「ヘルプデスクってどんな仕事?未経験でもできる?将来性はあるの?」そんな疑問をお持ちのあなたへ。
ヘルプデスクの仕事は、IT業界に興味はあるけど、どこから手をつければいいか分からないという方にとって、最初のステップとしておすすめです。しかし、「ただ電話対応をするだけ」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、元ヘルプデスクSVの経験をもとに、ヘルプデスクの仕事内容を深堀りし、その魅力や、仕事を通して身につくスキル、そして将来のキャリアパスまでを詳しく解説します。
ヘルプデスクの仕事に興味がある方、IT業界への転職を考えている方、ぜひこの記事を読んで、あなたのキャリアの選択肢を広げてください。
この記事は以下の方におすすめです!
・ヘルプデスクの業務内容について具体的に知りたい方
・他職種からヘルプデスクへの転向を検討している方
・ヘルプデスクからエンジニアへの転向を検討している方
ライター:やころ
・プロフィール
コールセンターで培ったコミュニケーションスキルを活かし、ヘルプデスクの立ち上げやSVとしてチームを率いた経験を持つ。その後、エンジニアとしてシステム運用保守に携わり、IT業界でのキャリアを積む。現在は、SEO記事作成を通じて、ITに関する情報をわかりやすく発信中。


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- ヘルプデスクとは?
- 元ヘルプデスクSVが語る!リアルな業務内容
- ヘルプデスクのやりがいと厳しさ
- ヘルプデスクで身に着けられるスキル3選
- ヘルプデスクからのキャリアパス
- ヘルプデスクの案件ならエンジニアファクトリー
- まとめ
ヘルプデスクとは?
「ヘルプデスク」という言葉を聞いて、どんな仕事か具体的にイメージできる方は少ないかもしれません。
今回は、ヘルプデスクの仕事内容を、大きく2つの視点からご紹介します。
- ヘルプデスクとコールセンターの違い
- 社内ヘルプデスクと社外ヘルプデスクの違い
それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
ヘルプデスクとコールセンターの違い
ヘルプデスクとコールセンターは、どちらも顧客対応を行う仕事ですが、その業務内容や求められるスキルに大きな違いがあります。
ヘルプデスクは、特定の製品やシステムに関する専門知識を必要とする仕事です。顧客からの問い合わせに対して、問題解決までのサポートを行います。具体的には、電話対応だけでなく、アカウント管理や関連部署との連携など、多岐にわたる業務をこなすことが求められます。そのため、問題解決能力や複数のタスクを同時に管理する能力が不可欠です。
一方、コールセンターは、電話対応に特化した仕事であり、マニュアルに沿って顧客の問い合わせに対応します。ヘルプデスクに比べて、専門的な知識は必要とされるケースが少ないですが、大量の問い合わせに迅速かつ正確に対応する能力が求められます。
社内ヘルプデスクと社外ヘルプデスクの違い
ヘルプデスクといっても、その対象によって大きく業務内容が異なります。
社内ヘルプデスクは、主に自社の社員からの問い合わせに対応します。ITシステムのトラブルやソフトウェアの使い方、社内ツールの操作に関する質問など、社内のIT環境に関するものが中心です。社員が円滑に業務を行えるよう、社内システムやツールに関する深い知識と、社内特有のルールやマニュアルへの理解が求められます。
それに対し、社外ヘルプデスクは自社の製品やサービスを利用している顧客からの問い合わせに対応します。製品の使い方、トラブルシューティング、契約内容に関する質問などが主な問い合わせ内容であり、顧客満足度向上のため、丁寧かつ迅速な対応が求められます。そのため、自社の製品やサービスに関する専門知識はもちろん、顧客対応スキルも高いレベルが求められます。
元ヘルプデスクSVが語る!リアルな業務内容
ここからは、ヘルプデスクのSV(スーパーバイザー)を経験した私が、実際の業務内容について詳しくお話しします。私は技術開発系のエンジニアリングサービスを提供する会社で、社内向けのヘルプデスクを4年経験しました。その経験から、ヘルプデスクの仕事は、単に問い合わせに対応するだけではないといえます。
日々の業務は、大きく分けて以下の業務があげられます。
【ヘルプデスクの業務内容】
電話対応 | 緊急性の高いトラブルに対して、電話で直接ユーザーに対応する。 |
メール対応 | 営業時間外の問い合わせや、詳細な情報が必要な場合に、メールで対応する。 |
アカウント管理 | 顧客のアカウントのパスワードリセット対応などを行う。 |
対応内容の記録 | 問い合わせの傾向分析や、潜在的な問題の発見のために対応内容を記録する。 |
障害対応 | システム障害発生時には、関係部署と連携して、迅速かつ正確に障害内容を案内する。 |
エスカレーション対応 | ヘルプデスクで解決できない複雑な問題の場合、より専門的な部署へ対応の引継ぎを行う。 |
さらに、ヘルプデスクの経験を積むと、リーダーやSVとして以下のような業務に携わることもあります。
メンバーのマネジメント | チームメンバーの育成、評価、モチベーション管理を行なう。 |
品質管理 | 対応品質の向上を目指し、定期的な評価や改善を行なう。 |
KPI改善 | 応答率、応答時間などの顧客満足度に関連する数値を向上させるための施策を立案・実行。 |
一言でまとめると、ヘルプデスクの仕事は、ユーザーが抱えるあらゆる問題に対して、迅速かつ丁寧に対応し、解決に導く仕事と言えるでしょう。

ヘルプデスクのやりがいと厳しさ
ヘルプデスクの仕事は、ユーザーからの問い合わせに対応し、問題解決を支援する重要な役割を担っています。日々の業務を通して、やりがいを感じる場面もあれば、その一方で、厳しさを感じる場面も少なくありません。ここでは、ヘルプデスクの仕事におけるやりがいと厳しさについて、両方の側面から詳しくご紹介します。
ヘルプデスクのやりがい
ヘルプデスクの仕事は、単なる問い合わせ対応にとどまりません。日々の業務を通して、さまざまなやりがいを感じることができます。
感謝の言葉を直接もらえる
ユーザーから直接感謝の言葉をもらえることは、ヘルプデスクの大きなやりがいのひとつです。困っている方が、自分のサポートによって笑顔になる。その瞬間、この仕事をしていて良かったと心から感じられます。
実際に例を挙げると、「社内システムの使い方がわからない」といった問い合わせに対して、操作を一つひとつ遠隔で指導して解決につなげ「ありがとう」と言われたときには喜びを実感していました。こうした問い合わせは日々よくあることですが、質問者の状況や理解度に合わせて指導することで、スムーズに解決につなげることができます。
業務効率化や生産性向上につながっている実感を得られる
ヘルプデスクの仕事は、業務効率化や生産性向上につながる実感が得られる仕事です。なぜなら、日々、ユーザーと直接コミュニケーションを取りながら、問題解決に貢献できるからです。
例えば、VPN環境下で、正しい接続手順を踏んでいない場合にのみ発生するOffice製品の動作不良のような複雑なトラブルを解決できたとき、自分の知識や経験が活かされたことを実感し、大きな達成感を得ることができます。
知識・経験の習得によって対応力の向上を実感できる
ヘルプデスクの仕事は、日々新しい知識やスキルを習得する必要があります。新しいシステムが導入されたり、既存のシステムがアップデートされたりするため、常に学習し続けることが求められます。
しかし、新しい知識を習得し、それを実際の業務に活かすことで、自分の成長を実感することができます。
最短・最速で解決に導けたときの嬉しさ
ユーザーからの問い合わせに対して、迅速かつ正確に対応し、問題を解決できたときの喜びは格別です。
例えば、ユーザーが困っている状況で、要所を的確にヒアリングし、迅速に適切な対処策を案内することができたとき、自分の貢献が会社の業務に大きく貢献できたことを実感できます。

ヘルプデスクの厳しさ
ヘルプデスクの仕事は、ユーザーからの問い合わせに迅速かつ丁寧に対応し、問題解決を支援する重要な役割を担っています。しかし、その裏側には、想像を超える厳しさや責任が伴うことも事実です。
自分の対応に責任が伴う
ヘルプデスクの対応一つ一つが、サービス品質を左右します。ユーザーからの問い合わせに的確に対応できなければ、顧客満足度が低下し、ヘルプデスク全体の評判に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、ヘルプデスクのオペレーターが誤った指示を行うことで、業務上のデータが復旧不可能になったり、端末交換が必要になったりするなど、大きなトラブルに繋がる可能性があり、その責任は重大です。
障害対応時の業務量の膨大さ
システム障害が発生した場合、ヘルプデスクは、多数のユーザーからの問い合わせに対応し、同時に障害の原因究明のために、専門部署と連携して障害復旧に臨む必要があります。特に大規模な障害が発生した場合、業務量は爆発的に増加し、残業せざるを得ない状況に追い込まれることが多々あります。
日々変化する環境への対応
IT業界は日々進化しており、新しいシステムやサービスが次々と登場します。ヘルプデスクは、常に最新の知識を習得し、変化に対応する能力が求められます。新しいシステムの導入や既存システムのアップデートなど、変化の激しい環境の中で、ユーザーに対して的確なサポートを提供し続けることは容易ではありません。
精神的な負担
ヘルプデスクは、常にユーザーからの問い合わせに追われ、精神的な負担が大きい仕事です。特に、緊急性の高いトラブルが発生した場合には、冷静さを保ちながら、迅速に対応することが求められます。また、ユーザーからのクレームに長時間対応しなければならない場合もあります。
ヘルプデスクの仕事は、責任感と高いコミュニケーション能力が求められる、やりがいのある仕事です。しかし同時に、多様なスキルや知識を習得し、常に変化に対応していく必要があります。
ヘルプデスクで身に着けられるスキル3選
ヘルプデスクの仕事を通じて、様々なスキルを身につけることができます。ここからは、ヘルプデスクで特に身につくスキルについて、以下の3つのスキルを紹介します。
・コミュニケーションスキル
・基礎的なITスキル
・問題解決能力
一つずつ見ていきましょう。
コミュニケーションスキル
ヘルプデスクでは、日々多くの人とコミュニケーションを取ることが求められます。
ユーザーは、困っている状況で問い合わせてくるため、焦っていたり、不安を感じていることも少なくありません。そんな状況下で日々の対応を行なうため、限られた時間の中で適切にヒアリングを行い、ユーザーのレベル感に合わせた言葉を選んで分かりやすく説明する力が養われます。
コミュニケーションスキルは、ヘルプデスクだけでなく、あらゆるビジネスシーンで必要とされる重要なスキルです。
基礎的なITスキル
ヘルプデスクでは、ネットワークや各種ソフトウェアに関する幅広い知識が求められます。
PCの基本的な操作はもちろんのこと、ハード面での故障の原因の見分け方や、ソフトウェアのエラーメッセージの種類、各種アプリケーションの操作方法を対応する中で身につける必要があります。
各ヘルプデスクによって扱う端末やソフトウェアは異なりますが、どの業界でも役立つ基礎的なITスキルを身につけることが可能です。
問題解決能力
ヘルプデスクでは、日々様々な問題に直面します。時に、過去の事例にないような新しい問題に遭遇することも少なくありません。そういった場合でも、冷静にユーザーから必要な情報を聞き取り、問題の原因を見極め、的確な解決策を案内することが求められます。そこから身につけられる問題解決能力もビジネスにおいて必ず必要となるスキルの一つとなります。
ヘルプデスクの仕事は、単なる問い合わせ対応にとどまらず、自己成長の機会が満載です。ヘルプデスクに興味がある方は、ぜひスキルアップを目指してみてはいかがでしょうか?

ヘルプデスクからのキャリアパス
ヘルプデスクは、IT業界の入り口として未経験者にとって魅力的な仕事です。しかし「AIの進化で仕事がなくなるのでは?」「将来性はあるの?」といった疑問を持つ方もいるでしょう。ここからは、以下3つの視点でヘルプデスクからのキャリアパスについて、現在の自分の転職後の業務内容も交えて解説していきます。
・ヘルプデスクの将来性
・ヘルプデスクでの経験を転職にどう生かすか
・転職後の業務内容
上から順に解説していきます。
ヘルプデスクの将来性
近年、AIの進化に伴い、ヘルプデスク業務の一部が自動化されるようになり、「ヘルプデスクの仕事はなくなるのではないか」という声も聞かれます。しかし、現時点において、ヘルプデスクという仕事が完全に消滅することは考えられません。その理由としては、AIが得意とする領域と、人間が担うべき領域が明確に分かれているからです。
AIは、定型的な問い合わせへの対応や、膨大なデータからの情報抽出など、効率化が求められる業務においては、高い能力を発揮します。しかし、複雑な問題の解決や、ユーザーの感情に寄り添った対応など、人間ならではの柔軟性と共感力が必要とされる場面においては、依然として人間のサポートが不可欠です。そのため、AI技術によって一定数、求人が減る可能性は捨てきれませんが、この先もヘルプデスクという仕事が求められる環境は続くでしょう。
ヘルプデスクでの経験を転職にどう生かすか
ヘルプデスクでの経験は、転職活動において大きな武器となります。なぜなら、ヘルプデスクという仕事は、お客様とのコミュニケーションを基軸に、問題解決能力、IT知識、そして常に学び続ける姿勢を養う場だからです。
コミュニケーションスキルに関しては、お客様の状況を正確に把握し、わかりやすく説明する能力が求められます。これは、どの業界においても必要とされる、非常に重要なスキルです。
また、IT知識についても、ヘルプデスクでは様々なシステムやソフトウェアに触れる機会があり、幅広い知識を習得することができます。さらに、日々新しい技術が登場するIT業界において、常に学び続ける姿勢を養うことは、変化の激しいビジネス環境に対応するために不可欠です。
これらのスキルや経験は、システムエンジニア、インフラエンジニア、テクニカルサポートなど、IT業界の様々な職種への転職に役立ちます。例えば、ヘルプデスクで培った問題解決能力は、システムエンジニアとしての問題解決能力に直結しますし、ユーザーとのコミュニケーション経験は、テクニカルサポートの仕事で非常に役立ちます。
ヘルプデスクからの転職を考えている方は、ぜひヘルプデスクでの身につけたこれらのスキルに直接結びつくような経験談を面接の場でアピールしていきましょう。

転職後の業務内容
私は以前はヘルプデスクとして、ユーザーからの問い合わせ対応を行っていましたが、現在の業務では、テストエンジニアとしてシステムの品質保証に携わり、その後、システムの運用保守を担当するようになりました。
ヘルプデスクで培ったコミュニケーションスキルは、テスト結果を開発チームに報告したり、ユーザーからのフィードバックを収集する際に非常に役立っています。また、日々新しいシステムに触れる機会が多かったため、IT知識の幅を広げることができ、現在の業務にもスムーズに移行できました。
特に、運用保守では、システム障害が発生した場合に迅速かつ正確に原因を特定し、復旧させることが求められます。ヘルプデスクで培った問題解決能力と臨機応変な対応力が、これらの業務において大きな強みとなっています。
今後は、より高度なシステムの設計・開発に携わり、自身のキャリアアップにつなげたいと考えています。そのため、プログラミングスキルの向上や、新しい技術の習得に積極的に取り組んでいます。
今、ヘルプデスクとして転職・フリーランスとして働くことを検討されている方は「現在の職種で得た知見を活かせる、応用できる」といった視点で、職種の幅を広げて検討するのも良いかと思います。ITの仕事は、スキルの応用や転用が可能なことが多いため、自身の可能性を限定せず考えてみることで、働き方や条件の面でもより満足のいく転職ができるはずです。
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まとめ
この記事では、ヘルプデスクの仕事内容ややりがい、そしてそこから広がるキャリアパスについて解説しました。ヘルプデスクは、IT業界への第一歩として、未経験者でも比較的始めやすい仕事です。ユーザーからの問い合わせ対応を通じて、コミュニケーションスキルやITスキルを向上させながら、問題解決能力を養うことができます。
ヘルプデスクの経験は、エンジニアへのキャリアアップなど、様々な可能性を広げます。しかし、IT業界は日々進化しているため、常に新しい技術を学び続ける姿勢が求められます。まずは簡単なことから始めて、ITスキルを習得し、自分のキャリアパスを築いていくことが大切です。