糖質を摂りすぎると、体重が増えたりするだけではなく、病気になってしまうこともあります。糖質の過剰摂取は「血糖値スパイク」を引き起こすからです。血糖値スパイクは食事以外に、飲み物が原因となることがあります。
缶コーヒーや炭酸飲料のほかにも、スポーツドリンクや乳酸菌飲料、野菜ジュースといった一見「体に良さそうな」飲み物にも、実は多くの糖分が入っています。甘い飲料に入っている糖分は、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖といった血糖値を急上昇させる液状の糖です。
今回は、血糖値スパイクがなぜ起こるのか、症状とリスク、予防法について詳しく解説します。
デスクワークが多くなりやすいエンジニアとって、血糖値スパイクは他人事ではありません。

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血糖値スパイクとは
急激に血糖値が上がり、インスリンの過剰分泌によって短時間に血糖値が乱高下する現象を「血糖値スパイク」と言います。
血糖値スパイクを繰り返すと、血管内皮が傷ついて動脈効果を起こしやすくなります。血糖値スパイクは、糖尿病とは診断されません。普段の血糖値は正常であるにもかかわらず、食後の血糖値が急激に上昇する現象です。
健康診断で「異常なし」でも安心できないのが血糖値スパイクで、隠れ糖尿病・糖尿病予備軍などとも言われます。
血糖値スパイクのリスク
食後や間食後、摂取した糖質は消化され、血液中にとりこまれて血糖値が上昇します。血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンの働きにより、ブドウ糖が細胞に取り込まれるので、血糖値は2時間以内に正常値に戻ります。このように人のからだは、血糖値を一定の値で保つようにコントロールされています。
糖質を一気にたくさん摂取してしまうとどうなるでしょうか。血糖値が急激に上がると、膵臓は追いかけるようにインスリンを分泌させ、インスリンの作用によって血糖値は急降下します。
このような糖質の取り方を繰り返していくと、糖尿病だけではなく、動脈硬化による心疾患、脳梗塞、がんになるリスクが高くなります。
血糖値スパイクの症状と対策
「食後に急激に眠くなる」「お腹がすくとイライラする」などは誰もが体験するものだと感じていませんか?実はその症状は、血糖値スパイクの症状かもしれません。
繰り返しになりますが、急激な血糖値上昇があると、インスリンは大量に分泌され、血糖値が急下降します。インスリンの過剰分泌があると、今度は血糖値が下がりすぎてしまい「機能性低血糖症」になります。
低血糖を起こすと、体は以下のような反応が起こります。
眠気・だるさ
食後に強い眠気やだるさを感じるのは、インスリンの過剰分泌による低血糖症が関係していることがあります。特に、糖質の多い食事を摂った後に血糖値が急上昇すると、それを下げるためにインスリンが大量に分泌されます。しかし、その影響で血糖値が下がりすぎると、脳へのエネルギー供給が不安定になり、眠気や倦怠感を引き起こします。
血糖値が急降下して低血糖状態になると意識が朦朧としたり、時には気絶することがあり、注意が必要です。その症状は様々で、血糖値低下が軽度の場合は「あくび、思考の鈍化」、もっと低下すると「頭痛、眠気、倦怠感、いらだち、無気力」「冷や汗、めまい」、ひどくなると「意識不明、昏睡」などの症状が出てくると言われています。
対策としては、高GI食品(白米・パン・麺類など)を単体で摂るのではなく、食物繊維やタンパク質を一緒に摂ることで血糖値の急激な変動を防ぐことが挙げられます。また、一度に大量の食事を摂るのではなく、1日3食+間食のように少しずつ分けて食べると、血糖値が安定しやすくなります。
適度な運動を取り入れるのも良いでしょう。食後に軽いウォーキングをすることで、血糖値の急上昇を抑え、眠気やだるさを軽減できます。
頭痛
食後血糖値と関連する頭痛には大きく2種類あり、一つは低血糖による頭痛です。もう一つは慢性的な動脈硬化によって引き起こされる頭痛です。それぞれの特徴と原因を詳しく見ていきましょう。
低血糖による頭痛
食後に血糖値が急激に低下することで起こる頭痛です。特に糖質の多い食事を摂った後に発生しやすく、次のような症状を伴うことがあります。
- 眠気
- 冷や汗や手の震え
- ふらつきや集中力の低下
- 強い空腹感
これは、「反応性低血糖」とも呼ばれ、糖質を摂取した直後にインスリンが過剰に分泌され、その影響で血糖値が急降下することが原因です。特に、白米やパン、麺類などの高GI食品を大量に摂った後に発生しやすいと言われています。
まず、低血糖による頭痛を防ぐためには、食事の摂り方に注意することが大切です。特に、糖質を一度に大量に摂取すると、インスリンが過剰に分泌されて血糖値が急激に下がるため、できるだけ糖質の摂り方を工夫することが重要になります。
具体的には、白米やパン、麺類などの糖質が多い食品を単体で食べるのではなく、食物繊維やタンパク質を一緒に摂ることで、血糖値の急上昇を抑えることができます。例えば、ご飯を食べる際に野菜や豆類、肉や魚などを組み合わせることで、血糖値の変動を緩やかにすることが可能です。
また、一度に大量の食事を摂るのではなく、こまめに少量ずつ食事をとることも効果的です。特に、長時間何も食べずに空腹状態が続くと、食事の際に血糖値が急上昇しやすくなるため、朝食を抜かずに適量を摂ることや、間食としてナッツやチーズ、ヨーグルトなどを活用するのも良い方法です。
このように、食事のバランスや摂取方法を工夫することで、低血糖による頭痛を予防しやすくなります。
慢性的な動脈硬化による頭痛
一方、長期間にわたる高血糖が続くと、血管がダメージを受けて動脈硬化が進行し、血流が悪くなることで頭痛を引き起こします。このタイプの頭痛は、特に糖尿病や高血圧の人に多く見られ、以下のような特徴があります。
- 鈍い痛みが続く
- 首や肩のコリを伴う
- 天気の変化やストレスで悪化しやすい
動脈硬化による血流障害が原因なので、単なる頭痛薬では根本的な改善にはならず、生活習慣の見直しが重要になります。
まず、食生活を見直し、運動を習慣化することが大切です。糖質の摂取を適量に抑え、食物繊維やタンパク質をしっかり摂ることで、血糖値の急変動を防げます。さらに、ウォーキングや軽い筋トレを取り入れることで、血流を改善しやすくなります。
また、血圧の管理も重要です。塩分を控えめにし、適度な運動やストレス管理を心がけることで、高血圧を予防し、血管への負担を軽減できます。ストレスがたまると血圧が上がりやすいため、リラックスする時間を作ることも効果的です。
加えて、ストレッチやマッサージを取り入れることで血流を促進し、頭痛の予防につなげられます。特に、首や肩の筋肉をほぐすことで、脳への血流を改善しやすくなります。長時間同じ姿勢が続く場合は、1時間に1回程度、軽いストレッチを行うのがおすすめです。
血糖値スパイクのリスク
血糖値スパイクは上記のような症状以外にも、次のような健康リスクにつながります。
血糖値スパイクは動脈を傷つける
血糖値の乱高下が続くと、最終的に血管の弾力性が失われ、動脈硬化が進行します。
高血糖の状態が続くと、AGEs(終末糖化産物)が蓄積され、血管にダメージを与えます。さらに、血糖値の急激な変動によって血管の内皮細胞が酸化ストレスを受け、損傷を繰り返すことで、血管が硬くなり、狭くなっていきます。
この状態が進行すると、血流が悪化し、最終的に脳梗塞や心筋梗塞といった重大な疾患のリスクが高まるのです。そのため、血糖値の急上昇・急降下を防ぐ食生活や生活習慣の見直しが、健康な血管を維持するために重要になります。
血糖値スパイクは認知症のリスクをあげる
血糖値スパイクは、認知症のリスク要因とも考えられています。血糖値の急変動は脳にダメージを与え、自律神経を乱す可能性があります。その結果、認知機能が低下しやすくなります。
糖尿病は認知症のリスクファクターであるという論文にもあるように、血糖が高い状態が続くと血管の中にアミロイドβ(ベータ)という有害物質が蓄積して、アルツハイマー認知症の原因の一つとなります。
血糖値スパイクを起こしやすい人
ここで、血糖値スパイクを起こしやすい人の特徴を見ていきましょう。
食生活の特徴
血糖値スパイクを起こしやすい人の食習慣には共通点があります。不規則な食生活や特定の食品の偏りが大きな要因となります。食事が不規則で欠食をよくする人や、炭水化物だけ食べるを人は注意しましょう。
外食で多い麺とチャーハンの組み合わせや、おにぎりや菓子パンだけを食べる人は、タンパク質や野菜と一緒に取る場合と比べて血糖値が急上昇します。
また、甘い飲料に入っているぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖などは血液に溶けやすく、血糖値を急上昇させペットボトル症候群を起こす可能性があります。缶コーヒーは、角砂糖にして3~6個分、カフェオレで約11個分、微糖コーヒーでも1.5~2個分、サイダーなどの炭酸飲料500mlは約17個分、清涼飲料水で約7~9️個分入っていますので、食事以外で多量の糖分を摂取することになり、すぐに1日の摂取量を超えてしまいます。
運動習慣の特徴
運動不足も血糖値スパイクのリスクを高める要因です。特に食後の運動不足が問題です。デスクワークが長く、座位時間が長いこともリスクに挙げられます。
他にも寝不足で1日6.5時間未満の睡眠の方は、血糖値が上がりやすいといわれています。睡眠不足になると、インスリンの動きを悪化させるホルモン(グレリン)が多く分泌されるためです。
血糖値スパイクの自己診断・セルフチェック10項目
血糖値スパイクを防ぐためには、自分の生活習慣を振り返り、リスクを早期に把握することが重要です。以下のチェックリストで、自分の血糖値スパイクリスクを確認してみましょう。

原因は脳疲労?デスクワークで甘い物が欲しくなる理由
デスクワークや集中を要する作業を続けると、脳のエネルギー消費が増加し、甘いものを欲することがあります。これは、脳がブドウ糖を主要なエネルギー源としているためです。しかし、糖分を過剰に摂取すると血糖値が急上昇し、反動で低血糖を引き起こしやすくなるため、注意が必要です。
脳は、血液中のブドウ糖と、必要に応じてケトン体をエネルギー源として利用します。しかし、単純糖質(砂糖や精製された炭水化物)を過剰に摂ると、血糖値の乱高下を引き起こし、脳の働きを低下させることがあります。長期的に見ると、インスリン抵抗性のリスクを高め、認知機能の低下につながる可能性も指摘されています。
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脳の健康を保つための栄養と甘いものの選び方
脳のエネルギー補給には、糖質だけでなくバランスの良い栄養が必要です。特に、タンパク質(肉・魚・卵・大豆製品)を摂ると、血糖値の急変動を防ぎ、エネルギーが安定します。また、ビタミンB群(玄米・ナッツ・豚肉)は糖の代謝を助け、脳疲労を軽減します。さらに、鉄やマグネシウム(ほうれん草・ナッツ・魚介類)は神経伝達をサポートし、集中力を維持する役割を持ちます。
食物繊維(野菜・全粒穀物)も血糖値の急上昇を防ぐため、甘いものを摂る際はフルーツやナッツ、高カカオチョコレートを選ぶのが理想的です。これらは血糖値を緩やかに上げ、脳のエネルギー補給に適しています。適切な食事を心がけることで、脳の働きを安定させましょう。
パワーナップで脳疲労を回復
脳疲労を回復するためには、ディスプレイやスマホから目を離し、短時間の仮眠(パワーナップ)をとることが効果的です。パワーナップとは、12時から15時の間に行う、5分〜20分ほどの短い昼寝のことを指します。
この短時間の睡眠により、脳の負担が軽減され、疲れが取れやすくなります。さらに、パワーナップ後は、集中力の向上、記憶力の強化、作業効率のアップが期待できます。また、ストレスの軽減や気分のリフレッシュにもつながるため、脳の健康を維持するうえで効果的な方法です。
ポイントは次のとおりです。
- 20分以内に収める
- 夜の睡眠に影響を与えないよう昼過ぎ(12時〜15時)に行う
- 仮眠後はコーヒーや軽いストレッチで覚醒する
パワーナップを習慣化することで、脳疲労を防ぎ、仕事や勉強のパフォーマンスを向上させることができます。
血糖値スパイク予防のポイント
血糖値スパイクを放置すると糖尿病のリスクが高まり、膵臓の機能も低下します。しかし、糖尿病予備軍の段階で適切な食事や運動を取り入れれば、発症を防ぐことができます。
食事では、甘い飲み物を控え、水やお茶で水分補給することが大切です。食事の順番も意識し、まず野菜を食べ、その後に肉や魚、ご飯の順で摂ると血糖値の急上昇を防げます。また、1日3食を規則正しく摂ることで、血糖値の急変動を抑えることができます。
運動も血糖値コントロールに有効です。食後に肩甲骨寄せ運動をすると脂肪燃焼が促進され、足踏み運動は手軽な有酸素運動として効果的です。スクワットは全身の筋肉を鍛え、血糖値の安定に役立ちます。さらに、サイドパンチを取り入れることで、お腹まわりの脂肪燃焼を促すことができます。
日頃から食事と運動を意識し、血糖値スパイクを予防しましょう。
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食後の血糖値スパイクは集中力の低下や疲労につながり、エンジニアのパフォーマンスにも影響を与えます。効率よく働くためには、健康管理だけでなく、自分に合った働き方を選ぶことも重要です。
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まとめ
血糖値スパイクは、食後に血糖値が急上昇し、その後急激に低下する現象です。無自覚のまま進行することも多く、食後の強い眠気や集中力の低下が頻繁に起こる場合は要注意。この状態が続くと、仕事のパフォーマンスにも影響を与えかねません。
エンジニアにとって、安定した思考力と集中力を維持することは重要です。血糖値スパイクを防ぐには、食事の順番を意識し、適度な運動を取り入れることが効果的。特にリモートワークやデスクワークが多い人ほど、日々の習慣を少し変えるだけで改善につながります。
長く快適に働くために、ぜひ今回の記事をきっかけに、自分の生活習慣を見直してみてください。