しながら、特徴や難易度の違いを見ていきましょう。
資格名 | 種別 | 特徴 | 合格率の目安 |
---|---|---|---|
ITパスポート | 国家資格 | IT全般の基礎知識を広く浅く問う | 約50% |
基本情報技術者試験 | 国家資格 | アルゴリズムやプログラミングも含むIT基礎技術者向け | 約40% |
情報セキュリティ管理士 | 民間資格 | セキュリティ分野に特化し、実務でのリスク管理・教育にも対応 | 約42%(R5年度) |
ITパスポートや基本情報技術者試験は、IT全般を俯瞰的に学びたい方向け。一方、情報セキュリティ管理士は、「セキュリティ業務に関わる立場で、実務に活かせる知識を早く身につけたい人」に適した資格です。
とくに、企業のセキュリティ担当者として「守るべき情報資産」に向き合う立場の方には、有効なスタートラインとなるでしょう。
情報セキュリティ管理士のメリット・デメリット
情報セキュリティ管理士は、実務で活かせるセキュリティ知識を習得できる資格として注目されています。一方で、「どのくらい企業から評価されるのか?」「他の資格より優れているのか?」といった疑問や、不安の声があるのも事実です。
ここでは、情報セキュリティ管理士のメリットとデメリットの両面について、以下3つの視点から解説します。
- 取得するメリットと実務への活用
- 資格手当や企業評価への影響
- 取得のデメリットと注意点
「この資格が今の自分に本当に必要か?」を判断する材料として、ぜひ参考にしてください。
取得するメリットと実務への活用
DX推進やサイバー攻撃の高度化が進むなか、企業ではセキュリティの知識を持つ人材がますます求められています。その中で、情報セキュリティ管理士の取得は実務での即戦力として評価されやすい民間資格として注目されています。
最大のメリットは、ITにおけるセキュリティの基本から、リスク対策・法的知識・社内教育までを体系的かつ網羅的に習得できる点です。たとえば、以下のようなシーンで知識が活かされます。
- 情報漏洩リスクへの対策ルールの整備
- セキュリティポリシー策定や見直しの主導
- 委託先や従業員に対するセキュリティ教育の実施
とくに中小企業やベンチャー企業では、セキュリティ体制の整備を主導できる人材が不足しているため、現場レベルで信頼を得られやすいという実利的なメリットがあります。知識を実務に活かすことで、社内評価の向上や、クライアントからの信頼獲得にもつながり、結果として業務の幅やキャリアの可能性を広げる武器となるでしょう。

資格手当や企業評価への影響
情報セキュリティ管理士は、セキュリティ知識とリスク管理能力を証明できる実務寄りの資格として、多くの企業で一定の評価を得ています。とくにIT業界や情報管理を担う部門では、資格の有無が採用・評価・配置転換の指標として用いられるケースもあるでしょう。
企業によっては、情報セキュリティ管理士の取得者に対し資格手当を支給したり、人事考課の評価要素に組み込んだりするなど、処遇への反映も行われています。
また、セキュリティ事故の未然防止や顧客情報保護など、実務の中で直接成果を出しやすい点も評価の対象です。とくに中小企業では、情報漏えいや内部不正のリスク対策を一手に担える人材として重宝される傾向があります。
ただし、大企業や高セキュリティを求める組織では、より高度な国家資格(例:情報処理安全確保支援士)が優先される場面もあります。そのため、本資格をキャリアの出発点としつつ、実務経験や他の上位資格と組み合わせてアピールすることが重要です。
取得のデメリットと注意点
情報セキュリティ管理士は、実務に役立つ知識が学べる資格として一定の評価がありますが、一部では「役に立たない」「難易度が低すぎる」といった否定的な声もあります。
実際、業界によっては「実務よりも知識偏重の資格」と見なされることもあり、高度な技術スキルや設計力を求められる現場では、やや物足りなく感じられるケースもあります。また、民間資格であることから、企業によっては評価対象外とされる場合もあり、受験料や学習コストに見合ったリターンが得られにくいケースも考慮すべきです。
そのため、以下のような方には向いていない可能性があります。
- すでに国家資格を保有しており、さらなる高度スキルを目指したい方
- 大企業やSIerなど、資格評価の厳格な組織に勤務している方
- 高度な実務スキルの証明を優先したい方
とはいえ、キャリア初期の段階や、「セキュリティ担当としての基礎力を身につけたい」という明確な目的がある方にとっては、十分に価値ある資格です。受験を検討する際は、「自分のキャリアにどう活かしたいか?」を明確にしたうえで判断すると良いでしょう。
情報セキュリティ管理士の勉強方法とおすすめ教材
情報セキュリティ管理士は、出題内容が基礎的であることから、比較的取得しやすい資格として知られています。ただし、対策をせずに臨めば合格は難しく、的を射た学習法と教材選びが合否を分けるポイントになります。
「働きながらでも合格できる?」「何を使って勉強すればいい?」と悩んでいる方もご安心ください。ここでは、合格に近づくための効率的な勉強法とおすすめ教材をご紹介します。
おすすめの勉強法とスケジュール管理
仕事や学業と両立しながら資格を目指す場合、無理なく続けられる学習法と計画性が合格のカギになります。以下は、初学者から社会人まで幅広い層におすすめできる、効率的な学習ステップです。
まずは市販のテキストを一冊選び、重要用語や構成に目を通します。初回は理解度を求めすぎず、「何が問われる試験か」をつかむことが目的です。
セキュリティの三大要素(機密性・完全性・可用性)や情報管理体制、マルウェアの種類、暗号化技術などの頻出テーマを重点的に整理しましょう。この段階でマーカーや付箋を活用しておくと、後で見直しやすくなります。
実際の出題形式(選択式)に慣れることが大切です。1周目は理解重視、2・3周目はスピードと正答率を意識して取り組みましょう。間違えた問題は「どこが誤解だったか」を明確にして、該当箇所をテキストで再確認してください。
例えば、「アクセス制御」「脆弱性対策」「法令・規格」など、苦手なテーマをまとめて復習します。
人に説明できるレベルで言語化できるかが、定着の目安です。
なお、学習時間の目安は以下の通りとなります。
- IT経験者:20時間程度
- 完全初学者:30時間程度
たとえば試験の1〜2ヶ月前から、1日30分〜1時間の学習ペースでも十分に間に合います。重要なのは、短期間で詰め込むよりも、継続的に知識を積み上げることです。
テキスト・問題集の選び方
合格を目指すなら、公式テキストと公式問題集を軸に学習するのが基本です。実際の出題内容にも対応しているため、効率よく得点力を高められます。
情報セキュリティ管理士認定試験 公認テキスト
情報セキュリティ検定 実物形式問題集 vol.2
まずは公式テキストを通読して試験範囲の全体像を把握。次に、公式問題集で重要ポイントを押さえながら演習を繰り返しましょう。
過去問や模試形式の問題にも触れて、出題傾向や時間配分に慣れておくと安心です。インプットとアウトプットをバランスよく重ねることが、合格への近道です。
公式サンプル問題の活用法
情報セキュリティ管理士認定試験の勉強を始めるにあたり、コストを抑えながら試験の傾向をつかみたい方におすすめなのが、公式サンプル問題の活用です。日本情報学習振興協会の公式サイトでは、無料でサンプル問題が公開されており、初学者でも設問形式や出題傾向を把握できます。
効果的な活用法としては、まず一度すべての問題を通して解いてみることがポイントです。そうすることで、自分が理解できている分野と、まだ曖昧な分野を把握できるでしょう。
また、有料テキストを購入する前に問題のレベルを確認できるため、「この資格が自分に必要かどうか」や「どの程度の学習時間が必要か」などの判断材料にもなります。
これから受験を検討している方は、まずは公式サンプル問題に目を通してみることをおすすめします。学習の入口として、試験対策の全体像をつかむきっかけになるでしょう。
情報セキュリティ管理士は上位資格・キャリアアップにどうつながるか?
情報セキュリティ管理士は、情報セキュリティ分野における基礎的な知識を問う資格です。そのため、すでに本資格を取得した方や、実務経験がある方の中には、さらなる上位資格を目指したいと考える人も少なくありません。
ここでは、情報セキュリティ管理士からキャリアアップを目指す上で、どのようなステップが考えられるかを解説します。
上位資格との関連とステップアップ例
情報セキュリティ管理士は、初学者でも基礎から体系的に学べる資格として位置づけられており、さらなるスキルアップを目指すうえで「情報処理安全確保支援士(SC)」や、国際的に権威のある「CISSP」といった上位資格への足がかりとなります。
情報処理安全確保支援士は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家資格で、セキュリティ設計や運用、インシデント対応など、実務に即した高度な知識とスキルが求められます。
一方、CISSP(Certified Information Systems Security Professional)は、国際的に認知されているセキュリティ資格で、技術だけでなくマネジメントやガバナンスの観点も問われるでしょう。海外でのキャリアや、セキュリティ部門のリーダー職を目指す方にとって有利に働く資格です。
これらの資格はいずれも難易度が高く、いきなり挑戦するのはハードルが高いため、まずは情報セキュリティ管理士で基礎を固めることが現実的なステップです。段階的に知識を積み重ねていくことで、より専門性の高いセキュリティ人材としてのキャリアを築くことができるでしょう。

クラウド・セキュリティ分野への応用
情報セキュリティ管理士で得た知識は、クラウド・セキュリティの分野にも幅広く応用可能です。
たとえば、AWSやAzureなどのクラウドサービスを導入する企業では、アクセス制御やデータ保護といったセキュリティの基本原則が欠かせません。情報セキュリティ管理士で学ぶ内容には、これらの基礎がしっかりと含まれており、実務でのセキュリティ設計や運用にも役立ちます。
さらに、近年注目されているゼロトラスト(Zero Trust)や多層防御(Defense in Depth)のような最新のセキュリティ概念にも対応可能な素地が身につくため、クラウド環境におけるリスク対策や監視体制の構築にもつなげやすくなります。
また、クラウド・セキュリティの上位資格である「CCSP(Certified Cloud Security Professional)」を目指す際の土台としても、情報セキュリティ管理士の知識は役立つでしょう。将来的にクラウド分野でのキャリアを視野に入れている方にとっては、資格と実務の両面でスキルを伸ばす第一歩として、情報セキュリティ管理士の取得は有意義な選択と言えるでしょう。
将来的な市場価値と需要の見通し
情報セキュリティ分野の市場価値は、今後ますます高まると予測されています。総務省の「情報通信白書」でも、サイバー攻撃の高度化やテレワークの定着を背景に、情報セキュリティの専門人材へのニーズが継続的に拡大していると報告されています。
情報セキュリティ管理士は、クラウドセキュリティスペシャリストやインフラエンジニアへのキャリアアップを目指す上で、確かな土台となる資格です。たとえば、AWS認定セキュリティやAzureセキュリティエンジニアなどの上位資格取得に向けた基礎力が身につき、クラウド環境におけるセキュリティ設計やリスク管理の分野でも強みを発揮できます。
また、クラウドサービスやIoT機器の普及により、ネットワークやクラウドセキュリティに関する専門知識を持つ人材は、企業にとって不可欠な存在となりつつあります。
こうした市場環境を踏まえると、情報セキュリティ管理士のような基礎力を証明できる資格は、将来を見据えたキャリア形成の出発点として非常に最適です。今後のITキャリアを見据えるうえで、取得しておいて損のない資格と言えるでしょう。

情報セキュリティ管理士に関するよくある質問
情報セキュリティ管理士の受験を考えている方からは、試験内容や難易度、勉強方法などについてさまざまな疑問が寄せられます。ここでは、受験前によくある質問を6つに絞り、わかりやすく解説します。
情報セキュリティ管理士は「いらない資格」なのですか?
「情報セキュリティ管理士は実務で役立たないのでは?」という声を耳にすることがあります。確かに、試験の難易度がそれほど高くないため、専門職としての即戦力性を求める場面では評価が分かれるかもしれません。
しかしながら、この資格はセキュリティに関する基礎知識を体系的に学べるという点で、エントリー層にとって非常に最適です。実際、セキュリティポリシーの策定やリスク分析といった業務の基盤となる知識を身につけるのに役立ち、IT初心者や異業種からの転職者にとっては、キャリアの第一歩として適しています。
したがって、「いらない資格」と一概に判断するのではなく、自分の経験や目的に照らして、その価値を見極めることが重要です。
合格するまでに必要な勉強時間はどれくらいですか?
情報セキュリティ管理士の合格に必要な勉強時間は、一般的に20〜40時間程度とされています。これは、ある程度ITの基礎知識がある社会人や学生を想定した目安です。
一方で、まったくの未経験者であれば、60時間程度を見込んでおくと安心です。とくに、情報セキュリティ関連の法令や規格に関する内容は、実務経験がないと理解に時間がかかることがあります。とはいえ、比較的取得しやすい資格であるため、1日1〜2時間の学習を継続すれば、1ヶ月以内の合格も十分に目指せます。
ポイントは、公式テキストと過去問題をいかに効率よく活用できるか。基礎から丁寧に学びつつ、出題傾向に慣れていくことで、短期間でも着実に合格が見えてきます。
資格の更新や有効期限はありますか?
情報セキュリティ管理士は、一度合格すれば有効期限がなく、生涯有効な資格として認定されます。合格実績は証書として永久に残り、履歴書や職務経歴書にも記載可能です。
ただし、情報セキュリティの分野は法制度やサイバー攻撃の手法が日々進化する分野であるため、常に最新の知識をアップデートしておくことが推奨されます。
その対応策として、主催団体である全日本情報学習振興協会では、年に1回オンラインによる定期講習会を実施しています。この講習を受講することで、最新知識を有する資格者として認定され、2年間有効の認定カードが発行される仕組みです。
このカードは、名刺や資格ロゴに有効期限を明記でき、「継続的に学んでいる人材」として企業からの信頼性も向上します。そのため、資格自体の更新義務はないものの、毎年の定期講習会への参加を強くおすすめします。常にアップデートされた知識を証明することで、実務でも高く評価される存在になれるでしょう。
参考:一般財団法人 全日本情報学習振興協会|情報セキュリティ管理士の定期講習とカード更新
情報セキュリティ管理士はどうやって申し込めばいいですか?
情報セキュリティ管理士認定試験の申し込みは、全日本情報学習振興協会の公式サイトからオンラインで手続き可能です。
公式サイトには、試験日程・受験料・実施方法などの詳細情報が掲載されているため、受験を検討している方は事前に確認しておくことをおすすめします。
申し込みの流れ
1.氏名・住所・メールアドレスなどの基本情報を入力
申し込みに必要な情報をオンラインフォームに入力します。特別な書類の提出は不要です。
2.申し込み完了後、受験票が郵送で届く
試験の約10日〜2週間前を目安に、圧着ハガキ形式の受験票が自宅に郵送されます。
3.受験票が届かない場合の対応
試験の1週間前になっても受験票が届かない場合は、試験前週の水曜日までに協会へ問い合わせましょう。
なお、公式サイトには初めての受験者向けの案内ページも用意されているため、手続きに不安がある方でも安心して申し込めます。
IT未経験でも情報セキュリティ管理士に合格できますか?
IT未経験者でも、情報セキュリティ管理士に合格することは十分可能です。たとえば、金融機関の事務職から転職を目指し、3カ月の学習で合格した方や、製造業の営業職が半年かけて取得した事例もあります。
この試験では、高度なプログラミングスキルは不要で、基本的なセキュリティ知識と常識的な判断力が問われるため、未経験者でも取り組みやすい内容です。ただし、未経験の方はネットワーク系の用語や構成に苦手意識を持つ傾向があるため、まずは公式テキストを使って基礎概念を丁寧に理解することが大切です。
また、セキュリティインシデントの事例をニュースでチェックし、実社会とのつながりを意識して学ぶことで、理解が深まりやすくなります。
独学で合格するにはどう勉強すればいいですか?
情報セキュリティ管理士は、独学でも合格が十分に狙える資格です。実際、公式テキストと問題集を活用して短期間で合格した例も多く、自己管理ができれば独学に適した資格といえます。
また、スキマ時間を活用したい方には、公式サイトで紹介されている「SMART合格講座」の利用もおすすめです。スマホで学べるオンライン講座で、講義動画を通勤時間などにも視聴可能です。
情報セキュリティ管理士はの合格率は約50%と比較的高めなので、「独学では無理かも」と不安に感じる必要はありません。ポイントは継続して学習を続けること。日々コツコツと積み上げれば、合格は十分に現実的です。
フリーランスエンジニアの案件獲得ならエンジニアファクトリー

8,000件以上の公開案件を保有するエンジニアファクトリーでは、セキュリティ知識を活かせる案件を多数ご紹介しています。ネットワークやサーバ運用、ISMS対応など、実務と直結したプロジェクトが豊富で、「管理だけで終わらない」キャリアを目指す方に最適です。
継続率95.6%、年商300万円アップの実績とエージェントのサポートで、フリーランスとしてキャリアアップしたい方にご満足いただけるサービスとなっております。案件検索は登録不要。まずはご希望条件に合う案件をチェックしてみませんか?
まとめ
この記事では、情報セキュリティ管理士の基本情報から、効果的な勉強法、キャリアアップへの展望までをご紹介しました。情報セキュリティ管理士で習得できる知識は、ITエンジニアに限らず、事務職や営業職など、あらゆる業種で役立つ基礎知識です。そのため、業界を問わず広く活用できる資格として、多くの方にとって取得するメリットがあります。
また、ネットワークの高度化に伴い、サイバー攻撃の手口も複雑かつ巧妙化しており、情報セキュリティの知識を持つ人材へのニーズは今後さらに高まるでしょう。
企業から信頼され、将来的にキャリアの選択肢を広げるためにも、今のうちから情報セキュリティの基礎を固めておくことは大きな武器になります。ぜひ本記事を参考に、情報セキュリティ管理士の取得に向けて一歩踏み出してみてください。