インフラエンジニアはリモートワークできる?可能な職種や企業、求人の探し方

インフラエンジニアは職種によってリモートワークができるか否かが変わってきます。職種別の業務内容や求められるスキルから、どのような企業がリモートワークに向いているのか、求人の探し方までを解説していきます。

ぜひ、本記事を参考にリモートワークが可能なインフラエンジニアのキャリアプランを考えてみてください。

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インフラエンジニアはリモートワークできる?

インフラエンジニアのリモートワークは「職種や担当フェーズによる」のが現状です。クラウド技術の普及や監視・自動化ツールの進化により、在宅でも対応できる業務は年々増えていますが、すべてのインフラ業務がリモートで完結するわけではありません。

たとえば、クラウドインフラやセキュリティ設計のような論理設計・管理業務中心のポジションは、ネットワーク経由で対応できるため在宅ワークとも親和性が高い傾向にあります。一方、オンプレミス環境での物理機器の設定や、障害対応などの現場作業を伴う業務では、出社や現地対応が求められることが一般的です。

また、勤務形態の柔軟性は企業ごとの体制やセキュリティポリシーにも大きく左右されるため、同じ職種でも会社によってリモート可否が異なるケースも少なくありません。たとえば「VPN接続でログ確認まではOK」「設定反映は現地対応のみ」といった運用ルールがある現場も多く、リモート比率は個々の業務と組織の考え方次第です。

近年では、クラウドシフトの加速やSaaS導入の進展により、在宅で対応可能なインフラ領域が広がってきているのは確かです。TerraformやAnsibleなどの構成管理ツールや、Zabbix、Datadogなどの可視化ツールも、リモート運用を支える技術として定着しつつあります。

そのため、「インフラエンジニアはリモート不可」と一概には言えず、自分がどの領域・技術に関わるかによって、働き方の選択肢も大きく変わるというのが正しい理解です。

リモートワークがしやすいインフラエンジニア職種

インフラエンジニアといっても、その業務領域は広く、リモートワークのしやすさには大きな差があります。物理機器の管理が不要なクラウド系や監視系の職種は、比較的在宅でも対応しやすい一方、オンプレミス機器の保守や現地作業が伴う職種では、どうしても出社が必要になる場面があります。

ここでは、フルリモートまたはハイブリッド勤務がしやすい職種を中心に、実際にどのような業務が遠隔対応に向いているのかを整理しました。自身のスキルやキャリアと照らし合わせながら、今後の働き方の参考にしてみてください。

クラウドエンジニア(AWS, GCP, Azureなど)

クラウドインフラエンジニアとは、AWSやGCP、Azureといったクラウドサービスを用いて、サーバーやネットワークの設計・構築・運用を担う職種です。物理的な機器を扱う必要がなく、インターネット環境さえあれば作業できるため、リモートワークとの相性が非常に良いとされています。

主な業務としては、仮想サーバーの構築、セキュリティ設定、スケーリングの調整、トラブル時の対応などがあります。これらの作業は、クラウドの管理画面やCLI(コマンドラインツール)を使って遠隔で操作可能なため、リモートワークでも対応が可能です。

また、TerraformやAnsibleといった構成管理ツールを活用すれば、インフラの自動化も行えます。SlackやTeamsなどのチャットツール、ZoomやGoogle Meetを使った会議体制を整えることで、チームでの連携もスムーズに進められるでしょう。

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ネットワークエンジニア(運用・監視)

ネットワークエンジニアの中でも、運用・監視を担当する業務はリモートワークに比較的適しています。なぜなら、多くの監視業務や設定変更は、専用のソフトウェアやリモートアクセスを通じて実行できるためです。現地に出向かずとも、ネットワークの状態を把握し、障害が発生した場合には初動対応を行うことが可能です。

具体的な業務には、ネットワーク機器の死活監視、通信ログの分析、トラブル発生時のアラート対応、ファームウェアのアップデートが挙げられます。これらは、ZabbixやNagiosといった監視ツール、またはネットワーク管理用のダッシュボードを通じてリモートで実施が可能です。

ネットワークエンジニアとしてキャリアを積んでいくためには、TCP/IPやルーティング、VPNの基礎知識が重要なスキルになります。また、障害対応では原因特定と報告を迅速に行う判断力も求められるため、一定以上のコミュニケーションスキルも大切です。

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セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、システムやネットワークの安全を守る専門職です。近年はゼロトラストセキュリティの導入や、クラウド型のセキュリティソリューションが普及しており、より重要な職種として需要が高まっています。

リモートワークにも対応が可能な背景として、オフィスにいなくても脅威の検知・対応を行う体制が整いはじめていることが挙げられます。

たとえば、EDR(エンドポイント検出&応答)やSIEM(セキュリティ情報イベント管理)を使ったログの分析業務は、インターネット経由でクラウドにアクセスすれば、自宅からでもリアルタイムに状況を確認が可能です。

さらに、インシデントが発生した際には、ZoomやSlackを使ってチームで連携し、即時対応も容易に行えるでしょう。

日々の業務では、ファイアウォールやWAFの設定変更、アクセス制御ポリシーの見直し、脆弱性診断の実施などを行います。これらの作業も、VPN経由で社内ネットワークに安全に接続しながら進めることが可能です。

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ITインフラコンサルタント

ITインフラコンサルタントは、企業のシステム基盤に関する課題を抽出し、最適な設計や改善策を提案する職種です。主に上流工程に携わるため、実際の作業よりも「考えること」「伝えること」が中心となる業務になります。

たとえば、現状のインフラ環境をヒアリングし、要件を整理するフェーズでは、顧客と打ち合わせを行い提案書や設計書などに落とし込んでいきます。その際、Web会議ツール(ZoomやGoogle Meetなど)を活用することも可能なため、リモートワークにも対応しています。

提案書や設計書の作成はOfficeツールやドキュメント共有サービス(Googleドライブ、Notionなど)を用い、非対面でも円滑なやり取りも可能です。クラウドサービス(AWS、Azureなど)の設計・構築経験はもちろん、ネットワーク・セキュリティに関する広範な知識、さらに顧客とのコミュニケーション力やプレゼンテーション能力など、幅広い知識やスキルが求められる職種でもあります。

プロジェクトが進行中の場合は、進捗管理や課題共有をチームで行うことも求められるため、業務を円滑に進めるために、専門的なスキル以外も求められます。

オンプレミス環境でもリモート可能な業務

オンプレミス環境とは、企業の社内に物理的なサーバーやネットワーク機器を設置・運用している形態を指します。クラウドに比べるとリモートワークとの相性はあまり良くなく、原則として社内ネットワークへの接続や物理対応が必要な場面が多いのが実情です。

とはいえ、すべてが出社必須というわけではありません。VPNやRDP(リモートデスクトップ)、SSHなどを活用すれば、ログの確認、簡易な設定変更、障害兆候の分析といった一部の業務はリモートでも対応可能です。Zabbixなどの監視ツールを導入していれば、在宅環境からシステム状況を確認することもできます。

ただし、機器の交換やネットワーク配線、初期セットアップなど「現地での対応が前提となる作業」は、どうしても出社が避けられません企業によっては、これらの対応のために常駐や輪番制を設けているケースもあります。

オンプレミス環境でのリモートワークは、「できる業務」と「できない業務」を事前にきちんと切り分け、一部だけでも在宅対応に切り替えていくといった段階的な導入が現実的です。

リモートワークが難しいインフラエンジニアの職種

インフラ業務の中には、物理機器の操作や現場対応を伴うものもあり、リモートワークに不向きな職種も存在します。ここでは、リモート対応が難しい主なケースを紹介します。

オンプレミス環境の保守・設計

オンプレミス環境における保守・設計業務では、サーバーやネットワーク機器などの物理的な設備を直接扱う場面が多くあります。たとえば実際に機器を設置したり、配線を変更したりする作業です。こうした作業は、現地に行かなければ実施できないため、リモートワークでの対応が難しくなります。

ラックマウント型のサーバーを設置する、ストレージのHDDを交換する、ネットワークスイッチを配線するなどの作業は、物理的な作業が必須です。これらの作業はデータセンター内で行われることが多く、リモートで対応することはありません。

また、設計段階においても、現場の配線ルートやラック配置などを把握するために、現地調査が必要になる場合があります。機器の電源容量や熱対策といった物理的制約も検討材料となるため、画面上の情報だけでは判断できないことも少なくありません。

データセンターの運用・保守

データセンターの運用・保守業務は、物理サーバーやネットワーク機器の設置・交換・配線といった作業が日常的に発生する業務です。これらの業務は、現地での手作業を前提としており、遠隔からの実行はできません。

たとえば、障害発生時にはHDDの交換、電源ユニットの点検、ケーブルの再接続など、直接機器に触れる作業が求められます。また、機器を設置する際にはラックへの固定や配線の整理、電源容量の調整なども行わなければならず、現場での対応が必要不可欠な業務になります。

監視やログ確認などの一部業務はリモートでも対応可能ですが、それだけでは運用・保守の全体をカバーすることはできません。データセンター業務は「現場ありき」の職種であり、リモート主体の働き方とは性質が異なるため、リモートワークは難しいといえます。

顧客先常駐型のプロジェクト

顧客企業に常駐するプロジェクトでは、セキュリティポリシーや接続制限、対面重視の文化により、リモート接続が認められていない場合もあります。顧客オフィスのネットワーク環境に依存する作業やトラブル対応など、リモートでは対応できない業務が含まれるケースも多く、柔軟な働き方が難しい職種です。

インフラエンジニアがリモートワーク可能な企業の傾向

インフラエンジニアがリモートで働けるかどうかは、企業の技術環境や働き方の方針によって大きく変わります。近年はクラウドの活用やセキュリティ強化が進み、場所にとらわれないインフラ運用を実現する企業が増えてきました。

クラウドを活用したインフラ構築・運用を行う企業

クラウド技術を積極的に取り入れている企業は、リモートワークとの親和性が非常に高い傾向にあります。

従来のオンプレミス環境では、サーバーの構築・運用や障害対応など、オフィスやデータセンターに赴いて行う必要がありました。しかしクラウドを活用することで、AWSやAzure、GCPといったプラットフォーム上でサーバーやネットワーク、ストレージを構築・管理できるため、エンジニアは自宅など遠隔地からでも業務が行える環境が整ったためです。

さらに、クラウド上ではTerraformやAnsibleなどのツールを用いた自動化が進んでおり、運用効率も大きく向上しています。自動化によって人的ミスの軽減や作業負荷の分散につながり、少人数かつリモートでのインフラ管理も実現しやすくなりました。

こうした背景から、クラウドを主軸とする企業では、社員の働き方に柔軟性を持たせやすく、フルリモートや地方在住のエンジニア採用にも積極的です。

セキュリティが確保されたVPN・ゼロトラスト環境を整えている企業

高いセキュリティ環境を整備している企業はリモートワークが可能な傾向にあります。とくにVPNやゼロトラストアーキテクチャを導入している企業では、社外からの接続においても安全性が確保されており、インフラエンジニアが安心してリモートで業務を行える環境が整っています。

VPNは、社内ネットワークに安全にアクセスするための仕組みです。通信内容が暗号化されるため、外部からの盗聴や情報漏洩を防ぐことが可能です。

また、ゼロトラストとは「誰も信頼しない」ことを前提に、ユーザーのアクセス権限を細かく管理し、すべての通信や行動を常に検証するセキュリティの考え方になります。この仕組みにより、仮に不正アクセスがあった場合でも、被害の拡大を防ぐことが可能です。

こうしたセキュリティ対策を講じている企業では、リモートワーク中でも社内と同等のセキュリティレベルを保ちながら業務を行えます。その結果、サーバーの構築・運用やログの監視といったインフラ系業務も、自宅などから安全に実行することが可能です。

SaaS企業・スタートアップなどリモートワークに適応した業界

SaaS企業やスタートアップ企業は、他の業界と比べてリモートワークに柔軟に対応しているケースが少なくありません。背景には、業務のクラウド化が進んでいることや、働き方に対する意識が先進的であることが挙げられます。

インフラエンジニアにとっても、こうした業界はリモートワークとの親和性が高く、働く場所に縛られない環境が整っているのが特徴です。たとえばSaaS企業では、提供するサービスそのものがクラウド上で完結しているため、エンジニアがオフィスにいなくても業務を遂行しやすい構造になっています。サーバーの監視や構成変更、スケーリング対応などもすべてWebベースで実施でき、VPNやゼロトラスト環境の整備も進んでいる企業がほとんどです。

また、スタートアップ企業は新しい働き方を取り入れる文化が強く、フルリモートやフレックスタイムなどを導入し、オフィスに依存しない運営をしている企業が少なくありません。インフラエンジニアに対しても、場所や時間に縛られず成果で評価するスタンスを持つ企業が多く、地方在住や副業としての参画も歓迎されやすいです。

インフラエンジニアがリモートワークしやすい案件の見つけ方

フリーランスの場合、リモートの可否は案件ごとに異なります。とくにインフラ領域では、企業によってセキュリティポリシーや運用体制の考え方が大きく異なるため、案件内容だけでなく「どのような働き方が許容されているか」も確認することが大切です。

また、リモート対応の案件を多数取り扱っているエージェントや求人サイトを活用すれば、希望に合う案件を効率よく探しやすくなります。ここでは、リモートで働きやすい案件の見つけ方を紹介します。

リモート案件が多いエージェント・転職サイトを活用する

インフラエンジニアとしてリモート勤務を目指すなら、「リモート可」の案件を多く取り扱うエージェントを使うことが近道です。

たとえばエンジニアファクトリーでは、クラウドやDevOps領域のインフラ案件も豊富に掲載されており、「フルリモート」や「一部リモート」での絞り込み検索も可能です。首都圏在住者向けだけでなく、地方在住でも参画可能な案件も取り扱っており、週3〜5日や副業向けなど柔軟な条件の案件にも対応しています。

また、エンジニア出身のコンサルタントが多数在籍しているため、スキルの棚卸しやキャリア志向に合わせた提案を受けながら、無理のない範囲で働けるリモート案件に出会えるのも強みの一つです。

「リモートワーク」「フルリモート」のキーワードで絞り込む

求人検索をする際は、「リモートワーク」や「フルリモート」といったキーワードや条件で絞り込み検索をかけることが基本です。

エンジニアファクトリーの案件検索機能では、「フルリモート」や「一部リモート」などの勤務形態で条件を指定できます。これにより、在宅勤務対応の案件だけを抽出でき、無駄なくマッチした仕事を見つけやすくなります。

また、求人票には「リモート可能日数」「出社頻度」などが記載されていることも多いため、単に“リモート可”と書かれているかどうかだけでなく、詳細までチェックすることが大切です。検索時には「リモート」「在宅勤務」「完全在宅」「テレワーク」など、複数のキーワードを使い分けると、見逃していた案件が見つかることもあります。

企業の採用ページやSNSも参考になる

フリーランスとはいえ、企業文化や働き方の方針は案件選びにも影響します。とくにリモート可否については、企業の採用ページやSNSなどの情報発信が参考になることもあります

採用ページでは、「働き方の柔軟性」や「リモートの実施方針」が記載されているケースも多く、出社頻度やハイブリッド勤務の運用実態が見えることもあります。また、X(旧Twitter)やYouTubeなどで、現場メンバーが働き方を発信している例も増えてきています。

情報収集の手段として、求人票だけでなく企業の公式サイトやSNSも活用し、自分の働き方と合うかを見極める視点を持つことが、案件選びで後悔しないためのポイントです。

インフラエンジニアがリモートワークで求められるスキル

リモート案件を選ぶ際、インフラエンジニアとして求められるスキルには明確な傾向があります。単に「在宅勤務可」の条件だけでなく、どんなスキルがあれば企業側が“安心して任せられるか”という視点が重要です。以下の3つは、とくにリモート環境での信頼構築につながりやすいスキル群です。

クラウドスキル(AWS, GCP, Azure)

リモート対応の案件では、オンプレ環境に比べてクラウドベースで完結する設計・構築・運用業務が中心になります。
そのため、AWSやGCP、Azureのマネージドサービスを“現場目線”で使いこなせることが前提です。

たとえば、AWSならVPC設計・セキュリティグループの制御・IAMポリシー設計まで、設計〜運用の全体像を見渡せることが求められます。実際の案件では、TerraformやCloudFormationを用いた構成管理が標準になっている現場も多く、IaCベースでの構築経験があると評価されやすい傾向にあります。

資格に関しては、あくまで補足材料とはいえ、「AWS SAA」「GCP Professional Architect」などを保持していれば“信頼担保の入り口”として機能するため、提案や商談フェーズでプラスに働きます。

ネットワーク・セキュリティスキル

リモートでのインフラ運用では、通信経路の安定性や、セキュリティ対策の整備は不可欠です。それに対応できるだけのノイズの少ないネットワーク設計や、堅実なアクセス管理の知見がある人材は、リモート案件でも重宝されます。

たとえば、VPN設計やゼロトラストを前提としたアクセス制御、EDRやWAFの選定・運用、社内向け踏み台設計のチューニングなど、机上の知識だけでなく「詰まりどころ」を把握している実務経験が強みになります。

Cisco、FortiGateなどの実機経験、またはLinuxベースのルーティング制御の知識も、リモートの中でも裏方として支えるポジションに向いています。加えて、セキュリティログの収集〜SIEMによる可視化までの一連を経験していれば、SRE寄りのポジションにもシフトしやすくなります。

上流工程のスキル(要件整理・構成設計)

インフラ業務において、リモート案件で評価されやすいのは「手を動かす人」ではなく、自律的に構成を決め、他者に説明できる人です。とくに構成の起点となる上流工程~要件定義や設計工程では、以下のような経験・スキルがあると強い印象を与えます。

  • 顧客要件をもとに「何をクラウドで、何をオンプレで運用するか」まで整理できる
  • SLAやSPOF、コストの制約条件を加味した上で、最適な構成を提案できる
  • ネットワーク/セキュリティ/ログ設計など、横断的な視点で設計を主導できる
  • パフォーマンスチューニングや障害対応の改善提案ができる

加えて、構成図・設計書のドキュメント化、関係者との折衝、アラートルールの設計なども「言語化スキル」として問われます。単なる作業担当から脱し、設計ができるインフラエンジニアのポジションを確立できれば、案件選びでも交渉力が大きく変わってきます

インフラエンジニアがリモートワークをするメリット

インフラエンジニアとして働く中で、リモートワークの導入によって得られるメリットは少なくありません。通勤の負担が減るだけでなく、働き方の自由度が増し、これまで選べなかったような案件にもアクセスしやすくなります。ここでは、インフラエンジニアがリモートワークで実感しやすい代表的な利点を紹介します。

通勤ストレスからの解放と業務効率の可視化

通勤の往復時間がなくなることに充実感を覚える人は多いでしょう。特にオンプレ・大企業案件に多い「都心常駐」「早朝障害対応」などに従事していた方なら、出社だけで1日が消耗していた感覚に覚えがあるはずです。

リモート化することで、単純にの自由時間が生まれるだけでなく、勤務の始めと終わりに集中状態を自分でつくれるようになります。これは、緊急対応や夜間作業があるインフラ系にとって、「疲労の蓄積を自己管理できる」という意味でも大きな利点です。

また、通勤交通費・外食等のコストも減り、実質的な可処分時間・可処分所得が増える結果になります。これは年収に加えて、働く体感値の満足度を上げる要素として見逃せません。

リソースの自由度が高まる

リモートワークによって時間と場所の制約がなくなることで、稼働コントロールの主導権が自分に戻ってくるようになります。

たとえば、日中は常駐案件にフルコミットしつつ、夜間にログ設計や構成見直しのレビュー案件を請けるといった「高密度・短時間」の副業スタイルも十分可能です。また、アドバイザー・監視設計・セキュリティレビューなどは結果を求められるため、稼働場所や働き方への干渉が少なく、リモートとの相性が非常に良い業務です。

物理的な制約にとらわれず、より専門性の高い案件や、新しい技術領域へのチャレンジもしやすくなる点は、リモートワークならではの魅力といえるでしょう。

高単価なインフラ案件に参加しやすくなる

以前は、インフラ系の高単価案件は東京・大阪といった都市部に集中していましたが、現在はクラウド運用を前提とした案件が主流になり、場所に縛られずに参画できる環境が整いつつあります

特に、AWSやAzureなどの設計・構築スキルを持っているインフラエンジニアは、フルリモートで都市部のプロジェクトに関われる機会が増えており、単価や案件の選択肢にも幅が出てきています。加えて、英語の読み書きや海外ツールの利用経験がある方であれば、外資やグローバル向けのプロジェクトにも手が届きやすくなり、1000万円超の年収レンジも現実的です。

実力が可視化されやすいクラウドインフラの分野だからこそ、スキルと成果で評価されるフェアな競争環境がリモートによって広がっているといえるでしょう。

インフラエンジニアがリモートワークをするデメリット

ここで、インフラエンジニアがリモートワークをする際のデメリットについても確認しておきましょう。

リモート案件の数が限られている(特にフルリモート)

現在、インフラエンジニアのリモートワーク案件は必ずしも豊富というわけではありません。とくに「フルリモート」で働ける案件は、限られているのが現実です。

インフラ系業務には物理的な作業がどうしても発生するケースがあるため、完全なリモート対応では業務が遂行できないこともあります。。サーバーの設置やネットワーク機器の交換、オンプレミス環境でのトラブル対応などは現場に赴く必要があり、企業側も「一部リモート可」「週1回出社」といった条件を設けるケースが多くなっています。

また、クラウド環境による業務や監視業務であっても、「情報漏洩リスク」や「社内セキュリティポリシー」によってリモートが制限されることもあります。金融・医療など機密性の高いデータを扱う業界では、セキュリティ重視のためフルリモートが難しい傾向にあります。

今後、さらにリモートワークの案件が増えていくことは考えられますが、現時点では業界全体で案件数が豊富ではないことを理解し、戦略的に動いていくことが必要です。

コミュニケーションの課題

リモートワークはコミュニケーション面での課題が浮き彫りになることもあります。インフラエンジニアの業務は個人で完結する作業もありますが、チームでの連携が重要な場面が多く、リモート環境だと連携の難しさを感じやすくなることは少なくありません。

たとえば、オフィスであれば気軽に声をかけて確認できるような些細なことでも、リモートではSlackやメールなどの文面を介するため、伝達に時間がかかることがあります。また、メッセージの文言が誤解を生むこともあり、コミュニケーションエラーがプロジェクト全体の進行に影響を与えることも考えられます。

障害対応など、迅速な連携が求められるシーンでは、対面でのやりとりに比べて「タイムラグ」が発生しやすくなります。ほかにも、作業の進捗状況や困りごとを共有しづらい環境では、周囲との認識のズレが生じやすくなってしまうでしょう。

チャットだけではなく、ビデオ通話による進捗報告など、意図的にコミュニケーションが図れる仕組みを作ることが大切です。

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セキュリティや業務環境の整備が必要

インフラエンジニアのように、システムの基盤に関わる業務を担う職種では、情報漏洩や不正アクセスといったリスクへの備えが必須になります。

たとえばデータやシステムへのアクセスは、原則として暗号化されたVPNを通じて行うことが必要です。VPNが未整備、あるいは不安定な環境では、通信が傍受される可能性もあり、重大な情報漏洩につながる恐れがあります。また、自宅Wi-Fiを使用する場合も、ルーターのパスワード設定やファームウェアの更新など、基本的なセキュリティ対策を自ら徹底しなければなりません。

業務用端末の管理も大切です。会社から貸与されるPCを使用する場合は、ウイルス対策ソフトの導入や操作ログの記録などが施されていますが、私物のPCで作業する場合にはセキュリティ強化を適切に行わなければなりません。

インフラエンジニアでリモートワークを実現するためには「自己管理と設備投資」が一定数求められます。

未経験・初心者でもリモートワークできるインフラエンジニアになる方法

未経験・初心者でもリモートワークできるインフラエンジニアになる方法としては、次のような方法があります。

実務経験を積める企業に入る

未経験からインフラエンジニアを目指す場合、最初からリモートワーク可能な企業に入るのは難しいのが現実です。なぜなら、多くの企業はインフラ業務において一定の「現場経験」や「実務スキル」を持っていることを前提に、リモート対応を許可しているからです。

そのため、実務経験を積める企業に入社してから、段階的にステップアップするキャリアパスが現実的な方法といえるでしょう。

たとえば、ネットワーク運用やクラウド運用の実務経験を積める企業です。ネットワーク運用では、PingやTracerouteなどの基本的な診断ツールの使い方、ファイアウォールやルーティングの理解を深めていくことができるでしょう。

クラウド運用では、AWSやAzureでのアカウント管理、リソース監視、バックアップ対応などを経験しておくと、のちにリモートワーク案件に応募する際に大きな強みになります。リモートワークを実現させるための下準備として、実務経験が積める企業への入社を目指すのが近道です。

資格を取得してフリーランス・転職市場で有利に

実務経験に加えて「資格」を取得することも有効です。資格を取得することで、未経験であってもスキルの証明を客観的に証明できるからです。とくにクラウドやネットワーク、セキュリティ分野の資格はスキルをアピールする手段として数多く活用されています。

たとえばクラウド系資格であれば、「AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト」「Microsoft Azure Administrator」「Google Cloud Associate Cloud Engineer」などです。これらの資格は、クラウドサービスの設計・運用・セキュリティ管理まで広く備わっていることを証明できます。こうした資格を取得することで高く評価され、在宅でのリモートインフラ構築・保守業務に就く可能性が高まります。

ほかにも「CCNA(Cisco Certified Network Associate)」のようなネットワーク系資格も重要です。ネットワークの基礎技術からルーティング、セキュリティまでスキルを備えていることを証明できます。ネットワーク運用や監視業務に携わる際の基礎力として役立ち、リモート案件でも信頼されるスキルです。

セキュリティ関連であれば、「CISSP(Certified Information Systems Security Professional)」や「CEH(Certified Ethical Hacker)」のような上級セキュリティ資格を取得しておくと、企業からの評価が一気に高まるでしょう。

こうした資格を取得すると、リモートワークの案件を獲得しやすくなります。

フリーランスとしてリモート案件を獲得する

フリーランスとしてリモート案件を獲得すれば、より自由な仕事が行えます。フリーランスは正社員とは異なり、案件単位で業務を請け負うスタイルのため、時間や場所に縛られずに働きたい人にとって非常に魅力的な働き方です。しかし、フリーランスとして案件を安定的に獲得するためには、戦略的な行動が必要です。

具体的には「クラウドワークス」や「ランサーズ」のようなクラウドソーシングサイトや、「エンジニアファクトリー」などのITフリーランス専門のエージェントを活用することです。

たとえばクラウドソーシングサイトであれば、小規模なインフラ設定業務やクラウド構築補助など、初心者でも応募しやすい案件が多く掲載されています。一方、より本格的な案件を求めるなら、ITフリーランス専門のエージェントを活用するのがおすすめです。業務の難易度は高まりますが、週3〜5日のフルリモート案件に出会える可能性が広がります。

また、自らSNSや技術ブログで実績をアピールすることも、案件獲得に直結します。たとえば「X(旧Twitter)」で、インフラエンジニアの知見や作業ノウハウを投稿することでフォロワーを獲得し、企業から声がかかるケースも少なくありません。

SNSにポートフォリオを掲載することも、アピールにつながります。フリーランスとしての活動を通じて、実績や信用を積み上げていけば、案件の単価アップや継続契約にもつながり、正社員よりも高年収を達成することも夢ではありません。

インフラエンジニアのリモートワーク成功パターン

インフラエンジニアとしてフリーランスで活動している方のなかには、「フルリモートで参画したいけれど、なかなか見つからない」と感じている方も多いかもしれません。

実際のところ、インフラ業務は現地対応を含むことも多く、エンジニア全員が最初から在宅勤務できるわけではありません。しかし、クラウド技術や自動化のスキルを活かし、業務の幅を広げていくことで、リモート対応がしやすい案件へとステップアップしていくことは十分可能です。

フルリモートエンジニアの1日

フルリモートで働くインフラエンジニアの1日は、通勤がない分、自分でスケジュールを調整しやすいというメリットがあります。その反面、時間管理やコミュニケーションの工夫が求められる場面も多くなります。

以下はフルリモートエンジニアの1日の一例です。

9:00 業務開始・朝会参加
SlackやZoomでチームメンバーと短い朝会を実施し、当日のタスクや進捗を共有。監視ツール(例:ZabbixやDatadog)でシステムに異常がないかを確認する。

10:00〜12:00 定常作業・障害対応
日常的なバックアップの確認や、クラウド環境(AWS・Azureなど)のリソース整理。夜間にアラートが上がっていれば、対応記録を確認して再発防止策の検討を実施。

12:00〜13:00 昼休憩
昼食、仮眠、軽い運動など。

13:00〜15:00 設計作業・社内打ち合わせ
新しいネットワーク構成やクラウドアーキテクチャの設計。NotionやConfluenceでドキュメント化し、オンラインで共有。必要に応じてZoomでミーティングを行うことも。

15:00〜17:00 構築作業・進捗管理
インフラ構築業務。GitHubを使ってコード管理し、Pull Requestでレビューを受けるなど。進捗はチーム全体で見える化しておく。

17:00〜18:00 報告・明日のタスク整理
チャットで今日の成果を報告し、翌日の業務内容を簡単に整理。

フルリモートにつながるキャリアの一般的な流れ

インフラエンジニアがリモート勤務を実現するには、技術スキルだけでなく「リモート対応可能な領域での実務経験」が必要になります。以下は、フリーランスのインフラエンジニアがフルリモート案件にたどり着くまでの、よくあるステップです。

フェーズ業務内容・関わり方リモート比率・特徴
初期(常駐メイン)運用・監視・保守中心の案件に常駐で参画原則常駐。安定して稼働しながら実績を積む段階
中期(ハイブリッド)設計・構築業務を一部在宅で対応。訪問頻度は限定的リモート併用。クライアントとの信頼構築が進むと融通が利くように
発展(完全在宅可)AWS等のクラウド設計・構築、IaC導入、セキュリティ設計などフルリモート案件に対応。クライアント直請けや長期契約もあり得る

リモート前提でキャリアを組み立てるには?

フリーランスとしてフルリモート案件を目指す場合、技術力だけでなく、業務の進め方や信頼関係の築き方まで含めた「キャリア設計」が重要になります。

まず意識したいのは、リモート対応しやすい技術領域を増やすことです。AWSやAzureといったクラウド環境の設計・構築経験や、Terraform、Ansibleによる構成管理、CI/CDの自動化パイプラインなどは、物理的な現場対応が不要な業務につながりやすいため、リモート案件との相性が良好です。

また、業務や進捗をオンラインで完結させる習慣も大切です。日報や進捗報告をチャットで簡潔に伝える、ソースコードをGitで管理する、ドキュメントはConfluenceやNotionにまとめておくなど、物理的に会う必要がない環境を自分から作っていくことで、クライアント側の不安も軽減されます。

そして何より、顧客からの信頼を得ることがフルリモート化のポイントになります。たとえ最初は常駐からスタートしたとしても、安定したアウトプットや丁寧な報連相を積み重ねることで、「この人なら在宅でも大丈夫」という評価につながり、徐々に稼働条件が緩和されるケースも少なくありません。

なお、案件を選ぶ際には「フルリモートOK」と書かれていても、実際には「最初の1か月は出社」や「週1日は常駐必須」などの例外条件があることも多いため、稼働条件の実態や過去の事例を事前に確認することが重要です。
エージェントを通じて詳細をヒアリングしておくことで、ミスマッチを避けやすくなります。

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企業との間に立って条件交渉も行うため、「フルリモート希望」「地方在住でも参画可能な案件がいい」といったご希望にも柔軟に対応可能です。まずは案件をご覧いただき、興味のある案件があればお気軽にご相談ください。

まとめ

インフラエンジニアでも職種によってリモートワークの実現が難しいものもあります。リモートワークを実現するための必要なスキルや求人の探し方などを解説しましたので、ぜひ本記事を参考にキャリアプランを考えてみてください。

未経験であっても着実なステップを踏むことで、インフラエンジニアとしてリモートワークを実現させることは十分に可能です。自分らしいキャリアを築きたい方は、ぜひ今一度読み返して行動を開始してみてください。

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