将来性のあるプログラミング(開発)言語とは?メリットや平均年収についても解説
急速なIT技術の発展により、さまざまな業界でIT需要が高まっています。
しかし、日本国内では、少子高齢化に伴う労働人口の減少や団塊世代の大量引退などを原因として、近い将来、IT専門人材が不足することが懸念されています。 このような背景から、ITエンジニアになれば仕事に困らない、高い給与が期待できると考えている方も多いかもしれません。
しかし、フリーランスエンジニアとして異業種からITエンジニアへキャリアチェンジするときや、ITエンジニアとしてさらに市場価値を高めたいときに、今後どのようなプログラミング言語を習得すれば良いのか悩みますよね。
そこで、今回はプログラミング言語ごとの将来性、メリットや平均年収、習熟難易度などについて徹底解説します。
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2030年には、およそ79万人のITエンジニアが不足
インターネット誕生から50年、パソコンに始まり、スマートフォン、タブレット、IoT、VRなど、わずか数十年でさまざまな先端技術が世の中に登場しています。インターネットの利用は今や当たり前となっており、2020年の日本国内におけるインターネット利用率は83.4%となっています。
参照:第2部 基本データと政策動向
しかし、これだけIT需要の高まりを見せている中で、日本国内ではIT人材不足が懸念されています。経済産業省の調査によれば、団塊世代の大量引退、少子高齢化に伴う労働人口の減少などを要因に、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると試算されています。 この調査で対象となっているIT人材は、「情報システム部門の人材」、「情報サービス・ソフトウェア企業の人材」、「web企業の人材」と定義しています。もちろん、この中にはITエンジニアも含まれます。
また、2021年の複数の大手転職支援会社の調査を見ても、職種全体の有効求人倍率が2倍なのに対して、IT関連職種の倍率は7倍近くになっています。これらの結果から、ITエンジニアは需要が高いのにもかかわらず、人手不足となっている職種といえます。
将来性のあるプログラミング言語は?
まずは今後、ITエンジニアの需要が高まっていく中で、将来性のある開発言語を世界中の検索エンジンにおける検索数を集計しプログラミング言語の人気をランキング化しているサイト「TIOBEインデックス」を参照しながら、見ていきます。
2022年2月度のランキングでもっとも人気の言語はPython
1位:Python
2022年2月度のランキング1位は、Pythonでした。日本では、「Python=AI・機械学習」のイメージが強いですが、YouTubeやDropbox、InstagramなどもPythonで開発されており、Web開発にも使用可能な言語になります。また、プログラミング初心者もとっつきやすく、習得しやすい言語となっています。
人気の理由:
・TensorFlowやKerasといった機械学習に特化したライブラリーがある
・学習コストが比較的低く、初心者でも習得しやすい
2位:C
C言語は非常に古くからある言語ですが、パッケージソフト、ロボット、組み込み系ソフト、スマートフォンアプリなど、現在でも幅広い分野で活用されています。また、コンパイラ型言語のため、他の言語と比較すると実行速度が早いという特徴をもちます。
ただし、より機械語に近い特性を持っているため、ITエンジニアとしての素養が求められます。そのため、習得は非常に難しいと言われています。
人気の理由:
・コンパイラ型言語のため実行速度が速い
・初期に開発された言語ということもあり、汎用性が高い
・メモリをあまり使わない
3位:Java
Javaは、Webサービス、ホームページ、パッケージソフト、組み込み系ソフト、スマートフォンアプリ、基幹システムなど、幅広い開発で使われている言語です。Javaの最大の特徴はOSに依存しない点です。基本的に、プログラミング言語は動かせるOSが限定されていますが、Javaはどのような環境でも安定して動かすことができます。
また、C言語と同じようにコンパイラ型言語のため実行速度が速いです。ただし、Java特有のオブジェクト指向という概念の理解が難しく、習得はややハードルが高いです。
人気の理由:
・OS関係なくあらゆる環境下で開発ができる
・オブジェクト指向で開発されているため、プログラムの修正が簡単、保守がしやすい
4位:C++
C言語にオブジェクト指向を加えて作られたプログラミング言語です。C言語をもとに作られたということもあり、C言語と同様に、パッケージソフト、ロボット、組み込み系ソフト、スマートフォンアプリなど、さまざまな分野で活躍できます。C言語との互換性があるため、C言語の経験がある方であれば、すぐに習得可能です。
人気の理由:
・C言語と同様に実行速度が速い
・Javaのオブジェクト指向を取り入れているため、保守・機能追加が容易
5位:C#
C#は、C++とJavaをもとに開発されたプログラミング言語です。Cという名前はついているものの、C言語やC#との互換性はないので注意が必要です。
ARやVRの開発の際に使用されるゲームエンジンのUnityもC#で動いているため、ゲーム開発をするのであれば覚えておいたほうが良い言語になります。C、C++と比べると、学習コストは低い傾向にあります。
人気の理由:
・C#にJavaの良いところを加えた言語なのでOS関係なく使用できる
・マイクロソフトが開発した言語のため、ライブラリが豊富
C言語は、昔から根強い人気を誇るプログラミング言語
プログラミング言語の人気や需要は非常に移り変わりが激しいです。そこでTIOBEインデックスの去年同時期、10年前のランキングと比較してどの言語が伸びているのかを見ていきます。
2022年2月度
1位:Python(↑2)2位:C(↓1)3位:Java(↓1)4位:C++(→)5位:C#(→)
2021年2月度
1位:C 2位:Java 3位:Python 4位:C++ 5位:C#
2012年1月度
1位:Java 2位:C 3位:C#、4位:C++、5位:Objective-C・・・・8位:Pyhton
もっとも伸びている言語はPythonでした。2012年1月度のランキングでは8位でしたが、2022年には1位に上昇しています。Pythonは操作性に優れ、プログラミング初心者もチャレンジしやすいだけでなく、AIや機械学習、Web開発でも積極的に使用されることが増えており、将来性が高い言語であるといえます。
C言語/C++は、古いプログラミング言語ですが、車や組み込み系のシステムはほとんどがC言語で動いているため、2022年においても安定的な需要があるようです。
JavaもC言語同様に昔からある言語ですが、組み込み系ソフト、基幹システム、パッケージソフトなど、重要なシステムで使用されているため、RubyやPythonにも負けず劣らず、依然として根強いニーズがあります。
C#は、2012年から比較すると3位から5位まで順位が下落しているものの、マイクロソフトが開発したプログラミング言語ということもあり、安定して需要が見込める言語とされています。
プログラミング言語の習得難易度について
将来性が高いプログラミング言語であっても、初心者にとっては習得難易度が高いものも存在します。ここでは、メジャーなプログラミング言語に焦点を絞り、習得難易度についてレベル別に解説いたします。
難しさ★(PHP,Javascript,VBA)
PHP
PHPは、動的なコンテンツの作成ができるプログラミング言語です。習得難易度が低い言語として知られています。習得が難しいとされるC言語はコンパイル言語であり、結果をすぐに確認することができませんが、PHPはスクリプト言語と呼ばれる言語で、その場ですぐに実行可能です。また、PHPは構文がいたってシンプルでルールが少ないため、理解がしやすい特徴も持っています。
Javascript
PHPと同様に、動的なコンテンツを作成できるプログラミング言語です。構文が非常にシンプルなため、初心者でも習得が早いとされています。また、ブラウザ上で動かせるので実行環境を準備する必要がなく、書いたコードが動くかすぐに確認することができます。また、近年はNode.jsによってサーバサイドの開発でも活用されています。
VBA
ExcelやAccessなど、Microsoft Office製品の拡張機能として提供されているプログラミング言語です。Javaのようなオブジェクト指向もなく、またC言語のようなポインタやメモリ管理もありません。また、VBAは認知度が高く、インターネットでさまざまな技術的情報を収集することができます。そのため、比較的習得しやすい部類に入ります。
難しさ★★(Python,Ruby,Java)
Java
Java特有のルールや構文が存在し、学習コストはやや高めです。そのため、エラーが発生したさいも原因分析や特定が難しくなります。
Ruby
オブジェクト指向言語ですが、C言語のようにポインタと呼ばれる概念がありません。構文がシンプルであるため、直感的に開発が可能です。Ruby on Railsを筆頭に数多くのライブラリが存在します。
Python
Rubyと同じく構文がシンプルかつ可読性に優れているため、基礎技術の習得はさほど難しくありません。また、ライブラリも多く存在するため、初心者でもハードルが低いです。
難しさ★★★(C,C++)
C言語、C++の言語ともにコンパイラ言語であるため、実行速度が速いですが、自身で開発環境の構築を行なわなければならず、非常に手間がかかります。開発環境の構築には、基礎文法の理解に加え、メモリアドレスやポインタの概念理解が必要となります。習得難易度は非常に高いものの、C言語の概念を理解してしまえば、C#、Python、Ruby、Javaなど、他の言語の学習はスムーズになります。
プログラミング言語別の平均年収
ニーズが高いプログラミング言語ほど、求人数も多いです。特に、需要が多いのに、それに対してエンジニアが少ない言語は非常に狙い目です。今回は、弊社が運営するエンジニアファクトリーで案件参画中のフリーランスエンジニアの報酬を基に見ていきましょうを参考にしながら、主にPython、C、Java、C++、C#の5つの言語で見ていきます。
Python
案件の種類としては、APIの設計や開発からデータ連携基盤の設計、広告配信SDKの開発などさまざまです。月額報酬70〜90万円の案件が多く、年収に換算すると1000万円前後になります。ただし、Pythonだけでなく、AWSやSQL、PHP、Javascript、なども条件として提示されているケースが多いです。機械学習に関する開発案件やAI開発案件などは、まだ経験者も少ないため、報酬が高くなる傾向にあります。
フリーランスエンジニアの平均年収:1000万円前後
C言語
C言語は、組み込み系や制御系などのシステム開発で利用されることが多く、需要は安定しています。月額報酬50〜70万円の案件が多く、年収に換算すると700万円前後になります。3Dモデリング開発(VR)や、ドローン制御システム開発、自動車制御ソフトウェアの開発などの案件になると、さらに報酬が高くなる傾向にあります。
フリーランスエンジニアの平均年収:700万円前後
Java
企業の基幹システムやWebシステム、アプリケーション開発など、さまざまなシーンで活用されている言語です。月額報酬50〜80万円の案件が多く、年収に換算すると850万円前後になります。要件定義やシステム構想、開発計画、PMなど、上流工程の業務も含まれると、さらに報酬は高くなります。
フリーランスエンジニアの平均年収:850万円前後
C++
Javaと並び、安定的に需要があるプログラミング言語です。月額報酬50〜70万円前後と、RubyやPythonと比較するとそこまで高額ではありません。年収に換算すると700万円前後になります。特に、スマートフォンアプリ開発は報酬が高くなる傾向にあります。近年、Android開発ではKotlinやGOが、iOS開発ではSwiftの利用が増えてきているため、KotlinやGO、Swiftの開発経験もあると、さらに良い待遇の案件を見つけられます。
フリーランスエンジニアの平均年収:700万円前後
C#
Webアプリ、業務用アプリ、VR、スマートフォンアプリなど幅広い領域で活用されている言語です。月額報酬50〜70万円前後で、年収に換算すると700万円前後になります。特に、Unityを使ったVRやAR開発、ソーシャルゲームの制作などは今後需要が増えるとされています。
フリーランスエンジニアの平均年収:700万円前後
ローコード/ノーコード開発とは?
2010年代ごろから、ローコード開発の概念が浸透し、ここ数年で急激に利用が拡大しています。
日本でのローコード開発/ノーコード開発の需要
2019年時点において、ITアドバイザリ企業のガードナーは、2024年までにローコード開発は世界における開発全体の65%以上を占めると提言しています。
また、RESEARCH AND MARKETSが行った調査でも、2019年に100億ドルだったローコード開発の市場規模は、2030年までに1,870億ドルに到達すると予測しています。
では、日本においてローコード開発の需要はどのくらいあるのでしょうか。ITRの調査によると、2020年度のローコード/ノーコード開発市場の売上金額は515億8,000万円で、前年比で24.3%増となっています。2030年には1,030億円、2025年には2020年度の約3倍近くの1,539億円に到達すると予測しています。
ローコード開発とは?
ソースコードを記述せずにシステム開発を行う手法、またはそれが実現できるプラットフォームを指します。従来のゼロからコードを書いて開発する「フルスクラッチ開発」と対をなす定義となります。
一般的には、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)と呼ばれるプラットフォームを使い、開発工程を自動化・効率化します。代表的なものでは、KissflowやDWKITなどがあります。GUIを使えば、アイコンやプルダウンメニューなどで直感的に操作可能で、専門的な知識がなくても、Webサイトやアプリケーションなどが開発できるようになります。
このように、専門知識を獲得することなく、手軽に開発ができることから、開発期間の圧縮と、システム開発に伴う人材育成や採用にかかる費用、また専任担当者がいない場合における開発会社への外注費用の削減が実現できます。
ただし、仕様はプラットフォームに依存するため、細かい要件を満たすシステムを開発する場合には不向きとなります。また、直感的に操作できる反面、ソースコードを理解せずに操作をしてしまう恐れもあり、担当者が不在になったタイミングでは、ソースコードがブラックボックス化してしまう可能性があります。
ローコード開発とノーコード開発の違い
ノーコード開発は、その名のとおり、まったくコードを必要とせずに開発を行う手法、またはそれを実現するプラットフォームを指します。ローコード開発よりもさらに開発期間の圧縮や開発費用の削減が実現できます。ローコード開発では多少の開発知識や技術が必要でしたが、ノーコードはGUIの操作方法さえ覚えてしまえば、簡単に開発が可能です。ただし、テンプレートを組み合わせて開発を行う仕様上、開発できる範囲に限りがあります。自社システムとの連携や、複雑な機能の実装もできないケースが多いです。
ローコード開発/ノーコード開発に必要なスキルとは?
従来の開発と違って、ローコード開発では、ほとんどソースコードを記述せずに、またはまったく書かずに開発を行えるため、専門的なプログラミングの知識がない担当者でも操作が可能となります。ただし、効率化できるプロセスはあくまでプログラミングの部分であり、要件定義や設計(外部設計・内部設計)、テスト、保守においては、一定の知識が必要となります。
また、上でも説明した通り、仕様はプラットフォームに依存するため、自社システムとの連携や、複雑な機能の実装ができない場合があります。一定の開発知識があると、「このGUIだと、要件を満たせるか」「このGUIは操作性に優れているが、カスタマイズで工数がかさみそう」と導入前にジャッジでき、より想定に近い形でシステムやプロダクトの開発が実現できます。
まとめ
いかがでしたか。システム開発やアプリケーション開発の需要は年々高まっているものの、ITエンジニアの人材供給が追いついていないため、近い将来、人材不足になると言われています。
エンジニア経験があるフリーランスの方であれば、今の開発知識や経験を下地に、将来性の高いPythonにチャレンジして、年収アップを目指すのも1つの手です。また、未経験であっても、近年はローコード開発/ノーコード開発がトレンドになっているため、PHPやJavascriptなど習得難易度が低い言語を覚えて、フリーランスエンジニアの道を歩んでみても良いでしょう。
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