2022/05/6

フリーランスエンジニアになるまでに経験年数はどのくらい必要?【1年・3年・5年で比較】 

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フリーランスエンジニアになるまでに経験年数はどのくらい必要?【1年・3年・5年で比較】 

終身雇用や退職金制度がない会社も増えているなかで、フリーランスエンジニアという選択肢を検討しているエンジニアの方も多いのではないでしょうか?今回は、フリーランスエンジニアになるまで、どのくらいの実務経験があれば良いのかについてエージェント目線でお伝えさせていただきます。ただ、実際はエンジニアとしての経験年数だけではなく、コミュニケーション力や現場との相性も見られるので参考程度にしてもらえればと思います。

経験年数3年で、フリーランスエンジニアになっても大丈夫?

経験年数3年で、フリーランスエンジニアになっても大丈夫?

開発の案件規模やスキル要件などによって異なるため一概に言えませんが、弊社のフリーランスエンジニア案件サイトであるエンジニアファクトリーに掲載している案件の多くが、実務経験3年以上という条件になります。そのため、開発経験3年を一つのボーダーラインとして考えても良いかもしれません。

開発エンジニアとしての経験年数が3年の場合

経験が3年といっても、エンジニアには要件定義、基本設計、詳細設計、プログラミング/開発、テスト、保守など、さまざまなプロセスが存在し、どのプロセスでどれだけの実務経験があるかによって変わります。どの部分において専門性があるかはもちろん、案件規模や経験した開発言語の種類によっても、選択できる案件の幅は異なります。

また、フリーランスになれば、クライアントとのコミュニケーションや連絡はすべて自分自身で行わなければいけません。そのため、クライアントに対してヒアリングをする、調整をするなどの役割を担った経験があると有利です。

インフラエンジニアの経験が3年の場合

インフラエンジニアには、サーバー、ネットワーク、セキュリティ、クラウドに関する全般的な知識が求められます。サーバーは、Windowsか、Linuxか、Unixかによって変わってきます。もちろん、多いに越したことはありません。特に、LinuxはWindowsやUnixと比べると、エンジニアの数が少なく需要が高いです。案件によっては、セキュリティ対策、システムのサイバー攻撃リスクの評価、セキュアプログラミングなど、セキュリティエンジニアに近い業務を依頼されるケースもあるので、セキュリティに関する知識があるとなお良しです。

近年は、クラウドの需要が高いため、 AWS(Amazon Web Services)、Azure、GCP(Google Cloud Platform)といった経験もあると、選べる案件の幅は広がるでしょう。

実務経験1年で、フリーランスエンジニアになるのは厳しい?

実務経験1年で、フリーランスエンジニアになるのは厳しい?

「エンジニアとして1年働いてみたけれど、給料が低いからフリーランスとして独立をしたい」と考えている人も少なくないでしょう。しかし、実務経験1年で、フリーランスエンジニアになれるものなのでしょうか。詳しく見ていきます。

開発経験が1年の場合

結論から言うと、フリーランスとしてエンジニアをすることはできますが、選べる案件の種類は少ないです。理由としては、経験値が足りなかったり、視野が狭かったりするために、ルーチンワークやそこまでスキルが求められない業務しか任されないためです。 1年目から、顧客システムや自社システムの開発プロジェクトに関わったのであれば、チャレンジしてみても良いかもしれません。しかし、上司の開発案件でヘルプ的に開発をしていた、開発業務はしておらずテスト業務だけだったということであれば難しいかもしれません。

インフラエンジニアの経験が1年の場合

インフラエンジニアの場合、ヘルプデスクからスタートして、監視、保守・運用、設計・構築というキャリアパスをたどるのが一般的です。そのため、インフラエンジニアで実務経験が1年だと、ヘルプデスクまたは監視のみしか経験がなく、保守・運用、設計・構築が未経験ということになります。多くの案件では、実務経験が応募要件に含まれていることが多いです。運用の経験を1年以上積んでから、フリーランスになった方が得策でしょう。

スキルが身につかず、単価が上がらない恐れも

開発エンジニア、インフラエンジニアに共通して言えることですが、実務経験が1年程度でフリーランスになることは可能ですが、選択できる案件の幅は狭いです。また、運よく案件にジョインできても、開発業務はなくヘルプデスクや保守などがメインとなり、新しいスキルを獲得するのに時間がかかってしまい、案件単価が上がらない恐れがあります。

フリーランスでは、1人のプロフェッショナルとして仕事を依頼されるため、現場で教えてもらうことも難しいでしょう。

経験が1年程度のエンジニアが、実務経験が豊富な人と対等に渡り歩くためには、独学で勉強・スキルアップし、単価を問わずにさまざまな案件に挑んで、実務経験を積み重ねるほかありません。予想以上の学習とアウトプットが求められることは理解しておきましょう。

エンジニアの経験年数が5年以上ある場合

エンジニアの経験年数が5年以上ある場合

エンジニアとして、5年程度の実務経験があれば、テストから設計・開発、保守・運用といった開発一連のサイクルを経験しているため、選べる案件の数もグッと増えるでしょう。また、要件定義やプロジェクトリーダー、アーキテクト、PMなど上流工程を経験している方は、さらに市場価値が高くなります。経験年数が5年を超えてくると、エンジニアとしての技量だけでなく、課題解決能力、チームマネジメント、プロジェクト推進力、ステークホルダーとの調整力など、エンジニア以外のスキルが問われます。

開発経験が5年の場合

開発経験が5年あれば、特定の言語に振り切ることもできます。開発言語の中でもPythonは、AI(機械学習・ディープラーニング)、ブロックチェーン開発などの分野で使われる言語ということもあり、急速に需要を伸ばしています。他にも、スマートフォンアプリ開発で使われるSwiftやGO、Kotlinも、少しずつですが需要が伸びてきつつあります。比較的新しい言語であるため、プレイヤーが少なく狙い目です。

また、新しい開発言語を習得して幅を広げる選択もできます。フリーランスの求人でも、複数言語を要件とするケースが多いため、扱える言語が多いに越したことはありません。余力がある方は、新しい言語の習得にチャレンジしてみましょう。

さらに、マネジメントの実務経験がある方は、上流工程のキャリアも考えられます。要件定義やプロジェクトリーダー、アーキテクト、PMなどになれば、やはり報酬金額も高くなります。

インフラエンジニアとしての経験が5年の場合

Windows、Linux、Unixのいずれかだと案件の選択肢が少なくなるため、すべての環境で経験を積んでおくことをおすすめします。もし、専門性を高めるのであれば、Linuxを中心にスキルを磨いていくと良いでしょう。

また、インフラエンジニアの案件の中には、要件として資格の有無を問うケースもあります。シスコシステムズ社が提供するベンダー資格「CCIE」、Linux技術者の認定試験「LPIC」、日本オラクル社が提供するデータベース認定試験「ORACLE MASTER」といった資格は取得しておいて損はありません。

近年は、ITインフラの仮想化が進んでいるため、クラウドに関する知識も求められています。AWS(Amazon Web Services)、Azure、GCP(Google Cloud Platform)などの知識、Infrastructure as Codeのスキルに加え、多少のプログラミング言語を習得しておくと、なお良いでしょう。

フルスタックエンジニアという選択肢も

フルスタックエンジニアという選択肢も

1つの選択肢として、システムエンジニアとインフラエンジニアなど複数のスキルをもつフルスタッフエンジニアという道もあります。開発スピードの向上や人件費削減の観点から、フルスタックエンジニアは重宝される傾向にあります。

フルスタックエンジニアとは?

エンジニアリング業務における要件定義、基本設計、詳細設計、プログラミング/開発、テスト、保守・運用といった業務プロセスと、サーバー、データベース、ネットワークなどさまざまな領域において一気通貫で行えるエンジニアのことを指します。「マルチエンジニア」とも呼ばれます。従来は、細分化された役割分担のもと、複数人数で開発を行っていましたが、IT技術における需要の多様化・複雑化に伴って、幅広いITスキルや知識を持ったフルスタックエンジニアが求められるようになってきています。

フルスタックエンジニアが求められる理由

なぜ、これほどまでにフルスタックエンジニアが求められるようになったのでしょうか。それには、大きく以下の2つの理由が考えられます。

人件費の削減

パソコン、スマートフォン、タブレット、IoT、クラウドなど、IT技術の発展によって便利なサービスが次々と誕生する一方で、会社が管理・運用しなければならない端末やシステム、ソフトウェアは増え続けています。管理には専門的な知識を有するエンジニアの存在が必要不可欠です。さらに、近年はDX改革が注目されるように、システム開発や導入を迅速に進めることが、事業成長の要となるとされており、経営とは切っても切り離せない存在になりつつあります。

しかしながら、カバーしなければいけないシステムやソフトウェアの範囲は増えており、各専門職のエンジニアを雇用・育成するとなると、人件費が増えてしまいます。このような背景から、複数の役割をこなせるフルスタックエンジニアの採用ニーズが高まっています。特に、中小やスタートアップは予算が限られているため、特にニーズが高いです。

開発速度の向上

近年は、従来のウォーターフォール型開発から、短い期間で設計、実装、デプロイのサイクルを回すアジャイル開発へと開発体制が変わり、よりスピードが要求されるようになってきました。フルスタックエンジニアを採用すれば、引き継ぎや連携などを迅速に行えるため、リリース後の機能改善や、バグ修正などにも柔軟に対応できます。

フルスタックエンジニアに必要なスキル

フルスタックエンジニアになるには、フロントエンドやバックエンド領域におけるプログラミングや開発のスキルを基礎として、Windows、Linux、UnixといったOSやTomcat、ApacheやMySQLなどのミドルウェアにおけるスキル、さらに加えてAWS(Amazon Web Services)、Azure、GCP(Google Cloud Platform)などクラウドに関するスキルも持っておくと活躍できる幅は非常に広くなります。

エンジニアの経験年数ごとの月収ってどのくらい?

エンジニアの経験年数ごとの月収ってどのくらい?

エンジニアにおいて、何より開発言語や保有スキルが欠かせないものの、経験年数も同じく重視されます。ここでは、エンジニアの経験年数ごとの月収について解説します。

開発の経験別

Python、Swift、C言語の3つのケースで解説します。

開発経験が1年の場合

【1年未満の場合】

Python月収45万円前後
Swift月収45万円前後
C言語月収35万円

【1年以上2年未満の場合】

Python月収50万円前後
Swift月収55万円前後
C言語月収43万円前後

1年未満では、開発言語ごとに金額差はなく、35〜45万円の間でしたが、1年を超えると、開発言語によって金額差が出てきます。C言語と、Swiftの月収の差は12万円にもなります。

開発経験が3年の場合

Python月収62万円前後
Swift月収65万円前後
C言語月収45万円前後

PythonやSwiftは、1年以上2年未満と比べると10万円近く月収が増えていますが、C言語はわずか2万円しか増えていません。

開発の経験が5年の場合

【5年弱の場合】

Python月収70万円前後
Swift月収75万円前後
C言語月収55万円前後

【5年以上の場合】

Python月収80万円前後
Swift月収80万円前後
C言語月収60万円前後

開発言語によって差が大きい

経験年数が増えるにつれ、月収は多くなりますが、開発言語によって上がり幅が異なることがわかります。5年以上においては、PythonやSwiftとC言語の差は20万円にもなります。 会社員時代の月収よりも増やしたいという方は、月収が高い開発言語に注目しましょう。時期によって開発言語の単価は変動しますが、需要の高いPython、Swiftなどが代表的なものとして挙げられます。比較的新しい言語のGOやRなどは、そこまでプレイヤーが多くないため、高単価になる傾向になります。

インフラエンジニアの経験別

案件規模や開発環境などによって異なりますが、週5回常駐と仮定したときのおおよその月収目安について解説します。

インフラエンジニアの経験年数が1年30万円前後/月
インフラエンジニアの経験年数が3年55〜65万円前後/月
インフラエンジニアの経験年数が5年80万円〜100万円前後/月

まず、インフラエンジニアの経験が1年の場合、月収の相場は30万円前後です。経験年数が1年だと、ヘルプデスクまたは監視の経験にとどまるため、任される業務の幅は少ないでしょう。

次に、インフラエンジニアの経験が3年の場合は、月収の相場は55〜65万円前後です。3年間であれば、保守・運用、インフラの施工管理、ネットワーク開通といった業務まで経験していることが多いでしょう。条件面にこだわらなければ、案件の選択肢はかなり広いです。クラウドに関する経験があると、さらに報酬単価は高くなる傾向にあります。

最後に、インフラエンジニアの経験が5年の場合は、月収の相場は80万円〜100万円前後です。5年であれば、ヘルプデスクまたは監視〜インフラ構築、一通りインフラエンジニアとしての業務を経験しているため、ほとんどの案件に関わることができます。 また、チームのサブリーダーやリーダー、プロジェクトリーダーなどの経験があれば、上流工程の業務にも携われるため、さらに単価が高くなります。

どのタイミングでフリーランスになるのが良い?

どのタイミングでフリーランスになるのが良い?

では、実際にどのタイミングでフリーランスになるのが良いのでしょうか。弊社にてご支援しているインフラエンジニアの事例を参考に、それぞれ1年、3年、5年でまとめてみました。

実務経験1年でフリーランスエンジニアになった方1年目:37万円、2年目:38万円、3年目:39万円
実務経験3年でフリーランスエンジニアになった方1年目:60万円、2年目:62万円 3年目:64万円  
実務経験5年でフリーランスエンジニアになった方1年目:80万円、2年目:83万円 3年目:85万円  

もちろん上記はあくまで一例です。しかし、繰り返し説明しているように開発経験が浅いうちにフリーランスになると、案件でしかスキルを獲得する機会がないため、成長するには自力で学ぶ貪欲さと、新しいことにチャレンジできる覚悟が必要となります。

フリーランスは品質と成果が重視される世界なので、案件でミスやトラブルが多ければ、継続的な発注は見込めません。会社組織の研修やプロジェクトを通して、上司や先輩から基礎スキルや知識を教えてもらいたい方は、最低でも開発経験を3年積んでからフリーランスになることをおすすめします。

まとめ

エンジニアファクトリーフリーランス

フリーランスエンジニアは、自分に適した案件やプロジェクトを自由に選択できる魅力的な働き方ですが、「自由である=稼げること」はまったく別物です。なぜフリーランスという働き方を選ぶのか、自分が考える理想の働き方を明確にしてから、案件を選びましょう。フリーランスエンジニアとして、どうキャリアを作っていけば良いかわからない、フリーランスになろうか悩んでいる方は、当社エージェントに登録してみてはいかがでしょうか。エンジニアファクトリーでは、キャリアプランの作成などのアドバイスはもちろん、案件紹介なども行っております。

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また、フリーランスエンジニアが独立前にやるべきアクションについてはこちらの記事で詳しく解説されています。ご参考にしてください。
参考:フリーランスエンジニアが独立直後に案件獲得するには?独立前にやるべき4つのアクション|コンサルキャリア