Objective-Cは、iOSのアプリ開発で一時代を築いたプログラム言語です。一方で現在では、iOS開発向けの新たな言語としてSwiftが登場し、世代交代が進んでいます。では、これからiOSアプリの開発を行うエンジニアは、どちらの言語を習得するべきなのでしょうか?
この記事ではObjective-Cの起源や特徴、Swiftとの違い、学習方法、将来性などを解説します。Swiftが主流の現代でも、Objective-Cはいまだ価値のある言語です。
エンジニアとしてiOSアプリの開発現場で活躍したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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- Objective-Cとは
- Objective-Cの特徴
- SwiftではなくObjective-Cを利用するメリット
- Objective-Cの学習方法
- Objective-Cの需要と将来性
- エンジニアの案件ならエンジニアファクトリー
- まとめ
Objective-Cとは
Objective-Cはオブジェクト指向型のプログラミング言語であり、AppleのiOSやMacOSなどの開発に広く使用されています。
Objective-Cの特徴は、C言語とオブジェクト指向を融合させた点です。C言語の基本構造をベースにしており、そこにSmalltalkというオブジェクト指向言語が取り入れられています。オブジェクト指向のC言語といえばC++が有名ですが、C++とは異なる考え方で作られた言語です。
現在はSwiftという新しいプログラム言語が、iOSアプリの開発で主流として使われています。ですがAppleに長年採用されてきたObjective-Cも、依然としてiOSやMacOSの開発において重要な言語であり続けています。
Objective-Cの歴史
Objective-Cは、1980年代にブラッド・コックス氏とトム・ラブ氏によって開発されました。彼らは、C言語の効率性にSmalltalkのオブジェクト指向を組み合わせることで、パワフルで使いやすいプログラミング言語を生み出しました。
Objective-Cが世に広く知られることになったきっかけは、Appleのオペレーティングシステムである「Mac OS X」の開発言語として使われたことです。その後、iOSの開発言語としてiOSアプリの開発に長く使用されてきました。
しかし2014年にAppleが新たな開発言語「Swift」を発表したことで、Objective-Cの役割は徐々に縮小し、現在では二番手の言語となっています。
Objective-CとSwiftの違い
Objective-Cは効率性や汎用性の高い言語ですが、構文の分かりにくさやメモリ管理などに注意を払う必要がありました。
これらの課題を解消するためにAppleが新たに開発したのが、2014年に発表されたSwiftです。Swiftはシンプルで直感的な構文を備え、Objective-Cのオブジェクト指向機能とC言語の良さを継承しつつ、プログラマーがより安全かつ効率的にコードを書くことを可能にしました。
Swiftは「Objective-Cの上位互換」といっても差支えなく、現在ではiOSやMacOS、watchOS、tvOSといったAppleのプラットフォーム全体で使われています。
Objective-Cの特徴
Objective-Cの主な特徴は、以下の3つです。
- オブジェクト指向
- C言語をベースとしている
- ノウハウが多く存在する
それぞれ詳しく解説します。
オブジェクト指向
Objective-Cはオブジェクト指向言語です。オブジェクト指向とは、プログラムを「オブジェクト」と呼ばれる独立した単位で設計し、それぞれのオブジェクトが相互に情報をやり取りしながら動作する仕組みです。
オブジェクト指向の特性によって、あるオブジェクトが他のオブジェクトの機能を利用でき、コードの再利用やメンテナンスが容易になるといったメリットがあります。
これによりObjective-Cは、柔軟かつ効率的にソフトウェア開発を行うことができます。
C言語をベースとしている
Objective-Cは、C言語を基盤として作られたプログラミング言語です。C言語の文法を使用したり、C言語で書かれたライブラリや関数を呼び出したりすることができます。
C言語のメリットは処理速度の早さや汎用性の高さです。Objective-CはこのようなC言語のメリットを持ちつつ、さらにオブジェクト指向の導入によって開発の効率性や保守性を高めています。
ノウハウが多く存在する
Objective-Cは長年にわたりiOSアプリの開発に利用されてきた言語であり、その結果として膨大な数のノウハウと情報が蓄積されています。
インターネットで検索すれば、サンプルコードやトラブルシューティングについての情報を多く発見することができるでしょう。これらの情報を利用することで、開発者は効率的に作業を進めることができます。
SwiftではなくObjective-Cを利用するメリット
すでに述べたとおり、SwiftはObjective-Cの上位互換にあたるプログラム言語です。しかしObjective-Cには、Swiftにはないメリットもあります。その最たるものは、長い歴史の中で培われた豊富なライブラリとノウハウです。
Objective-Cは既存のフレームワークやライブラリを活用し、幅広い分野に対応することができます。反対にSwiftは歴史の浅い言語のため、分野によっては最適なライブラリがないものもあります。Objective-Cを使用して新規の開発を行うケースは少なくなっていますが、SwiftからライブラリとしてObjective-Cを参照することで、Swiftの弱点を補うような使い方も可能です。
Objective-Cの学習方法
Objective-Cを学習する際に必須となるのが、以下の2つの知識です。
- C言語
- オブジェクト指向
この2つを学習することで、Objective-Cの理解が深まるだけでなく、他の言語へ応用が利くというメリットもあります。それぞれ詳しく解説します。
C言語を学習する
Objective-Cの学習にはC言語の知識が不可欠です。Objective-CはC言語をベースに作られた言語であるため、C言語の基本概念を学習することで、Objective-Cを深く理解する土台を築くことができます。
またC言語は、制御構造やデータ型、関数、ポインタなどの基本的なプログラミング概念を学ぶのに適した言語です。そのため、Objective-C以外のプログラミング言語の基礎を学ぶことにもなり、一石二鳥の効果を期待できます。
学習する方法としては、C言語の教科書やオンライン教材、スクールの利用などが考えられます。また実際に小さなプログラムを作成してみることも、理解を深めるのに効果的です。
Objective-C以外の言語について知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

オブジェクト指向を学習する
Objective-Cはオブジェクト指向を使用した言語のため、使いこなすにはオブジェクト指向の学習が必要です。オブジェクト指向の概念やClass(クラス)、Method(メソッド)、継承などを理解することで、Objective-Cの各機能を深く把握することが可能となります。
例えば「クラス」を理解すれば、Objective-Cでのデータ型の設計やオブジェクトの生成が理解できます。また「継承」を理解することで、既存のクラスを基に新たなクラスを効率よく作成できるようになるでしょう。
オブジェクト指向はJAVAやC++など様々な言語で使われるため、Objective-Cの利用に限らず、プログラマーが学んでおきたい概念の1つです。
Objective-Cの需要と将来性
現在ではiOSやMacOSの開発において、Swiftが主流の言語です。しかしObjective-Cの需要もすぐにはなくならないと予想されます。その理由は、Objective-Cが長年にわたりAppleの主要なプログラミング言語として使用されたことで、多数のアプリケーションやライブラリがこの言語で作られているためです。
Objective-Cで書かれたiOSアプリケーションをメンテナンスするには、Objective-Cの知識が必要です。また今後は、Objective-CからSwiftへの移行が進むことが予想され、その際にもObjective-Cの知識が求められるでしょう。
これからiOS開発のスキルを身につける場合は、まずはSwiftの学習を優先すべきです。その上でObjective-Cのスキルを習得することで、幅広い案件に対応できるエンジニアになれるでしょう。
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まとめ

Objective-Cは、C言語をベースにしつつオブジェクト指向の特性を併せ持った歴史の長いプログラミング言語です。現在ではSwiftの台頭により出番は減少傾向にありますが、既存アプリケーションやライブラリのメンテナンスのため、Objective-Cの需要も依然として存在します。
Objective-Cを学ぶことでiOS開発のスキルが深まり、複数の言語を扱えるという強みを得ることが可能です。
ITエンジニアにとって、Objective-Cは引き続き価値あるスキルと言えるでしょう。
Objective-CやSwiftを使ったスマートフォンアプリ開発について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。