【2023年】AIエンジニアの年収・給料は?統計データや収入アップの方法を解説
AIを活用してソフトウェアやシステムを開発するのがAIエンジニアです。AIエンジニアの需要は、さまざまな企業や金融機関、医療機関、製造業、小売業など、多様な産業で高まっています。
本記事では、AIエンジニアの年収や給料、収入アップの方法について詳しく解説します。これからAIエンジニアを目指す方は、ぜひ参考にしてください。
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AIエンジニアとは?
AIエンジニアとは、人工知能(AI)の構築と進化に従事するITエンジニアのことを指します。AIは、人間の思考プロセスを模倣する技術やアルゴリズムを指すもので、このAIを構築・強化するためには、人間の動きや多岐にわたる情報を集約した大量の情報セット(ビッグデータ)が重要です。
AIエンジニアはビッグデータを基盤として、データの分析や機械学習を通じて、ビジネスや社会に貢献するAIを設計・適用します。大規模なデータセットの分析には、Pythonのようなプログラミング言語やデータベースの利用能力が不可欠です。
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AIエンジニアの平均年収・給料はどのくらい?
AIエンジニアの平均的な年収は、おおよそ598万円とされています。この金額は、日本全体の平均的な年収よりも高めです。
月々の収入としては約50万円となります。国内の正社員の給与の分布を詳しく見ると、最も多いのは457〜549万円の範囲となっており、AIエンジニアの平均年収の598万円は平均を上回ります。
ただしAIエンジニア全体の給与の範囲全体としては365〜1,101万円と幅広く、就業先やキャリア、必要とされる技術によって、幅があるようです。
求人サービス各社のAIエンジニアの年収相場
求人サービスごとのAIエンジニアの年収相場は、500万円台前半から後半とやや開きがある状況です。さまざまなデータを基にすると、AIエンジニアの年収の平均はおおよそ500万円から800万円の間に位置していることが伺えます。
AIエンジニアの収入は、勤務先によって大きな差があり、特に大手の企業や大学の研究部門、そして有名な研究所では、年収が1000万円を超えることも少なくないようです。
AIエンジニアの手取り金額やボーナス
AIエンジニアの月給(手取り金額)の中央値は、大体50万円から60万円の範囲になることが多いです。加えて多くの企業では、夏と冬の2回、ボーナスとして月給の1.5倍から2倍分が支給されます。
たとえば月給50万円のAIエンジニアの場合、1年間の収入の概算は、月給50万円×12ヶ月+ボーナス100万円×2=合計800万円程度になるでしょう。
また月給50万円の場合の実際の「受け取り金額」は、居住地や家族の構成に応じて変わりますが、大体40万円から42万円が一般的な目安となります。
手取り金額やボーナスをみても、正社員全体の平均よりは高い金額となっています。
AIエンジニアの初任給
新卒(大学卒業)でAIエンジニアとして入社する場合、初月給は約22万円程度に設定されている企業がほとんどです。しかし近年、才能ある若手のAIエンジニアの獲得競争が激化しているため、AIの領域では通常の新卒採用とは異なる「特例採用」を行い、初任給を大きく引き上げる動きが見られます。
たとえばインターネット業界の大手、DeNAは、AIの専門知識を持つ学生向けに「エンジニアAIスペシャリストプログラム」という特別採用枠を設けています。この枠での新卒者の1年目の年収は、おおよそ600万円から1000万円となっています。
このようにAIエンジニアとして認められるほどの知識を有しており、応募する企業をえらぶことで、平均的な初任給を上回る収入を得ることも可能です。
AIエンジニアの福利厚生
AIエンジニアが活躍する企業は、大手企業や上場しているメーカーなど、安定した基盤を持つところが中心のため、福利厚生も充実していることが一般的です。社会保険や財形貯蓄、社員持株制度、社員寮、退職金など、基本的な福利厚生が整備されていることが多く見られます。
さらにAIエンジニアの技術は今後のビジネスの核となる見方が強まっているため、企業はAIエンジニアのスキルアップを積極的にサポートしています。技術研修や海外研修などの機会を無料で提供する動きも、企業によってはあるようです。
AIエンジニアの平均年収【企業規模別】
AIエンジニアの平均年収は、企業規模によっても異なります。求人サイト「求人ボックス」の企業規模別年収によると、企業規模10~99人のAIエンジニアの平均年収は、約492万円で、企業規模が大きくなるにつれて平均年収が上がっていることがわかります。AIエンジニアとしてより高い収入を得たい方は、応募する企業の規模についても考慮する必要がありそうです。
企業規模 | 平均年収 | 月収 | 賞与 |
10~99人 | 492万円 | 36.0万円 | 60.2万円 |
100~999人 | 529万円 | 36.1万円 | 95.6万円 |
1,000人以上 | 610万円 | 39.8万円 | 133.1万円 |
AIエンジニアの平均年収【勤務先別】
ここからはAIエンジニアの勤務先別平均年収を見ていきます。勤務先によってどのような違いがあるのでしょうか。
大手企業や研究機関
大手企業や大学、研究期間で「基礎研究」を手掛けるAIエンジニアは、平均よりも高い報酬を受け取ることが一般的です。特にAI技術開発やAIを活用した事業に前向きな大手企業では、年収1500万円以上の報酬を得るエンジニアも増えています。
AIベンチャー
AI開発を手掛ける小さなベンチャーや、独自のAIエンジニアを提供する企業もあります。このようなスタートアップでのAIエンジニアの報酬は、大手企業と比較すると一般的には控えめで、年収1000万円を下回ることもあるようです。
しかし特定の革新的なAI技術を擁するベンチャーでは、大手企業以上の報酬を受け取る可能性もあるため、一概にはいえません。
外資系企業
外国籍の会社や外資系の企業で活躍するAIエンジニアは、報酬が高い特徴があります。たとえば中国の通信業界のリーダー「Huawei」では、新入社員の技術者に対して年収3000万円の給与を提供しているとの報道があります。
さらにアメリカ「Google」も、AI関連のプロジェクトを指揮するトップに、年収10億円を超える報酬を支払っていたと言われています。外資系企業の特徴として、非常に高い知識やスキルが求められますが、その期待に応えられればいっそう高い収入を得られそうです。
AIエンジニアの年収の特徴や傾向
ここからはAIエンジニアの年収について、以下の3つの特徴や傾向を詳しくみていきます。
国内で平均より高い年収である
これまで日本のAIエンジニアの待遇は、海外のAIエンジニアと比較して低い傾向にあったと言われています。しかし最近は、多くの日本の企業がAIエンジニアの価値を認識し始め、日本のAIエンジニアの報酬や職場の環境が向上してきています。
現在、20代や30代でも年収が1000万円を超えるAIエンジニアも増えているのです。
担当業務による年収が異なる
AIエンジニアの業務は多岐にわたります。たとえば製造業や大学の研究部門のAIエンジニアは、基本的な研究活動に従事する際、専門的な技術の深い理解が求められるため、報酬が高く設定されることが一般的です。
しかしシンプルなAIツールの設計、検証、または管理の業務に従事する場合、要求される技能は比較的低いため、給与の水準もそれに応じて控えめになることがあるようです。
管理職は年収が上がる
AIのプロジェクトでは、チームを監督できるリーダーやプロジェクトのコーディネーターの役割を果たす人材が不足している、といわれてます。AIプロジェクトを管理するには、AIの開発プロセスを深く知り、全体の進行を統括するための広範かつ専門的なスキルが必要とされ、企業からの重視度も高まっているのです。そのため、AIプロジェクトにおいて、PM(プロジェクトマネージャー)やリーダーの役職の給与は一般的に高くなります。
特に大規模な企業で、管理職やリーダーとして活動する場合、20代や30代での年収が1000万円以上になることも珍しくないようです。
AIエンジニアが勤める代表的な企業
ここからはAIエンジニアが努める代表的な企業について、各社の有価証券報告書をもとに詳しくみていきます。
NEC(日本電気株式会社)
NEC(日本電気株式会社)の社員全体の平均年収は約829万円です。ただし優れた研究者の場合、新たに参加したメンバーでも年収が1,000万円を超える特例措置があるようです。そのためNECでAIエンジニアとして活躍できれば、高い収入を得られる可能性があります。
ディー・エヌ・エー(DeNA)
ディー・エヌ・エー(DeNA)では、「エンジニア職AIスペシャリストコース」という独自の枠を持っています。その枠の社員の入社初年度の給与はおおよそ600万円から1000万円とされています。ディー・エヌ・エー(DeNA)でAIエンジニアとして仕事をしたい方は「エンジニア職AIスペシャリストコース」での採用を目指すことがおすすめです。
SONY
SONYの社員全体の平均年収は1,000万円を超えているといわれています。特にAI領域を担当する優秀な社員に対しては、入社初年度でも最大で730万円の給与を設定しているようです。給与の評価方法として「ジョブグレード制」を採用しており、長く勤めている年数よりも、個々の業績や役割に基づき給料が定められる方式となっています。
AIエンジニアは雇用形態で年収・給料はどのくらい変わる?
ここからは、雇用形態でAIエンジニアの年収や給料がどのくらい変わるのかを、詳しくみていきます。
派遣社員の場合
AIエンジニアとしての派遣の仕事もあります。多くの場合、時給は3,000円を超えており、プロジェクトによっては4,000円や5,000円の案件もあるようです。
一般的なITエンジニアと比較しても派遣のAIエンジニアの給与は高めとなっています。ただし高い報酬に見合ったスキルや知識が要求されます。
アルバイトの場合
AIエンジニアとしてアルバイトで働く場合の時給は、大体2000円程度となっています。アルバイトとして働いているAI技術への興味を持つ学生を、インターンとして採用する動きもあることから、AIエンジニアとして仕事をしたい方はアルバイトを探してみるとよさそうです。
フリーランスの場合
フリーランスとして活動するAIエンジニアは、平均して月に60万円~80万円の収入を得ています。しかし能力や保有する専門知識によって、収入に差があることに注意が必要です。特に高い技術力を有するエンジニアや、プロジェクトの管理も可能なエンジニアは、月収150万円以上の案件に参加できることもあります。
AIエンジニアに必要な知識やスキル
AIエンジニアとして活躍するには、AIシステムの開発に強みを持つプログラミング言語のPythonを主体とするコーディング能力、機械学習やディープラーニングの深い知識、そしてロジカルに仮説を構築・実行する論理的思考が必要です。
さらにデータベースに関する知識は不可欠であり、数値処理能力も求められます。技術の進化に合わせて常に新しい知識を吸収する高い学習意欲も必要です。なぜならAIは、進行中の最先端技術であり、常に最新の動向を追いかける必要があるからです。
また多くのプロジェクトでフレームワークの使用が増えているため、それに関する知識も重要です。フレームワークは開発プロセスを効率化し、メンテナンスやチームでの開発の一貫性を向上させます。フレームワークの利点を活かせる能力は、将来的にさらに重用されるスキルとなると思われます。
AIエンジニアのキャリアパス
経済産業省のデータによると、2030年までにAIエンジニアや他のITスペシャリストの不足は約79万人に達すると見込まれています。AIエンジニアの需給バランスは今後さらに逼迫し、人材としての価値は増していきそうです。
AIエンジニアとしてのキャリアを構築する一般的な方法は、大学で情報科学を学ぶことが挙げられます。すでに社会人でありながらAIエンジニアとしての道を追求したい場合、ITの基本的なスキルを磨くとともに、機械学習やディープラーニングの知識を身につける必要があります。
初めてAIエンジニアとして仕事をするとき、未経験のAIエンジニアの求人を見つけるのは難しいかもしれません。しかしオンライン学習やその他の教材で基本を学び、その後、自分の能力を評価してもらうことで、自分のレベルに合致する求人を出している企業への就職や転職を模索する方向もあります。
AIエンジニアが収入アップをするための方法
ここからはAIエンジニアが収入アップするための以下の2つの方法を、詳しく紹介します。
より高いスキルや知識を習得する
AIエンジニアは、専門的な技術や知識が特に価値を持つ職種です。「過去のプロジェクト実績」は、エンジニアのスキルセットの価値を示すものとして有効となります。そのためまずはAIエンジニアとしての実務経験を増やし、多岐にわたるプロジェクトに携わることで、収益向上の基盤を築くことが、収入アップの鍵なのです。
特定の分野での豊富な経験は、他のエンジニアと差別化できるポイントです。
高いスキルに加えて、マネジメントの能力やリーダーシップの経験も大きな強みとなります。早い段階でこれらのスキルを磨くことで、外部からの評価をさらに向上させることが期待できます。
外資系企業への就職をめざす
日本国内の企業よりも海外のAIエンジニアの給与のほうが高い場合が多いため、収入を大きく増やしたい方は、外資系企業への転職を検討する方法があります。
しかし外資系企業は世界的にもトップレベルのエンジニアが集まるため、より専門的なスキルやネイティブと渡り合える高い「言語能力」が求められます。
日本の企業と比較して、外資系企業への転職のハードルは高く、しっかりとした下準備が不可欠です。
まとめ
AIエンジニアは人材としての需要が高いうえ、適切に業務を絞り込めば高い収入が期待できる職種です。しかも将来的にも人材需要が旺盛であると考えられていることから、キャリアプランとしても明るいといえます。
AIエンジニアの求人ならエンジニアファクトリー
AIエンジニアへの転職を希望する場合は、たとえばエンジニアファクトリーのようなITエンジニア専門のエージェントの利用がおすすめです。ITエンジニア専門のエージェントを利用することで、希望しない企業の求人を排除できるほか、報酬の相場や求人市場の動向を確認しやすくなります。
まずはエンジニアファクトリーに無料で登録して、現在AIエンジニアにはどのような求人があるのか、チェックしてみてはいかがでしょうか。
ライター:前嶋 翠(まえじま みどり)
・プロフィール
COBOLが終わろうとする時代にプログラマのキャリアをスタートし、主にJavaエンジニアとして経験を積みました。フリーランスエンジニアとして活動していたとき、リーマンショックが起こったことをきっかけに家庭に入りました。出産を経て在宅でできる仕事として、ライターに。ITエンジニア経験のあるライターとして、IT業界のあれこれを皆さまにわかりやすくお伝えしていきます。