エンジニアのリモートワークは未経験でも可能?必要なスキル・言語やメリットについてもご説明します

新型コロナウイルスの感染拡大によって、不要不急の外出、3密回避などの対策を余儀なくされ、リモートワークが広く普及しました。 フリーランスエンジニアとして働く方の中には、自分の職種は現実的にどのくらいリモートワークができるのか気になっている方も少なくないのでは?今回はリモートワークがしやすい職種とそうでない職種、エンジニアがリモートワークをするメリット・デメリットについて、エージェント目線でおせていただきます。
フリーランスエンジニアのリモートワーク実施率はどのくらい?

新型コロナウイルス感染拡大を契機として、多くの会社がリモートワークを推進しました。「公益財団法⼈ ⽇本⽣産性本部」の調査では、2021年7月時点で20.4%となっています。
参照:第 6 回 働く⼈の意識に関する調査|公益財団法⼈ ⽇本⽣産性本部
また、東京都に限定すると、2021年12月時点でリモートワークの実施率は56.4%となっています。
参照:テレワーク実施率調査結果(2021年12月)|産業労働局
全職種におけるリモートワークの導入率は20.4%でした。では、フリーランスエンジニアのリモートワーク実施率はどのくらいなのでしょうか。フリーランスエンジニアの支援をメインを行っている複数の企業の調査では、リモートワークの実施率は80%程度でした。内訳は、フルリモートが60%、ハイブリッドワークが20%となっています。
エンジニアのリモートワークの種類

リモートワークには、フルリモートワーク(完全在宅)、ハイブリッドワーク(ハイブリッド型勤務)の2種類があります。
フルリモートワーク(完全在宅)
フルタイムでリモートワークができる働き方のことを指します。さらに細かく、自宅で仕事をする「在宅勤務」、シェアオフィスやサテライトオフィスで仕事をする「施設利用型勤務」、モバイル端末を活用しカフェや新幹線などで仕事をする「モバイルワーク」の3つがあります。エンジニアの場合は、セキュリティや通信環境の観点から、「在宅勤務」や「施設利用型勤務」のいずれかになることが多いです。
ハイブリッドワーク(ハイブリッド型勤務)
出社勤務(出向先のこともある)と、リモートワークを組み合わせた働き方のことを言います。出社とリモートワークの比重は案件やプロジェクト、閑散期/繁忙期によっても異なります。
エンジニアのリモートワークの導入実現度<担当業務別>

エンジニアといえど、担当業務によってリモートワークの導入実現度は大きく異なります。それぞれ解説します。
要件定義(PM)
要件定義は、クライアントが求める機能や性能などをヒアリングし、それを具体的に要件定義書に落とし込んでいく仕事です。そのため、打ち合わせの回数も多くなります。ZoomやGoogle MeetsなどWeb会議システムを使って打ち合わせすることもありますが、クライアントの希望によって対面での打ち合わせが発生するケースもあります。
設計・開発(SE)
主にクライアントとの打ち合わせ、基本設計、運用・保守の3つの業務を担います。開発は在宅でもできるため、少なくとも半分はリモートワーク、打ち合わせ時のみ出社、往訪というハイブリッドワークになります。
製造(PG)
Web系、アプリ系、ネットワーク系、クラウド系、組み込み系など領域によって業務も異なります。しかし、開発中心の作業になるため、リモートワークで働けるケースが多いです。テスト・評価などの業務を行うときのみ出社を希望するクライアントが一定数存在します。
エンジニアのリモートワークの導入実現度<職種別>

次に職種別のテレワーク実施率について見ていきます。
開発エンジニア
開発業務が中心になるため、基本的にリモートワークで働くことができます。しかし、組み込み系の開発プロジェクトでは、セキュリティの観点から実機を自宅に持ち帰ることができずに出社になるケースがあります。
インフラエンジニア(ネットワークエンジニア)
従来は、自社内にインフラを構築するオンプレミスが主流だったため、インフラエンジニアは原則出社しなければなりませんでした。しかし、AWS、GCP(Google Cloud Platform)、Azureなどのクラウドサービスへ移行する会社も出てきたことで、実機を触ることなくリモートでの操作が可能となりました。今後は、インフラエンジニアのリモートワークの求人や案件も増えると想定されます。
Webデザイナー(UXエンジニア)
Webデザイナーは、定義が明確になっていないため、会社によって業務範囲が異なります。主に、フロント領域の開発とPhotoshopやIllustrator、Sketchなどを使用したデザイン業務、デザイナー・エンジニアの橋渡しの役割を担います。基本的には、リモートワークが可能ですが、コーダーやPMとの連携のために出社を求められる開発現場も存在します。
エンジニアがリモートワークをするメリット・デメリット

ここからは、エンジニアがリモートワークをすると得られるメリットやデメリットについて解説します。
リモートワークのメリット
エンジニアがリモートワークをするメリットとしては、以下の5つが挙げられます。
メリット1.通勤時間がなくなる
まず、挙げられるメリットが通勤時間の短縮です。通勤時間が減ることで、その時間をプライベートや睡眠時間に充てることができます。また、満員電車で疲れたり、ストレスを感じたりすることもなくなり、生産性アップにもつながります。
メリット2.自分にベストな職場環境を構築できる
会社のオフィスだと、デスクや椅子、モニターなど会社支給のものを使わなければいけません。その点、リモートワークでは、自分に適した椅子やデスク、エアコン、照明、カーテンなどを選べて、パフォーマンスを最大化できます。
メリット3.マイペースに仕事ができる
上司や部下、同僚などの目もなく、また会社にかかってきた電話応対の必要もなくなるため、自分のペースで仕事に集中できます。疲れた時にはコーヒーブレイクを入れたり、散歩に出かけたり、家事をしたりと、メリハリのある生活を作ることができるでしょう。ただ、業務連絡で電話やチャットがくることはあるので常に連絡は取れるような状態にしておきましょう。
メリット4.住む場所を選べる
オフィスへ出勤する必要がないため、自分の好きな場所へどこでも住むことができます。家賃や物価が安いエリアに移住したい、都会の喧騒から離れて、リフレッシュしながら生活をしたいという方にとっては非常に大きなメリットとなります。
メリット5.家族(ペット)と過ごす時間が増える
パートナーや両親、子供と同居している場合は、一緒に過ごす時間が増えます。通勤が必要な場合は、朝に出勤して昼食や夕食は外で済ませて、夜遅くに帰ることも珍しくありません。しかし、リモートワークでは、家族とともに昼食や夕食の時間を過ごせて会話の機会が格段に多くなります。
リモートワークのデメリット
リモートワークするにあたってはメリットだけではありません。いくつかデメリットも存在します。
デメリット1.自己管理が必要となる
サボりすぎず、追い込みすぎず、快適にリモートワークをするには、自己管理のスキルが必要となります。周囲に監視の目がないために気は楽ですが、かえってだらけてしまったり、集中ができなかったりして効率が上がらないことも。こうなると、納期直前に追い込みをかけて仕事をする羽目になって、疲弊してしまいます。また、「早めにやらなければ」と気負いすぎて、休息の時間を作れずに体調を壊してしまうといった逆のパターンも考えられます。
デメリット2.コミュニケーションがとりにくい
リモートワーク下では、テキストコミュニケーションがベースとなるため、表情や雰囲気、声色といった情報がなく、文字だけで意図を理解しなければいけません。そのため、伝わりにくい表現や書き方をしてしまうと、認識の齟齬が発生したり、相手を不機嫌にさせてしまったりすることもあります。対面でのコミュニケーションと比較すると、より高度な言語化能力、説明能力が求められます。
デメリット3.モチベーションを保つのが難しい/孤独を感じやすい
オフィスに出社をしていれば、疲れた時や悩んだ時に周りにいる同僚や上司に相談をしたり雑談をしたりして、気分転換することができます。また、退勤後にそのままご飯を食べに行ったり、飲みに行ったりして、交流を深めることもできます。しかし、リモートワークでは、基本的に自分一人での仕事となるため、モチベーションの維持に工夫が必要となります。
デメリット4.運動不足になる
通勤は大変ですが、ちょうど良い運動になります。自宅でリモートワークをする場合は、自主的にウォーキングやジョギングなどをしない限り、運動をする機会がありません。オフィスに出社していた時には感じなかった肩こり、足のむくみ、腰の痛みなど体の不調が出ることもあります。
実際にあった!リモートワークにおけるトラブル事例

リモートワークは、自分らしい働き方を実現できる働き方ですが、募集要件に書かれている内容と大きく乖離があり、トラブルになるケースもあるようです。ここでは、リモートワーク時のトラブル事例についてご紹介します。
トラブル1.稼働時間が多い
リモートワークでオンとオフのメリハリがつけにくいこともあり、いつまで経っても仕事が終わらず結果的に出社していたときと比較して稼働時間が増えてしまったというケースや自己管理ができず時間だけがかかってしまい、顧客から他のエンジニアと比較したときに作業効率が悪いという指摘を貰ってしまうケースがありました。稼働が時間が長い=評価頂けるわけではないので時間を意識して業務に取り組むようにしましょう。
トラブル2.出社を要求された
募集文章には、リモートワーク可という記載があったのに、案件が開始したら出社を要求されるケースです。リモートワーク可といっても、なかには「週に何回か出社する必要あり」「必要に応じて出社」を併記している案件もあります。必ず、応募前に出社する頻度を確認するようにしましょう。
トラブル3.急なミーティングが頻繁に発生する
フリーランスでエンジニアをしている方であれば、複数プロジェクトを掛け持ちしているケースもあるでしょう。突発的なミーティングが頻発すると、他プロジェクトのミーティングとバッティングしたり、他プロジェクトの開発スケジュールがずれ込んだりする可能性があります。クライアントにとって他のプロジェクトの有無は関係ないので、複数プロジェクトを掛け持ちする場合でもある程度の余裕を持っておくようにしましょう。
トラブル4.コミュニケーションエラーが多い
レスポンスが遅かったり、指示内容が不明瞭だったりすることで、トラブルや仕様変更などが頻発する事例です。この場合、クライアントが多忙であったり、オンラインのコミュニケーションに慣れていなかったりするケースもあるため、テキストコミュニケーションだけでなく、食い違いが生じそうな内容ならWeb会議、それでも難しければ対面でコミュニケーションを取るなど工夫が必要となります。
トラブル5.業務報告が厳しい
寝坊やサボりなどを防ぐために、1時間単位で業務報告をするなど厳格な報告ルールが敷かれている事例です。仕事に疲れた合間に掃除をしたり、買い物に行ったりと、自分のペースで働ける点に魅力を感じている方にとっては、ストレスフルな状況になってしまうので、応募前に確認しましょう。
リモートワーク可のエンジニア求人に関するQ&A

最後に、リモートワーク可のエンジニア求人に関してよくある質問についてまとめました。
リモートワークのエンジニアは、未経験でも可能?
リモートワーク可の求人では、出社案件以上に即戦力を求める傾向にあるため、ある程度の実績やスキルが必要です。まずは、オフィス出社、ハイブリッドワークの求人でエンジニアとしてのスキルや実績をつけた上で、リモートワークの求人にチャレンジしましょう。
リモートワーク可のエンジニア求人に多い開発言語は?
リモートワーク可の求人で多いのが、RubyとPHPです。Rubyは、オブジェクト指向スクリプト言語で、ECサイト、API、チャットボット、SNS、Webアプリケーションなど、幅広いサービスやシステムが開発できます。PHPは、動的なコンテンツの作成ができるプログラミング言語です。特に、PHPの構文はシンプルでわかりやすい上に、インターネット上に情報が多く掲載されているため、初心者でも習得しやすい言語といえるでしょう。
Javaは、Webサービス、パッケージ/組み込み系ソフト、基幹システムなど、幅広い開発で使われている言語ですが、大規模開発案件で採用される傾向にあり、リモートよりも常駐案件が多いですが、最近はJavaでもリモート可能な案件が増えてきています 機械学習の開発言語として今注目されているPythonも、リモートワーク可の案件がない訳ではないですが、やはりRubyとPHPと比較すると、まだまだ求人数が少ないのが現状です。
新型コロナ終息後のリモートワーク案件数の傾向は?
リモートワークを推奨していた会社も、2021年頃から出社揺り戻しの傾向が見受けられます。しかし、フリーランスエンジニアの案件においては、現状でそこまで大きく変わっていません。フリーランスのエンジニアは、リモートワークができる案件を優先的に探している傾向にあり、引き続きリモートワークを認める会社は多いと想定されます。
ただし、場合によっては出社を命ずる、リモートワークと出社を組み合わせたハイブリッドワークの割合は少し増える可能性はあるかもしれません。
リモートワークが許可されやすい会社とは?
老舗の会社だと、ビジネスチャットやビデオ会議ツールの使い方に慣れていなかったり、勤怠管理ツールやリモートデスクトップなどリモートワーク環境の整備が構築されていなかったりするケースが多く、出社を求められる可能性があります。
スタートアップやベンチャー企業では、立ち上げフェーズで考え方が柔軟である上に、ビジネスチャットやビデオ会議ツール、タスク管理ツール、グループウェアなど、リモートワークを円滑にする業務管理ツールを導入している傾向が強く、リモートワークを許可するケースが多いです。
ただし、個人情報を扱う小売・通販、印刷業界、病院における開発案件、企業の機密情報を扱う金融、特許事務所における開発案件などはセキュリティの都合上、原則出社となるので注意しましょう。
まとめ

リモートワークは、場所や時間にとらわれない自由な働き方を実現できる手段です。しかし、前述したように言語スキルや開発実績だけでなく、コミュニケーション能力、自己管理能力など、技術以外のスキルも必要となります。その点、エージェント会社を利用すると、何かトラブルがあったときに仲介して問題解決をしてくれたり、リモートワークへの切り替え交渉をしてくれたりするため、積極的に使ってみると良いかもしれません。
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