ノマドワーカーとは?自由な働き方のメリット・デメリットとIT系で向いている職種一覧

ノマドワーカーとは?自由な働き方のメリット・デメリットとIT系で向いている職種一覧

「カフェで働く」「旅をしながら収入を得る」そんな自由な働き方に憧れたことはありませんか?それは、まさにノマドワーカーというスタイルです。

本記事では、IT系フリーランスやリモートワーク経験者向けに、「ノマドワーカーとは何か?」という基本から、向いている職種、必要なスキル、メリット・デメリットまでを実務レベルで深掘りします。

  • ノマド向きのITスキルって何?
  • フリーランス・テレワークとの違いは?

こんな疑問を持つあなたに向けて、実践に役立つ情報を詰め込みました。ノマドという働き方を検討しているなら、まずはこの記事から理解を深めてみてください。

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ノマドワーカーとは?定義と働き方の特徴をIT系視点で解説

リモートで自由に働けるスタイルが注目される中、「ノマドワーカーって実際どういう人?」と感じる方も多いのではないでしょうか。

ここでは、ノマドワーカーの定義や特徴、他の働き方との違い、主な仕事内容をIT系フリーランス視点で整理します。

ノマドワーカーの意味|語源「遊牧民」から現代の働き方まで

「ノマド」とは、「遊牧民」を意味する英語の「nomad」に由来します。遊牧民は、特定の定住地を持たず、各地に移り住む生活スタイルです。この様子から、決まった場所に縛られず、カフェやコワーキングスペース、自宅、旅先などで仕事をする人をノマドワーカーと呼ぶようになりました。

インターネット環境とPCさえあれば、どこでも仕事ができるIT系の職種が普及し、実現可能となった新しい働き方です。時間や場所にとらわれない自由なスタイルが、多くの人を魅了しています。

クラウド技術の進化や業務のオンライン化が後押しとなり、好きな場所で働くスタイルは今後さらに一般化していくと考えられるでしょう。

フリーランスやテレワークとの違いは?

ノマドワーカーは、フリーランスやテレワークと混同されがちですが、それぞれに違いがあります。以下、簡潔に整理してみました。

働き方雇用形態働く場所案件スタイル
ノマドワーカー個人条件によっては会社員も可能限定されない単発案件や長期間の継続契約自ら営業して仕事を得る所属企業で発生した案件 など
フリーランス企業に属さない自宅やクライアント企業など比較的自由案件単位が多い複数の企業から受注するケースもある
テレワーク企業に雇用されているケースが多い自宅や指定されているサテライトオフィスなど雇用契約に基づく業務

ノマドワーカーはテレワークの一種とも捉えられますが、ノマドワーカーが「場所を転々として働く」という移動性を持つのに対し、テレワークの場合は会社員が自宅や指定場所で業務にあたるケースが一般的です。

また、必ずしもフリーランスとは限りません。会社員であっても、フレックス制度やワーケーション制度を使えば、ノマドワーカー的な働き方ができる場合もあります。

デジタルノマドワーカーとの違いも整理

最近では「デジタルノマドワーカー」という言葉を耳にする機会が増えました。ノマドワーカーとデジタルノマドワーカーの違いは、「海外での働き方」と「移動の頻度や拠点」にあります。

デジタルノマドワーカーは、IT技術を活用して国境を越えて働く人々を指し、海外各国を渡り歩く働き方を実践しています。観光地や物価の安い国を旅しながら仕事をする人も少なくありません。

この場合、現地のビザ取得や法的な問題、異なるタイムゾーンでの顧客とのやり取りなども考慮する必要があります。

一般的なノマドワーカーの場合は、国内での移動が中心であったり、特定の場所を拠点として一時的に定住して働いたりするケースも含まれます。どちらもIT環境に依存する点は共通していますが、デジタルノマドは特に「海外での多拠点移動」に重点を置いている点が特徴です。

ノマドワーカーは「何してる人?」|代表的な仕事内容と業務例

ノマドワーカーの多くはIT系のスキルを活かして働いています。

代表的な仕事には、Webサイトの制作や運用、ライティング、プログラミング、動画編集、マーケティング業務などがあります。案件ごとにオンラインで受注し、納品や連絡もすべてリモートで完結するケースがほとんどです。

また、近年ではIT系以外の分野でもノマドワークが広がっています。

【ノマドワークの例】

職種業務内容
カスタマーサポートチャット対応やメール返信など
オンライン講師・家庭教師語学や資格講座など
翻訳・通訳文書翻訳・同時通訳など
データ入力・事務アシスタント経費精算、スケジュール管理
イラストレーター・漫画家デジタル作画環境の整備により実現
コンサルタント経営・IT・キャリアなどの領域で活動
eコマース運営ECサイトの商品管理・顧客対応
SNS運用代行個人・企業アカウントの運用・管理
ブロガー・アフィリエイター広告収益型の情報発信

ITスキルの有無に関わらず、インターネットを介して進める業務であれば、ノマド的な働き方は実現できます。

ノマドワーカーに向いているIT系職種とは?

ノマドワークと相性が良い職種は、PCとネット環境があれば完結できる「非対面・成果物型」の業務です。代表的な職種は以下の通りです。

Webエンジニア・プログラマー

Webエンジニアやプログラマーは、ノマドワークに適した職種です。プログラミング言語を用いたシステム開発やWebサイト構築は、パソコンとインターネット環境さえあればどこでも作業できます。

業務委託で特定のプロジェクトに参画したり、月額契約でシステムの保守・運用を担ったりする案件が多いでしょう。フルリモートの案件も豊富で、クライアントとのやり取りはビデオ会議ツールやチャットツールが中心です。

自分のペースで集中して作業を進められるため、時間や場所にとらわれないスタイルで働きやすいといえるでしょう。

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Webデザイナー・UI/UXデザイナー

WebデザイナーやUI/UXデザイナーといったクリエイティブ職も、ノマドワークで活躍しやすい職種です。Webサイトやアプリケーションのデザイン制作は、Adobe PhotoshopやIllustrator、Figmaなどのデザインツールがあれば場所を選ばずに作業できます。

クライアントとの打ち合わせはオンラインでおこない、デザインのレビューや修正依頼もクラウド上の共有ツールで完結するケースがほとんどです。カフェやコワーキングスペースでインスピレーションを得ながらデザインに取り組み、自分のペースでクリエイティビティを高めながら仕事を進められます。

ノマドとして活躍するには、PhotoshopやIllustratorなどの基本スキルに加え、UX設計やプロトタイピング、レスポンシブ対応の知識があると良いでしょう。

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Webライター・編集者

Webライターや編集者もノマドワークと相性が良い職種です。クライアントからの依頼を受けて、記事の執筆や構成作成、校閲、編集に携わります。

文章力はもちろんのこと、SEOや執筆する分野に関する深い理解が求められる仕事です。案件は企業のオウンドメディア、個人ブログ、LP(ランディングページ)のテキスト作成など多岐にわたります。

記事作成で使うのはGoogleドキュメントやWordファイルなどで、連絡はチャットツールが中心です。移動中や出先でもすぐに連絡を取り合えるため、記事作成で生じる疑問もすぐに解消できるでしょう。

ただし、文字のみのコミュニケーションは誤解が生じやすいため、言葉の選び方や相手への気配りなどに細やかな配慮が必要です。

SEOコンサルタント・Webマーケター

SEOコンサルタントやWebマーケターも、ノマドに適しています。ウェブサイトの分析、戦略立案、施策実行や効果測定といった一連の業務を、オンラインツールで進めるケースがほとんどだからです。

打ち合わせはGoogleMeetやZoom、データ分析にはGoogle Analyticsなどのオンラインツールを使用し、仕事場所の制約はほとんど感じないでしょう。

案件獲得に関しても、SNSでの発信やブログでの実績公開、クラウドソーシングの活用など、オンラインでの活動が中心です。

常に最新の情報をキャッチアップし、分析力と提案力があれば、どこにいても価値を提供できます。成果が数値ではっきり示される仕事なので、リモートでも評価されやすいのが特徴です。

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動画編集・クリエイティブ職

動画編集などのクリエイティブ職も、ノマドワークが可能な職種です。動画編集ソフトはPCにインストールして使用できますし、大容量のデータ転送もクラウドストレージサービスを利用すれば問題ありません。地方に滞在しながらYouTubeの動画編集をしている人も多く見られます。

以下の機材があれば作業効率が向上するでしょう。

  • 高性能なノートPC
  • 色の再現性が高い外部モニター
  • 高速な外付けSSD/HDD

さらに、クラウドツールを活用すれば場所にとらわれずに共同作業を進められます。

  • Adobe Creative Cloud
  • DaVinci Resolve Cloud
  • Google Drive
  • Dropbox
  • Frame.io

撮影は現地で赴く必要がありますが、編集作業は場所を選びません。顧客との打ち合わせもオンラインで完結できるため、非常に柔軟な働き方が実現できます。

ノマドワーカーに求められるスキルセットとは?

ノマドワーカーとして安定して働くためには、ITスキルだけでは不十分です。
“場所にとらわれない自由な働き方”を実現しながら成果を上げるには、4つの力(専門性・自己管理・営業力・ITリテラシー)をバランスよく身につける必要があります。

ここでは、ノマドワークに欠かせないスキルセットと、その理由を詳しく解説します。

専門スキル(IT・Web・クリエイティブ)

ノマドワーカーとして成功するには、専門分野における高いスキルが不可欠です。

ノマドな働き方は自由度が高い反面、周りに同僚や上司がいないため、すぐに相談しづらい特徴があります。しかし、高いスキルがあれば想定外の事態にも対応できます。

【専門スキルの例】

  • Webエンジニア:プログラミング言語やフレームワークの知識
  • Webデザイナー:デザインツールやUI/UXの知識
  • Webライター:文章力やSEO・LLMOの知識

IT職やクリエイティブ職は、自分自身のスキルが収入に直結します。常に最新の知識や技術を学び続ける意識も大切です。実務経験を通じてスキルを磨けば、クライアントに高品質な成果物を提供でき、信頼度も収入も上がっていくでしょう。

自己管理能力(時間・業務管理)

ノマドワーカーは決まった時間にオフィスに出勤する必要がなく自由な働き方が魅力ですが、高い自己管理能力が必須です。常に自分でスケジュールを立てて、業務を進めなければなりません。タスク管理ツールやカレンダーアプリを活用して、作業する時間をはっきりさせると良いでしょう。

規則正しい生活リズムの維持も大切です。ノマドワーカーは基本的に一人で仕事を進めるため、急な体調不良でも周囲のフォローがすぐ得られない可能性があります。仕事とプライベートの境界線が曖昧になりがちなので、意識して休憩時間を作ったり適度な運動を取り入れたりして、心身の健康を保つ努力が必要です。

自己管理ができなければ納期を守れず、クライアントからの信頼を失う可能性があります。ノマドワーカーとして成功するためには、自律的な働き方を身につける必要があるでしょう。

営業力(案件獲得力)

ノマドワーカーとして安定した収入を得るためには、継続的に案件を獲得する営業力が求められます。クラウドソーシングサイトの活用はもちろん、SNSでの情報発信や、これまでの実績をまとめたポートフォリオサイトの作成も有効です。過去のクライアントと良好な関係であれば、紹介を通じて新しい案件を獲得するケースも珍しくありません。

また、コミュニケーション能力も非常に重要です。クライアントのニーズを把握してスムーズに意思疎通できれば、信頼関係が生まれ、次の仕事につながる可能性が高まります。積極的に人脈を増やし、自分の市場価値を高めることが営業を成功させるコツです。

さらに、切れ目のない案件獲得のためには、積極的に情報収集し、自らをアピールしていく姿勢が必要となります。

ただし「本業と営業を同時進行するのは大変」という方も多いでしょう。そこでおすすめなのが、フリーランス就業支援エージェントの活用です。たとえばエンジニアファクトリーのエージェントは、あなたの経験やスキル、志向性をもとに最適な案件をご提案。面倒な営業活動をすべて代行するので、時間を有効に使うことができます。

さらに、孤独になりがちなフリーランス活動を徹底サポート。福利厚生サービスや定期的なご連絡で、快適なフリーランス生活を送ることができます。まずは情報収集感覚のご相談でOK。IT業界特化のエージェントが二人三脚であなたの事業を推進するエンジニアファクトリーをご活用ください。

ITツール活用力(Slack、Zoom、Notion等)

ノマドワーカーにとって、ITツールを使いこなす能力は必須です。オンラインでの共同作業や情報共有が基本となるため、ITツールの活用はノマドワークの生産性を大きく左右します。

主なオンラインツールは以下のとおりです。

ツール説明
コミュニケーションツールSlack、Zoom、Google Meetなど クライアントやチームメンバーとのリアルタイムなテキストチャット、音声通話、ビデオ会議に必要。場所を問わず円滑なコミュニケーションを可能にする
プロジェクト・タスク管理ツールNotion、Trello、Asanaなど案件の進捗管理、タスクの割り当て、情報共有を効率化し、納期遵守やチーム連携をサポートする
ファイル共有・ストレージツールGoogle Drive、Dropbox、OneDriveなど大容量ファイルの安全な共有、共同編集、バックアップに利用する。クリエイティブ職には必須
その他パスワード管理ツール複数のサービスを利用する際のセキュリティ、利便性を高める
VPNサービス公衆Wi-Fi利用時の情報セキュリティを強化する

これらのツールは業務効率アップのためだけでなく、クライアントとの円滑な連携にも欠かせません。新しいツールが出てきたら積極的に試し、自分の仕事に活かせるかどうか検討することをおすすめします。

ノマドワーカーのメリット|場所や時間に縛られない自由な働き方

ノマドワークは、IT系フリーランスにとって「働き方の自由度」を最大化できるスタイルです。

ここでは、実際にノマドで働くことで得られる主なメリットを、4つの観点からわかりやすく解説します。

好きな場所で働ける

ノマドワーカーの最大のメリットは、地理的な制約から解放され、働く場所を自由に選択できる点です。個人のライフスタイルや業務内容に合わせた環境を作れます。

例えば、自宅、カフェ、コワーキングスペース、旅先の宿泊施設、さらには海外の都市など、その日の気分や状況に応じて好きな場所で働けるのがメリットです。

働く場所を変えると、新鮮な刺激を得て新たな発想が生まれやすくなり、創造性や集中力が高まるでしょう。自由な働き方は精神的な負担を軽減し、生産性も上がります。

ノマドワークであれば、個人のライフスタイルに合わせた最適な働き方が可能です。地域に根ざした活動に取り組んだり、家族と過ごす時間をたっぷり確保し、生活の質を高められる点も魅力です。

通勤ストレスがない

毎日の通勤は、多くの人にとって大きなストレスの要因です。満員電車での混雑、長時間の移動、悪天候時の不便さなど、通勤には多くの負担が伴います。しかし、ノマドワーカーであれば通勤のストレスはありません。

通勤に費やしていた時間を睡眠や趣味、自己学習などに充てられるため、精神的・肉体的な負担が軽減され、日々の生活の質が向上するでしょう。十分に睡眠をとり、好きなことにもたくさん時間を費やすことで、心身ともにリフレッシュでき、業務効率と生産性の向上にも有効です。自身が快適と感じるリズムで働けるため、健康的でゆとりのある生活が送れるようになります。

ノマドな働き方はワークライフバランスを改善に導き、生活の質も上げる働き方ともいえるでしょう。

時間の使い方が柔軟|ワークライフバランス向上

ノマドワーカーは、フレキシブルな働き方でワークライフバランスを充実させられるのもメリットです。クライアントとの納期を守りさえすれば、いつ、どれくらいの時間働くかは基本的に自分で決められます。そのため、個人のライフスタイルに合わせた最適なワークライフバランスを実現できるのです。

例えば、平日の日中に役所の手続きや病院の受診を済ませたり、子どもの学校行事に参加したりもできます。また、混雑するシーズンを避けて旅行したり、自己啓発のために時間を費やしたりもしやすいです。

ノマドワーカーになれば仕事とプライベートの調和がとれ、家族との時間や自己投資の時間を確保できます。その結果、生活の質は格段に向上するでしょう。

さらに、体調や集中力の波に合わせて業務時間を調整できるため、無理なく高いパフォーマンスを維持できるようにもなります。

多様な案件経験でスキルが広がる

ノマドワーカーとして活動する最大の魅力の一つが、業界や業務内容を問わず、幅広い案件に関われることです。とくにフリーランスであれば、複数の企業・プロジェクトを並行して進めることが一般的です。この経験が、実践的なスキルの幅と深さを自然と広げてくれるでしょう。

例えばWebエンジニアであれば、ECサイト構築・業務システム開発・アプリUIの改善など多様な技術に触れることができ、技術的な引き出しが増えていきます。ライターやマーケターであれば、業種ごとの文体・読者理解・SEO手法などの応用力がつき、あらゆる分野に対応できるライティング力が身につきます。

さらに、異なる企業文化やチーム体制、進行スタイルを体験することにより、ビジネスコミュニケーション力や課題解決力も強化されていきます。これは、1社に属していてはなかなか得られない視点です。結果として、経験の蓄積が「自分にしかないスキルセット」や「適応力の高い人材」という形で現れ、より良い条件の案件選択・高単価化・独自のポジション確立へとつながります。

ノマドワークは単なる自由な働き方ではなく、スキルとキャリアを戦略的に伸ばせる環境でもあるのです。

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ノマドワーカーのデメリット|収入・自己管理・孤独感などの課題

ノマドワーカーにはデメリットもあります。収入面や作業環境など、ひとりで働く影響はゼロではありません。ここではノマドワーカーとなるデメリットについて詳しく見ていきましょう。

収入の不安定さ|継続案件が得られないリスク

ノマドワーカー、特にフリーランスの場合のデメリットは収入の不安定さです。企業に雇用される場合と異なり、毎月固定の給与が支払われるわけではなく、案件の獲得状況によって収入が変動します。

プロジェクトベースの働き方では、案件が終了した際に次の案件がすぐに得られない場合、一時的に収入が途絶えるリスクもあるでしょう。

例えば、大規模なプロジェクトが完了してもすぐに次の大型案件が見つかるとは限りません。同等の案件を獲得するまでに数週間から数ヶ月かかる可能性もあります。この期間は収入が少なくなるため、生活費や固定費の支払いに影響を及ぼし、経済的な不安を生むでしょう。市場の需要変動や競合の増加によって、希望する単価での案件獲得が難しくなるケースもあり得ます。

こうした収入の浮き沈みに対応するためには、複数のクライアントと同時期に契約したり常に新規案件を探したりするなど、収入源を多角化する努力が必要となってくるでしょう。加えて、自分のスキルを磨いて市場価値を高め、安定した案件獲得と収入を目指す必要があります。

働く場所による通信環境・セキュリティ問題

ノマドワーカーは多様な場所で業務を進める特性上、通信環境とセキュリティに関する課題を抱えています。

公衆Wi-Fiは、通信速度の不安定さや接続の切断という懸念点があり、オンライン会議や大容量データの送受信といった業務の円滑な進行を妨げる場合があります。

さらに、データ傍受や不正アクセスなどのセキュリティに関するリスクを伴うため、機密情報を取り扱う際には注意が必要です。情報漏洩を防ぐためには、VPN(仮想プライベートネットワーク)の利用や、個人用モバイルルーターの活用が有効です。

また、パソコンの充電不足や周囲の騒音は、作業効率を著しく下げます。安定した通信環境と作業場所の確保は、ノマドワーカーの普遍的な課題です。

自己管理能力が必須|納期や健康管理の負担

ノマドワーカーは、会社員のように決められた時間に出社する必要がないため、高い自己管理能力が必要です。業務とプライベートの境界が曖昧になりやすく、業務時間と休息時間のバランスが崩れるケースもあります。

ノマドワーカーは、納期やタスクの管理、そして自分の健康管理をひとりで担わなければなりません。業務に没頭しすぎると、睡眠不足や運動不足に陥ります。仕事と休息のバランスが崩れた状態が続くと、高いパフォーマンスを維持するのが難しくなるでしょう。

そのため、意識的に休息時間を設け、バランスの取れた食生活や適度な運動を心がけるなど、体調管理に努める必要があります。自己管理を怠ると業務の質が落ち、クライアントからの信頼を失うことにもつながりかねません。

孤独感や情報不足に悩むケースも

ノマドワーカーは基本的に単独で業務を進めるため、孤独感が生じやすい点がデメリットです。オフィス勤務と比べて同僚との交流が少ないため、時間の経過とともに孤立感につながる場合があります。業務に関する相談や意見交換の機会が限定される点も、孤独を強く感じる要因です。

また、社内情報や業界の最新情報が自然に入手しにくく、情報不足に陥るリスクがあります。業界の動向や新しい技術に関する情報が遅れると、新たなビジネスチャンスを失う可能性があり、キャリア形成やビジネスチャンスの獲得において不利です。

孤独感や情報不足を解消するためには、コワーキングスペースの利用やオンラインコミュニティへの参加、業界イベントへの積極的な参加など、意識的に人とのつながりを構築する努力が必要です。最新情報の収集も忘れてはなりません。

企業側から見たノマドワーカー活用時の注意点

企業がノマドワーカーを活用する際には、コミュニケーションの方法やセキュリティの課題、従業員の評価方法など、さまざまな点に注意が必要です。

注意点課題具体的な対策
コミュニケーション対面での打ち合わせが難しい認識のズレが発生しやすい・コミュニケーションツールの導入
・定期的な進捗確認
・ドキュメント共有の習慣化
情報セキュリティ外での作業による情報漏洩リスクがある・VPNの利用推奨
・アクセス権限の適切な管理
・デバイスのセキュリティ対策・情報取り扱いガイドライン作成
評価制度勤務状況の把握が困難公平な評価基準の設定・定期的な面談の実施
・明確な成果指標の設定
・成果重視の評価システム構築

これらの点を検討しないままノマドワーカーを導入すると、トラブルの元となり、企業の生産性や信頼性に悪影響を与える可能性があります。事前の準備と適切な管理体制の構築が、ノマドワーカーを活用するうえでは不可欠です。

ノマドワーカーになるには?案件探しと実践スタートの流れ

「ノマド的な働き方に憧れるけれど、何から始めればいいのかわからない」そんな方に向けて、ここではノマドワーカーとして活動を始めるための具体的なステップをわかりやすく紹介します。

案件の探し方、仕事環境の整備、契約時の注意点など、未経験からでも着実に実践できる流れをステージごとに解説していきます。

まずは、自分に合った案件と出会うことから始めてみましょう。

1. 案件探し

ノマドワーカーが実際に案件を見つける方法は様々です。クラウドソーシングサイトやエージェントサービス、SNS、直接営業などがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

クラウドソーシングサイト(CrowdWorks、Lancers、Fiverrなど)

ノマドワーカーが案件を見つけるうえで、最も手軽に始めやすいのがクラウドソーシングサイトの活用です。インターネット環境さえあれば、場所を問わず全国・海外から仕事を受注できるのが大きな魅力です。

ここでは、国内外で代表的なクラウドソーシングサイトとその特徴を簡潔にまとめました。

サイト名特徴
クラウドワークス470万人が登録している国内最大級のサイトフリーランスを支える保険やローンがあるオンラインコミュニティをはじめとしたスキルアップ支援が充実
ランサーズ350種以上の仕事カテゴリランク制度で信頼性を高める仕組みを完備フリーランス向けの福利厚生サービスが充実している
クラウディア独⾃の⾼単価・非公開案件へのスカウトありシステム手数料が3~15%と他社より安い自分で応募・スキルを販売・オファーを待つなど受注方法が多様
Fiverrサービスを「ギグ」として出品するスタイルWebデザイン、AI開発、アプリ開発など多彩な案件を保有160ヶ国のフリーランス・企業が利用している
Freelancer世界最大のクラウドソーシングサイト6千万人以上のユーザーが登録している2,700以上の仕事カテゴリーがある
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エージェントサービス(エンジニアファクトリー)

高単価かつ安定した案件を探したいIT系フリーランスには、「エンジニアファクトリー」の活用がおすすめです。

スキルや希望条件をもとに、非公開案件を含む幅広い案件を提案してくれるため、自分に合った仕事を効率よく見つけられます。フルリモートや週3日から対応可能な案件も豊富で、働き方の柔軟性を重視するノマドワーカーにも適しています。

また、契約交渉やトラブル時のフォローも対応してくれるため、営業が苦手な方にとっても心強い存在です。案件探しの手間を省きつつ、適正な報酬で質の高い仕事に出会いたい方は、エージェント経由の選択肢として検討してみてください。

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SNSや人脈による直接営業

SNSや人脈を通じた“直接営業”も、ノマドワーカーにとって有効な案件獲得手段のひとつです。自分の活動やスキルを日常的に発信することで、企業や個人から自然と声がかかるケースも増えてきています。

たとえば以下のようなシーンが考えられます。

  • SNSで公開した自作アプリや実績が企業の目に留まり、仕事の依頼が来る
  • 勉強会やオンラインコミュニティでのつながりが新規案件に発展する
  • 過去のクライアントからの紹介で、継続的なプロジェクトを受注する

直接営業のメリットは、中間マージンが不要なため高単価の案件につながりやすいこと。
日頃からSNSで専門性を発信したり、コミュニティに参加してネットワークを築いたりすることで、チャンスは着実に広がっていきます。

2. 仕事環境の整備|PC・ネット環境・セキュリティ対策

ノマドワーカーとして継続的に成果を出すためには、どこにいても安定して作業ができる環境構築が欠かせません。以下の3点は「信用されるノマド」の基本インフラとも言える要素です。

1. 業務内容に見合ったPCスペックを選ぶ

メールや資料作成が中心の業務と、動画編集やUIデザインを行う業務では、求められるマシンスペックはまったく異なります。処理性能(CPU)、作業効率に直結するメモリ容量、グラフィック処理の必要性などを踏まえ、「動作が遅くて業務が止まる」ことのない構成を選定しましょう。

2. 通信トラブルを回避するための多重化

リモート会議やクラウド上での作業が日常的に発生するため、インターネットの品質が業務品質そのものを左右します。固定回線の品質改善はもちろん、停電時や外出時に備えて「ポケットWi-Fi」や「スマホのテザリング」などの冗長化も必須です。通信が不安定な人材は、それだけで機会を失う可能性があります。

3. 情報セキュリティ対策は「信用」の土台

クライアントからの信頼は、納期遵守や技術力だけでなく「情報を守れるかどうか」にも左右されます。公共Wi-Fiの利用時はVPNを通す、ウイルス対策ソフトを常駐させる、業務データは自動でクラウドにバックアップする。こうした習慣があなたの「信用資産」となります。

3. 案件スタート時の注意点|契約・納期・トラブル防止策

新たな案件が始まる際は、後々のトラブルを防ぎ、信頼関係を築くうえでも事前準備が欠かせません。最初の段階でしっかりと対応しておくことで、仕事の進行がスムーズになります。

1. 契約内容は「書面」で合意を

以下の項目は、契約書や発注書などで明文化しておくのが原則です。

  • 業務範囲と内容
  • 報酬・支払い条件
  • 納期と成果物の定義
  • 著作権の帰属
  • 契約期間と終了条件
  • 秘密保持義務(NDA)

とくにトラブルになりやすいのは、「修正対応の回数」や「追加費用が発生する条件」などの曖昧な部分。これらはあいまいなまま口頭やチャットで進めると、誤解を招きやすく、のちの信頼損失にもつながります。

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2. 納期とスケジュールは“余白”が重要

納期はクライアントの希望をふまえつつ、自分の稼働ペースに合わせて調整を。体調不良や急な家庭の事情など、予期せぬトラブルにも対応できるよう、1〜2日のバッファを設けることをおすすめします。加えて、進捗報告の頻度や連絡手段(メール、Slackなど)も、最初にすり合わせておくと双方の安心につながります。

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3. トラブル防止には「見える化」と「保険」

仕事を円滑に進めるには、こまめな進捗報告・確認・相談が欠かせません。とくに業務中の仕様変更や認識のズレは、都度共有することで大きな問題への発展を防げます。

さらに、納品ミスや情報漏洩といった“万が一”に備えて、フリーランス向けの賠償責任保険への加入も検討しましょう。数千円〜/月で安心感が得られます。めには、案件スタート時の準備を丁寧に行うことが何より大切です。

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まとめ

ノマドワーカーは、場所や時間に縛られない自由な働き方が魅力ですが、収入の不安定さや自己管理の難しさ、孤独感、情報不足といった課題を抱えています。

充実したノマドライフを送るためには、IT系の専門スキルだけでなく、自己管理能力や快適な仕事環境の整備、そしてトラブル予防策の準備が不可欠です。クラウドソーシング、エージェント、SNSを効果的に活用し、自身の専門性を積極的にアピールすることが、高単価案件の獲得と持続的なキャリア構築につながるでしょう。

自分らしい働き方を実現するために得意なITスキルを活かし、ノマドという選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

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