1. なぜ「指示待ち」では評価されないのか
言われたことはきちんとやっている。バグも出さない。遅刻もしない。それなのに、なぜか評価が上がらない——そんな違和感を抱えながら仕事をしているエンジニアは、少なくないはずです。
「スキルは問題ないはずなのに、単価が頭打ちになっている」
「上司や先輩に比べて、何が違うのか分からない」
「主体性が大事だとは分かっているが、具体的に何をすればいいのか分からない」
今回インタビューしたのは、SES企業でバックエンドエンジニアとして4年間キャリアを積みながら、単価55万円・評価「普通」の状態が続いていた中川さん(28歳・仮名)。エンジニアファクトリーへの相談をきっかけに「評価される行動」を理解し直し、主体性を具体的な行動に落とすことで単価80万円を実現した方です。
スキルは十分あった。足りなかったのは、「評価される動き方」を知っていたかどうかだった——その気づきのプロセスと、実際に変えた行動の中身を語っていただきました。
「仕事は真面目にやっているのに、なぜか評価されない。その理由が、相談するまで分からなかったんです」

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2. プロフィール紹介

プロフィール
氏名:中川 洋(仮名)
年齢:28歳
居住地:千葉県
職種:バックエンドエンジニア
前職:SES企業
現在:フリーランス
スキル・経験
メインスキル:Java / Spring Boot(4年)
DB:MySQL、PostgreSQL、Redis(基礎)
インフラ:AWS(EC2、RDS、S3)、Docker
その他:Git / GitHub、REST API設計・実装、単体〜結合テスト
得意領域:業務システム・基幹系バックエンド開発
当時の働き方・評価
相談前の単価:月55万円(停滞)
相談後の単価:月80万円(実現)
評価:「可もなく不可もなく」が続いていた
ポジション:担当者レベル(リードや提案の経験なし)
課題認識:「何を変えればいいか分からない」状態
Before|常駐時代の状況
- タスクは確実にこなしているが、指示の範囲を出ることはなかった
- 「指示待ち」と評価されていることに違和感があった
- 単価・評価ともに伸び悩み、何を変えるべきか分からない状態
- 周囲の評価が高い人との違いが、自分では見えていなかった
3. Before|評価されなかった理由
3-1. 指示された仕事はこなしていた
――当時の仕事ぶりを振り返ってみて、どんな状態でしたか?
技術的には問題なかったと思います。Java / SpringBootで4年やってきていて、担当したタスクはきちんとこなせていた。バグを出すことも少なかったし、納期に遅れることもほぼなかった。「真面目にやっている」という自負はありましたね。
ただ、タスクの範囲を出ることはしていなかった。「これを実装してください」と言われたら実装する。「確認してください」と言われたら確認する。それ以上のことを、自分から動いてやったことはなかったと思います。
3-2. しかし評価は伸びなかった
――評価はどのような状態でしたか?
単価は55万円から変わらないまま2年以上が経っていました。上長との評価面談でも「問題はない」と言われるんですが、「問題ない」以上にはならない。「もっと積極的に動いてほしい」という言葉はもらうんですが、具体的に何をすればいいのかが分からなくて。
現場によっては「指示待ちだよね」という評価をされることもあって、それがどうも腑に落ちなかったんです。自分としては指示に従って仕事しているつもりなのに、なぜそれが「指示待ち」と言われるのか、意味が分からなかった。
3-3. 原因が分からない状態
――何が足りないのか、自分では分析できていましたか?
全然できていませんでした。「主体性が大事だ」とは何度も聞いていたし、分かってはいたんです。でも「主体性って具体的に何をすること?」という問いに対して、自分なりの答えが出せなかった。漠然と「自分から動くこと」とは思っていても、現場でどう動けばいいのかが分からなかった。
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4. Turning Point前夜|違和感の正体
4-1. 評価される人との違い
――評価されている同僚や先輩との違いは、どこにあると感じていましたか?
評価されている人を観察していると、「仕事の仕方が違う」と気づきました。同じタスクでも、「終わりました」だけじゃなくて、「終わりました。次にこれが必要だと思います」まで言う。問題が起きたとき、「こういう問題が起きています」だけじゃなくて、「こう対処しようと思いますがいかがですか?」まで言う。
つまり、「報告」に「提案」がセットになっているんですよね。自分は報告しかしていなかった。その差が「積極性」や「主体性」として見えていたんだと、あとから気づきました。
4-2. 自分なりに改善を試みたが限界
――自分で何か改善しようとしましたか?
「もっと積極的に発言しよう」と思って、会議でいつもより発言を増やしたりしました。でも、的を外れた発言をして空気が微妙になったり、余計なことを言って逆にネガティブな印象を与えてしまったりして。「積極性を出そうとすること」と「評価される積極性」は違うんだと感じましたね。
4-3. 「何が足りないのか分からない」
――エージェントに相談するきっかけは何でしたか?
一人で考えていても堂々巡りになるので、外部の視点が必要だと思いました。「自分のことは自分が一番分からない」という感覚があって。エンジニアファクトリーに相談したのは、単価アップの方法を教えてもらうというよりも、「なぜ自分は評価されないのか」を客観的に分析してもらいたかったからです。
「主体性が大事と言われるたびに、うなずきながらも『で、具体的に何をすればいい?』とずっと思っていました」

5. Turning Point|主体性の本質を理解した瞬間
5-1. 相談のきっかけ
――エンジニアファクトリーへの相談はどのように始まりましたか?
フリーランス向けのエージェントを調べていてエンジニアファクトリーを見つけました。最初から「転職・独立したい」という強い意思があったわけではなく、「今の状況を変えるにはどうすればいいか、客観的に見てほしい」というつもりで連絡しました。担当者にそう正直に伝えたら、「まずは現状を整理しましょう」という話になって、気負わずに相談できましたね。
5-2. 市場から見た評価ポイント
――相談して、どんなことが分かりましたか?
担当者に「Java4年でその単価は、スキル以外の部分で評価を下げる要因があります」とはっきり言われました。具体的には、「技術力は十分だが、現場での貢献の見せ方が弱い」というフィードバックでした。
クライアントは「タスクをこなす人」ではなく、「一緒に問題を解決してくれる人」を高く評価するんだと教えてもらって。「実装できること」は前提で、そこから先に「どう動くか」が評価を決める——その構造を初めて言語化してもらいました。
5-3. 主体性=具体行動と理解
――「主体性」というものを、どう理解し直しましたか?
「主体性を発揮する」という言葉が抽象的すぎたんだと気づきました。担当者は「報告・確認・提案の3パターンで考えてみてください」と言ってくれたんです。報告には次のアクションを添える。確認は自分の解釈を先に示す。問題は解決策とセットで伝える。これだけで「主体性がある」という印象に変わる、と。
「それだけでいいんですか?」と思いましたが、実際にやってみたら全然違いました。
5-4. 改善すべきポイントの明確化
――具体的に何を改善すべきか、整理できましたか?
三つ整理できました。一つ目はコミュニケーションパターンの変更。二つ目はスキルシートに「どんな提案や改善をしたか」を加えること。三つ目は「主体性が評価される案件・環境」を選ぶこと。これまで「とにかくスキルを上げれば評価される」と思っていたのが、まったく別の方向に解決策があると分かりました。
6. 成長戦略|主体性をどう行動に落としたか
6-1. 提案・改善を意識した行動
――実際に行動として何を変えましたか?
一番変えたのは、「報告の仕方」です。「終わりました」ではなく、「終わりました。テストも通っています。次はXXを進めようと思っていますが、優先度はいかがですか?」という形に変えました。これだけで、クライアントからの反応が変わりましたね。「いつも次のこと考えてくれてるね」と言ってもらえるようになった。
問題発生時も変えました。以前は「〇〇というエラーが発生しています」と報告するだけでしたが、「〇〇というエラーが発生しています。A案とB案で対応できます。工数的にはA案が軽いですが、将来的な保守性ではB案が優れています。どちらが良いですか?」という形に。「問題を持ってくる人」から「解決策を持ってくる人」へ、というシフトです。
主体性を「行動レベル」に分解すると
| 場面 | 指示待ちエンジニアの行動 | 主体的エンジニアの行動 |
|---|---|---|
| タスク着手時 | 「何をすればいいですか?」と聞く | 「〇〇をこのように進めようと思いますが、認識合ってますか?」と確認する |
| 問題発生時 | 「〇〇が問題です」と報告する | 「〇〇という問題が起きました。A案・B案で対応できます。Aを推奨します」と提案する |
| 仕様が曖昧なとき | そのまま進めるか止まる | 「ここが曖昧なのでこう解釈しました。問題あれば修正します」と進める |
| 自分の担当範囲外の問題 | 「私の範囲外です」と伝える | 「担当外ですが気になったので確認しました」と共有する |
| タスク完了時 | 「終わりました」と報告する | 「完了しました。テストも通っています。次は〇〇が必要かと思います」と伝える |
6-2. コミュニケーションの変化
――コミュニケーション面ではどんな変化がありましたか?
「仕様が曖昧だな」と思ったとき、以前は止まるか、そのまま進めるかしていました。今は「ここが曖昧だったのでこう解釈しました。問題があれば修正します」という形で進めるようになった。「自分で判断して、ちゃんと共有する」というコミュニケーションが、評価を大きく変えることを実感しました。
会議での発言も変わりました。「発言を増やす」ではなく、「何か感じたら、確認の形で一言添える」という発言の仕方にしたことで、的外れな発言が減って、逆に発言の重みが上がった感じがします。
6-3. 自己PR・スキルの見せ方改善
――スキルシートや自己PRはどう変えましたか?
スキルシートに「技術名」だけでなく「どんな提案や改善をしたか」を追加しました。たとえば「Spring Bootでバックエンド開発」だけでなく、「APIのレスポンスタイム改善を提案し、N+1問題の解消でレスポンス速度を平均60%向上させた」という形で書き直した。
「どんな技術を使えるか」よりも「その技術でどんな価値を生んだか」を伝えることで、書類の通過率が大きく変わりました。スキルシートは「実績の証明書」だと気づいたんです。
7. 案件選定と評価の変化
7-1. 案件選びの基準変更
――案件を選ぶ基準はどう変わりましたか?
「どんな技術を使えるか」だけで選んでいたのを、「主体性・提案が評価される環境かどうか」も軸に加えました。エージェントから「この案件はメンバーの意見を取り入れるカルチャーがある」「この案件はクライアントとの距離が近く、提案機会が多い」などの情報をもらえたので、「評価されやすい環境かどうか」を見極めて案件を選ぶようになりました。
7-2. 評価される環境の選択
――「評価される環境」とはどういう環境ですか?
提案が歓迎される文化があること、改善の裁量が与えられること、フィードバックをもらえること——この三つだと思います。どれだけ主体的に動こうとしても、「黙って言われたことだけやって」という環境では評価されない。環境を変えることで、同じ行動が全然違う評価につながる。
今の案件に入ってみて、「ここなら自分の動き方が活きる」と感じました。チームリーダーが「気づいたことは何でも言って」という人で、提案しやすい雰囲気がある。環境が自分を変えてくれた部分も大きいです。
7-3. クライアントとの関係性構築
――クライアントとの関係はどう変わりましたか?
「信頼してもらえる存在」になってきた感覚があります。以前は「タスクをこなしてくれる人」として見られていたと思うんですが、今は「課題を一緒に考えてくれる人」として関わってもらえるようになった。その変化が、継続案件の獲得や単価交渉のしやすさに直結しています。
8. After|単価アップと評価の変化
After|変化のポイント
- 単価80万円の案件に参画。25万円のアップを実現
- 提案・改善が評価される存在としてクライアントから信頼を得る
- 仕事の進め方が「受ける」から「動かす」に変わった
- 「また一緒に仕事したい」と言われる継続案件を獲得
8-1. 単価の変化
――単価はどのくらい変わりましたか?
55万円から80万円になりました。25万円のアップです。年間だと300万円の差になるので、数字として見ると大きいですよね。ただ、単価が上がったこと以上に、「なぜ単価が上がったか」が分かっていることが大事だと思っています。再現できるから。
8-2. 評価の変化
――評価はどう変わりましたか?
「また一緒に仕事したい」と言ってもらえるようになりました。以前は案件が終わると「お疲れ様でした」で終わっていましたが、今は継続の打診をもらったり、別の案件で声をかけてもらったりする。「評価されている」という実感が、初めて持てるようになりました。
8-3. 仕事の進め方の変化
――仕事の進め方自体は変わりましたか?
「タスクを受ける人」から「仕事を動かす人」に変わった感覚があります。受け身じゃなくて、「自分が関わることでプロジェクトが良くなる」という意識で仕事できるようになった。それが仕事の充実感にも大きくつながっています。
8-4. 自信とキャリア意識の変化
――キャリアに対する意識は変わりましたか?
「自分のキャリアは自分でつくれる」という感覚が生まれました。以前は「評価されるかどうかは運や環境次第」という感覚があったんですが、今は「行動を変えれば評価は変えられる」と分かっている。それがあると、次のキャリアの目標を立てやすいし、実現できるという根拠がある。

9. 成長のリアル|うまくいかなかったこと
9-1. 最初の失敗
――最初にうまくいかなかったことはありますか?
「提案しよう」と意気込みすぎて、的外れな提案をしてしまったことがあります。技術的には正しい提案でも、ビジネスの優先順位や現場のコンテキストを無視した提案で、「それは今じゃないね」と言われたこともありました。「提案すること」と「適切なタイミングで適切な提案をすること」は違う、というのを最初は混同していました。
9-2. 空回りした主体性
――「主体性を出そうとして逆効果」になったことは?
「積極的に見せよう」という意識が強すぎて、会議で必要以上に発言してしまったことがあります。後から担当者に「少し前のめりに見えた」と言われて。主体性は「自分をアピールすること」じゃなくて、「チームの課題を解決しようとすること」だと気づいたのはそのときでしたね。
9-3. 継続して改善したポイント
――うまくいかない経験から何を学びましたか?
「小さく始める」ことの大切さです。一度に全部変えようとすると空回りする。「今日の報告に、一言だけ次のアクションを添える」という一点だけ変えることから始める。それが定着してから、次の一点を変える。そういう積み上げが、結果として大きな変化につながりました。
あとは「フィードバックを素直に受け取る」こと。エージェントからも現場のリーダーからも、気になったことを言ってもらえるようにお願いしておく。第三者の目線なしに、自分だけで改善するのは難しいと感じています。
「空回りした経験があったからこそ、『主体性って何か』を本当の意味で理解できた気がします」
10. 指示待ちから抜け出したいエンジニアへ
10-1. 主体性はスキルではなく行動
――同じ悩みを持つエンジニアへ、まず何から伝えますか?
主体性は「性格」でも「スキル」でもなく、「行動のパターン」だということです。内向的な人でも、報告に一言を添える・問題を解決策とセットで伝える、という行動パターンさえ変えれば、主体的に見えます。「自分は指示待ちな性格だから」と諦めている人に、ぜひ知ってほしい。
10-2. 小さく変えることから始める
――具体的にどこから変えるのがおすすめですか?
「タスクが終わったときの報告の仕方」だけを変えることから始めてみてください。「終わりました」を「終わりました。次はXXが必要かと思いますがいかがですか?」に変えるだけ。たったこれだけで、相手の受け取り方が大きく変わります。一点突破が一番再現しやすいです。
10-3. 環境の影響も大きい
――環境については、どのように考えますか?
主体性を発揮しやすい環境と、そうでない環境があります。どれだけ行動を変えようとしても、「黙って言われたことだけやって」という文化の現場では評価されない。行動を変えることと同時に、「自分の動き方が評価される環境に移ること」も、キャリアを変える上で重要な選択です。エージェントに相談することで、そういった環境の情報も得やすくなります。
11. まとめ|主体性はキャリアを変える武器になる
中川さんのケースから見えてくるのは、「評価されない=スキル不足」ではなく、「評価される動き方を知らなかった」という構造です。
Java4年・タスクは確実にこなす。その状態でも単価55万円が続いたのは、技術力の問題ではなく、「評価につながる行動パターン」を持っていなかったからでした。それを理解し、報告・確認・提案の3パターンで行動を変えたことで、単価80万円・クライアントからの信頼という変化が生まれました。
再現性のある行動3ステップ
- 主体性を「行動」に落とす ——報告・確認・提案の3パターンを意識して、毎日1回は能動的にコミュニケーションを取る
- 小さく変えることから始める ——全部一度に変えようとせず、「タスク完了時の一言を変える」など一点突破から始める
- 評価される環境を選ぶ ——主体性が求められ・評価される現場に移ることも、成長を加速させる重要な選択
「指示待ちと言われるけど、具体的に何を変えればいいか分からない」——そう感じているなら、まず一度、外からの視点を借りてみることをおすすめします。行動を変えれば、評価は必ず変わります。
中川さん、貴重なお話をありがとうございました。
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※本記事に登場する人物名は仮名です。インタビュー内容は取材時点の情報をもとに再構成しています。

