2024/03/04

Perlとは?何が出来る言語?特徴から将来性まで解説

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Perlとは?何が出来る言語?特徴から将来性まで解説

「Perlって何ができる?」「Perlって今はあまり聞かないけど将来性はある?」「Perlのフレームワークって具体的に何がある?」

このような疑問がある方に向けて、この記事では、「Perlとは?」「Perlでできること・できる開発」「Perlの将来性」などについて解説していきます。

また、記事の後半ではRubyやPythonなど他の言語との違いについても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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Perlとは?

Perlとは?

Perl(パール)とは、1987年にLarry Wall氏によって開発された、テキスト処理に特化したプログラミング言語です。30年以上の歴史を持つプログラミング言語で、MacOSやUNIX、Windowなど、さまざまな環境下で動かすことが可能です。

近年、Perlよりも使いやすく学習コストが低い、RubyやPythonなどの新しいプログラミング言語が登場しました。その結果、Perlの需要は減少していますが、長年使われてきた言語であることやほかの言語にはない強みを持っているため、現在でもさまざまな分野で使われています。

Perlの主な特徴

Perlの主な特徴

ここからは、他の言語と比較しても汎用性の高い言語である、Perlの主な特徴を5つ紹介します。

  1. コンパイルが不要である
  2. テキスト処理に優れている
  3. 可読性が高い
  4. 後方互換性が高い
  5. CPANモジュールが豊富

1.コンパイルが不要である

Perlはプログラミング言語で書かれたプログラムを、コンピュータが実行できる形式に変換する「コンパイル」を行う必要がありません。また、​プログラミング言語で書かれたソースコードを、1行ずつ読み取って実行する「インタプリタ型」の言語となっています。

そのため、「コードを作成してすぐに実行して動作を確認することができること」や「プログラムの修正や拡張が容易であるということ」がPerlの大きなメリットとして挙げられます。

2. テキスト処理に優れている

Perlは、特にテキスト処理に優れたスクリプト言語です。Perlには文字列と数値を自動的に変換する機能が備わっており、変数に型を指定する必要がないため、初心者でも簡単にコードを記述できます。

また、強力な正規表現と豊富なライブラリを備えているため、テキストデータの検索、置換、抽出、加工など、さまざまな処理を効率的に行うことができます。

3. 可読性が高い

Perlは初心者でも習得しやすいスクリプト言語です。その理由は、Perlの記述が簡潔でわかりやすく、プログラムの流れを把握しやすくなっているからです。また、変数名や関数名などの命名規則が統一されていることからも、プログラムの可読性が向上しています。

このようにPerlは、第三者が読んでもわかりやすく、自分で後から見直したときにもミスに気がつきやすい可読性の高さが特徴のプログラミング言語です。

4. 後方互換性が高い

Perlは、後方互換性の高いプログラミング言語です。後方互換性とは、バージョンがアップデートがされたとしても、古いバージョンのプログラムが動作することです。

Perlの後方互換性が高いことには、以下のメリットがあります。

  • アップデートがされたとしても、既存のPerlコードをそのまま利用することができる
  • 長期間の開発や運用を行うことになっても問題が起こりにくい

Perlは、後方互換性が高いことから安定性と信頼性が高く、長く利用できるプログラミング言語として評価されています。

5. CPANモジュールが豊富

Perlは、CPANモジュールが豊富である点も特徴のひとつです。 CPANモジュールとは、Perlで使用できるライブラリやツールの集合です。Perlの開発コミュニティによって作成・公開されており、数万以上のCPANモジュールが公開されています。

CPANモジュールは、Perlの標準ライブラリにはない以下のような機能を追加するために使用されます。

  • データベースアクセス
  • セキュリティ対策
  • 暗号操作

Perlでできること・できる開発

Perlでできること・できる開発

ここからは実際にPerlを用いてできることやできる開発について、以下の4点から解説していきます。これからPerlを習得してみたいと考えている方は参考にしてみてください。

  1. Webアプリケーション開発
  2. Webゲーム開発
  3. 業務システム開発
  4. データ分析

1. Webアプリケーション開発

Perlは特にWebアプリケーション開発を得意としています。Webアプリケーションとは具体的に以下のようなものが挙げられます。

  • ECサイト
  • 動画配信サイト
  • SNS
  • オンラインゲーム

Perlは、Webアプリケーション開発に向いているプログラミング言語です。簡潔なコードで記述できるため、Webアプリケーション開発のようなスピード感を重視した開発に適していると言えます。

2. Webゲーム開発

Perlは、Web系のゲーム開発に向いているプログラミング言語です。Web系のゲームは、ユーザーの操作に応じてリアルタイムで画面を更新するため、コンパイルが不要なPerlであれば高速なパフォーマンスを発揮することができます。

また、Perlは主にサーバサイドの処理である、会員情報の登録や管理、ログイン機能などの開発に用いられることが多いです。

3. 業務システム開発

Perlは、MacOSやUNIX、WindowなどOSを利用する環境を選ばずに動作するため、以下のような業務システム開発にも利用できます。

  • 営業支援システム
  • 会計システム
  • 人事システム

Perlは、業務システムの基盤となるデータベース処理や帳票作成などに適していますが、オブジェクト指向の言語ではないため、大規模なシステム開発や複雑な処理を行うシステムの開発には向いていません。

4. データ分析

Perlは、豊富なライブラリとモジュールを活用することで、効率的にデータ分析を行うことも可能です。具体的には、以下のようなデータ分析を行うことができます。

  • 統計解析
  • 機械学習
  • 自然言語処理

ただし、Perlは大規模なデータの処理には向いていないことや機械学習の分野ではPythonやRが主流となっているため、適切な用途を選ぶことが重要となります。

Perlの将来性

Perlの将来性

Perlの需要は、冒頭でも述べたように減少傾向にあります。しかし、運用・保守や他の言語との組み合わせなどでは、今後も需要が継続していくと考えられます。

新規プロジェクトで使われることが少ない

Perlは、以下の理由から新規プロジェクトで使われることが少なくなっています。

  • オブジェクト指向ではないため、大規模なシステムや複雑な処理を行うシステムの開発には向かない
  • PythonやRubyなどのオブジェクト指向言語であり、学習コストが低く言語にシェアを奪われている

実際にエンジニアファクトリー(https://www.engineer-factory.com/freelance/)の[1] 2023年10月時点での案件の募集件数は、Pythonの案件数が243件あるのに対して、Perlの案件は31件と少なくなっています。

運用・保守などで需要は継続

一方で、Perlで開発されたシステムは数多く存在しており、その運用・保守を行うために、Perlのスキルを持った人材は今後も必要となります。

また、開発の現場ではシステムの規模や目的、開発者のスキルなどによって、さまざまな言語を組み合わせて開発を行うケースが増えています。そのため、複数の言語を学んでおくとより仕事の幅を広げることができます。

Perlで利用するフレームワーク

Perlで利用するフレームワーク

Perlでは開発をより効率的に行うフレームワークが充実しています。ここからはPerlで使えるフレームワークを4点紹介します。

  1. Catalyst
  2. Mojolicios
  3. Amon2
  4. Dancer

Catalyst

Catalyst(カタリスト)には、「触媒」という意味があります。その名の通り、Catalystフレームワークは、CPANのモジュールを活用して開発を行うことを想定して設計されているフレームワークです。

また、MVC(Model-View-Controller)アーキテクチャを採用しており、実装するコンポーネントを役割ごとに分割することで、開発の効率化やメンテナンスを容易にすることができます。

Mojolicios

Mojolicios(モジョリス)は、「Catalyst」の作者であるSebastian Riedel氏によって作られた、PerlのリアルタイムWebアプリケーションフレームワークです。

Mojoliciosの特徴は以下の通りです。

  • Webサイト作成に必要な機能が揃っている
  • Webサイトを簡単に短期間で作成できる
  • 小規模から大規模の開発まで幅広く対応している

Webサイト作成に必要な機能とは、具体的に「テンプレート」「パラメーターの取得」「WebSocket」などです。

Amon2

Amon2(アモンツー)とは、徳永広夢氏を中心に開発されたWebアプリケーションフレームワークです。

Amon2は、超軽量でシンプルな設計であるため、小規模なWebシステム開発やWebアプリケーション開発に向いています。加えて、Amon2は他のフレームワークとは異なり、拡張性が高いため、さまざまな用途に対応できるフレームワークです。

また、学習コストが低いことから、初心者でも扱いやすいフレームワークとなっています。

Dancer

Dancer(ダンサー)とは、2009年7月にアレクシス・スクリー氏によって開発されたWebフレームワークです。もとはRubyのフレームワークであるSinatraより移植され派生したものでしたが、現在はPerlのWebフレームワークとして独立しています。

Dancerはシンプルで直感的に構文を書くことができ、プラグインやモジュール設計による強力なスケーラビリティも実現されています。また、モジュールへの依存度が低いため、メンテナンスを行いやすい点が特徴的です。

Perlと他の言語との違い

Perlと他の言語との違い

これまではPerlの特徴として、コンパイルが不要であることやテキスト処理に優れていることなどを解説してきました。ここからは、具体的にPerlと他の言語の違いについて紹介していきます。

  • Rubyとの違い
  • Pythonとの違い
  • PHPとの違い

Rubyとの違い

PerlとRubyは、どちらもスクリプト言語としての特徴を持っています。Rubyは、Webアプリケーション開発において人気が高く、「Ruby on Rails」というフレームワークの生産性の高さから、Rubyを利用している開発者が多くなっています。

そんなPerlとRubyの違いは下記の通りです。

  • Rubyは純粋なオブジェクト指向言語であるが、Perlは後付けのオブジェクト指向言語
  • RubyよりPerlの方が学習コストは低い

Pythonとの違い

Pythonは文法が簡単で読みやすく、初心者でも学習しやすいことから人気が高くなっているプログラミング言語です。機械学習やデータ解析で活用できるライブラリが豊富に揃っていることが特徴的です。

そんなPerlとPythonの違いは下記の通りです。

  • PythonはPerlよりも文法が簡単で可読性が高い
  • Pythonは覚えなければならない構文がPerlより少ない
  • テキスト処理や正規表現ならばPerlの方が優れている

PHPとの違い

PHPは、動的なWebページを作成するために幅広く利用されているプログラミング言語です。特にサーバーサイドのスクリプト処理に特化しています。また、需要が高いのにも関わらず、学習コストが低いため、初心者でも習得しやすい言語となっています。

そんなPerlとPHPの違いは下記の通りです。

  • PHPのが圧倒的に利用されている
  • Perlはテキスト処理に特化した言語であるのに対し、PHPはWeb開発に特化した言語である

Perlの求人をお探しならエンジニアファクトリー

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まとめ

この記事では、Perlとは何ができる言語なのか、将来性はあるのか、他の言語との違いは何かなどについて解説してきました。

  • Perlはテキスト処理能力に優れたプログラミング言語
  • 新規プロジェクトで使われることは少ないが、運用・保守においての需要は依然としてある

Perlを習得する際には、Perlの特徴やできることを把握し、プロジェクトの性質や目的に応じて最適な言語を選ぶようにしてください。