2024/03/04

フリーランスエンジニアが経費として落とせるもの、落とせないもの

カテゴリ 働き方
フリーランスエンジニアが経費として落とせるもの、落とせないもの

近年では働き方の多様化が進み、フリーランスエンジニアとして働く人も増えてきました。フリーランスであれば様々な支出を経費として計上できるというのはよく聞きますよね。また、日頃から「これは経費になるのか?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。今回はフリーランスエンジニアの経費について解説していきます。正しい知識をつけて常識的な範囲で節税を行えるように心がけましょう。

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そもそも経費とは?

経費とは事業を行うにあたって、必要なものを購入する費用のことであり、税金の計算に大きく影響がある費用です。フリーランスは事業で得た収入に対する所得税を計算し、税務署に申告することになっています。この所得税は一年間で得た売上から必要経費を差し引いた所得金額に対して課税することになります。そのため、経費が多ければ多いほど所得金額が抑えられ、納める税金を抑えることができるのです。

そもそも経費とは?

フリーランスにおける経費の重要性

所得税はその所得に応じて納税金額が決まるため、経費を把握していなければ確定申告を適切に行うことができません。フリーランスの場合はこの確定申告を税理士などに頼まない場合には自分でやる必要があるため、正しく税金を納めるためにも売上と経費の管理は非常に重要なのです。

経費にできるもの・できないものの基準

経費は確定申告の際に売上から差し引くことができますが、なんでも経費にできるわけではありません。基本的に経費にできるもの・できないものの基準は「業務に必要かどうか」という点が重要です。フリーランスは経費にするものも自分で判断する必要がありますが、この基準をまずは覚えておくようにしましょう。ただし、プライベートと事業の両方を兼ねる支出については別途算出して申請する必要があります。例えば、家賃や光熱費などです。このような支出については事業として使った分のみを費用として計上するようにしましょう。

フリーランスエンジニアの経費として落とせるもの

フリーランスエンジニアの経費として落とせるもの

フリーランスエンジニアが経費として落とせるものの代表的な項目について確認していきましょう。また、家賃と光熱費については事業に使った分のみを計上する必要があるので注意が必要です。

  • 旅費交通費

業務のために使った交通費や宿泊費

  • 通信費

インターネットや電話代、レンタルサーバーやドメイン利用料など

  • 広告宣伝費

自分をアピールするためにかかった費用。名刺や展示会参加費用など

  • 接待交際費

取引先との食事や接待

  • 消耗品費

プリンターのインク代や事務用品など10万円未満のもの

  • 減価償却費

パソコンや車など10万円以上のもの

  • 新聞図書

業務に必要とする書籍や雑誌、新聞など(自宅用の新聞購読料は対象外)

  • 給料賃金・外注費
  • 租税公課

個人事業税や固定資産税、自動車税など

  • 地代家賃と光熱費

事業に使った分のみ計上が可能

家賃や光熱費を経費計上する方法

フリーランスエンジニアの場合、自宅の一部を仕事場として使っているケースもあるのではないでしょうか。家賃や光熱費のように事業とプライベートの両方で使っている支出は「家事関連費」と呼ばれ、一部を経費として計上することが可能です。プライベートと事業で使用している分を分ける按分を「家事按分」といい、事業で使用したと明確に主張できる比率を経費として計上することが可能です。ただし、家事按分は青色申告のみなので注意してください。

賃貸の場合

賃貸の場合は、使っている床面積の割合や使用時間帯で按分します。

  • 使用している面積で按分する場合

事業に使っている面積率を家賃にかけて算出します。

(例) 家賃15万円、50平米のマンションで10平米を事業として使っている場合は、10平米÷50平米×15万円=3万円を経費とすることが可能です。

  • 使用している時間で按分する場合

事業にかかっている時間率を家賃にかけて算出します。 (例)家賃15万円、1日8時間、1ヶ月20日稼働している場合は、1ヶ月に8時間×20日=160時間稼働。1ヶ月の時間(24時間×30日)の内、22%を事業に充てているため、15万円×22%=3.3万円を経費とすることが可能です。

持ち家の場合

持ち家の場合は、減価償却費、固定資産税、管理費、住宅ローンの金利分などです。自宅を所有していることで発生する費用は使用割合をかけて経費として算出できます。ただし、住宅ローン控除を受けている場合は注意が必要です。事業の使用割合を50%以上に設定してしまうと控除が受けられなくなります。経費とするのか控除とするのかは事前に確認をしてから費用計上するようにしましょう。その他、水道・ガス・電気などの光熱費についても事業用として認められる分のみ経費として計上することが可能です。

条件付で経費計上できるもの

その他、条件付であれば費用計上できるものについてご紹介します。事業との関連性を考え、経費として計上できるか考えてみるようにしてください。

  • 衣装代・美容代

基本的には衣装や美容代は個人の生活における支出と考えられます。経費として計上するためには業務上必要があり、そのために特別に購入したということを主張できなければなりません。事業がフリーランスエンジニアのみの場合には認められないケースが多いでしょう。

  • 冠婚葬祭の交際費

事業に関係のある企業や団体の冠婚葬祭であれば祝儀や香典も経費として計上できます。

  • 駐車場代

業務の移動で車を必要とする場合は計上可能です。

フリーランスエンジニアの経費として落とせないもの

フリーランスエンジニアの経費として落とせないもの

経費にならないものは基本的に「事業に関係のない支出」です。具体例を以下にご紹介していきます。

  • プライベートで使った費用

家族や友人との飲食代は経費として計上することはできません。また、保育料も対象外となっているので注意が必要です。

  • 健康診断の費用

経費にもできず、医療控除の対象にもなりません。家族分も対象外です。

  • 国民健康保険や国民年金の掛け金

事業ではなく個人にかかる支出のため、経費にはできませんが、社会保険料控除として所得から差し引くことができます。

  • 所得税や住民税

フリーランスエンジニアの経費の取り扱いにおける注意点

フリーランスエンジニアの経費の取り扱いにおける注意点

経費の取扱いや管理において気をつけておくべき点をご紹介します。エンジニアに関わらず、フリーランス全般に言えることですが、フリーランスは全てを自分で管理しなければなりません。具体的には売上や経費の管理、帳簿への記帳などです。場合によっては税務調査が入り、帳簿やレシート・領収書の提示を求められることもあるため、これらの管理は日頃からきっちり行うようにしてください。また、経費率(売上に対する経費の割合)も意識するようにしておきましょう。

レシートや領収書の保管

「レシートや領収書はもらっておくように」というのをよく聞いたことはないでしょうか。経費として何か購入した場合は必ずレシートや領収書を保管しておいてください。経費を計上する場合、業務に必要なものとして購入した商品の領収書を7年間保管しておく必要があります。確定申告の際に領収書の提出を求められることはありませんが、税務調査が入った場合に領収書やレシートの提出を求められることがあるからです。青色申告の場合は7年、白色申告の場合は5年の保管義務があるので捨てないようにしましょう。

帳簿への記帳

事業で得ることができた収入は必ず帳簿に記帳することを忘れずに。経費は申告すると課税対象額を減らすことができますが、記載義務はないのです。計上しなくても課税対象金額が増えるだけで自分自身が損をするだけで、国からお咎めはありません。しかし、収益は全て記載しておく義務があり、記載不足があった場合は所得税の過少申告につながります。過少申告が税務調査で見つかった場合はペナルティが課されたり、罪に問われたりするので注意が必要です。

経費率の割合には注意

経費率というのは売上に対する経費の割合のことを指します。課税対象となる所得を少しでも減らしたいがために、できるだけたくさん経費に計上したいと思う人もいるでしょう。しかし、収入に対して経費が多すぎると税務署からチェックが入るため注意が必要です。これは業種や人によっても多種多様であり、一概には言えないのが実情です。しかし、経費率が同業者に比べて極端に乖離がある場合は不正関与が疑われる可能性もあるので気をつけましょう。

まとめ

今回はフリーランスエンジニアの経費について解説しました。経費にできるかどうか迷った時にはまず「事業に関連した支出か」という視点で振り返るようにしてみてください。フリーランスの場合はエンジニアという職種であっても経費や売上の管理や計算も大切な仕事になります。売上管理ができる請求書や、クレジットカードの利用履歴や経費の証拠になる領収書やレシートは大切に保管しましょう。正しく経費を計上して、節税を行うためにも自分自身で学びながら税金に関する知識をつけるようにしてください。