活躍しているフリーランスSEのなかには、明確なキャリアプランを描いている人が多くいます。技術の進化の速いIT業界で成果を出し続けるには、目先の案件に取り組むだけでは不十分です。
本記事ではフリーランスSEのキャリアパスや年収の実態、案件獲得のコツを詳しく解説します。独立を考えているエンジニアはもちろん、フリーランスとして活動している方にも役立つ情報が満載です。本記事を参考にして、キャリアを成功させるための道筋をつかんでください。

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フリーランスSEの現実的なキャリアプランとは
フリーランスSEの現実的なキャリアプランを描くには、SEの魅力と課題を理解しなければなりません。
魅力は、自由度の高さや収入のコントロール、自己成長性です。自分のペースで仕事を選びスキルアップを図りながら、高単価案件を獲得していけば収入アップも可能です。フリーランスSEの働き方には収入の不安定さや案件獲得の難しさといった課題も潜んでいます。
魅力と課題をしっかりと理解し、長期的な視点で自身の成長戦略を描きましょう。

フリーランスSEの主なキャリア選択肢
フリーランスSEのキャリアプランを描く上で、どのような選択肢があるのかを知っておくべきです。選択肢を知らずにキャリアを描いてしまうと、狭い視野で判断してしまい成功の芽を積んでしまうかもしれません。
現在置かれている環境のみでキャリアを考えるのではなく、可能であれば周囲の人やフリーランスエージェントなども活用して広い視野でキャリアを考えましょう。
主なキャリア選択肢は以下の3つです。
- 個人事業の拡大
- チーム構築
- 再就職
個人事業の拡大
フリーランスSEにとって個人事業の拡大は魅力的なキャリアパスの一つです。クラウドソーシングサイトなどを活用して小規模な案件からスタートし、実績を積み重ねていきましょう。プラットフォームでの評価が高まれば、より高単価の案件を獲得しやすくなります。
同時に直接取引にも取り組むべきです。過去のクライアントや知人のネットワークを活用し、長期的な関係を築ければ安定した収入源を確保できます。特定の技術領域でのスキルを磨きスペシャリストとして認知されれば、高単価案件の獲得につながります。
収入基盤を安定させるには、複数のクライアントと並行して仕事を進めるといいでしょう。特定の案件が終了しても収入が途絶えるリスクを軽減できます。
チーム構築
チーム構築はフリーランスSEがより大規模な案件に挑戦するために有効です。技術コミュニティやミートアップイベントに積極的に参加し、同じ志を持つフリーランスエンジニアとのネットワーク構築が求められます。
信頼できる仲間とチームを組めば、個人では受注が難しい大規模案件にも対応可能です。収入の増加だけでなく、複雑で挑戦的なプロジェクトで経験が積めるというメリットもあります。チームメンバー間でスキルを補い合えば、弱点をカバーしつつプロジェクト全体の質を高められます。
効果的なチーム運営のためには、明確な役割分担と円滑なコミュニケーションが欠かせません。定期的なミーティングを実施するなどして、チームの一体感を高めましょう。
再就職
フリーランスSEの経験は再就職時に強みとなります。多様なプロジェクトで培われた幅広いスキルセットは、企業にとって大きな魅力です。特に以下のスキルは多くの企業で求められている具体例です。
- 複数の言語やフレームワークの経験
- クラウドサービスの活用能力
- アジャイル開発の実践経験
フリーランスとして培ったビジネス感覚や顧客対応力は、チーム内でのコミュニケーションや顧客との折衝において高く評価されます。自己管理能力や時間管理スキルも、フリーランス経験を通じて磨かれており即戦力として評価されるポイントです。
再就職を考える場合はフリーランス時代の実績をポートフォリオとしてまとめ、具体的な成果や習得したスキルを明確に示しましょう。

【職種別】フリーランスSEの現実的なキャリアプラン
ここからは以下の4種類のエンジニアについて、スキルアップや案件獲得のポイントを解説します。フリーランスSEが各エンジニアのキャリアプランを描く上で必要なスキルや、案件例についても表でまとめます。
- システムエンジニア
- Webエンジニア
- アプリエンジニア
- インフラエンジニア
各エンジニアのキャリアステップを参考にして、自身の現実的なキャリアプランの作成に活用してください。順番に見ていきましょう。
システムエンジニア
システムエンジニアの必要スキルや案件例、キャリアアップのステップは以下のとおりです。
必要スキル | 要件定義設計スキルプロジェクト管理能力(例:WBS作成、進捗管理) |
案件例 | ERP導入プロジェクト業務系システムの設計・構築案件 |
キャリアアップのステップ | 要件定義の経験を積み、クライアントとの折衝能力を高める→プロジェクト全体を管理できるポジションを目指す |
システムエンジニアのキャリアでは、上流工程に携わるスキルを磨くといいでしょう。要件定義や設計能力を高めていけば、高単価案件の獲得につながります。プロジェクトマネジメントスキルや業務知識を身につけて、PMやコンサルタントを目指すのもおすすめです。
Webエンジニア
Webエンジニアの必要スキルや案件例、キャリアアップのステップは以下のとおりです。
必要スキル | HTML/CSSJavaScriptReact/Vue.js などのフレームワーク |
案件例 | ECサイト構築中小企業のWebサイトリニューアルCMSカスタマイズ(例:WordPress) |
キャリアアップのステップ | 初級案件(静的サイト制作など)から始め、フレームワークやAPI連携技術を学ぶ→フルスタックエンジニアとしてフロントエンド・バックエンドのスキルを統合する |
フリーランスのWebエンジニアとしてキャリアを重ねるなら、フロントエンドとバックエンドのスキルアップが重要です。UIUXデザインやSEOの知識を身につければ、案件の幅が広がります。高単価の案件を獲得するためには、大規模Webアプリケーション開発に挑戦するといいでしょう。
アプリエンジニア
アプリエンジニアの必要スキルや案件例、キャリアアップのステップは以下のとおりです。
必要スキル | Swift(iOS)Kotlin(Android)Flutter(クロスプラットフォーム開発) |
案件例 | スタートアップ向けのモバイルアプリ開発既存アプリの機能追加UX/UIデザイン実装 |
キャリアアップのステップ | 小規模アプリ開発の経験を積む→設計やアーキテクチャ選定ができるエンジニアに成長→リードエンジニアとしてチームを率いる |
フリーランスが、モバイルアプリ開発の需要が高いアプリエンジニアとしてキャリアを積むには、iOSとAndroid双方のスキルを磨くといいでしょう。SwiftUIやJetpack Composeなどの最新のUI開発フレームワークへの対応力も強みになります。
インフラエンジニア
インフラエンジニアの必要スキルや案件例、キャリアアップのステップは以下のとおりです。
必要スキル | クラウド技術(AWS、Azure、GCP)仮想化技術(Docker、Kubernetes) |
案件例 | クラウド移行プロジェクト大規模ネットワーク設計セキュリティ強化案件 |
キャリアアップのステップ | 小規模のサーバー構築・運用から始める→クラウド環境の構築やセキュリティ設計を習得→アーキテクトやコンサルタントとして大規模案件を担当 |
インフラエンジニアのキャリアには、クラウド技術への精通が不可欠です。Infrastructure as Code(IaC)スキルや、CI/CDパイプラインの構築スキルを持っていれば、より高単価の案件獲得につながるでしょう。
フリーランスSEのメリットと課題
職種別フリーランスSEのキャリアプラン形成に着手したら、改めてフリーランスSEのメリットと課題を理解しておきましょう。現実的なキャリアを考えた場合、これまでメリットだと思っていたものと異なるものがメリットになる場合もあります。
以下にフリーランスSEのメリットと課題を詳しくまとめます。場合によってはキャリアプランの見直しが必要になるかもしれません。現実的なキャリアプランと照らし合わせて理解を深めてください。
メリット
フリーランスSEの最大のメリットは、自身の市場価値を直接収入に反映できる点でしょう。スキルアップを重ねれば高単価案件の獲得チャンスが広がります。クラウド技術やAI開発などの最新スキルを磨けば、年収が大幅にアップする可能性も十分にあります。
働き方の柔軟性も大きなメリットです。オフィスに縛られず、自宅やコワーキングスペースなど好きな場所で仕事ができます。時間の使い方も自由度が高く、海外を拠点にリモートワークをする「デジタルノマド」のライフスタイルも選択肢の一つです。
多様なプロジェクトに携わり幅広い経験が積めるのも魅力です。異なる業界や規模の案件を経験すればビジネス感覚も磨かれ、将来的なキャリアの選択肢を広げます。
課題
フリーランスSEの最大の課題は安定した案件の確保です。安定して案件を獲得するには、複数の案件を並行して進める「ポートフォリオワーク」や長期契約の獲得を目指しましょう。クラウドソーシングサイトやエージェントの活用、直接営業といったアプローチで案件を探す必要があります。
継続的なスキルアップも避けては通れません。技術の進化が速いIT業界では、常に最新の知識やスキルを身につける努力が求められます。会社員と違い、研修などの機会が少ないため、自主的に学習を進める強い意志が必要です。プロジェクト管理や見積もり作成、契約交渉といった技術以外の面でも能力が問われるため、ビジネススキルの向上にも取り組みましょう。
フリーランスの年収相場
フリーランスとしてキャリアを積み上げる前に、年収相場を理解しておきましょう。年収相場を知らずにフリーランスSEに転身して、年収が下がって後悔しても遅すぎます。事前にフリーランスの年収相場を理解しておけば、キャリアプランを描く際の参考にもなります。
「これくらいの年収なのであれば、別のキャリアも検討しよう」などと考える方もいるでしょう。フリーランスSEの平均年収がどれくらいなのか、社内SEと比較するとどうなのか解説します。
フリーランスSEの平均年収
フリーランスSEの年収はスキルや経験、案件の種類によって大きく変動します。エンジニアファクトリーが保有する案件の平均単価は67万円/月(2025年1月時点)であり、これを単純に12ヶ月分として計算すると年収は約804万円です。
この数字はあくまで目安であり、実際のフリーランスSEの年収は個人によって大きく異なります。高度なスキルを持つフリーランスSEの中には、年収1,000万円を超える人も少なくありません。経験が浅かったり営業力が弱かったりする場合は、この平均を下回ります。
フリーランスSEの年収アップを目指すなら、常に市場のトレンドを把握し需要の高いスキルを身につけて、高単価案件の獲得を目指しましょう。
社内SEとの年収比較
社内SEの年収はフリーランスSEと比較すると一般的に低めです。社内SE転職ナビの保有するすべての求人では、最低年収の平均が540万円で最高年収の平均が915万円となっています(2025年1月時点)。
フリーランスSEの方が有利に見えるものの、年間を通じて常に案件があるとは限らない点や、税金や社会保険料が自己負担である点も考慮しなければなりません。社内SEはフリーランスSEに比べると、安定した月給と賞与や各種福利厚生がある点で優れています。
フリーランスSEと社内SEのどちらを選ぶかは、個人の価値観やキャリアゴール、リスク許容度によって異なります。両者のメリット・デメリットを十分に理解した上で判断しましょう。
案件獲得の方法
フリーランスSEのキャリアを安定させるためには、継続的な案件獲得が重要です。案件を獲得する方法をひとつに絞らず、状況に合わせて使い分けるといいでしょう。仮にひとつの方法で行き詰ったとしても、他の方法を知っていれば道は開けます。ここでは案件獲得方法として、以下の3つを解説します。
- 知人紹介
- クラウドソーシング・直接営業
- エージェント活用
自身の状況と照らし合わせながら、各方法を理解しましょう。
知人紹介
フリーランスSEにとって知人や元同僚からの紹介は、非常に効果的な案件獲得方法です。すでに信頼関係が構築されている人からの紹介であるため、案件の質や条件が比較的良好である可能性が高いためです。
知人紹介を活用するには、日ごろからネットワーキングを大切にしましょう。技術コミュニティへの参加やSNSでの情報発信、元同僚との定期的な交流などを通じて自身の存在や提供できる価値をアピールします。過去に一緒に仕事をした人々との良好な関係維持も、将来の案件獲得につながります。
紹介された案件は特に責任を持って取り組まなければなりません。期待以上の成果を出せば、さらなる信頼と新たな紹介につながる好循環が生まれるからです。
クラウドソーシング・直接営業
知人からの紹介が見込めない場合は、クラウドソーシングの活用や直接営業をおすすめします。クラウドソーシングサイトでは、多様な案件が常時掲載されており自身のスキルや希望条件に合った仕事が見つかりやすいです。
クラウドソーシングを効果的に活用するには、自己PRや提案書の作成スキルが求められます。ほかのフリーランスとの差別化を図り、クライアントのニーズに的確に応えられる点をアピールしましょう。小規模な案件から着実に実績を積み、評価を高めていけばより大型で高単価の案件獲得につながります。
直接営業はLinkedInやXなどのSNSを活用して、潜在的なクライアントとの接点を作りましょう。技術ブログの執筆やオープンソースプロジェクトへの貢献など、自身の専門性をアピールする活動も間接的な営業活動として効果的です。
エージェント活用
専門のフリーランスエージェントを活用すれば、効率的に案件獲得が可能です。エージェントは豊富な案件情報と業界ネットワークを持っているため、フリーランスSEの経験やスキルに合った案件を適切にマッチングしてくれます。
エージェントを活用する最大のメリットは時間の節約です。案件探しや条件交渉などの煩雑な作業をエージェントが代行してくれるため、フリーランスSEは本業のスキルアップや現在の案件に集中できます。
長期的なキャリア形成の観点からもアドバイスを提供してくれるのもメリットです。エージェントと良好な関係を築き信頼できるパートナーとして付き合えば、長期的に安定した案件獲得につながるでしょう。

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まとめ
フリーランスSEのキャリアは自由度の高さと高収入の可能性を秘めた魅力的な選択肢です。技術力の向上と並行してビジネススキルの習得も必要であるため、職種別のキャリアプランを理解しておく必要があります。
本記事ではフリーランスSEがキャリアを重ねていくうえで必要な情報をまとめました。年収相場や案件獲得方法についてもまとめているので、実際の活動にご活用ください。もし時間を節約して効率よくキャリアを積むのであれば、エージェントを利用しましょう。
ライター:にのまえ はじめ
・プロフィール
大手精密部品メーカーで社内SE・PGを経験。その後、国内のSIerに転職し生産管理システムの開発・導入・保守・運用を担当。現在は自らIT企業を立ち上げ、顧客企業のDX化やIT化による業務改善の支援を行っている。並行して企業サイトやWebメディアでライターとしても活動中。趣味は筋トレ・プロレス観戦。
Website:https://writer.yui-road.com/
